JPH03288640A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

Info

Publication number
JPH03288640A
JPH03288640A JP8906490A JP8906490A JPH03288640A JP H03288640 A JPH03288640 A JP H03288640A JP 8906490 A JP8906490 A JP 8906490A JP 8906490 A JP8906490 A JP 8906490A JP H03288640 A JPH03288640 A JP H03288640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
polymer layer
weight
polymer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8906490A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Nishikawa
西川 宣昭
Masao Inoue
井上 雅勇
Takashi Joko
上甲 高志
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP8906490A priority Critical patent/JPH03288640A/ja
Publication of JPH03288640A publication Critical patent/JPH03288640A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐候性保護フィルム等に用いられる積層フィ
ルムに関する。
[従来の技術] フッ化ビニリデン系重合体(以下PVDF系重合体と称
す。)は■耐候性、■機械的性質、■耐摩耗性、■耐薬
品性に優れ、特に■および■の特徴を生かして屋外で用
いられる耐候性保護フィルム等に利用されることが多い
またPVDF系重合体は、一般の樹脂との相溶性、密着
性は悪いがアクリル系重合体とは極めて相溶性が良いの
で、アクリル系重合体と積層させて、他の樹脂と貼り合
せることが知られている。
例えば、PVDF系重合体フィルムにアクリル系重合体
を接着層として適用する技術が、特開昭57−5997
1号、同57−142359号、同57−187248
号、同59−10[)53号、同59−125981号
、同59−212223号の各公報等に開示されている
[発明が解決しようとする課題] PVDF系重合体と、アクリル系重合体とを積層するに
際し、アクリル系重合体は一般に硬く、脆いため、弾性
を付与する必要がある。弾性を付与する方法としては、
例えば弾性体をブレンドする方法、弾性体成分を単純に
共重合させる方法、あるいは弾性体に樹脂成分をグラフ
ト重合させて多段重合体とする方法等が行われてきた。
これらのうち、特にその耐候性を特徴としたフィルム、
シート成形用素材としてはアクリルゴムな含有する多層
重合体が使用されるようになってきた。しかしながらこ
のような多層重合体も耐ストレス白化性、耐水白化性等
にかける面があり、未だ十分満足できる特性が得られて
いない。
これらの耐白化性はフィルムやシートとして単独に、も
しくは他の基材への積層材として使用する場合に極めて
重要な因子となり、折り曲げ時に白化を生ずるとその商
品価値の著しい低下を招くことになる。アクリルゴムを
含有する多層重合体としては例えば特開昭52−339
91号公報および特公昭49−46158号公報等に提
案されているが、かかる重合体はただ単純に架橋弾性体
に樹脂を多層重合しているだけのものであり耐白化性を
解決するには至っていない。
本出願人は、これらの問題点を解決する方法としてティ
パー構造を有する多層構造重合体を提案し、先に出願し
た(特開昭51−129449号、同52−56150
号)。かかる多層重合体は独特のティパー構造とグラフ
ト効果により極めて優れた耐ストレス白化性と透明性を
有する耐衝撃性重合体である。
さらに一般のアクリル系フィルムに共通する実用上の大
きな問題点として、温水や湛水に浸すと容易に白化現象
を起すという点がある。
本発明の目的は、かかる現状に鑑み、アクリル系フィル
ムの耐水白化性を改善し、耐候性、耐薬品性に優れるP
VDF系重合体重合体層る積層フィルムであって、透明
性、耐ストレス白化性、耐水白化性に優れ、また各層間
の密着性に優れる積層フィルムを提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明は、フッ化ビニリデン系重合体層(I)とアクリ
ル系多層構造重合体層(II)とが積層されてなる積層
フィルムであって、該アクリル系多層構造重合体が、 80〜100重量部の、炭素数1〜8のアルキル基を有
するアルキルアクリレートおよび/又は炭素数1〜4の
アルキル基を有するアルキルメタクリレ−1−(AI)
、0〜20重量部の共重合可能な二重結合を有する単量
体(A2)、0〜10重量部の多官能性単量体(Ai、
およびこれらA1−A3の合計量100重量部に対し0
.1〜5重量部のグラフト交叉剤(A4)を重合させて
成る最内層重合体(A)層 80〜100重量部の炭素数1〜8のアルキル基を有す
るアルキルアクリレート(Bl)、0〜20重量部の共
重合可能な二重結合を有する単量休(B2)、0〜10
重量部の多官能性単量体(B3)、およびこれらB1〜
B3の合計量100重量部に対し0.1〜5重量部のグ
ラフト交叉剤(B4)を重合させて成る架橋弾性重合体
(B)層;ならびに 51〜100重量部の炭素数1〜4のアルキル基を有す
るアルキルメタクリレート(C1)および0〜49重量
部の共重合可能な二重結合を有する単量体(C2)を重
合させて成るガラス転移温度が少なくとも60℃なる最
外層重合体(C)層を有し、架橋弾性重合体(B)層と
最外層重合体(C)層との間に、 10〜90重量部の炭素数1〜8のアルキル基を有する
アルキルアクリレート(D、1.90〜10重量部の炭
素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレー
ト(B2)、0〜20重量部の共重合可能な二重結合を
有する単量体(B3)、0〜10重量部の多官能単量体
(B4 ) 、およびこれらり、〜D4の合計量100
重量部に対し0.1〜5重量部のグラフト交叉剤(B5
)を重合させて成る中間重合体(D)層を有し、該中間
重合体り層中のアルキルアクリレートの量か架橋弾性重
合体B層側から最外層重合体C層側に向って単調に減少
するものであって、かつ、該アクリル系多層構造重合体
のゲル含有量が少なくとも50%で、残存金属含有量が
500ppm以下であることを特徴とする積層フィルム
である。
すなわち、特定のアルキルアクリレートまたはアルキル
メタクリレートを主成分とする最内層重合体Aの存在下
でアルキルアクリレートを主成分とする架橋弾性重合体
Bを重合し、最外層としてアルキルメタクリレートを主
成分とするガラス転移温度か少なくとも60’Cの最外
層重合体Cを配置し、該重合体B層と該重合体C層との
間にアルキルアクリレートの量が該重合体B層から該重
合体C層に向って単調減少するような中間重合体り層を
介在させた多層構造重合体であって、しかも最外層重合
体C以外の各重合体層中に特定範囲量のグラフト交叉剤
を用い最終重合体(アクリル系多層構造重合体)のゲル
含有量と残存金属含有量が特定量に規定された多層重合
体よりなる層IIと、PVDF系重合体よりなる層■と
を積層することにより、上記の目的が達成される。
本発明においてフッ化ビニリデン系重合体とはフッ化ビ
ニリデン重合体およびその共重合体、またはこれを主成
分とした重合体組成物をいう。
フッ化ビニリデンと共重合しうるものとしてはフッ化ビ
ニル、テトラフロロエチレンなどのフッ素化合物の他に
、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアク
リル系又はメタクリル系モノマーを使用することができ
る。上記共重合体を製造するには乳化重合、懸濁重合な
ど公知の共重合体の製造方法が特に制限なく適用できる
一般にアクリルゴムはジエン系ゴムに比べると耐候性に
優れる反面弾性回復が遅くストレスに対する変形が大で
、かつゴム効率も小さい性質を示す。すなわち優れた耐
候性を保持したまま耐溶剤性、耐水白化性等の諸性質を
も具備させるためには従来の一層のみからなる弾性構造
では限度がある。
本発明においてはこのような欠点を解決するために架橋
弾性重合体(B)の芯に最内層重合体(A)を存在させ
たものである。すなわち最内層重合体(A)の存在によ
ってストレスを与えたときに架橋弾性重合体(B)層中
に集中される応力を分散させて緩和させ、この結果ミク
ロボイドの発生率も大となって見かけ上応力白化を生じ
なくても優れた耐衝撃性を示すものと考えられる。
以下の説明において特に断わりのないかぎり、「部」お
よび「%」は重量基準のものである。
最内層重合体(A)を構成する炭素数1〜8のアルキル
基を有するアルキルアクリレ−1−(AI)としては直
鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルア
クリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−オ
クチルアクリレートなどが単独又は混合で用いられるか
ガラス転移点Tgの低いものかより好ましい。また炭素
数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート
(A1)としては直鎖状、分岐状のいずれでも良く、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピル
メタクリレート、ブチルメタクリレート等が単独または
混合で用いられる。これらアルキル(メタ)アクリレー
ト(AI )はトータルで80〜100部の範囲で用い
られる。またこれらアルキル(メタ)アクリレートはそ
の後全多段層(A〜D)に統一して用いる場合が最も好
ましいが、A−Dのいずれにおいても最終目的によって
は2種以上の単量体を混合したり、別種のアクリレート
を用いても良い。
共重合可能な二重結合を有する単量体(A2)には低級
アルキルアクリレート、低級アルコキシアクリレート、
シアノエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリル
酸、メタクリル酸等のアクリル性単量体が好ましく、0
〜20部の範囲で用いられる。その他、A成分中20重
量%を超えない範囲でスチレン、アルキル置換スチレン
、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を更に加え
ることができる。
多官能性単量体(A3)にはエチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、1.4−ブチレングリコールジメタクリレート及
びプロピレングリコールジメタクリレートのようなアル
キレングリコールジメタクリレートが好ましく、ジビニ
ルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼ
ン及びアルキレングリコールジアクリレート等も使用可
能である。これらの単量体はそれが含まれる層目体を橋
かけするのに有効に働き、他の層との間の結合には作用
しない。多官能性単量体(A3)は全く使用されなくて
もグラフト交叉剤(A4)が存在する限りかなり安定な
多層構造重合体が得られるが、熱間強度等が厳しく要求
されたりする場合などには添加するのが好ましく、0〜
10部の範囲で添加目的に応じて使用される。
グラフト交叉剤(A4)は付加重合性を有する不飽和基
を2〜3個有し、その各不飽和基の重合反応性に大きな
差のある化合物を指し、好ましくは共重合性のα、β−
不飽和カルボン酸又はシカ1 2 ルホン酸のアリル、メタリル又はクロチルエステルさら
に好ましくはそのアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸及びフマル酸のアリルエステルが用いられ、特にアリ
ルメタクリレートが優れた効果を奏する。その他トリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等も有
効である。これらは単独で又は2種以上混合して用いら
れる。このようなグラフト交叉剤は主としてそのエステ
ルの共役不飽和結合がアリル基、メタリル基またはクロ
チル基よりはるかに速く反応し、化学的に結合する。こ
の間アリル基、メタリル基又はクロチル基の実質状のか
なりの部分は、次層重合体(B)の重合中に有効に働き
隣接2層間にグラフト結合を与える。
グラフト交叉剤(A4)の使用量は極めて重要で上記成
分A1〜A3の合計量100部に対して0.1〜5部、
好ましくは0.5〜2部の範囲で用いられる。0.1部
未満ではグラフト結合の有効量が少なく、又5部を超え
ると2段目に重合形成される架橋弾性重合体(B)との
反応量が大となり、本発明の特徴の一つである二層弾性
体構造からなる二層架橋ゴム弾性体の弾性低下を招く。
最内層重合体(A)はグラフト活性の層であり、そのT
gは最終重合体の要求される物性に応じて適宜設定され
るものである。またその架橋密度は一般に架橋弾性重合
体(B)と同じか、むしろ高いほうが品質的に有利であ
る。なお最内層重合体(A)と架橋弾性重合体(B)と
は同一組成の場合もあり得るがその場合でも一時仕込と
するのではなく、あくまでも二段重合による二層弾性体
構造とすることが重要であり、触媒量、架橋密度等の設
定は重合体(A)の方が高いほうが有利である。
初期重合性を考慮すると最内層重合体(A)の存在は安
定した多層構造重合体とするために極めて重要であり、
一般に触媒量は各重合体層中量も多く仕込むことが好ま
しい。
グラフト交叉剤の使用は二段目に形成される架橋弾性重
合体(B)との間に化学的に結合させた二層弾性体構造
を有効に合成させるために必須のものである。このグラ
フト結合がないと二層弾性構造は溶融成形時に容易に相
破壊を生じゴム効率が低下するばかりか、所期の目的の
、優れた耐候性、耐溶剤性、耐水白化性等を示さなくな
る。
多層構造重合体(II)中の最内層重合体(A)の含有
量は5〜35%、さらには5〜15%が好ましく、架橋
弾性重合体(B)の含有量より低いことが好ましい。
架橋構造重合体(B)は多層構造重合体にゴム弾性を与
える主要な成分であり、これを構成するB1〜B4には
前述した最内層重合体(A)で使用されるA、〜A4が
それぞ゛れ用いられる。B1成分は80〜100部、B
2成分は0〜20部、B3成分は0−10部、B4成分
はB1〜B3の合計量100部に対して0.1〜5部の
範囲でそれぞれ用いられる。
架橋弾性重合体(B)単独のTgは0℃以下、さらには
−30℃以下が好ましい物性を与える。
多層構造重合体II中の架橋弾性重合体(B)の含有量
は10〜45%の範囲が好ましく、また最内層重合体(
A)の含有量より高いことが好ましい。
このように最内層重合体(A)と架橋弾性重合体(B)
とがグラフト重合された二層弾性体構造からなる二層架
橋ゴム弾性体を有することにより従来の単一系ゴムでは
到達できなかった種々の諸性質を同時に満足させること
が可能となる。なおこの二層架橋ゴム弾性体は下記の測
定法で求めたゲル含量が85%以上、膨潤度が3〜13
の範囲に設定されていることが優れた耐溶剤性及び耐水
白化性を得るために好ましい。
(ゲル含有量、膨潤度の測定法) JIS K−6388に準じ二層架橋ゴム弾性体を所定
量採取し、25℃で48時間メチルエチルケトン(以下
MEKと称す)中に浸漬膨潤後引き上げ、付着したME
Kを拭い取った後その重量を測定し、その後減圧乾燥機
中でMEKを乾燥除去し恒量になった絶乾重量を読みと
り次式によって算出する。
 5 6 一般に架橋弾性重合体(B)の重合度はできるだけ高い
と最終重合体に高い衝撃強度が付与される。一方芯とな
る最内層重合体(A)についてはこの限りではなく、む
しろ粒子形成を含めた初期重合の安定性のためにも触媒
使用量が多く、又グラフト活性剤も多量に用いられたほ
うが二層架橋ゴム弾性体としての性能が良好になりやす
い。このような複合効果は従来の単独の一層ゴム重合体
系では得られないものである。
さらに最外層重合体(C)は多層構造重合体(II)に
成形性、機械的性質等を分配するのに関与し、これを構
成するC1およびC2成分にはA1成分およびA2成分
に用いられるものがそれぞれ用いられる。C1成分は5
1〜100部、C2成分は0〜49部の範囲で使用され
る。
なお最外層重合体(C)単独のTgは優れた耐溶剤性や
耐水白化性を得るために、60℃以上であることが必要
であり、80℃以上が好ましい。
このTgが60℃未満ではたとえ後述の最終重合体のゲ
ル含有量が50%以下であってもその耐溶剤性、耐水白
化性は優れたものとなりえない。
多層構造重合体(II)中の最外層重合体(C)の含有
量は10〜80%、さらには40〜60%が好ましい。
多層構造重合体IIは上記最内層重合体(A)、架橋構
造重合体(B)および最外層重合体(C)を基本構造単
位とし、さらに重合体(B)層と重合体(C)層の間に
、10〜90部の炭素数1〜8のアルキル基を有するア
ルキルアクリレート(DI )、90−10部の炭素数
1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(
B2)、0〜20部の共重合可能な二重結合を有する単
量体(B3 ) 、o〜10部の多官能性単量体(B4
)、およびこれらり、〜D4の合計量100部に対し0
.1〜5部のグラフト交叉剤(B5)の組成から構成さ
れる中間重合体(D)層が、該中間重合体(D)層中の
アルキルアクリレートの量が架橋弾性重合体(B)層か
ら最外層重合体(C)層に向って単調減少するように少
なくとも一層配設されているものである。ここでDlに
はA1に使用できるアルキルアクリレートが、D層には
Arに使用できるアルキルメタクリレートが使用でき、
D3〜D5の各成分は前記A2〜A4に使用できる各成
分を用いることができる。中間層(D)に使用されるグ
ラフト交叉剤は、各重合体層を密に結合させ、優れた諸
性質を得るのに必須である。多層構造重合体II中の中
間層(D)の含有量は5〜35%が好ましく、5%未満
ては中間層としての機能が充分でなく、35%を超える
と最終重合体のバランスを崩すおそれがあるので好まし
くない。B層と0層は屈折率が異なるため、屈折率の勾
配をつけるためにD層を設ける。D層では必ずアクリレ
ート量が単調減少しなければならないが、アクリレート
分布を制御するにはアクリレートの供給量を変化させれ
ばよい。
多層構造重合体(II )は上記A、B、CおよびDの
重合体層から構成されるものであるが、さらに優れた耐
溶剤性、耐水白化性を得るためにはゲル含有量が少なく
とも50%、好ましくは少なくとも60%であることが
必要であり、これが本発明の大きな特徴の一つである。
この場合のゲル含有量は二層架橋ゴム弾性体(Aおよび
Bからなる)自体と、中間重合体(D)及び最外層重合
体(C)の外架橋ゴム弾性体へのグラフト成分を含むも
のであり、ここでゲル含有量とは多層構造重合体(II
)の1重量%MEK溶液を調整し25℃にて一昼夜放置
後遠心分離機にて16000r、 p、 mで90分間
遠心分離を施した後の不溶分の重量%である。成分とし
ては二層架橋ゴム弾性体とグラフト鎖との加算重量であ
りグラフト率で置き換えることもできるが、本発明では
多層構造重合体(II)が特殊な構造を有するのでゲル
含有量をもってグラフト量の目安とした。
耐溶剤性の点からいうとゲル含有量は大きいほど有利で
あるが、易成形性の点からいうとある量以上のフリーポ
リマーの存在が必要であるためゲル含有量の上限は80
%程度が好ましい。
 9 0 多層構造重合体IIを製造するに際して最終重合体のエ
マルジョン粒子径は特に制限はないが800〜20圓入
程度の範囲が最もバランスのとれた構造が得られる。な
お製造に際して使用する界面活性剤、触媒等には特別の
制限はなく、必要に応じて酸化防止剤、滑剤等の添加剤
を加えて塩析処理する。
ここで金属塩を用いて塩析処理する場合最終生成物中へ
の残存金属含有量を500ppm以下にすることが極め
て重要であり、これは本発明の大きな特徴の一つである
。特にマグネシウム、ナトリウム等の水との親和性の強
い金属塩を塩析剤として使用する際はその残存金属含有
量を極力少なくしないと最終重合体を導水中に浸漬した
場合に白化現象を生じ実用上大きな問題となる。なおり
ルシウム系、硫酸系凝固を行うと比較的良好な傾向を示
すがいずれにしても優れた耐水白化性を与えるためには
重合体を洗浄する等の方法により残存金属含有量を50
0ppm以下にすることが必要であり、微量であるほど
良い。
多層構造重合体(II )の製造法としては乳化重合法
による逐次多段重合法が最も適した重合法であるが、こ
れに限らず、例えば乳化重合後置外層重合体(C)の重
合時に懸濁重合系に転換させる乳化懸濁重合法によって
も行うことができる。
本発明においてフッ化ビニリデン系重合体層(I)とア
クリル系多層構造重合体層(II)とを積層する方法は
、押出機を用いての共押出成形、押出ラミネーション成
形、あるいは一方のフィルムを形成した復信の重合体を
含む溶液を流延して溶剤を除去する方法など、特に制限
なく公知のフィルム積層方法を適用できる。上記の方法
のなかでは共押出成形による方法が最も望ましい。その
理由は■高価な材料をより薄い層として形成できコスト
の節約ができること、■溶剤を用いないので加工工程中
で公害問題を考える必要がないこと、■ピンホールが発
生しにくいこと、■厚味構成比の自由度が大きいこと、
などの特徴があるためである。
また共押出成形に用いるダイは一般的に使用されるマル
チマニホールド型、フィートブロック型あるいはこれら
の変形もしくは複合型より選択できる。
本発明の積層フィルムを屋外で耐候性保護フィルムとし
て使用する場合、フッ化ビニリデン系重合体層(I)は
3〜20叩、アクリル系多層重合体/1(II)はIO
〜200μm程度にすることが望ましい。フッ化ビニリ
デン系重合体は高価な材料であり、コスト的には耐候性
、耐溶剤性等が損なわれない程度に薄くするほうが良い
。その厚さが3μm未満ては均一な膜厚を得ることが難
しく、また屋外での長期使用時に剥げ落ちるおそれがあ
り、20μmを超えるとコスト的な問題が生じる。アク
リル系多層重合体層はフッ化ビニリデン系重合体の支持
層としである程度の厚みが必要である。さらに耐候性を
改善する目的で添加する紫外線吸収剤や光安定剤の添加
濃度を極端に高くしないためにもあまり薄くすることは
好ましくない。lO〜200μm程度の厚さにすれば問
題は発生しにくい。また−般に二種類のポリマーの共押
出成形では相互の層比は1/lO〜1/20程度が限界
であり、層比をこの値より大きくしておくほうが生産し
やすい。
本発明の積層フィルムは、アクリル層(II)側を公知
の方法で他の樹脂シートまたはフィルムにラミネートし
て用いることができる。多層構造重合体(II)の他樹
脂との粘着性は、従来のアクリル樹脂同様良好である。
[実施例] 実施例1〜3 次のようにしてアクリル系多層重合体を重合した。
冷却器付き重合容器内にイオン交換水250部、スルフ
ォコハク酸のエステルソーダ塩2部、ロンガリット(S
FS) 0.05部を仕込み、窒素下で攪拌後メチルメ
タクリレート(MMA)1.6部、ブチルアクリレート
(BuA)8部、1,3−ブチレングリコールジメタク
リレ−1−(BD) 004部、アリルメタクリレート
(AMA)0.1部及びクメンヒドロパーオキサイド(
CHP)0.04部からなる混合物を仕込んだ。70°
Cに昇温後60分 3 4 間反応を継続させ最内層重合体(A)の重合を完結した
続いてMMAl、5部、BuA22.5部、BDl、0
部、A M A 0.25部から成る架橋弾性重合体(
B)を形成する単量体混合物を60分間で添加し重合し
て二層架橋ゴム弾性体を得た。この場合該重合体(B)
の形成に対して用いたCHPO量は当該単量体混合物に
対して0.05重量%であった。
得られた二層架橋ゴム弾性体の膨潤度、ゲル含有量を求
めたところ夫々10.0.90%であった。
続いて中間層(D)としてMMA5部、BuA5部及び
A M A O,]部の混合物を反応させ、最後にMM
A52.25部、BuA2.75部を反応させてTg=
86.6℃の最外層重合体(C)を形成した。
最終粒子径は1000〜1500人の範囲であった。
得られた重合体エマルジョンを重合体100部に対して
5部の塩化カルシウムを用いて塩析し洗浄後乾燥し、安
定剤を添加後置形し種々の評価を行なった。最終重合体
中のカルシウムの残存量はほぼ200ppm 、ゲル含
有量は67%の値を示した。
フッ化ビニリデン系重合体としてはツルペイ社(Sol
vay & C1e)の5OLEF 1008を用意し
た。
両型合体を次の条件で共押出成形し、3種類の積層フィ
ルム(実施例1〜3)を得た。
■フッ化ビニリデン系重合体 65mmφ(スクリュー径)押出機 樹脂温度 240℃ 吐出量 実施例1 : 23  kg/hr (厚さ3
4m用)実施例2 : 38.6 kg/hr (厚さ
5gm用)実施例3 : 77  kg/hr (厚さ
104m用)■アクリル系多層重合体 115mmφ(スクリュー径)押出機 樹脂温度 245℃ 吐出it  250 kg/hr (厚さ50JJIl
l用)(全ての実施例で) ダイス:幅1400mm、フィートブロック方式実施例
1〜3の積層フィルムを次のようにして評価した。
■耐溶剤性 各フィルムを25℃の恒温室に一昼夜放置し、MEKを
含浸させた濾紙をフィルムの両面に60秒間接触させた
。各フィルムのいずれの面も全く変化が見られなかった
■耐水白化性 各フィルムを200メツシユの金網にはさみ、導水中に
60分間浸漬し、その外観変化を見たが、いずれのフィ
ルムも極薄く濁る程度であった。
■折り曲げ白化 各フィルムを180°折り曲げたが、いずれのフィルム
においても、どちら側に折り曲げてもほとんど白化はな
かった。
■全光線透過率 各フィルムにつき、ASTM  D1003−61に基
づき全光線透過率を測定したところ、90〜92%の値
を示した。
[発明の効果] 本発明により耐候性、耐薬品性、耐ストレス白化性、耐
水白化性に優れる積層フィルムが提供された。本発明の
積層フィルムは屋外で使用する耐候性保護フィルムとし
て極めて有効である。
 7

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)フッ化ビニリデン系重合体層とアクリル系多層構造
    重合体層とが積層されてなる積層フィルムであって、該
    アクリル系多層構造重合体が、 80〜100重量部の、炭素数1〜8のアルキル基を有
    するアルキルアクリレートおよび/又は炭素数1〜4の
    アルキル基を有するアルキルメタクリレート、0〜20
    重量部の共重合可能な二重結合を有する単量体、0〜1
    0重量部の多官能性単量体、およびこれらの合計量10
    0重量部に対し0.1〜5重量部のグラフト交叉剤を重
    合させて成る最内層重合体層; 80〜100重量部の炭素数1〜8のアルキル基を有す
    るアルキルアクリレート、0〜20重量部の共重合可能
    な二重結合を有する単量体、0〜10重量部の多官能性
    単量体、およびこれらの合計量100重量部に対し0.
    1〜5重量部のグラフト交叉剤を重合させて成る架橋弾
    性重合体層;ならびに 51〜100重量部の炭素数1〜4のアルキル基を有す
    るアルキルメタクリレートおよび0〜49重量部の共重
    合可能な二重結合を有する単量体を重合させて成るガラ
    ス転移温度が少なくとも60℃なる最外層重合体層 を有し、架橋弾性重合体層と最外層重合体層との間に、 10〜90重量部の炭素数1〜8のアルキル基を有する
    アルキルアクリレート、90〜10重量部の炭素数1〜
    4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、0〜
    20重量部の共重合可能な二重結合を有する単量体、0
    〜10重量部の多官能単量体、およびこれらの合計量1
    00重量部に対し0.1〜5重量部のグラフト交叉剤を
    重合させて成る中間重合体層を有し、 該中間重合体層中のアルキルアクリレートの量が架橋弾
    性重合体層側から最外層重合対層側に向って単調に減少
    するものであって、 かつ、該アクリル系多層構造重合体のゲル含有量が少な
    くとも50%で、残存金属含有量が500ppm以下で
    あることを特徴とする積層フィルム。
JP8906490A 1990-04-05 1990-04-05 積層フィルム Pending JPH03288640A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8906490A JPH03288640A (ja) 1990-04-05 1990-04-05 積層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8906490A JPH03288640A (ja) 1990-04-05 1990-04-05 積層フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH03288640A true JPH03288640A (ja) 1991-12-18

Family

ID=13960427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8906490A Pending JPH03288640A (ja) 1990-04-05 1990-04-05 積層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH03288640A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5714223A (en) * 1995-05-12 1998-02-03 Minnesota Mining And Manufacturing Company Retroreflective sheet and article having retroreflectiveness
WO2004063238A1 (ja) 2003-01-10 2004-07-29 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 多層構造重合体及び樹脂組成物、並びに、アクリル樹脂フィルム状物、アクリル樹脂積層フィルム、光硬化性アクリル樹脂フィルム又はシート、積層フィルム又はシート、及び、これを積層した積層成形品
JP2012187934A (ja) * 2008-06-10 2012-10-04 Kaneka Corp フッ素樹脂積層アクリル系樹脂フィルム及びそれを含む成形品
WO2013039119A1 (ja) 2011-09-12 2013-03-21 三菱レイヨン株式会社 積層フィルム及び積層成形品
JP2016165866A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧材
KR20170041841A (ko) 2014-08-13 2017-04-17 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 적층 필름, 적층 성형품 및 그의 제조 방법
JP2018138674A (ja) * 2014-12-01 2018-09-06 住友化学株式会社 樹脂組成物、膜及び表示装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5714223A (en) * 1995-05-12 1998-02-03 Minnesota Mining And Manufacturing Company Retroreflective sheet and article having retroreflectiveness
WO2004063238A1 (ja) 2003-01-10 2004-07-29 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 多層構造重合体及び樹脂組成物、並びに、アクリル樹脂フィルム状物、アクリル樹脂積層フィルム、光硬化性アクリル樹脂フィルム又はシート、積層フィルム又はシート、及び、これを積層した積層成形品
US7781062B2 (en) 2003-01-10 2010-08-24 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Multilayer structure polymer and resin composition together with acrylic resin film material, acrylic resin laminate film, photocurable acrylic resin film or sheet, laminate film or sheet and laminate molding obtained by laminating thereof
US8137803B2 (en) 2003-01-10 2012-03-20 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Multilayer structure polymer and resin composition together with acrylic resin film material, acrylic resin laminate film, photocurable acrylic resin film or sheet, laminate film or sheet and laminate molding obtained by laminating thereof
JP2012187934A (ja) * 2008-06-10 2012-10-04 Kaneka Corp フッ素樹脂積層アクリル系樹脂フィルム及びそれを含む成形品
WO2013039119A1 (ja) 2011-09-12 2013-03-21 三菱レイヨン株式会社 積層フィルム及び積層成形品
KR20140060355A (ko) 2011-09-12 2014-05-19 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 적층 필름 및 적층 성형품
US10131120B2 (en) 2011-09-12 2018-11-20 Mitsubishi Chemical Corporation Laminated film and laminated molded article
KR20170041841A (ko) 2014-08-13 2017-04-17 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 적층 필름, 적층 성형품 및 그의 제조 방법
JP2018138674A (ja) * 2014-12-01 2018-09-06 住友化学株式会社 樹脂組成物、膜及び表示装置
JP2016165866A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1180487A (ja) 加工性良好なアクリルフィルム、およびそのアクリルフィルムを積層した成形品
WO2005095478A1 (ja) メタクリル系樹脂組成物、メタクリル系樹脂フィルムおよび該フィルム積層塩化ビニル系成形体
JPS638983B2 (ja)
JPS62230841A (ja) 耐衝撃性メタクリル樹脂組成物
JPH09263614A (ja) アクリル樹脂フィルムおよびその製造方法
JPH03288640A (ja) 積層フィルム
JP5489663B2 (ja) アクリル系樹脂フィルム
JPH0315648B2 (ja)
JPH0315650B2 (ja)
JPS6219309B2 (ja)
JPH10101748A (ja) アクリル樹脂フィルム
JPH10338792A (ja) メタクリル系樹脂組成物およびそれを用いた積層物
JPH0710937A (ja) 熱可塑性アクリル系樹脂及びその製造方法
JP2958177B2 (ja) アクリル樹脂組成物
JPS59127754A (ja) 耐候性を有する積層構造物
JPS649195B2 (ja)
JP3090844B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその積層物
JPH1045854A (ja) 耐候性の改良された多層構造重合体およびその多層構造重合体からなるアクリル樹脂フィルム
JPH0466903B2 (ja)
JPH04239639A (ja) 接着性を改良したアクリル樹脂積層フィルム
JPS6334898B2 (ja)
JPS6320459B2 (ja)
JP3422431B2 (ja) アクリル系熱可塑性樹脂組成物
JPS649194B2 (ja)
JPH03163152A (ja) 多層構造重合体樹脂組成物