JPH04228306A - 高速重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

高速重荷重用ラジアルタイヤ

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Publication number
JPH04228306A
JPH04228306A JP3135605A JP13560591A JPH04228306A JP H04228306 A JPH04228306 A JP H04228306A JP 3135605 A JP3135605 A JP 3135605A JP 13560591 A JP13560591 A JP 13560591A JP H04228306 A JPH04228306 A JP H04228306A
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JP
Japan
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cord
ply
carcass
tire
belt
Prior art date
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Application number
JP3135605A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Kamiyoko
清志 上横
Mikio Takatsu
高津 幹雄
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレッド面内曲げ剛性
を高めコーナリング性能の向上を計るとともにトレッド
の構造耐久性を改善しうる高速重荷重用ラジアルタイヤ
に関する。
【0002】
【従来の技術】高速重荷重用タイヤ、特に航空機用タイ
ヤにおいては従来カーカスコードをプライ間で互いに交
差するように配したクロスプライ構造のものが多用され
ている。しかしこのものは、カーカスコードが比較的大
きな角度で交差しているため、横剛性が大であり、操縦
特性も比較的優れているとはいえ、トレッド部の剛性が
小でありかつ重量が大であることと相まって、耐摩耗性
、発熱性などの他の特性において、好ましくなく、近年
の大型ジェット機の著しい性能向上等の観点から、クロ
スプライ構造のものは使用が制約されつつある。
【0003】従って、近年、カーカスコードをタイヤ赤
道に略直角に配列したいわゆるラジアル、セミラジアル
構造のカーカスの半径方向外側に、タイヤ赤道に対して
小角度で傾く高弾性のベルトコードからなるベルト層を
配置したラジアルタイヤが使用されつつある。
【0004】このものはベルトコードがタイヤ赤道方向
に配されることにより、トレッド部の円周方向に大きな
タガ効果を付与でき、トレッド部の面外曲げ剛さを高め
、耐摩耗性、転がり特性等を改善しかつタイヤの耐久性
を向上しうる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
なラジアル構造の航空機用タイヤは、各ベルトプライの
ベルトコードの交差角が小であってしかもカーカスコー
ドと略直角に交わるなどコードが互いに矩形状に交差す
るため、従来のラジアルタイヤでは、トレッド部の面内
曲げ剛性に劣ることとなり、その結果、旋回に際しての
コーナーリング力が低下し、振れ等を招くなど操縦安定
性を損ないがちとなる。
【0006】しかもこのような面内曲げ剛性の低下は、
スタンディングウエブの発生臨界速度を減じ高速耐久性
の低下を招来する。
【0007】従って本発明者は、誠意研究を積み重ねた
結果、前記カーカスとベルト層との間に、カーカスコー
ド及びベルトコードの双方に交差する向きに補助コード
を配列させたカットブレーカを配設し、前記面内曲げ剛
性を高めることを案出した。
【0008】しかしながらこのようなタイヤにあっては
、補助コードがカーカスコード及びベルトコードと互い
に交差するなどその伸長方向が隣り合う他のプライのコ
ードと異なり、しかもベルト層とカーカスとの間に生ず
る剛性差も加わって、タイヤ変形時、特にコーナリング
時において、カットブレーカのプライ間及び、該プライ
とそれに隣接するカーカスプライ及びベルトプライとの
間に大なる剪断力が発生しやすい。又この剪断力は、自
由端となるカットブレーカのプライ端において集中して
作用し、しかも該プライ端におけるコードとゴムとの接
着力不足と相俟って該プライ端を起点としてセパレーシ
ョンが進行するなどトレッド部における構造耐久性を大
巾に低下することが判明した。
【0009】本発明は、カットブレーカのプライのコー
ドとそれに隣り合うプライのコードとの間に所定のゴム
物性を有しかつ所定の厚さを有する保護ゴム層を介在さ
せることを基本として、トレッド面内曲げ剛性を高めつ
つカットブレーカのプライ間剥離を抑制でき、操縦安定
性と耐久性とを大巾に向上しうる高速重荷重用ラジアル
タイヤの提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の高速重荷重用ラジアルタイヤは、トレッド
部からサイドウオール部をへてビード部のビードコアで
折返しかつタイヤ赤道に対して75〜90度の角度で傾
く有機繊維を用いたカーカスコードの1以上のプライか
らなるカーカスと、該カーカスの半径方向外側かつトレ
ッド部の内方に位置するとともにタイヤ赤道に対して5
度以下の角度で配置した有機繊維を用いたベルトコード
の1以上のプライからなるベルト層と、前記カーカスと
ベルト層との間に介在しかつタイヤ赤道に対して0以上
かつ70度以下の角度で配置される補助コードの1以上
のプライからなるカットブレーカとを具える一方、前記
カットブレーカのプライの補助コードと該プライが隣り
合うプライのコードとの間に、前記補助コードの直径の
1/4倍以上かつ4倍以下の厚さを有する保護ゴム層を
、前記カットブレーカのプライの少なくともタイヤ軸方
向外端部分に介在させたことを特徴としている。
【0011】
【作用】カーカスとベルト層との間にカットブレーカが
介在することにより、トレッド部の面内曲げ剛性を高め
うる。
【0012】カーカスコードはタイヤ赤道に対して75
〜90度、ベルトコードはタイヤ赤道に対して5度以下
の角度で傾く。従って、カットブレーカの補助コードを
、ベルトコード、カーカスコードと共に、トライアング
ル構造とすることにより、面内曲げ剛さを高めることが
でき、そのために補助コードをタイヤ赤道に対する傾き
が0〜70度の範囲でベルトコード及びカーカスコード
と交差させる。しかし好ましくは、10〜45度、さら
に好ましくは10〜30度とし、強固なトライアングル
構造とすることによってカーカスとベルト層とを結合さ
せ、トレッド部の面内曲げ剛性を高め、コーナーリング
力を増大させるとともにスタンディングウエブの発生臨
界速度を高めうる。
【0013】又前記カットブレーカのプライのコードと
それに隣り合う他のプライのコードとの間に介在する保
護ゴム層は、そのゴム弾性によって該プライ間に作用し
かつプライ端に集中する剪断力を緩和し、プライ端剥離
を効果的に抑制しうる。
【0014】
【実施例】以下本発明の一実施例をタイヤサイズ46×
17R20の航空機用タイヤの場合を例にとり、図面に
基づき説明する。
【0015】正規リムRに取付けかつ正規内圧を充填し
た状態を示す図1において、ラジアルタイヤ1は、ビー
ドコア2が通るビード部3と、該ビード部3に連なりタ
イヤ半径方向外向きにのびるサイドウオール部4と、該
サイドウオール部4の外端をつなぐトレッド部5とを具
えている。
【0016】さらにタイヤ1には、ビードコア2を、タ
イヤの内側から外側に折返す複数枚、例えば4枚のプラ
イ7a…からなる内層7Aと、この内層7Aの折返し部
を囲みタイヤの外側から内側に折返す複数枚、例えば2
枚のプライ7b、7bからなる外層7Bとを有するカー
カス7が設けられる。各プライ7a、7bは、夫々有機
繊維からなるカーカスコード25をタイヤ赤道COに対
して75度〜90度の角度で配列したコード配列体であ
って、本例ではカーカス7は、隣り合うプライ間におい
て、夫々カーカスコード25がタイヤ半径方向に対して
交互に交差して傾くことにより、タイヤの横剛性を向上
している。
【0017】又ビードコア2上方には、タイヤ半径方向
にのびる先細ゴムからなるビードエーペックス9を設け
て剛性を高め、かつカーカス7の折返し部のたわみによ
る応力を分散させる。又ビード部3外面には、リムずれ
防止用のチエーフア(図示せず)を設けることもできる
【0018】さらにトレッド部5には、その内部にカー
カス7の半径方向外側に位置してタイヤ赤道に対してベ
ルトコード26を5度以下のコード角度で配置したベル
ト層10が設けられ、又前記ベルト層10と前記カーカ
ス7との間には、タイヤ赤道に対して0以上かつ70度
以下のコード角度で傾く補助コード27を有するカット
ブレーカ14が介在する。さらに本例では、前記ベルト
層10の外側に、保護コードを用いたカットプロテクタ
16が配される。
【0019】前記ベルト層10は、複数枚、例えば6〜
10枚の前記ベルトコード26を有するプライ10a…
から形成され、かつ該プライ10a…は、半径方向外向
きに徐々に巾狭とすることにより、ベルト層10は、タ
イヤ軸を含む断面において略台形状をなし、又その側面
10Sはタイヤバットレス部の外表面SBに略同厚さで
沿った斜面となる。又ベルト層10のタイヤ軸方向最大
巾WB、本例では最も内側の巾広のプライ10a1の巾
は、タイヤ全巾WTの75〜85%程度の範囲としてい
る。なおベルトコード26は、各プライ10a…ごとに
交互に逆に傾ける。
【0020】又前記カットブレーカ14は、前記補助コ
ード27がプライ間相互で交差するごとく向きを違えて
配置した例えば2枚のプライ14a1、14a2から形
成され、本例では外のプライ14a1のタイヤ軸方向巾
W1は該プライ14a1と内側で隣り合う内のプライ1
4a2の巾W2より小かつ外側で隣り合う前記ベルト層
10のプライ10a1の巾B3すなわち本例では最大巾
WBよりも小に設定し各プライ端位置を違えることによ
り応力の分散を計っている。なお前記巾W1は、巾W2
、W3と同巾もしくは広巾に設定してもよい。
【0021】このカットブレーカ14は、トレッド部5
の面内曲げ剛さを高め、コーナーリング力を増大するた
めのものであり、そのためにカーカスコード25、ベル
トコード26とトライアングル構造となるように配置す
る。従ってカーカスコード25がタイヤ赤道に対して7
5〜90度、ベルトコード26が5度以下の角度で傾く
ため、補助コード27を、タイヤ赤道に対して、好まし
くは10〜45度、より好ましくは10〜30度の角度
で傾け強固なトライアングル構造を形成する。なおカー
カスコード25が75〜80度の角度のとき、補助コー
ド27のタイヤ赤道に対する傾きを0度近くに設定する
こともできる。
【0022】このように、カットブレーカ14の付加自
体によって、さらには、前記のようにカーカスコード2
5、ベルトコード26とトライアングル構造とすること
により面内曲げ剛さを高め、コーナーリング力を増大さ
せるとともにスタンディングウエブの発生を抑制する。
【0023】そして本発明では、このようなカットブレ
ーカ14の形成に起因してそのプライ14a1、14a
2の各端部から進行するプライ端剥離を抑制するために
、保護ゴム層20を設けている。
【0024】保護ゴム層20は、本例では図3に拡大し
て示すように、前記外のプライ14a1の保護コード2
7と内のプライ14a2の保護コード27との間に介在
する保護ゴム層20A、前記外のプライ14a1の保護
コード27とベルト層10の前記最内側のプライ10a
1のベルトコード26との間に介在する保護ゴム層20
B、及び前記内のプライ14a2の保護コード27とカ
ーカス7の最外側のプライ7b1のカーカスコード25
との間に介在する保護ゴム層20Cとを含む。
【0025】又該保護ゴム層20A、20B、20Cは
、夫々前記補助コード27の直径Dの1/4倍以上かつ
4倍以下の厚さを有するとともに少なくともカットブレ
ーカ14のタイヤ軸方向外端部分に配されることにより
、プライ間に作用しかつその端部で集中する剪断力をそ
のゴム弾性によって緩和する。
【0026】従って該保護ゴム層20A、20B、20
Cは、各保護ゴム層20A、20B、20Cを挟むコー
ドに追従して伸縮する必要があり、そのためには複素弾
性率E* を50kg/cm2 以上とするのが好まし
く、なおより好ましくは、前記複素弾性率E* を11
0kg/cm2 以下とするのがよい。
【0027】本明細書において、複素弾性率E* とは
、岩本製作所(株)製のペクトロメーターVESF3型
を用いて温度が70℃、初期歪が2%、周波数が10H
zの条件のもとで測定した値として定義する。
【0028】複素弾性率E* が50kg/cm2 未
満では、保護ゴム層20が過度に軟らかくなる結果、プ
ライ端部の移動による発熱が大となり熱破損を招く一方
、150kg/cm2 をこえるとプライ端部に集中す
る剪断力の緩和効果が不十分となり、又コードとの接着
性が低下しコードルースを生じやすい。
【0029】さらに前記保護ゴム層20は、100%モ
ジュラスを40以上かつ70〓/cm2 以下、破断時
の伸びを200以上かつ350%以下、しかも破断時の
応力を150以上かつ300kg/cm2 以下とした
ゴム組成体が用いらるのが好ましい。
【0030】なお100%モジュラスが40kg/cm
2 未満の場合発熱が大きくなり、熱破壊を招くおそれ
があり、又70kg/cm2 をこえると剪断力緩和効
果が不十分となる他、コードとの接着性が低下しコード
ルースを生じることもある。
【0031】同様に前記厚さtが前記直径Dの1/4未
満の場合剪断力緩和効果が期待できず又4倍をこえると
発熱が大となる。従って前記厚さt及びゴム物性を夫々
前記範囲に規制している。
【0032】又前記保護ゴム層20は、プライ端剥離を
抑制しうる範囲内で必要最小限の巾で形成することが、
タイヤ重量の軽減等のために好ましく、従って本例では
前記保護ゴム層20Aは、そのタイヤ軸方向の巾WAを
、該保護ゴム層20Aが介在するプライ14a1、14
a2における巾狭のプライすなわちプライ14a1の巾
W1の1/10倍以上かつ1/4倍以下としかつ保護ゴ
ム層20Aのタイヤ軸方向外端は該巾狭のプライ14a
1外端に一致させている。又前記保護ゴム層20B、2
0Cの各巾WB、WCも同様に、夫々巾狭となるプライ
14a1の巾W1及びプライ14a2の巾W2の1/1
0倍以上かつ1/4倍以下としかつその外端はプライ1
4a1、14a2の各外端と一致している。
【0033】そしてこのような保護ゴム層20A、20
B、20Cは、夫々例えば図4(A)に保護ゴム層20
Aを代表して示すように、プライ14a1、14a2間
にシート状のゴムプライ21を配設し、プライ14a1
、14a2の各補助コード27を被覆するトッピングゴ
ムGの被覆部分G1、G1と前記ゴムプライ21とによ
り一体に形成することができる。なおかかる場合、前記
ゴムプライ21及びトッピングゴムGは夫々同一のゴム
組成体を用いることが好ましいが、前記ゴム物性の範囲
内で異なるゴム組成体を用いてもよい。
【0034】又保護ゴム層20A、20Bは、20Cは
図4(B)に示すように前記トッピングゴムGの被覆厚
さt1を増大し、その被覆部分G1、G1のみで形成し
うる他、図4(C)に示すようにゴムプライ21のみに
よって形成してもよい。
【0035】又ベルト層10の外側に配される前記カッ
トプロテクタ16は、前記保護コードを用いる少なくと
も一枚、本例では2枚のプライ16aからなり、かつこ
のカットプロテクタ16は、外部からの耐カット性を向
上するとともに、ベルト層10とトレッド部5のゴムと
の間の剛性段差を緩和し、その間における剪断応力を低
減する。
【0036】そのためにカットプロテクタ16は、ベル
ト層10の全面に配されるのが好ましい。又ベルト層1
0に好ましい変形を許容しうるように、タイヤ赤道に対
するコード角度が0度に近づけ、保護コードに伸長性を
付与するのもよい。
【0037】さらにカットプロテクタ16は、一層のプ
ライを用いる他、2枚以上の複数層とすることもでき、
さらに図2に示すように、ベルト層10との間に、ゴム
層19を設けるのもよい。このゴム層19は、タイヤ更
生に際して、ベルト層10を傷つけることなく、カット
プロテクタ16を除去することを容易とする。
【0038】そしてこのようなタイヤ1の前記カーカス
コード25、ベルトコード26、補助コード27は夫々
例えばナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリ
アミド等の有機繊維から形成され、本例では特にカーカ
スコード25には高伸長性の弾性コードが好適に用いら
れる。
【0039】前記弾性コードは、5kg荷重時の伸びS
 (%) を5以上かつ10以下(好ましくは5〜8)
とする。さらに10kg荷重時の伸びS10(%) を
9以上15以下(好ましくは10〜12)、20kg荷
重時の伸びS20(%)を14〜20としている。
【0040】さらに他の例では、カーカスコード25は
、5kg荷重の伸びS5 をコードのデニール数で除し
た値D5 を7.35×10−4以上かつ14.7kg
×10−4以下とする。又10kg荷重時の伸びS10
をコードデニール数で除した値D10、20kg荷重時
の伸びS20をコードのデニール数で除した値D20を
それぞれ13.2×10−4〜22.1×10−4、2
0.6×10−4〜29.4×10−4としている。
【0041】このような弾性コードは、図5(A)(B
)において、各下限の曲線a1、a2、上限の曲線b1
、b2が挟む領域の特性を有する。弾性コードは、曲線
a、b(曲線a1、a2を合わせてa、b1、b2を合
わせてbと総称する)に示すように小荷重のとき伸びが
大であり、荷重が増すに伴い、伸び率が低下する特性を
具えている。
【0042】このような特性の弾性コードを用いること
により、内圧充填初期では、内圧充填とともにカーカス
コード25が大きい伸びを受けることとなる。
【0043】さらに荷重が10kg、20kgに増大し
たとき、カーカスコード25は、荷重の増加とともに伸
長するが、伸び率は漸減する。
【0044】なお従来のコードを曲線cで示すごとく、
曲線aに比して立上がりが大かつ略直線状をなすのであ
り、このような従来コードを用いるときには、内圧の充
填によってもカーカスコード25の伸びは小であり、変
形に際して作用する圧縮応力を緩和する能力に劣るので
ある。
【0045】これに比して前記弾性コードは、前記曲線
a、b間の領域の特性を具えるゆえに、タイヤの耐久性
を向上しうるのである。
【0046】なおカーカスコード25の、5kg、好ま
しくは10kg、20kg荷重時の各伸びS5 、S1
0、S20についての規定は、用いるカーカスコード2
5のデニール数等を問わずに、荷重によるコードの伸び
の値自体を定めていることになる。これに対して、他方
の規定は、5kg荷重時の伸びS5 をデニール数で除
した値、従ってコードの1デニール当たりの5kg荷重
時の伸び率を意味するのであり、カーカスコード25を
、主としてコードが有する特性の面から把握し、そのた
め、航空機用タイヤを始め、広い範囲の重荷重高速タイ
ヤに採用し所定荷重時の伸びのみを規定する。なお前者
は、主として航空機用タイヤ、しかも大型ジエット機用
タイヤとして好適に用いうる値を規定している。
【0047】さらに弾性コードの初期弾性率Es(kg
/mm )は130以上(好ましくは140以上)かつ
200以下とする。
【0048】初期弾性率Es(kg/mm )とは、図
6に示すように、定速伸長形引張試験器を用いて荷重(
kg)、伸び(%)曲線dを描き、伸び7%における前
記曲線dの接線Xの勾配として定義する値であって、従
来の弾性コードに比して初期弾性率Es(kg/mm 
)を前記範囲で小とすることにより、弾性コードの伸び
性を高め、カーカスコード25に伸びを付与しうるので
ある。
【0049】又さらに弾性コードは、破断時の荷重、即
ちコード強力が30kg以上のもの、好ましくは40k
g以上かつ60kg以下程度のものが好適に利用できる
【0050】さらにこのような物性のコードは、コード
に予め所定の時間に亘り張力と熱とを加えるいわゆるデ
ップストレッチにおける張力を、従来のデップストレッ
チにおいて用いられる張力よりも大巾に減じておくこと
によりえられる。又この特性を高めるべく、例えばナイ
ロンコードを用いるときには、10cm当たりの捩り回
数を、26〜36T/10cmとし、従来行われている
約23T/10cm程度よりも捩り回数を増加している
。なおコードとして、伸び率の小なるものと大なるもの
とを混在させ、かつ小なるものを予めコイル巻きするな
ど、タルミを与えておくことにより荷重が所定の値に達
したときに小伸度のコードに荷重を負担させ、全体とし
て伸び率を低下するごとく形成することもできる。
【0051】このようなコードを用いたカーカス7を有
するタイヤは、内圧充填により、従来タイヤに比して大
きな伸びをカーカス7に予め与えることにより、離着陸
に伴うビード部3の曲げに際して、リムフランジC側で
生じるカーカスコード25の圧縮応力を低下させ、圧縮
歪を軽減することにより、変形、局部的な折れ曲がり、
さらには圧縮歪による疲労に基づく切損等を防止する。 又さらにはビード部3のゴム自体の圧縮応力を緩和でき
、ビード部の耐久性を、例えば10%を越えて向上しう
るのである。
【0052】またカーカス7にこのような弾性コードを
用いた場合、内圧充填による歪みがサイドウォール部、
特に最大巾部付近に集中する傾向にある。
【0053】これを防止するためにベルトコード26は
、カーカスコード25と同様な伸び特性を有し、しかも
5kg荷重時の伸びS (%) がカーカスコード25
よりも小であって、3〜6のもの、又は伸びS5 (%
) をデニール数(d)で除した値D (%/d) を
3.85×10−4〜7.69×10−4とする。なお
補助コード27は、ベルトコード26と、特性が近似し
たものを用いる。なお異なる材質のコードをも用いうる
【0054】又ベルトコード26、カーカスコード25
は、ともに同一の直径の比較的太いコード、例えば12
60d/2〜2700d/3程度のコードを、又補助コ
ードは、同径のもの又はより小径のものが用いられる。
【0055】さらに、ベルト層10は、1本又は数本の
コードを螺旋状に巻きつけるいわゆるコードワインデイ
ングの方法によってエンドレスタイプとして形成するこ
ともできる。
【0056】さらに補助コード27として、前記ベルト
コード26と同一のものが利用できる。又このような弾
性コードをカーカスコード25、ベルトコード26、補
助コード27として用いることにより、5%内圧充填時
に比べて、正規内圧充填時には、前記クラウン部分20
の膨出量を大とすることができ、またこれによってベル
トコード26の張力を増大し、スタンディングウエブの
発生臨界速度をさらに向上させることができる。
【0057】なおカットプロテクタ16は、前記のごと
く、耐カット性向上を主として意図したものであり、そ
のため、スチールコードの他、ナイロンコード、芳香族
ポリアミドコードなどの有機繊維コードを用いる。なお
伸び性のある有機繊維コードのときには、保護コードは
タイヤ赤道方向に配することもできる。
【0058】他方、伸び性が小なスチールコードを用い
るときには、タイヤ赤道に対して、30〜90度の角度
で傾け、プライとしての伸び性を付与するか、又は第7
図に例示するごとく、例えば波状にコードを型付けし、
伸び性を与えた上、タイヤ赤道方向に配するのもよい。
【0059】この型付けは、円弧曲線、正弦曲線の他、
三角状、矩形状等の形状が連なる波状とすることもでき
る。
【0060】又型付けした保護コードを用いる場合にお
いて、そのピッチPは、全振巾Aの0.86〜3.0倍
とすることにより、伸び性を高める。又隣り合う保護コ
ード間のタイヤ軸方向の距離Bは、前記前振巾Aの0.
2〜2.0倍程度とする。なおこのとき、コード径は約
0.1〜1.2mmとする。
【0061】また型付けした保護コードを用いるときに
は、型付けされる平面とは異なる方向の変形、例えばね
じれ等による型付け平面と交差する向きへの波打ち等の
変形を抑制するために使用するスチールコードは2層撚
り、好ましくは下撚りと上撚りの異なるものの組合わせ
が好ましい。又上撚りコードは素細径が比較的大きいも
のを用いることによって、耐カット性を高め、又型付け
性を向上しうる。
【0062】又カットプロテクタ16に、トレッドゴム
とベルト層10との間の剛性緩和機能をも発揮させると
きには、カットプロテクタ16の保護コードは、前記カ
ーカスコード25の直径に対する比が0.20〜0.5
0となるように細い直径とする。即ち保護コードは、約
300〜1350d/3程度の太さのものを採用する。
【0063】
【具体例】図1に示すタイヤ構造をなしかつタイヤサイ
ズが46×17R20のタイヤを表1の仕様に基づき試
作するとともに、該試作タイヤの耐久性を比較例品と比
較した。
【0064】なお同表におけるカーカスコード、ブレー
カコード及び補助コードの各コード構成を表2に示して
おり、又保護コードは波付のスチールコードであって、
コード径087mm、ピッチ(P)16mm、全振巾6
mm、距離3mmである。
【0065】又耐久テストとして、米国連邦航空局規格
TSO−C62cに基づく規格荷重すなわち120%負
荷状態において、走行速度11km/hで3000km
まで連続走行させた。又コーナリング力は、フラットベ
ルト式の室内試験機を用いて測定し、カットブレーカを
排除した時の値を100とした指数で示している。数値
の大なほど優れている。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】叙上のごとく本発明の高速重荷重用ラジ
アルタイヤは、カーカスとベルト層との間にカットブレ
ーカを設けかつ該カットブレーカを保護ゴム層により保
護しているため、トレッド面内曲げ剛性を高めつつカッ
トブレーカのプライ間剥離を抑制でき、操縦安定性と耐
久性とを大巾に向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】トレッド部を拡大して示す断面図である。
【図3】保護ゴム層を拡大して示す断面図である。
【図4】(A)は保護ゴム層の形成を説明する断面図で
あり、(B)及び(C)は保護ゴム層の形成の他の実施
例を示す断面図である。
【図5】(A)及び(B)はコード特性を示す線図であ
る。
【図6】初期弾性率を説明する線図である。
【図7】保護コードの一例を示す平面図である。
【符号の説明】
2  ビードコア 3  ビード部 4  サイドウオール部 5  トレッド部 7  カーカス 7a、7b、7a1  カーカスのプライ10  ベル
ト層 10a、10a1  ベルト層のプライ14  カット
ブレーカ 14a1、14a2  カットブレーカのプライ19 
 ゴム層 20、20A、20B、20C  保護ゴム層25  
カーカスコード 26  ベルトコード 27  補助コード

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウオール部をへてビ
    ード部のビードコアで折返しかつタイヤ赤道に対して7
    5〜90度の角度で傾く有機繊維を用いたカーカスコー
    ドの1以上のプライからなるカーカスと、該カーカスの
    半径方向外側かつトレッド部の内方に位置するとともに
    タイヤ赤道に対して5度以下の角度で配置した有機繊維
    を用いたベルトコードの1以上のプライからなるベルト
    層と、前記カーカスとベルト層との間に介在しかつタイ
    ヤ赤道に対して0以上かつ70度以下の角度で配置され
    る補助コードの1以上のプライからなるカットブレーカ
    とを具える一方、前記カットブレーカのプライの補助コ
    ードと該プライが隣り合うプライのコードとの間に、前
    記補助コードの直径の1/4倍以上かつ4倍以下の厚さ
    を有する保護ゴム層を、前記カットブレーカのプライの
    少なくともタイヤ軸方向外端部分に介在させたことを特
    徴とする高速重荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記保護ゴム層は、タイヤ軸方向の巾を、
    該保護ゴム層が介在する前記プライにおける巾狭のプラ
    イのタイヤ軸方向の巾の1/10倍以上かつ1/4倍以
    下としかつ該保護ゴム層のタイヤ軸方向外端は、前記巾
    狭のプライのタイヤ軸方向外端に一致することを特徴と
    する請求項1記載の高速重荷重用ラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】前記保護ゴム層は、複素弾性率が50kg
    /cm2 以上であるたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の高速重荷重用ラジアルタイヤ。
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