JP3053290B2 - 高速重荷重用クロスプライタイヤ - Google Patents

高速重荷重用クロスプライタイヤ

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JP3053290B2
JP3053290B2 JP4057418A JP5741892A JP3053290B2 JP 3053290 B2 JP3053290 B2 JP 3053290B2 JP 4057418 A JP4057418 A JP 4057418A JP 5741892 A JP5741892 A JP 5741892A JP 3053290 B2 JP3053290 B2 JP 3053290B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーカスの耐久性を維
持しつつタイヤ重量を低減でき、特に航空機用タイヤと
して好適に採用しうる高速重荷重用クロスプライタイヤ
に関する。
【従来の技術】
【0002】高速重荷重用タイヤ、特に航空機用として
使用されるタイヤは、近年の航空機の大型化、飛行速度
の増大に伴い、離着陸時の速度、荷重も増大し、さらに
離着陸時における衝撃を緩和すべく、負荷時のタイヤ半
径方向の撓み量が、例えば28〜35%程度となるよう
に比較的大きく設定される。従って、従来この種のタイ
ヤには、タイヤ横剛性が高く走行性能に優れるとともに
タイヤの撓み量が大であり衝撃緩和効果が高いクロスプ
ライ構造のもの、すなわちカーカスコードをカーカスプ
ライ間で互いに交差させたものが多用されており、しか
も該カーカスコードには、ビード部の耐久性向上を主目
的として、通常伸度の高いナイロンコードが使用され
る。
【0003】なおナイロンコードを用いる理由は、負荷
時の撓み量が前記したごとく28〜38%程度と大であ
るときには、図7に示すように、カーカスaには、ビー
ドコアbの回りで折返した折返し部a1に圧縮応力Fが
作用し、又この圧縮応力Fの繰り返しとともにカーカス
コードが圧縮破断しビード損傷を早期に発生しやすい。
従ってカーカスコードとして伸度が大なナイロンコード
を用い、内圧充填とともに該コードに予め伸びを付与す
ることにより前記圧縮力を減じ破断損傷を抑制してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
なナイロンコードは伸度が大である反面引張り強さが小
であるため、タイヤケースの強度を維持するためには、
カーカスプライを10枚以上通常16枚以上用いること
が必要となり、タイヤ重量を大巾に増加し航空機の燃費
性能を著しく損ねる結果を招く。
【0005】本発明は、スチールに近い物性を具えかつ
ナイロンと略同等の比重を有する芳香族ポリアミド繊維
に着目してなされたものであり、該芳香族ポリアミド繊
維の捩り係数を所定範囲に規制した新規なカーカスコー
ドを用いることを基本として、ビード耐久性を維持しか
つタイヤ強度を損ねることなくカーカスプライ数を低減
でき、タイヤの軽量化を大巾に達成しうる高速重荷重用
クロスプライタイヤの提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の高速重荷重用クロスプライタイヤは、トレッ
ド部からサイドウォール部をへてビード部に至る本体部
に、ビードコアの廻りで折返される折返し部を設けると
ともにカーカスコードをタイヤ赤道に対して30゜以上
かつ60゜以下の角度で配列した少なくとも2枚のカー
カスプライからなりかつ各カーカスコードをカーカスプ
ライ間で互いに交差させたカーカスを具えるとともに、
前記カーカスコードは芳香族ポリアミド繊維を互いに撚
り合わせて形成され、しかもカーカスコードの10cm長
さ当りの撚り数Tとカーカスコードのトータルデニール
数Dの平方根との積T√Dである捩り係数TNの値を
2.466×103 以上かつ3.036×103 以下
するとともに、前記カーカスは、その折返し部の途切れ
端を起点とし、該途切れ端のビード底面からの高さであ
る折返し高さの60%以上の長さを前記ビード底面側に
向かってのびる端末部において、カーカスプライのカー
カスコードと該カーカスプライに隣り合うカーカスプラ
イのカーカスコードとの間のカーカスプライの厚さ方向
の距離を、カーカスコードの直径の1/4倍以上かつ
2.0倍以下とし、しかも前記カーカスは、本体部及び
前記端末部を除く折返し部とにおいて、カーカスプライ
のカーカスコードと該カーカスプライに隣り合うカーカ
スプライのカーカスコードとの間のカーカスプライの厚
さ方向の距離を、前記端末部におけるカーカスコード間
の距離よりも小、かつカーカスコードの直径の0.1倍
以上かつ1.6倍以下としている。
【0007】
【作用】このように構成する高速重荷重用クロスプライ
タイヤはカーカスコードに芳香族ポリアミド繊維を用い
ているため、ナイロンコードの約3〜4倍の優れた引張
強度が得られ、タイヤ強度を維持しつつカーカスプライ
数を大巾に減じることが可能となる。
【0008】又カーカスコードはその捩り係数TNを
2.466×103 〜3.036×103 の範囲として
いるため、ナイロンコードとほぼ同等の伸長性を具え、
ビード部における圧縮歪に起因した破断損傷を抑制しビ
ード耐久性を向上しうる。
【0009】
【実施例】以下本発明の高速重荷重用クロスプライタイ
ヤが航空機用タイヤである場合を例にとり、図面に基づ
き説明する。
【0010】正規リムRに取付けかつ正規内圧を充填し
た状態を示す図1において、高速重荷重用クロスプライ
タイヤ1(以下タイヤ1という)は、ビードコア2が通
る一対のビード部3と、各ビード部3に連なりかつタイ
ヤ半径方向外向きにのびるサイドウォール部4と、その
外端間を継ぐトレッド部5とを具える。
【0011】又、前記ビード部3、3間には、トレッド
部5からサイドウォール部4を通りビード部3にのびる
トロイド状の本体部6A両端に、前記ビードコア2の廻
りをタイヤの内側から外側に折返される折返し部6Bを
設けたカーカス6が架け渡されるとともに、該カーカス
6の半径方向外側かつトレッド部5内方にはトレッド部
5を補強しレインフォースドファブリック9をタイヤ円
周方向に巻装している。
【0012】前記カーカス6は、カーカスコード8をタ
イヤ赤道に対して30°以上かつ60゜以下、より好ま
しくは35〜45°の角度で配列した2枚以上、本例で
は4枚のカーカスプライ6a…から形成される。又カー
カス6は、隣り合うカーカスプライ6aの間において、
夫々カーカスコード8が円周方向に対して交互に交差し
て傾くように夫々向きを違えて重置している。又各カー
カスプライ6aの折返し端は、夫々タイヤ半径方向に順
次位置を違えて終端し、タイヤ変形の際の折返し部6B
に作用する応力集中を緩和する一方、前記本体部6Aと
折返し部6Bとの間には、ビードコア2からタイヤ半径
方向外方に向かって先細状にのびる硬質ゴムからなるビ
ードエーペックス10が介在し、ビード部3からサイド
ウォール部4にかけて補強している。
【0013】そして本発明では、前記カーカスコード8
を、複数本の芳香族ポリアミド繊維からなる素線を互い
に撚り合わせて形成し、カーカスプライ数を減じつつタ
イヤ強度を高めている。
【0014】又内圧充填時、該カーカスコード8に伸び
を付与し、該コードの圧縮破断を抑制するために、前
カーカスコード8は、その0cm長さ当たりの撚り数T
と該コードのトータルデニー数Dの平方根との積T√
Dである捩り係数TNの値を2.466×103 以上か
つ3.036×103 とている。なお前記捩り係数T
Nが2.466×103 未満の場合には、伸度が小とな
り圧縮破断抑制効果を不十分とする。又捩り係数TNが
3.036×103 をこえると伸度が過大となり、タイ
ヤ剛性を損ね走行性能を低下するとともに該カーカスコ
ード8の製造を困難とする。
【0015】又カーカスコードは、本実施例では、そ
の破断時の伸び(%)を前記コードのトータデニール
数Dで除した値である破断伸度Eが7.78×10-4以
上かつ12.22×10-4(%/D)以下とするのが
ましい。破断伸度Eが7.78×10-4未満の場合には
内圧の充填によってもカーカスコード8の伸びは少であ
り圧縮破断を誘発しやすく又12.22×10-4をこえ
ると伸びが過大となる。
【0016】又前記カーカスコード8は図2に示すよう
に、トッピングゴム12に埋着させることにより前記カ
ーカスプライ6aを形成する。このトッピングゴム12
には補強性及び低発熱性に加えて前記コードの特性を発
揮させるものを用いる。このようなものして、天然ゴ
ム、合成イソプレンゴムの1種又は2種以上からなる基
材にカーボンを50〜70重量部が混合されかつ100
%モジュラスが30〜70kg/cm2 、破断時の伸びが2
00%以上かつ500%以下のものが好適に用い
る。カーボンが50重量部未満の場合は、補性が低下
し、70重量部をこえる場合は発熱が大きくなる傾向に
ある。他方100%モジュラスが30kg/cm2 未満の場
合は、発熱が大きくなり、70kg/cm2 をこえると補強
性が低くなりやすい。又破断時の伸びが200%未満の
場合、カーカスの歪に対する追従性が不足しゴム破断を
招きやすく、500%を越えると発熱性が高くなる傾向
にある。
【0017】芳香族ポリアミドを用いた繊維は、優れた
強度を具える反面、従来、ナイロン、脂肪族ポリアミド
に比べてトッピングゴム12との接着力が劣るという問
題があり、その利用が妨げられていた。
【0018】しかし、芳香族ポリアミドに適した新規な
接着処理方法を見出すことにより、芳香族ポリアミドと
トッピングゴム12との接着力を、ナイロン、脂肪族ポ
リアミドなどと同等或はそれ以上とすることが出来るよ
うになり、芳香族ポリアミドからなる繊維をカーカスコ
ードとして採用することが可能となったのである。
【0019】なおナイロン、脂肪族ポリアミドをトッピ
ングゴムに接着する工程は、表1に示す如く、2浴処理
で行われる。しかし前記処理手順で芳香族ポリアミド繊
維とトッピングゴムとを接着した場合には、接着力はナ
イロン等のそれに比べて顕著に低下し、カーカスとして
の機能を達成し得ないものがある。
【0020】
【表1】
【0021】そこで表2に示す如く1浴工程を続けて2
回行い、しかも2浴工程も前記1浴工程と同様に2回連
続して行うことにより、カーカスコード8とトッピング
ゴム12との接着力を21.0kg/cm以上になし得たの
である。
【0022】
【表2】
【0023】前記接着力が21.0kg/cm未満になると
大荷重、大きな変形下における高速回転時においてセパ
レーションが発生する危険があり航空機用などの高速重
荷重用タイヤとして採用することが出来ない。
【0024】又本実施例ではカーカス6は、2枚以上の
前記構成によるカーカスプライ6a…によって形成さ
れ、前記ビードコア2の周りをタイヤ軸方向内側から外
側に向かって折返す外巻きのカーカスプライ群16A
と、該外巻きのカーカスプライ群16Aの外側に配され
る2枚以上のカーカスプライ6a…からなり前記ビード
コア2の周りをタイヤ軸方向外側から内側に向かって折
返す内巻きのカーカスプライ群16Bが設けられる。従
って内巻きのカーカスプライ群16Bは、その本体部6
Aによって前記外巻きのカーカスプライ群16Aの折返
し部6Bを覆っている。
【0025】前記外巻きのカーカスプライ群16Aにあ
っては、内巻きのカーカスプライ群16Bの重ね枚数と
同じ枚数又はそれ以上としている。本実施例では、外巻
きのカーカスプライ群16Aでは2枚のカーカスプライ
6a、6aによって形成される一方、内巻きのカーカス
プライ群16Bにあっては、2枚のカーカスプライ6
a、6aによって形成される。
【0026】このように外巻きのカーカスプライ群16
Aの折返し部6Bを内巻きのカーカスプライ群16Bの
本体部6Aによって覆うことにより、タイヤの曲げ変形
に起因する外巻きのカーカスプライ群16Aの折返し部
6Bでのプライ間剥離を防止することが出来、カーカス
6を小数枚数のカーカスプライで形成した場合に生じが
ちであった折返し部6Bの発熱に起因する抜け落ちを防
止することが出来る。
【0027】又、本実施例では、外巻きのカーカスプラ
イ群16A及び内巻きのカーカスプライ群16Bのそれ
ぞれの折返し高さMを次の如く規定している。即ち各カ
ーカスプライ群16A、16Bにそれぞれ含まれるカー
カスプライ6a…、6a…の内で、その先端eが最も半
径方向外側に位置するカーカスプライ6amについてビ
ード底面3Aから前記最も外側に位置する先端eである
プライ群の端縁Pまでの高さを折返し高さMとしてい
る。
【0028】さらに前記折返し部6Bにおいて、前記先
端Pを起点としてビード底面3A側に向かって前記折返
し高さMの60%以上の範囲を端末部Nとしている。
【0029】この端末部Nにおいては、カーカスプライ
6aのカーカスコード8と該カーカスプライ6aに隣り
合うカーカスプライ6aのカーカスコード8との間のカ
ーカスプライ6aの厚さ方向の距離Lを、カーカスコー
ドの直径の1/4倍以上かつ2.0倍以下としている。
又、本実施例では、前記端末部Nに図3(A)に示す如
く保護ゴム層21を設けることによって前記距離L1を
設定している。
【0030】保護ゴム層21は図3(B)及び図4に示
す如く各プライ6aの途切れ端e…を含む端末部NをU
字に被覆に被覆したストリップゴムシート22によって
形成される。ストリップゴムシート22は、0.2mm以
上かつ2.0mm以下の厚みtと前記端末部Lを先端eを
含んで覆いうる長さを有し、半加硫もしくは未加硫のゴ
ムからなる帯状をなす。又ストリップゴムシート22
は、カーカスプライ6a…の各端末部N…をそれぞれ覆
って貼着し、かつ金型内で加硫形成することにより形成
される。なおこのストリップゴムシート22は、加硫形
成の際の充填内圧等により、先端eからある程度流出す
る。しかしながら予め前記厚さtを有するため、その残
部によってカーカスプライ6aのコード8と、それに隣
り合うカーカスプライ6aのカーカスコード8との間の
距離L1…を夫々カーカスコード8の直径Dの1/4倍
以上かつ2.0倍以下の範囲に維持できる。しかも保護
ゴム層21を設けることによって、プライ6a、6a間
に作用しかつカーカスプライ6aの先端eで集中する剪
断力をそのゴム弾性によって緩和・吸収しうる。
【0031】前記距離L1がカーカスコード8の直径D
の1/4倍未満では、端末部Nにおいてカーカスプライ
6aが剥離しやすく、又2.0倍をこえるとビード部
3、サイドウォール部4の内部温度が上昇しゴムの熱破
壊を誘発することがあり、又タイヤ重量を増加させる。
【0032】なおゴム補強層21…は、それらを挟むカ
ーカスコード8、8に追従して伸縮する必要があり、そ
のたに、100%モジュラスを40以上かつ70kg/
cm2以下、破断時の伸びを200以上かつ350%以
下、しかも破断時の応力を150以上かつ300kg/cm
2 以下としたゴ組成体が用いられる。
【0033】なお100%モジュラスが40kg/cm2 未
満の場合には発熱が大きくなり、熱破壊を招きやすく、
又70kg/cm2 をこえると剪断力緩和効果が不十分とな
る他、コードとの接着性が低下しコードルースを生じや
すい。
【0034】又剪時の伸びが200%未満の場合コー
ドへの従性が不足しゴム破壊を招きやすく、350%
をこえると発熱性が高くなる。さらに破断時の応力が1
50kg/cm2 未満では強度不足となり、又300kg/cm
2 をこえると剪断力緩和効果に劣る傾向にある。
【0035】さらに、前記カーカスコード8、8間の距
離L1は、前記したゴム補強層を設けることなく、隣り
合うカーカスプライ6a、6aのプライの厚さを前記端
末部Nに限定して規制することによって形成してもよ
い。
【0036】さらに本実施例では、カーカス6は、本体
部6Aと折返し部6Bの前記端末部Nを除く折返し部6
Bとにおいて、図5に示す如くカーカスプライ6aのカ
ーカスコード8と、該カーカスプライ6aに隣り合うカ
ーカスプライ6aのカーカスコード8との間のカーカス
プライの厚さ方向の距離L2を前記端末部Nにおけるカ
ーカスコード8、8間の距離L1よりも小とし、しかも
カーカスコード8の直径Dの0.1倍以上かつ1.6倍
以下としている。前記距離L2が端末部Nにおけるコー
ド間の距離L1に比べて小とすることによって、端末部
N以外のカーカス6の全厚さTを、カーカス強度低下を
招くことなく小さくでき、タイヤ重量を軽減しうる。
【0037】又前記距離L2がカーカスコード8の直径
の0.1倍未満となるとカーカスプライ6a、6a間の
接着力が低下しカーカスコード8に弛みが生じる一方、
前記距離L2が1.6倍をこえるとタイヤ重量が増加
し、又発熱によりゴムの熱破壊を誘発する危険がある。
さらに好ましくは0.3〜1.0倍の範囲である。
【0038】又前記カーカス6の外側には、リトレッド
ゴム13を介して前記レインフォースドファブリック9
を設けている。
【0039】レインフォースドファブリック9は、カー
カス6側に配される広巾のレインフォースドファブリッ
クプライ9aと、その外側のレインフォースドファブリ
ックプライ9bとからなり、タイヤ接地面のタイヤ軸方
向巾Wの100〜130%程度の巾に形成される。なお
このレインフォースドファブリック9は、トレッド部5
への補強効果と接地面からの損傷がカーカス6に達する
のを防ぐ保護効果とを主目的とする一方、高速回転に伴
う遠心力によるタイヤの外形成長を防止する。このため
に、レインフォースドファブリックコードとしては、前
記カーカスコード8と同質のものが好適に用いられ、又
タイヤ赤道に対して45度以上の角度でしかもプライ9
a、9b間で交差させて配している。なおレインフォー
スドファブリックコードとして従来タイヤと同質のもの
も使用しうる。
【0040】本実施例のようにカーカス6を形成するこ
とにより、従来の高速重荷重用として用いられるタイヤ
に比べて、カーカスプライ6aの構成枚数を大巾に節減
することが出来、耐久性を維持しつつタイヤ重量を軽減
しうるのである。
【0041】図6は本発明の他の実施例を示す。本実施
例では、ビードコア2はタイヤ軸方向内側から外側に向
かって並置される内のビードコア2A、外のビードコア
2Bを含んでいる。又カーカス6は、少なくとも2枚の
カーカスプライ6a…を重ね合わせることにより形成さ
れかつ前記内のビードコア2Aをタイヤ軸方向内側から
外側に折返す内のカーカスプライ群26Aと、少なくと
も2枚のカーカスプライ6a…を重ね合わせることによ
り形成されかつ前記外のビードコア2Bをタイヤ軸方向
内側から外側に折返す外のカーカスプライ群26Bと、
この外のカーカスプライ群26Bの外側に配されかつ4
枚以下のカーカスプライ6a…を重ね合わせて形成され
るとともに、前記外のビードコア2Bの周りを巻回しか
つビード底面3Aに沿ってタイヤ軸方向内側にのびる補
強カーカスプライ群27とを設けている。
【0042】なお内のカーカスプライ群26Aにおける
カーカスプライ6aの重ね枚数は外のカーカスプライ群
26Bのカーカスプライの重ね枚数よりも大、かつ4枚
以下としている。又補強カーカスプライ27は省略する
ことも出来る。
【0043】内、外の各カーカスプライ群26A、26
Bにあっては、その端末部Nにおけるカーカスコード間
の距離を前述した図1、3に示すシングルビードコアの
構成のものと同様に、カーカスコード8の直径Dの1/
4倍以上かつ2.0倍以下に規制する一方、本体部6a
と端末部N以外の折返し部6bとにおけるカーカスコー
ド間の距離を端末部における距離よりも小、しかもカー
カスコード8の直径Dの0.1倍以上1.6倍以下とし
ており、耐久性の向上とタイヤ重量の低減とを図ってい
る。
【0044】このように本発明においては、種々な態様
のものに変形することが出来る。
【0045】
【具体例】図1に示すタイヤ構造をなしかつタイヤサイ
ズが46×16の航空機用タイヤを表3の仕様に基づき
試作するとともに、該タイヤの強度を従来タイヤと比較
した。なおタイヤ強度テストとして水圧テストが採用さ
れ、破壊に至る最大圧力を測定している。又カーカスの
破損については、米国航空局規格TSO−C62cに基
づく離陸テストを100%基準荷重の下で100回行い
その時のカーカスプライのトッピングゴム破壊の有無を
評価した。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】徐上のごとく本発明の高速重荷重用クロ
スプライタイヤは、芳香族ポリアミド繊維を用いかつ捩
り係数を規制したカーカスコードを用いているため、優
れた強力と伸度が得られ、タイヤ強度及びビード耐久性
を維持しつつカーカスプライ数を大巾に低減でき、タイ
ヤの軽量化を達成しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】カーカスコードを示す斜視図である。
【図3】(A)はカーカスの折返し部を拡大して示す部
分断面図であり(B)は端末部に用いるゴム補強層を例
示する断面図である。
【図4】図1におけるA−A断面図である。
【図5】図1におけるB−B断面図である。
【図6】他の実施例を示す断面図である。
【図7】従来技術を説明する略断面である。
【符号の説明】
2、2A、2B ビードコア 3 ビード部 3A ビード底面 4 サイドウォール部 5 トレッド部 6A 本体部 6B 折返し部 6 カーカス 6a カーカスプライ 8 カーカスコード 16A 外巻きのカーカスプライ群 16B 内巻きのカーカスプライ群 26A 内のカーカスプライ群 26B 外のカーカスプライ群 27 補強カーカスプライ群 D カーカスコードの直径 L1 距離 L2 距離 M 折返し高さ N 端末部 P 端縁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 9/06 B60C 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部に至る本体部に、ビードコアの廻りで折返される
    折返し部を設けるとともにカーカスコードをタイヤ赤道
    に対して30゜以上かつ60゜以下の角度で配列した少
    なくとも2枚のカーカスプライからなりかつ各カーカス
    コードをカーカスプライ間で互いに交差させたカーカス
    を具えるとともに、 前記カーカスコードは芳香族ポリアミド繊維を互いに撚
    り合わせて形成され、しかもカーカスコードの10cm長
    さ当りの撚り数Tとカーカスコードのトータルデニール
    数Dの平方根との積T√Dである捩り係数TNの値を
    2.466×103 以上かつ3.036×103 以下
    するとともに、 前記カーカスは、その折返し部の途切れ端を起点とし、
    該途切れ端のビード底面からの高さである折返し高さの
    60%以上の長さを前記ビード底面側に向かってのびる
    端末部において、カーカスプライのカーカスコードと該
    カーカスプライに隣り合うカーカスプライのカーカスコ
    ードとの間のカーカスプライの厚さ方向の距離を、カー
    カスコードの直径の1/4倍以上かつ2.0倍以下と
    し、 しかも前記カーカスは、本体部及び前記端末部を除く折
    返し部とにおいて、カーカスプライのカーカスコードと
    該カーカスプライに隣り合うカーカスプライのカーカス
    コードとの間のカーカスプライの厚さ方向の距離を、前
    記端末部におけるカーカスコード間の距離よりも小、か
    つカーカスコードの直径の0.1倍以上かつ1.6倍以
    下としたことを特徴とする 高速重荷重用クロスプライタ
    イヤ。
  2. 【請求項2】前記カーカスは、少なくとも2枚のカーカ
    スプライを重ね合わせることによりそれぞれ形成されか
    つ前記ビードコアをタイヤ軸方向内側から外側に折返す
    外巻きのカーカスプライ群と、前記ビードコアの周りを
    タイヤ軸方向外側から内側に折返す内巻きのカーカスプ
    ライ群とを含み、しかも内巻きのカーカスプライ群のカ
    ーカスプライの枚数は外巻きのカーカスプライ群のカー
    カスプライの枚数と同数又は大、かつ4枚以下としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の高速重荷重用クロスプラ
    イタイヤ。
  3. 【請求項3】前記ビード部は、タイヤ軸方向に並ぶ内の
    ビードコアと外のビードコアとを具えるとともに、前記
    カーカスは、少なくとも2枚のカーカスプライを重ね合
    わせることによりそれぞれ形成されかつ前記内のビード
    コアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折返す内のカ
    ーカスプライ群と、前記外のビードコアの周りをタイヤ
    軸方向内側から外側に折返す外のカーカスプライ群とを
    含み、しかも内のカーカスプライ群のカーカスプライの
    枚数は外のカーカスプライ群のカーカスプライの枚数と
    同数又は大かつ4枚以下としたことを特徴とする請求項
    1記載の高速重荷重用クロスプライタイヤ。
  4. 【請求項4】前記カーカスは、外のカーカスプライ群の
    外側に配されかつ4枚以下のカーカスプライによって形
    成されるとともに、外のビードコアを外側から内側に向
    かって折れ曲がりかつビード底面に沿ってのびる補強カ
    ーカスプライ群を設けてなる請求項3記載の高速重荷重
    用クロスプライタイヤ。
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