JPH04233945A - 高温性混合ポリイミド及びそれから製造された複合体 - Google Patents

高温性混合ポリイミド及びそれから製造された複合体

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JPH04233945A
JPH04233945A JP3216561A JP21656191A JPH04233945A JP H04233945 A JPH04233945 A JP H04233945A JP 3216561 A JP3216561 A JP 3216561A JP 21656191 A JP21656191 A JP 21656191A JP H04233945 A JPH04233945 A JP H04233945A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリイミド、特に混合ジ
無水物及び芳香族ジアミンの共重縮合生成物であるポリ
イミド、それから形成される複合体、及び混合ジ無水物
の共重縮合生成物から形成されるポリイミドのガラス転
移温度を改善する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは当該技術において周知であ
りかつ高い熱安定性及び酸化安定性を必要とする用途に
広く使用されている。ポリイミドは一般に特定のテトラ
カルボン酸又はそのジ無水物と第1級ジアミンとを反応
させてポリアミド酸を形成させ、これをついで対応する
ポリイミドに転化させることによって製造される。
【0003】こゝに参考文献として引用する米国特許第
4,336,175号明細書には、2,2−ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオルプロパン(
6FTA)及び芳香族ジアミンを溶剤混合物中で化学量
論的に不均衡な単量体割合で使用することによって結合
剤(バインダー)溶液を提供すること、このバインダー
溶液はそれと補強用充填剤との積層体(ラミネート)を
圧縮し得る温度範囲を増大し得るものであることが記載
されている。
【0004】従来技術においては、たとえばこゝに参考
文献として引用する米国特許第3,422,061号明
細書に記載されるごとく、m−及びp−フェニレンジア
ミンを種々のテトラカルボン酸ジ無水物、たとえばピロ
メリト酸ジ無水物(PMDA)又はビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)エーテルジ無水物と縮合させて高い
熱安定性をもつ融合性ポリイミド粉末を製造していた。 ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルジ無水
物はまた4,4′−オキシジフタル酸無水物(ODPA
)としても知られている。米国特許第3,422,06
1号明細書によれば、ポリイミドは300−550℃の
範囲で二次加工し得る粉末の形態で製造される。ビス(
フェニルジカルボン酸無水物)のような種々の芳香族テ
トラカルボン酸ジ無水物及びビス(フェニルアミン)の
ような芳香族アミンの組合せはまたこゝに参考文献とし
て引用する米国特許第3,234,181号及び同第3
,424,718号明細書にも記載されている。ガラス
転移温度を改良する(約220℃ないし約385℃の範
囲に)ための試みにおいては、ポリイミドはこゝに参考
文献として引用する米国特許第3,959,350号明
細書に記載のごとく2,2−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)ヘキサフルオルプロパンジ無水物(6FD
A)と少なくとも一種の芳香族第1級ジアミンとを反応
させることによって製造された。
【0005】二種類のジ無水物を芳香族ジアミンととも
に使用することはこゝに参考文献として引用する米国特
許第3,407,176号、同第4,612,361号
、同第4,680,373号、同第4,794,157
号及び同第4,864,015号明細書にも記載されて
いる。米国特許第4,864,015号明細書によれば
、芳香族ポリイミドのガラス転移温度(Tg)は芳香族
ジ無水物と一種又はそれ以上の芳香族ジアミンとを共重
縮合させることによって改善され、チアントレンジ無水
物及び一種又はそれ以上の芳香族ジアミンを使用するこ
とによって得られるポリイミドは400℃を超えるTg
を有していた。米国特許第4,612,361号明細書
においては、一方が2,2−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)ヘキサフルオルプロパンジ無水物(6FD
A)のようなフルオル含有ジ無水物である二種のジ無水
物及びp−フェニレンジアミンを使用してポリエーテル
イミドを製造する。米国特許第4,612,361号明
細書に記載のポリエーテルイミドは増大したTg及びハ
ロゲン化溶剤中への増大した溶解度をともに示し、そし
て該明細書には6FDAがポリエーテルイミドのTgを
上昇させることが示されているけれども、対応するポリ
エーテルイミドのTgは、他方のジ無水物がビスフェノ
ール−Aジ無水物(BPADA)である混合ジ無水物か
ら製造されたポリエーテルイミドの場合、217℃(6
FDAを含まない場合)から僅かに235℃(6FDA
を含む場合)まで上昇したに過ぎなかった。
【0006】6FDAに基づくポリイミドは商業的に入
手可能であり、そしてODPAに基づくポリイミドは上
記に説明されている。ODPAを他方のジ無水物として
、BPADA又はPMDA及びアリールジアミンととも
に使用するポリエーテルイミドは米国特許第4,794
,157号明細書に記載されている。6FDA又はOD
PA及びm−又はp−フェニレンジアミンから製造され
たポリイミドは371℃で空気中に100−500時間
暴露して最小限度の分解を伴うのみで耐え得るに十分な
熱及び酸化安定性を有する。6FDA及びフェニレンジ
アミンから誘導されるポリイミドのTgは約350ない
し371℃の範囲であり、そしてODPA及びフェニレ
ンジアミンから誘導されるポリイミドのTgは約300
℃である。しかしながら、これら従来技術のポリイミド
のTgは371℃における構造材料としての用途には不
適合である。一般に、ポリイミドのTgは使用温度、す
なわちポリイミドが物品又は作動装置に組込まれる場合
に実際に使用される温度又は暴露される温度よりも少な
くとも約28℃高いことが望ましい。
【0007】前述した及び従来技術の方法によって製造
されるポリイミドの多くは適当なTg値及び酸化安定性
を有するが、それらから製造される積層体、接着剤、複
合材料及びその他の製品が高温で高圧空気又は大気圧条
件に長期間暴露されても耐え得るように、かゝる性質を
さらに改良することが常に望まれている。前述した従来
技術のポリイミドはたとえば約370℃のような高温で
高圧空気又は大気圧条件に長時間暴露する必要のある構
造材としての用途に耐え得るに十分な熱及び酸化安定性
を有しない。
【0008】
【発明の概要】本発明の主たる目的は改善されたガラス
転移温度をもつポリイミドを提供するにある。
【0009】本発明の別の目的はポリイミド樹脂のガラ
ス転移温度を高める方法を提供するにある。
【0010】本発明の別の目的は構造材としての用途に
使用し得る改善された熱及び酸化安定性をもつポリイミ
ドから積層体、接着剤、複合材又はその他の製品を提供
するにある。
【0011】本発明のさらに別の目的は混合ジ無水物及
びその誘導体及び芳香族ジアミンから製造された改善さ
れたガラス転移温度をもつポリイミドを提供するにある
【0012】今般、本発明者は驚くべきことに、混合ジ
無水物の一方が対応するテトラカルボン酸又はそのエス
テル誘導体又はそれらの混合物を包含するビフェニルジ
無水物(BPDA)、又は対応するテトラカルボン酸又
はそのエステル誘導体又はそれらの混合物を包含するオ
キシジフタル酸無水物(ODPA)でありそして他方の
ジ無水物が対応するテトラカルボン酸又はそのエステル
誘導体又はそれらの混合物を包含するフルオル含有ジ無
水物(6FDA)である混合ジ無水物と芳香族ジアミン
とから実質的に改善されたガラス転移温度をもつポリイ
ミドを製造し得ることを知見した。本発明によれば、つ
ぎの反応剤:(a)混合ジ無水物の一方が対応するテト
ラカルボン酸又はそのエステル誘導体又はそれらの混合
物を包含するビフェニルジ無水物(BPDA)、又は対
応するテトラカルボン酸又はそのエステル誘導体又はそ
れらの混合物を包含するオキシジフタル酸無水物(OD
PA)であり、そして他方のジ無水物が対応するテトラ
カルボン酸又はそのエステル誘導体又はそれらの混合物
を包含する2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ヘキサフルオルプロパンジ無水物(6FDA)であ
る混合ジ無水物;及び (b)芳香族ジアミン;の反応によって得られる共重縮
合生成物を含んでなる改善されたガラス転移温度をもつ
ポリイミドが提供される。
【0013】本明細書において使用する場合、用語“ジ
無水物の誘導体”はジ無水物の形の上記反応剤ならびに
それに対応するテトラカルボン酸誘導体、テトラエステ
ル誘導体、モノ酸/トリエステル誘導体、トリ酸/モノ
エステル誘導体及びジ酸/ジエステル誘導体及びそれら
の任意の混合物を包含するものとし、またこれらジ無水
物の“誘導体”は上記した誘導体ならびにその環置換誘
導体を包含するものとする。
【0014】本発明はさらに、芳香族ジアミンと、混合
ジ無水物の一方がビフェニルジ無水物(BPDA)又は
その誘導体又はオキシジフタル酸無水物(ODPA)又
はその誘導体、又はそれらの混合物である混合ジ無水物
との反応混合物からポリイミド樹脂を製造する際、他方
のジ無水物として2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)ヘキサフルオルプロパンジ無水物(6FDA
)又はその誘導体を該反応混合物に添加し、それによっ
てポリイミドを芳香族ジアミン及び混合ジ無水物の共重
縮合によって形成させることからなる、芳香族ジアミン
及び混合ジ無水物の反応混合物から誘導されるポリイミ
ド樹脂のガラス転移温度(Tg)を高める方法を提供す
るものである。
【0015】本発明によれば、本発明のポリイミド樹脂
を使用して積層体、接着剤、複合材又はその他の製品を
容易に二次加工により製造し得ること及びかゝる積層体
、接着剤、複合材又はその他の製品のガラス転移温度を
実質的に改善し、それによって実質的により高い使用温
度をもつ積層体、接着剤及びその他の製品を取得し得る
ことが認められた。
【0016】本明細書において、用語“積層体”、“複
合材”及び“その他の製品”は互換的に使用されるもの
とし、これらの用語の一つを使用した場合は他の用語の
意味を包含するものである。
【0017】
【詳細な開示】混合ジ無水物又はその誘導体と芳香族ジ
アミンとは共重縮合反応を起するので、本発明のポリイ
ミドはこの共重縮合反応前には次記の反応剤又はそれら
の前駆体又は誘導体を含有する。本発明のポリイミドは
式(A):
【0018】
【化4】 のジ無水物又はそのハロゲン(Cl,F又はBr)、ア
ルキル又はアリール置換誘導体を包含する誘導体;式(
B)又は(C):
【0019】
【化5】 又は
【0020】
【化6】 のいずれかのジ無水物又はその誘導体又は式(B)及び
(C)のジ無水物又はその誘導体の混合物;及び式(D
):                   H2 N−R−
NH2                      
     (D)(式中、Rは6ないし約20個の炭素
原子をもつ二価の芳香族炭化水素基又はそのハロゲン化
誘導体である)の芳香族ジアミンから誘導される。
【0021】さきに示したとおり、ジ無水物(A),(
B)及び(C)ならびに式(A),(B)及び(C)の
ジ無水物のテトラカルボン酸誘導体、テトラエステル誘
導体、モノ酸/トリエステル誘導体、トリ酸/モノエス
テル誘導体又はジ酸/ジエステル誘導体を本発明におい
て使用し得る。これらのジ無水物又は対応するテトラカ
ルボン酸又はエステル誘導体の環置換誘導体、たとえば
Br, F又はCl置換誘導体、又はジ無水物又は対応
するテトラカルボン酸又はエステル誘導体の炭化水素誘
導体、たとえばアルキル、アリール誘導体等も本発明に
おいて使用し得る。ハロゲン原子又は炭化水素基は通常
式(A),(B)及び(C)のジ無水物又は対応するジ
カルボン酸又はエステル誘導体中のベンゼン環上に置換
される。式(A),(B)及び(C)のテトラカルボン
酸誘導体においては、分子の無水物部分は当該技術にお
いて周知のごとくカルボン酸の形で存在する。式(A)
,(B)及び(C)のテトラエステル又は酸/エステル
誘導体、すなわちモノ酸/トリエステル、ジ酸/ジエス
テル又はトリ酸/モノエステル、においては、分子の無
水物部分はテトラエステルの場合はエステルの形で、ま
た酸/エステル誘導体の場合はカルボン酸の形及びエス
テルの形の組合せで存在する。本発明において使用し得
る普通のエステル基は当該技術において周知のごとくR
′−OCO−(式中、R′はアルキル基、エーテル基等
である)である。本発明の好ましいエステル基において
は、R′はメチル、エチル又は2−(2−メトキシエト
キシ)エチル基である。式(A),(B)及び(C)の
テトラエステル誘導体においては、分子のカルボキシル
部分はすべてエステル型であり;トリ酸/モノエステル
誘導体においては3個のカルボン酸基と1個のエステル
基が存在し;ジ酸/ジエステル誘導体においては2個の
カルボン酸基と2個のエステル基が存在し;そしてモノ
酸/トリエステル誘導体においては1個のカルボン酸基
と3個のエステル基が存在する。当業者は本発明の範囲
内の誘導体を得るために式(A),(B)及び(C)の
無水物部分の一方又は両方を慣用のカルボン酸基及びエ
ステル基で容易に置換し得る。さらに本発明の目的を達
成するために前記した基の種々の組合せを提供すること
も当業者には容易になし得ることである。
【0022】芳香族ジアミンとの反応の後、本発明に従
う改善されたガラス転移温度をもつポリイミド生成物は
式:
【0023】
【化7】 及び
【0024】
【化8】 又は
【0025】
【化9】 及び
【0026】
【化10】 (式中、Rは6ないし約20個の炭素原子をもつ二価の
芳香族炭化水素基又はそのハロゲン化誘導体であり、そ
してa及びbはそれぞれ1又はそれ以上の整数を表わす
)又は式(I),(II)及び(III )の混合物の
構造単位を有する。
【0027】本発明の反応剤(A),(B)及び(D)
又は(A),(C)及び(D)又は(A),(B),(
C)及び(D)の組合せにおいて、(A)は一般に(B
)又は(C)あるいは(B)及び(C)と等モル割合で
又はそれよりも少ない割合で使用される。好ましい実施
態様においては、(A):(B)又は(A):(C)又
は(A):(B)+(C)のモル比は約1:1ないし約
1:9である。一般に、等モル量の(D)及び等モル量
の(A)及び(B)又は(A)及び(C)又は(A),
(B)及び(C)が存在することが好ましい。 しかしながら、ある場合には、ジ無水物又はその誘導体
あるいはジアミン成分のいずれかを10%程度まで過剰
に使用することが有利であり得るものであり、かゝる過
剰は当業者によって容易に決定し得る。
【0028】本発明においては、重合体鎖の主要部分は
式: [I]m [II] 1−m′又は [I]m [III ] 1−m′又は[I]m [I
I+III ] 1−m′又は[I]m [II]n 
+[III ]1−m−n (式中、モル分率mは0よ
り大きく、1より小さい数、好ましくは少なくとも約0
.10と約0.50との間、もっとも好ましくは0.2
5、を表わし;そしてnは随意の追加成分のモル分率で
あり、該追加成分が存在する場合nは0より大きく、1
−mより小さいか又は等しい数である)の構造単位を含
んでなる。
【0029】本発明の共重縮合反応に使用される芳香族
ジアミンは当該技術において周知のアリールジアミン又
は芳香族ジアミンの任意のものであり得る。本発明のポ
リイミドに使用し得る芳香族ジアミン又はそれらの混合
物の例としては、m−フェニレンジアミン;p−フェニ
レンジアミン;4,4′−ジアミノジフェニルプロパン
;4,4′−ジアミノジフェニルメタン;ベンジジン;
4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド;4,4′−
ジアミノジフェニルスルホン;4,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル;1,5−ジアミノナフタリン;3,3
′−ジメチルベンジジン;3,3′−ジメトキシベンジ
ジン;2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエ
ン;ビス(p−β−メチル−o−アミノペンチル)ベン
ゼン;1,3−ジアミノ−4−イソプロピルベンゼン;
m−キシリレンジアミン;p−キシリレンジアミン;2
,4−ジアミノトルエン;2,6−ジアミノトルエン;
等があげられる。m−フェニレンジアミン、p−フェニ
レンジアミン及びそれらの混合物が本発明において使用
するに好ましい芳香族ジアミンであり、もっとも好まし
い芳香族ジアミンはp−フェニレンジアミンである。勿
論、さきに示したとおり、本発明に従う改善されたガラ
ス転移温度をもつポリイミド又はポリイミド前駆体の製
造には芳香族ジアミンの混合物を使用し得る。
【0030】本発明の混合ジ無水物はビフェニルジ無水
物(BPDA)又はその誘導体あるいはオキシジフタル
酸無水物(ODPA)又はその誘導体のいずれか(又は
前記のものの任意の混合物)及び2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオルプロパンジ無
水物(6FDA)又はその誘導体でなければならない。 BPDA又はその誘導体、たとえば対応するテトラカル
ボン酸、ジ酸/ジエステル又はハロゲン化誘導体(たと
えばCl又はF置換BPDA)を本発明の混合ジ無水物
の一方として使用し得る。その代りに又はBPDAとの
混合物の形でODPA又はその誘導体を該一方のジ無水
物として使用し得る。本発明によれば、BPDA及び/
又はODPAあるいはその誘導体のいずれかを6FDA
又はその誘導体と組合せて使用しなければならない。O
DPAはまた4,4′−オキシジフタル酸無水物;3,
4′−オキシジフタル酸無水物;3,3′−オキシジフ
タル酸無水物及びそれらの混合物を包含する種々の異性
体の形であり得る。
【0031】本発明に従えば、好ましいオキシジフタル
酸無水物は4,4′−オキシジフタル酸無水物(ODP
A)である。
【0032】一般に、高められたガラス転移温度をもつ
ポリイミド又はポリイミド前駆体の製造のための共重縮
合反応に有用な芳香族ジアミンは式: H2 N−R−NH2  (式中、Rは6ないし約20個の炭素原子をもつ二価の
芳香族炭化水素基又はそのハロゲン化誘導体である)を
有する。基Rは共重縮合反応前駆体又は共重縮合反応生
成物中に芳香族炭化水素基、たとえば芳香族ジアミンが
p−フェニレンジアミン又はm−フェニレンジアミンで
ある場合にはそれぞれp−フェニレン基又はm−フェニ
レン基、を与える。
【0033】本発明のポリイミド樹脂の製造法は、芳香
族ジアミンと混合ジ無水物−該混合ジ無水物の一方は6
FDA又はその誘導体である−との共重縮合によってポ
リイミド樹脂前駆体又はポリイミド樹脂を製造するため
に、芳香族ジアミンと接触せしめる前に、ジ無水物又は
その誘導体を混合するという要件を満たす限り臨界的で
はない。好ましい実施態様においては、混合ジ無水物を
適当な溶剤の存在下で反応器中に裝入する。たとえば、
6FDA及びODPA又は6FDA及びBPDA又は6
FDA及びODPA及びBPDAの両者(又は前記した
ものの任意の誘導体)を適当な溶剤の存在下で反応器に
添加する。
【0034】当該技術において周知の慣用の溶剤、たと
えば複合材料の製造に関連して後により詳細に説明する
ごときジグリム、N−メチルピロリドン、ジグリムとメ
チルアルコール、N−メチルピロリドンとメタノール、
等をこの反応混合物用の溶剤として使用し得る。混合ジ
無水物又はその誘導体はたとえば還流によって溶剤中に
溶解させる。芳香族ジアミンは溶剤中に溶解された混合
ジ無水物又はその誘導体に添加する。芳香族ジアミンも
またそれらを混合ジ無水物に添加する際に同じ溶剤中に
溶解することが好ましい。反応混合物、すなわちポリイ
ミド前駆体は直ちに使用してポリイミド樹脂に転化して
もよく、あるいは将来の使用に備えて、たとえば冷凍庫
中に保存しておいてもよい。
【0035】当該技術において周知のごとく、ポリイミ
ドはジ無水物よりもむしろ対応する酸又はエステルから
出発し、ポリアミド酸段階を経てポリイミドにイミド化
する方法によって製造し得る。この製造法は本発明にと
って好ましい。ポリアミド酸は対応するテトラカルボン
酸又はエステルと芳香族ジアミンとから製造される。こ
れらのテトラカルボン酸又はエステル、たとえば6FT
Aとして知られる6FDAのテトラカルボン酸、ODP
TAとして知られるODPAのテトラカルボン酸及びB
PTAとして知られるBPDAのテトラカルボン酸、は
上述した対応するジ無水物に相当する。
【0036】本発明の好ましい実施態様においては、ジ
エステルを芳香族ジアミンと反応させて本明細書におい
てポリイミド前駆体と呼ぶ対応するポリアミド酸又はポ
リアミド酸エステルを形成し、これを水及びアルコール
の生成を伴ってポリイミド樹脂に転化せしめる。かゝる
ジエステルの例は6FDEとして知られる6FTAのア
ルキルジエステル;ODPDEとして知られるODPT
Aのアルキルジエステル;及びBPDEとして知られる
BPTAのアルキルジエステルを包含する。好ましいア
ルキル基はメチル、エチル、アルコキシ基等である。水
及びアルコールは任意慣用の方法によって、たとえば化
学的手段又は熱及び圧力を適用することによって除去し
得る。ポリイミド前駆体への熱の適用はポリイミド前駆
体のポリイミド樹脂への転化を促進する。室温より高く
ポリイミド樹脂の分解温度より低い温度までの範囲、好
ましくは室温から約400℃までの範囲、より好ましく
は約300℃ないし約370℃の範囲の温度への加熱を
用いて約24時間までの反応時間でポリイミド前駆体、
すなわち溶剤中の混合ジ無水物又はその誘導体及び芳香
族ジアミンの反応混合物のポリイミド樹脂への転化を達
成し得る。
【0037】本明細書において使用する場合、ポリイミ
ド前駆体は芳香族ジアミンがジ無水物又はその誘導体と
反応する際に水の損失が生ずる前の中間体として形成さ
れる反応生成物であり、そしてある場合にはこの前駆体
はポリアミド酸エステルであることができあるいはポリ
アミド酸であることができる。本発明の共重縮合生成物
及び積層体中におけるポリイミド前駆体の形態は、臨界
的な反応剤、すなわち6FDA及びODPA又はBPD
Aあるいは6FDA、ODPA及びBPDA又はそれら
の誘導体が芳香族ジアミンと共重縮合して本発明のポリ
イミドを形成する限り、何等臨界的ではない。
【0038】本発明のポリイミドの製造のためには触媒
又は連鎖停止剤は必要ではないが、慣用的な触媒及び連
鎖停止剤を本発明のポリイミドの製造に使用することが
できる。他の添加剤も、それらがポリイミド樹脂の熱又
は酸化安定性を妨害しない限り本発明のポリイミド樹脂
に添加し得る。たとえば、慣用的な難燃化剤、可塑剤、
染料及び顔料ならびに種々の不活性充填剤を本発明のポ
リイミド前駆体又はポリイミド樹脂に添加し得る。
【0039】本発明のポリイミドは複合材、接着剤、積
層体、その他の製品等に結合剤として有用である。たと
えばこゝに参考文献として引用する米国特許第4,33
6,175号及び同第4,477,648号明細書に記
載されるごとく、ポリイミドは従来技術において積層構
造材用の結合剤として使用されてきた。本発明のポリイ
ミドは補強剤と組合せて改善された積層体、複合材、そ
の他の製品等を製造するために使用し得る。改善された
グラファイト繊維強化積層体は本発明のポリイミド樹脂
を用いて容易に製造された。かゝる積層体は航空機エン
ジンのワッシャー、ブッシュ、排気フラップ及びダクト
用として特に有用である。
【0040】本発明の積層体、複合材及びその他の製品
はたとえばさきに引用した米国特許第4,336,17
5号、同第4,477,648号及び同第4,794,
157号明細書に記載されているごとき任意慣用の技術
によって製造し得る。本発明の接着剤は接着剤の製造に
精通した当業者によって採用されている任意慣用の技術
によって製造し得る。
【0041】一般に、本発明の積層体、接着剤、複合材
、その他の製品等はポリイミド前駆体の新らしく製造さ
れた溶液あるいはポリイミド前駆体の貯蔵された溶液で
あり得る、ポリイミド前駆体の溶液から製造される。 ポリイミド前駆体の貯蔵溶液は貯蔵期間中液体のまゝ保
有することもでき、あるいは冷凍し、その後使用時に解
凍することもできる。
【0042】本発明の複合材の製造のための好ましい一
方法においては、ポリイミド前駆体溶液、すなわち通常
従来技術ではポリアミド酸又はポリアミド酸エステル溶
液又は前駆体と呼ばれている非反応性(不活性)溶剤中
の芳香族ジアミン及び混合ジ無水物(又はその誘導体)
反応剤の溶液、を補強剤と混合し、ついでそれをポリイ
ミドに転化する。この方法においては、ポリイミド前駆
体溶液、たとえば6FDE、ODPDE、芳香族ジアミ
ン及び溶剤;6FDE、BPDE、芳香族ジアミン及び
溶剤;又は6FDE、ODPDE、BPDE、芳香族ジ
アミン及び溶剤、を補強用繊維又は布又は微粒子状充填
剤と混合し、そしてこのポリイミド前駆体溶液をついで
最終目的物であるポリイミドに転化する。最終ポリイミ
ドの形態への転化と同時に、及び/又は該転化前に、及
び/又は該転化後に、圧力を積層体に適用して該積層体
を圧縮しかつ溶剤及び/又はポリイミド前駆体のポリイ
ミド樹脂への転化によって生成する水の除去により残留
する空所を減少せしめ得る。勿論、本発明のポリイミド
前駆体溶液を所望の形状又は形態に成形又は圧縮成形し
、その後に該前駆体溶液をたとえば熱の適用及び水の除
去によって硬化することによりポリイミドに転化せしめ
ることによって本発明のポリイミドの製品を提供するこ
とは当業者の理解の範囲内である。
【0043】芳香族ジアミン及びジ無水物を溶解し得る
任意適当な溶剤を本発明のポリイミド及びポリイミド前
駆体の製造法について前述したごとき結合剤溶液の製造
のために使用し得る。積層体、複合材及びその他製品に
使用される結合剤溶液の製造のために好ましい溶剤は双
極性非プロトン溶剤、たとえばN,N−ジメチルアセト
アミド、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメ
チルホルムアミド、及び約1−4個の炭素原子をもつ低
級アルカノール、たとえばメタノール、エタノール等、
ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)及
び低級アルカノールとジグリムとの相互の又は50%ま
でのN−メチル−2−ピロリドンとの混合物のような溶
剤を包含する。低級アルカノールの中ではメタノールが
好ましい。  ポリイミド結合剤溶液は所要成分を通常
の技術に従って混合することによって製造し得る。その
際、単量体(芳香族ジアミン及び混合ジ無水物)成分の
割合は芳香族ジアミン及び混合ジ無水物の化学量論的な
単量体の均衡又は不均衡を与えるように、好ましくは混
合無水物、ODPA:6FDA又はBPDA:6FDA
、が約1:9ないし約9:1、より好ましくは約3:1
のモル比で存在するような混合ジ無水物1モル当り1モ
ルの芳香族ジアミンの割合になるように、調整する。
【0044】結合剤溶液とともに使用される補強剤は臨
界的ではなく、たとえばグラファイト繊維、炭化珪素繊
維又はホイスカー、炭素繊維、ガラス繊維、ホウ素繊維
、アラミド繊維、又は金属繊維、雲母、グラファイト粉
末等を包含する広範囲の繊維及び微粒子状充填剤から選
択し得る。補強剤は構造体の全容量に基づいて約70容
量%までの量、好ましくは約40−60容量%の量で使
用し得る。本発明の好ましい複合材においては、ポリイ
ミド結合剤溶液の量は補強剤、たとえばグラファイト繊
維の重量の約1−3倍、もっとも好ましくは補強剤の重
量の約1.5−2倍である。補強剤の量は積層体をその
意図する目的のために所望の程度補強するに足る任意の
量であることができ、したがって“補強量”で使用し得
る。補強用繊維は本発明の積層体中で不規則に又は任意
の一方向の又は任意の多方向の配列状態で所望に応じて
配置され得る。一般に、本発明の複合材中に使用される
好ましい補強剤は繊維質補強剤の織布又は不織マット、
たとえばグラファイト繊維の織布である。
【0045】補強剤は任意慣用の方法、たとえば噴霧、
浸漬、パジング、スキージーによる塗布、ロール掛け等
によって本発明のポリイミド前駆体溶液で含浸処理、被
覆処理しあるいは他の方法で積層体に形成し得る。補強
剤繊維及びポリイミド又はポリイミド前駆体結合剤溶液
を合体させるために慣用法に従って圧力を適用し得る。 この積層体に未硬化段階で加熱を施すことにより共重縮
合反応、すなわちポリイミド前駆体、すなわち芳香族ジ
アミン及び混合ジ無水物誘導体のポリアミド酸又はポリ
アミド酸エステル溶液、のポリイミドへの転化を完結さ
せる。本発明においては、加熱の適用によって反応によ
る水及びある特定の場合にはアルコールの生成及び減損
及び共重縮合反応生成物としての硬化されたポリイミド
の形成が達成される。この加熱は任意の加熱条件下で行
ない得る。しかしながら、本発明の積層体を製造するた
めには約200℃ないし約400℃、好ましくは約30
0℃ないし約370℃の温度に約24時間までの期間加
熱することが好ましい。本発明に従ってその他の製品を
製造するためには、慣用の手段を使用し得る。たとえば
、上述のごとく製造された複合材又は積層体の層を金型
中で積重ね;この金型に圧力及び熱をこれらの層が相互
に融着し又は固定されるまで適当な時間適用し;そして
かく成形された製品をついでたとえば空気中で370℃
までの温度で及び/又は不活性ガス、たとえば窒素雰囲
気下で400℃までの温度で24時間までの時間後硬化
させることができる。
【0046】本発明のポリイミドを用いて製造された積
層体は約100ないし約500時間の最小実用寿命の間
約370℃の温度で優れた熱及び酸化安定性を有する。
【0047】つぎに本発明を当業者がよりよく実施し得
るように、実施例をあげて本発明をさらに説明するが、
これらの実施例は単に例証のためのものであって何等本
発明を限定するものではない。実施例中、特に示さない
限り、すべての部は重量部を表わす。すべてのガラス転
移温度は慣用の技術によって測定した。 実施例1   本発明の溶液を還流冷却器を備えた樹脂製反応釜中
で調製した。混合ジ無水物を樹脂製反応釜中の溶剤又は
溶剤混合物に添加しそして該ジ無水物が溶解するまで還
流下に加熱した。溶解は溶液の透明化によって明白にな
る。この混合ジエステル溶液を室温に冷却した。芳香族
ジアミン又は芳香族ジアミン混合物を溶剤又は溶剤混合
物中に溶解しそして室温に冷却されている混合ジエステ
ル溶液と混合した。得られる生成物はポリイミド前駆体
中間体であり、これは結合剤としての次後の使用のため
に及び積層体、複合材又はその他の製品の製造において
ポリイミドに転化するために貯蔵し、又は複合材、積層
体又はその他の製品用の結合剤として直ちに使用しそし
て熱を適用することによってポリイミド樹脂に転化する
ことができる。
【0048】実施例1においては、ODPA及び6FD
Aを3:1のモル比でメタノール中に還流下に溶解して
対応するエステル、すなわちODPDE及び6FDEを
形成した。p−フェニレンジアミン(PPD)をメタノ
ールに溶解しそして室温に冷却されているODPDE/
6FDE/メタノール溶液に添加した。この溶液を積層
体の製造に使用するまで冷凍庫中に貯蔵した。織布の形
のグラファイト繊維の数種の試料を上記の混合溶液で含
浸しそして約300℃に加熱して水、メタノール及び溶
剤を除去しかつポリイミドを硬化せしめた。
【0049】後硬化の後、グラファイト繊維強化積層体
は395℃ないし429℃の範囲のガラス転移温度を有
していた。
【0050】グラファイト繊維強化積層体のこれらの試
片について行なった種々の分解(崩壊)試験の結果は、
370℃、圧力4気圧の条件で空気流に100時間暴露
した積層体試片が14%未満の重量減少及び5%未満の
厚みの変化を与えたことを示した。343℃及び圧力4
気圧の空気流に100時間暴露したグラファイト繊維強
化積層体の重量減少は約2%、寸法の変化は1%未満で
あった。 実施例2−4   後記第1表にモル%で示す割合で使用したODPA
及び6FDAの種々の組合せから、それらをPPDと反
応させることによって3種類の重合体を製造した。
【0051】実施例2においては、ODPA109.5
4g(45モル%)及び6FDA17.43g(5.0
モル%)を上記実施例1に述べたごとくメチルアルコー
ル223ml中に溶解した。この溶液にメチルアルコー
ル53ml中に溶解したPPD42.42g(50.0
モル%)を添加した。
【0052】実施例3においては、ODPA/6FDA
の75%/25%溶液に相当するODPA37.5モル
%及び6FDA12.5モル%をメタノール中に溶解し
て得られる溶液にメタノール中に溶解したPPD50モ
ル%を添加した。
【0053】実施例4においては、ODPA60.86
g(25モル%)及び6FDA87.16g(25モル
%)を上記実施例1に述べたごとくメタノール249m
lに溶解した。この溶液にメタノール53ml中に溶解
したPPD42.42g(50モル%)を添加した。
【0054】実施例2−4においては、得られる反応混
合物を、メタノール中のPPD溶液を同じくメタノール
中の混合ジエステル溶液に添加した後に、冷凍庫に裝入
した。冷凍庫中に貯蔵後の所要の時点で、試料を冷凍庫
からとり出し、室温まで加温しそしてその後に激しく攪
拌した。
【0055】実施例3において製造された樹脂溶液65
.0gを14インチ×14インチの寸法のグラファイト
繊維布に塗布した。この樹脂溶液はスキージーによって
布に塗布した。かく形成されたプレプレグをついで真空
炉内で37℃−49℃で乾燥しそしてこの試料からそれ
ぞれ4インチ×4インチの寸法をもつ9個の試料片を切
断した。これら4インチ×4インチの積層体の試料片の
8個を金型中に裝入しそして400℃で2時間硬化処理
した。
【0056】実施例4の冷凍された反応溶液から、解凍
後に、実施例1の積層体の製造について述べたと同様の
方法で積層体を製造した。
【0057】上記両方の場合とも、試料片の後硬化は空
気中で約370℃に約10時間加熱し、ついで窒素雰囲
気下で約400℃に約24時間加熱することによって行
なった。
【0058】実施例3及び4から製造された積層体のガ
ラス転移温度を、重量%で示した試料の樹脂含量ととも
に第1表に示す。
【0059】
【表1】                          
         第1表           種々のODPA/6FDA/PP
Dポリイミド積層体のTg             
                         
                  樹脂含量   
                         
            Tg(℃)        
(重量%)実施例No.   ODPA  6FDA 
 PPD  (A)  (B)  (A)  (B) 
     2      45%        5%
       50%     −      −  
  −      −      3      37
.5%     12.5%     50%    
 421     429   43.04   30
.42      *4      25.0%   
  25.0%     50%     384  
   379   33.72   28.53   
    *後硬化の後にばらばらに解けた(loose
 )繊維が観察された。
【0060】実施例3で製造された積層体のTgは著し
く高かった。 実施例5   ポリイミド反応混合物を実質的に実施例1に述べた
ごとく製造した。ジグリム69.3g及びメタノール5
8.5gを混合しそしてこの溶剤混合物の2/3を樹脂
製反応釜中に注入した。この樹脂製反応釜中の溶剤混合
物にODPA72.9g及び6FDA34.8gを添加
しそして混合物を還流下にジ無水物が溶剤中に溶解しか
つ反応するまで加熱した。この溶液を室温まで冷却しそ
してp−フェニレンジアミン(PPD)16.95g及
びm−フェニレンジアミン(MPD)16.95gをジ
グリム−メタノール溶剤混合物の残部1/3に溶解した
。この溶液を冷凍庫に貯蔵した。
【0061】貯蔵後、この反応混合物を冷凍庫からとり
出し、室温まで加温しそしてよく攪拌した。反応生成物
はメタノールの除去後ジグリム中に70%の固形分を含
有していた。グラファイト繊維織布は400℃に1時間
加熱することによって製造し、約4インチ×12インチ
の寸法の布片に切断しそして秤量した。この織布片の重
量の1.8倍に相当する量の冷凍庫からとり出した樹脂
溶液を攪拌しつつスキージーを用いてこの織布片に塗布
してプレプレグを形成した。このプレプレグを空気循環
炉中で93℃で15分間乾燥した。このプレプレグをそ
れぞれが1インチ×3インチの寸法をもつ10個の試料
片に切断しそして金型中に配置した。この金型を密閉し
そして400℃の温度に2時間加熱することによって硬
化せしめた。この硬化処理周期の間、118℃の初期温
度まで加熱する間は金型を開放した。試料片を空気中で
370℃に加熱し、ついで窒素雰囲気下で400℃に2
4時間加熱することによって後硬化させた。
【0062】実施例5において製造した樹脂溶液をグラ
ファイト織布に塗布したものを用いて種々の他の乾燥及
び硬化処理周期を行なった。
【0063】グラファイト繊維ブレード(braid 
)を35平方インチ以上の大きさの布を形成するように
切断かつ秤量し、これに実施例5の樹脂溶液を塗布した
ものから別の一群の積層体を形成した。実施例5の樹脂
溶液は該樹脂溶液が布の重量の1.8倍になるような量
でスキージーによって布に塗布した。得られる積層体を
オーブン中で93℃で20分間、又はほゞ乾燥状態に近
いがなお粘着性である程度まで、乾燥しそして10個の
試料片に切断しそして金型中に配置した。金型を密閉し
そして複合体(積層体)を400℃で2時間硬化した。 この複合体を金型からとり出しそして空気中で370℃
の温度で24時間後硬化した。
【0064】前述した積層体の製造についてプログラム
の種々の変更を行なって種々の試料について硬化及び後
硬化の効果を調べた。
【0065】上述のごとく製造した積層体の試料片を窒
素雰囲気下で後硬化した後のガラス転移温度は高かった
。上述のごとく製造した積層体の試料片を1/2インチ
×2インチの試片に切断しそして窒素雰囲気下で400
℃で24時間後硬化した後のガラス転移温度は約422
℃ないし約434℃の範囲であった。 実施例6−7   実施例6においては、BPDA約75gを容量15
0mlの清浄な乾燥したビーカーに裝入しそして6FD
A約38gを第二の容量150mlの清浄な乾燥したビ
ーカーに裝入し、そしてこれらのビーカーを約150℃
及び完全な真空条件下にある真空炉中に一晩(約16時
間)保持した。ついで、加熱を止め、一方真空は炉が約
50℃に冷却されるまで保持した。ジグリム67.6g
及びメタノール57.6gを清浄な乾燥したびん中で混
合した。真空炉中にある二つのビーカーをプラスチック
フィルムで密封し(被覆し)そして真空炉からとり出し
た。 BPDAを含有するビーカーからBPDAをその残量が
69.14gになるまで除去しそしてその69.14g
のBPDAを樹脂製反応釜に移した。6FDAビーカー
についても、これと同様の操作をビーカー中の6FDA
の残量が34.8gになるまで反復した。この34.8
gの6FDAを同じ樹脂製反応釜に移した。各ビーカー
を少量の上記溶剤混合物でリンスしそしてリンス混合物
を上記樹脂製反応釜に移してジ無水物の移送を完全にし
た。上記溶剤混合物の少なくとも3/4量が該樹脂製反
応釜に移送された。この混合物を樹脂製反応釜中で固形
分が溶解しかつ反応するまで還流させた。完全な溶解が
達成された後、この混合物を室温近くまで冷却した。こ
の混合物を全固形分が溶剤中に溶解するまで攪拌し、つ
いで反応混合物を冷凍庫中に貯蔵した。
【0066】実施例7においては、溶剤混合物がN−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)67.6g及びメタノ
ール57.6gを含有するものであることを除いて実施
例6とすべて同一の条件及び使用量を用いた。
【0067】実施例7の反応混合物を冷凍庫からとり出
し、室温まで加温しそしてよく攪拌した。ついでこの反
応混合物をグラファイト繊維織布の10インチ×3イン
チの試片に該織布の重量の2倍に等しい量で塗布してプ
レプレグを形成した。このプレプレグを93℃に予熱さ
れた炉内に20分間保持した。ついでプレプレグを炉か
らとり出し、それぞれが1インチ×3インチの寸法をも
つ10個の試験片に切断した。これら10個の試験片を
金型中に配置し;金型を密閉しそして積層体を400℃
で2時間硬化した。ついで硬化した積層体を窒素雰囲気
下で400℃で24時間後硬化した。この積層体の二つ
の試験片のTgは408℃及び405℃であった。 実施例8−10   実施例8−10においては、ODPA:6FDAを
メタノール中に3:1のモル比で混合した。
【0068】実施例8においては、芳香族ジアミンはP
PDであり、そしてアミノフタロニトリルを反応性末端
キャッピング剤として反応混合物に添加して分子量を制
御した。
【0069】実施例9においては、芳香族ジアミンはP
PDであり、そしてアミノジフェニルアセチレンを反応
性末端キャッピング剤として反応混合物に添加して分子
量を制御した。
【0070】実施例10においては、芳香族ジアミンは
PPD及びMPDの50/50混合物であり、そしてア
ミノジフェニルアセチレンを反応性末端キャッピング剤
として反応混合物に添加して分子量を制御した。
【0071】実施例8−10のそれぞれのポリイミドか
ら適当な積層体を製造し得る。 実施例11−12   実施例11及び12は比較のための例である。
【0072】実施例11は6FDA及びp−フェニレン
ジアミン(PPD)から誘導されたポリイミドである。 実施例12はODPA及びp−フェニレンジアミン(P
PD)から誘導されたポリイミドである。
【0073】実施例11から誘導されたポリイミドのT
gは約350℃ないし370℃であり、実施例12から
誘導されたポリイミドのTgは約300℃である。
【0074】上述のデータ及び試験結果は本発明のポリ
イミドから製造された積層体が改善されたTgを有する
ことを示している。
【0075】上記実施例は本発明の実施に使用し得るき
わめて多数の変形のうちのごく僅かなもののみに及び得
られるポリイミド及びそれから製造される積層体(複合
体)に向けられているが、本発明はこれらの実施例に先
行する記載中に示されるごとき著しくより広範囲のポリ
イミド及び積層体(複合体)ならびにそれらの製造法に
向けられるものであることは勿論である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  つぎの反応剤: (a)混合ジ無水物の一方がビフェニルジ無水物又はそ
    の誘導体、又はオキシジフタル酸無水物又はその誘導体
    、又はそれらの混合物でありそして他方のジ無水物が2
    ,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフ
    ルオルプロパンジ無水物又はその誘導体である混合ジ無
    水物;及び (b)芳香族ジアミン;の反応生成物を含有してなる改
    善されたガラス転移温度をもつポリイミド。
  2. 【請求項2】  芳香族ジアミン対混合ジ無水物のモル
    比が約1.1ないし約0.9:1である請求項1記載の
    ポリイミド。
  3. 【請求項3】  ビフェニルジ無水物又はその誘導体、
    又はオキシジフタル酸無水物又はその誘導体、又はそれ
    らの混合物対2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェ
    ニル)ヘキサフルオルプロパンジ無水物又はその誘導体
    のモル比が約1:9ないし約9:1である請求項1記載
    のポリイミド。
  4. 【請求項4】  オキシジフタル酸無水物が4,4′−
    オキシジフタル酸無水物、3,4′−オキシジフタル酸
    無水物、3,3′−オキシジフタル酸無水物及びそれら
    の混合物からなる群から選ばれる請求項1記載のポリイ
    ミド。
  5. 【請求項5】  芳香族ジアミンが式:H2 N−R−
    NH2  (式中、Rは6ないし約20個の炭素原子をもつ二価の
    芳香族炭化水素基又はそのハロゲン化誘導体である)を
    もつ請求項1記載のポリイミド。
  6. 【請求項6】  さらにガラス繊維、グラファイト繊維
    、炭化珪素繊維、炭素繊維及びそれらの混合物からなる
    群から選んだ補強用充填剤を含有してなる請求項1のポ
    リイミドの複合体。
  7. 【請求項7】  芳香族ジアミンと、混合ジ無水物の一
    方がビフェニルジ無水物又はその誘導体、又はオキシジ
    フタル酸無水物又はその誘導体、又はそれらの混合物で
    ある混合ジ無水物との反応混合物からポリイミド樹脂を
    製造する際、他方のジ無水物として2,2−ビス(3,
    4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオルプロパンジ
    無水物又はその誘導体を該反応混合物に添加し、それに
    よってポリイミドを芳香族ジアミン及び混合ジ無水物の
    共重縮合によって形成させることからなる、芳香族ジア
    ミン及び混合ジ無水物の反応混合物から誘導されるポリ
    イミド樹脂のガラス転移温度を高める方法。
  8. 【請求項8】  式(I): 【化1】 の構造単位及び式: 【化2】 又は 【化3】 又は式(II)及び(III )の混合物である構造単
    位(たゞし上式中、a及びbは約1:9ないし約9:1
    の任意の比を表わし;そしてRは6ないし約20個の炭
    素原子をもつ二価の芳香族炭化水素基又はそのハロゲン
    化誘導体である)を含んでなる改善されたガラス転移温
    度をもつポリイミド。
  9. 【請求項9】  ほゞ等モル量の式(I)及び式(II
    )の構造単位を含んでなる請求項8記載のポリイミド。
  10. 【請求項10】  ほゞ等モル量の式(I)及び式(I
    II )の構造単位を含んでなる請求項8記載のポリイ
    ミド。
  11. 【請求項11】  ほゞ等モル量の式(I)の構造単位
    及び式(II)と式(III )の組合せ構造単位を含
    んでなる請求項8記載のポリイミド。
  12. 【請求項12】  ほゞ等モル量の式(I)、式(II
    )及び式(III )の各構造単位を含んでなる請求項
    8記載のポリイミド。
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