JP3652116B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂肪族ポリケトン繊維を補強コードに用いた空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、脂肪族ポリケトン繊維の分子骨格とコード物性を特定することにより、軽量かつ安価な脂肪族ポリケトン繊維を有効利用しながら優れたタイヤ性能を発現することを可能にした空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
地球温暖化対応のへ感心の高まりに伴って、経済性の高い製品がより求められるようになっている。また一方では、高度化した自動車社会においてタイヤの走行性能の更なる改善要求も高い。
経済性の追求の観点からはタイヤの製造プロセスの簡略化や自動化などが試みられている。このような例として2プライカーカスを有する乗用車用ラジアルタイヤにおいては、1プライ化することで生産性向上や使用材料の削減の検討が進められている。
【0003】
一般に2プライカーカスタイヤを単に1プライ化すると、カーカス層の剛性低下に起因する操縦安定性の低下や高速耐久性の低下を生じ易い。
また、生産性向上の観点から、従来のようにカーカスコードを形成するに際して繊維コードをスダレ織物とし、更に接着熱処理した後、この織物にゴムを被覆し、更に所定幅に切断した後にタイヤを成型するという煩雑な工程を省略するために、予めタイヤの断面形状を有する金型の表面にカーカスコードを連続的に編み上げてカーカス層を形成する試みも為されている。
【0004】
このような連続編み上げ構造を用いた場合には、従来のようにカーカスコードの切断端部をタイヤビード部で巻き上げることでカーカスコードをビードに係止し、且つ巻き上げ部をタイヤ外側に配置することでビード部近辺の剛性を高めてタイヤの剛性を確保しようとすることが実質的に困難になる。このような構造は材料準備工程が大幅に省略されるためにタイヤの生産性が高まるが、カーカスのビード部での巻き上げ部がなくなるために、ビード周辺部での剛性が低下しタイヤの操縦安定性や高速性能が低下するという問題が生じ易い。
【0005】
上記課題を解決するためには高い剛性と高い強度を有し、且つ経済性に優れたカーカス材料が必要であった。
従来、乗用車用ラジアルタイヤのカーカスコードとしては、レーヨン繊維やポリエチレンテレフタレート繊維が好んで用いられてきた。
しかし、レーヨン繊維は原料資源の問題、製造時の臭気などの環境問題から生産規模が世界的に縮小傾向にある。また、レーヨン繊維は強度が低いため、2プライカーカスのタイヤを1プライにするには繊維コードを大幅に太くし、コードの打ち込み本数も増やす必要があり、結果としてタイヤの重量低減が図れないという問題がある。更に、レーヨンは吸湿によって強度低下だけでなく引張り弾性率も低下するために湿度管理を十分に行わなければならないというような煩雑さがある。
【0006】
これに対して、ポリエチレンテレフタレート繊維は、紡糸技術の向上に伴い高強度化が進み、価格的にも他の合成繊維に比べて安価なことから、近年最も使用量が多く、空気入りラジアルタイヤにおけるカーカス層の補強材の主流となっている。
【0007】
しかしながら、ポリエチレンテレフタレート繊維コードには、ゴムとの接着性を高めるために、例えば予めエポキシ樹脂処理した後にRFL処理を施すといった所謂2浴処理を適用しなければならないという生産上の問題がある。更に、ポリエチレンテレフタレート繊維コードはレーヨン繊維に比較してモジュラスも低いためカーカス層を構成してタイヤとしたときに、高速走行に際してタイヤ外径成長が生じ易い。タイヤ外径成長が生じるとタイヤ内部で部材間の接着界面の破壊が生じ易く、高速耐久性が低下し易い。従って、ポリエチレンテレフタレート繊維コードをカーカス層に用いた2プライカーカスを有するタイヤについて、性能低下を招くことなく1PLY化することは容易でない。
【0008】
強度・弾性率の面から言えばアラミド繊維がきわめて高いポテンシャルを持つことが知られており、特殊なタイヤのカーカスコードとして利用されている。しかしながら、アラミド繊維は高価であり経済性の観点では好ましくない。また、アラミド繊維は疲労耐久性に劣るために撚り数を高めて使用する必要がある。撚り数を高めると引張り弾性率が低下し、本来アラミド繊維が有する高い弾性率を有効に利用し難いという欠点がある。
【0009】
そのため、空気入りラジアルタイヤのカーカスコードとして強度・弾性率や経済性に優れる新たな素材の開発が要望されていた。
一方、空気入りラジアルタイヤのベルト部には、その優れた強度及び弾性率によりスチールベルト層が使われている。このスチールベルト層は、スチールコードがタイヤ周方向に対して比較的小さな角度(10度〜30度)でプライ間のコードが互いに交差し、ベルト層の幅方向両側端に切断面のある2層からなる構造であった。しかし、スチールベルト層は比重が大きい故にタイヤ重量が大となり、更には、その切断面に応力が集中してゴム層との間にセパレーションが生じ易く、高速耐久性が劣るようになるといった欠点があった。
【0010】
スチールベルト層を有するタイヤの高速耐久性を改良する方法として、スチールベルト層のトレッド側上部に有機繊維コードをタイヤ周方向にほぼ平行に配置することで高速耐久性を改良する試みがなされている。しかしながら、スチールベルト層に加え有機繊維コード層を更に付け加えるとタイヤ重量は更に増大するという欠点がある。
【0011】
また、このようなスチールコードを用いたベルト層の問題を回避する方法として軽量で高強度度・高弾性率なアラミド繊維をベルト層に用いる方法も試みられている。しかしながら、アラミド繊維はゴムとの接着性に乏しく、また屈曲疲労抵抗性に劣るという欠点がある。そのため、アラミド繊維をゴムと接着させるために、予めエポキシ樹脂やイソシアネートなどで処理した後にRFL処理を施すといった煩雑な処理を必要とする。また、屈曲疲労抵抗性を改良するために該繊維をコードに撚り上げるに際して、高い撚り数を付与する結果、強度の低下や弾性率の低下が生じるためにコードの打ち込み本数を増やすなどの方法が必要となり経済的でない。
【0012】
そのため、空気入りラジアルタイヤのベルトコードとして接着性が良好で強度・弾性率に優れる新たな有機繊維材料の開発が要望されていた。
近年、特開平1−124617号公報、特開平2−112413号公報、米国特許第5194210号公報、特開平9−324377号公報で開示された脂肪族ポリケトン繊維は高強度で高モジュラスな特性を有し、更にゴムとの接着性も良好であり、また、その原料も一酸化炭素とオレフィンを用いるために安価であるためタイヤコードとしての可能性が指摘されている。
【0013】
しかしながら、上記脂肪族ポリケトン繊維をタイヤに適用するに当たって、タイヤ性能を有効に発揮するための具体的な技術は全く開示されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリエチレンテレフタレート繊維コードにわる新規な脂肪族ポリケトン繊維コードをカーカス層の補強材、即ちカーカスコードに用いることによって、軽量で経済性が高く、高速耐久性、荷重耐久性、操縦安定性、乗り心地に優れ、更に耐外傷性も維持することを可能にし、特に1プライカーカスタイヤとして優れた空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、新規な脂肪族ポリケトン繊維コードをベルト層に用いることにより高速耐久性、操縦性を損なうことなく軽量で乗り心地性に優れ、しかも経済性が高い空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、カーカス層を形成する繊維コードが(1)式で表される構造を有し、nとmの関係が1.05≧(n+m)/n≧1.00である脂肪族ポリケトン繊維を少なくとも含むコードからなり、該繊維コードの強度が10g/d以上、2.25g/d時の伸び率が3.5%以下であり且つ破断伸びが5%以上であると共に、前記繊維コードを被覆するコートゴムの60℃でのtanδが0.08〜0.13の範囲であることを特徴とするものである。
【0017】
(1)式 −(CH2 −CH2 −CO)n−(R−CO)m−
ここでRは炭素数が3以上のアルキレン基
本発明者は、新規な脂肪族ポリケトン繊維が持つ高強度、高弾性率という特性に着目し、これを空気入りラジアルタイヤのカーカス層へ適用すべく検討した。その結果、特定の分子骨格を有する脂肪族ポリケトン繊維が経済性とタイヤ性能を高度にバランス可能であること、また該繊維を被覆するゴムの特性を適正化することによって更に優れたタイヤ性能を発現可能であることを見出し本発明をなすに至ったのである。
【0018】
また、上記他の目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、左右一対のビード部間にカーカス層を懸架し、トレッド部におけるカーカス層の外側にベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、少なくとも1層のベルト層を形成する繊維コードが(1)式で表される構造を有し、nとmの関係が1.05≧(n+m)/n≧1.00である脂肪族ポリケトン繊維を少なくとも含むコードからなり、該繊維コードの強度が10g/d以上、2.25g/d時の伸び率が3.0%以下であると共に、前記繊維コードを被覆するコートゴムの100℃での100%モジュラスが3.5MPa以上であることを特徴とするものである。
【0019】
(1)式 −(CH2 −CH2 −CO)n−(R−CO)m−
ここでRは炭素数が3以上のアルキレン基
本発明者は、新規な脂肪族ポリケトン繊維が持つ高強度、高弾性率という特性に着目し、これを空気入りラジアルタイヤのベルト層へ適用すべく検討した。その結果、特定の分子骨格を有する脂肪族ポリケトン繊維が経済性とタイヤ性能を高度にバランス可能であること、また該繊維を被覆するゴムの特性を適正化することによって更に優れたタイヤ性能を発現可能であることを見出し本発明をなすに至ったのである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示するものである。図1において、左右一対のビード部1及びサイドウォール部2と両サイドウォール部に連なるトレッド部3からなり、ビード部1,1間にカーカス層4が装架され、カーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。また、トレッド部3においてはカーカス層4の外側にベルト層6がタイヤ1周に渡って配置されている。
【0021】
そして、本発明では、カーカス層4を少なくとも脂肪族ポリケトン繊維を含むコードで形成する。ここで用いる脂肪族ポリケトン繊維は特開平1−124617号公報、特開平2−112413号公報、米国特許第5194210号公報、特開平9−324377号公報などで開示された溶融紡糸や湿式紡糸によって得ることができるが、下記(1)式で表される構造を有し、nとmの関係が1.05≧(n+m)/n≧1.00である脂肪族ポリケトン繊維を用いることが本発明においては必須である。
【0022】
(1)式 −(CH2 −CH2 −CO)n−(R−CO)m−
ここでRは炭素数が3以上のアルキレン基
ここでmの分率(エチレン以外のアルキレンユニット)が増えると、タイヤの走行成長が大きくなり、耐久性が低下する。これは、紡糸繊維の結晶構造が、mユニットの増加により変化し分子鎖間の二次結合力が低下するためと考えられる。また、該繊維の強度が低くなると撚りコードとした時に更に強度が低下するのでタイヤの破壊強度を確保するためにコードの使用量を多くする必要があり、軽量で経済性の高いタイヤの提供が困難となる。ここでより好ましくはm=0である実質的にエチレンと一酸化炭素だけからなる交互共重合ポリマーを用いるのが良い。このような繊維を製造するには湿式紡糸を用いるのが好適である。
【0023】
更に、本発明に用いるカーカスコードとしては、タイヤ中での該繊維コードの引張強度が10g/d以上、2.25g/d時の伸び率が3.5%以下、破断伸びが5%以上である繊維コードを用いることが必要である。
【0024】
その理由は、2プライカーカスを用いていたものを1プライ化する場合に、従来の2プライ構造並みのタイヤ性能を確保しながら軽量性を発現し、更には経済的にも優れたタイヤを提供するためである。カーカスコードの引張り強度が10g/d未満であるとカーカスコードの打ち込み本数を増加させたり、コードの太さを太くする必要がある。しかしながら、打ち込み数が多過ぎるとカースコード間のゴムが実質的に存在しない状態となりカーカス層と廻りのゴム層間での接着破壊が生じ易くなり耐久性が低下する。一方、コードが太くなるとカーカス層が厚くなり軽量性の確保が困難となる。また、2.25g/d時の伸び率が3.5%を超えると1プライカーカスとした場合に、タイヤの剛性不足による高速走行時のタイヤ径方向の成長が大きくなり高速耐久性が低下するという問題や操縦安定性の低下を起こしやすい。更に、破断伸びが5%未満の場合には特にタイヤサイド部に対する外部からの衝撃による破壊抵抗が低下するという問題がある。
【0025】
本発明において、カーカスコードを被覆するコートゴムの60℃でのtanδが0.08〜0.13の範囲であることが好ましい。これは、本発明で用いる脂肪族ポリケトン繊維はガラス転移温度が低く、常温域からの温度上昇に伴って引張り弾性率が低下してくる知見に基づくものである。また、該繊維はより高温域で圧縮特性の低下やクリープ性が増大してくるという知見に基づくものである。これら現象が生じるのは、100℃強の温度域で該繊維の結晶構造の転移が起こり分子鎖間の二次結合力が低下するからであると考えられる。
【0026】
従って、カーカスコードを埋設するコートゴムの発熱が高いとタイヤの操縦性能の低下や高速耐久性の低下を生じ易い。ここでtanδが0.13を超えるとカーカスコートゴムの発熱が増大し発熱によって繊維コードのタイヤ中での引張り弾性率の低下が大きくなり高速耐久性や操縦安定性能が低下する。一方、tanδが0.08未満の場合にはタイヤの振動乗り心地特性が悪化する。但し、tanδは粘弾性スペクトロメーターを用いて初期歪み10%、動歪み±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件で測定したものである。
【0027】
更に、本発明においては、カーカスコードが脂肪族ポリケトン繊維とガラス転移温度が60℃以上で、強度が8g/d以上、初期引張弾性率が100g/d以上、破断伸びが5%以上の繊維とを撚り合わせてなるコードを用いることが好ましい。
【0028】
これは、上記のように脂肪族ポリケトン繊維の引張り弾性率が温度上昇によって低下してくる知見に基づく。通常タイヤ走行時の温度は60〜80℃であり、この温度域以上のガラス転移温度を持つ繊維材料と組み合わせることによって引張り弾性率の低下度合いを抑制できるため、タイヤの操縦安定性能の低下や高速性能の低下をより高度に抑制することが可能となる。但し、撚り合わされる繊維のガラス転移温度が高くても強度が低いとタイヤとしての強度確保が困難となる。また、弾性率が低いと操縦安定性能や高速耐久性低下の抑制効果が小さくなる。更に、撚り合わされる繊維の破断伸びが5%未満の場合にはタイヤサイド部の耐外傷性を確保するには不十分である。
【0029】
このような繊維としてポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維が挙げられるが、引張り弾性率とガラス転移温度がより高いポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維とポリビニルアルコール繊維がより好適である。また、これらの繊維と脂肪族ポリケトン繊維とを撚り合わせる方法としては、それぞれの繊維を別々に下撚りを加えた後に両者を合わせて上撚りを加える方法、それぞれの繊維を先ず合わせて下撚りを加え、更にこれらの複合された下撚り糸に上撚りを加える方法などが用いられる。
【0030】
更に本発明においては、該繊維コードから形成されるカーカス層の端部をビード部でタイヤの内側から外側に向けて巻き上げることなくビード部で係止してなるカーカス層を形成することが好ましい。
通常、空気入りラジアルタイヤでは、図1に示すようにカーカス層4の端部をビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返して巻き上げている。
【0031】
しかし、本発明に用いられるカーカスコードを利用し経済性が高く、軽量でかつタイヤ性能に優れたタイヤを提供する観点からは、図2(a)〜(c)の構造を適用することがより好ましい。即ち、図2(a)の構造では、ビードコア5をタイヤ径方向に2層に構成し、タイヤ内側から外側へ向けてビードコア5の上部ビード層5aと下部ビード層5bと間にカーカス層4の端部を挟み込むことにより、カーカス層4の端部をビードコア5の外側に巻き上げることなく係止している。また、カーカス層4はカーカスコードをタイヤ幅方向に往復させることにより編み上げられており、その端部に切断端を持たない構造となっている。
【0032】
図2(b),(c)はカーカス層4の端部をビードコア5の外側に巻き上げることなく、ビードコア5に沿わせて係止した他の構造を例示するものである。この場合、カーカスコードの端部はビードコア5よりタイヤ内側を通り、ビードコア5の内端側位置で係止されている。
特に、本発明のカーカスコードは引張り弾性率が高いので、カーカス層が巻き上げ構造を有していなくてもタイヤの剛性低下を回避することができ、タイヤ性能の低下を回避しながら軽量でかつ経済性に優れたタイヤを提供することができる。
【0033】
更に本発明のカーカスコードに用いられる脂肪族ポリケトン繊維は、使用される温度が高くなるとその結晶形態が変化し圧縮特性の低下を生じ易い。そのため、カーカス層がタイヤ外側に配置されない図2(a)〜(c)の構造を適用することによりカーカスコードが圧縮応力を受けることを回避できるので、タイヤの荷重耐久性の低下を抑制可能となる。
【0034】
更に本発明でカーカスコードに用いられる繊維コードは、K=T√Dで表される撚り係数Kが1200〜2200の範囲であり、コードの総デニール数が2000D〜4000Dであることが好ましい。撚り係数Kが1200未満では耐疲労性の確保が困難となるばかりでなく、破断伸びが低下し耐外傷性が悪化する。2200超ではモジュラスの低下が大きく操縦安定性や高速耐久性の確保が困難となる。また、コードの総デニール数が2000D未満では打ち込み本数も増加し生産性が悪化する。一方、4000D超ではエンド数が少なくなり耐外傷性の低下やカーカス層の厚みが増加するためにタイヤ重量が増大する。ここでKは撚り係数、Tはコードの上撚り数(回/10cm)、Dはコードの総デニール数である。
【0035】
図3は本発明の他の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示するものである。本発明の空気入りラジアルタイヤは、左右一対のビード部1及びサイドウォール部2と両サイドウォール部に連なるトレッド部3からなり、ビード部1,1間にカーカス層4が装架され、カーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。また、トレッド部3においてはカーカス層4の外側に2層のベルト層6がタイヤ1周に渡って配置されている。
【0036】
そして、本発明では、少なくとも1層のベルト層6を少なくとも脂肪族ポリケトン繊維を含むコードで形成する。ここで用いる脂肪族ポリケトン繊維は特開平1−124617号公報、特開平2−112413号公報、米国特許第5194210号公報、特開平9−324377号公報などで開示された溶融紡糸や湿式紡糸によって得ることができるが、下記(1)式で表される構造を有し、nとmの関係が1.05≧(n+m)/n≧1.00である脂肪族ポリケトン繊維を用いることが本発明においては必須である。
【0037】
(1)式 −(CH2 −CH2 −CO)n−(R−CO)m−
ここでRは炭素数が3以上のアルキレン基
ここでmの分率(エチレン以外のアルキレンユニット)が増えると、タイヤ走行時にベルト部の成長が大きくなり、耐久性も低下する。これは、紡糸繊維の結晶構造が、mユニットの増加により変化し分子鎖間の二次結合力が低下するためと考えられる。また、該繊維の強度が低くなると撚りコードとした時に更に強度が低くなるのでタイヤの破壊強度を確保するためにコードの使用量を多くする必要があり、軽量で経済性の高いタイヤの提供が困難となる。ここでより好ましくはm=0である実質的にエチレンと一酸化炭素だけからなる交互共重合ポリマーを用いるのが良い。このような繊維を製造するには湿式紡糸を用いるのが好適である。
【0038】
更に、本発明に用いるベルトコードとしては、タイヤ中での該繊維コードの引張強度が10g/d以上、2.25g/d時の伸び率が3.0%以下である繊維コードを用いることが必要である。
【0039】
ベルトコードの引張り強度が10g/d未満であるとベルトコードの打ち込み本数を増加させたり、コードの太さを太くする必要がある。しかしながら、打ち込み数が多過ぎるとベルトコード間のゴムが実質的に存在し無い状態となり、ベルト層と廻りのゴム層間での接着破壊が生じ易くなり耐久性が低下する。一方、コードが太くなるとベルト層が厚くなり軽量性の確保が困難となる。また、2.25g/d時の伸び率が3.0%を超えると、ベルト層の剛性不足による高速走行時のタイヤ径方向の成長が大きくなり高速耐久性が低下するという問題や操縦安定性の低下を起こしやすい。
【0040】
本発明において、ベルトコードを被覆するコートゴムの100℃での100%モジュラスが3.5MPa以上であることが好ましい。これは、本発明で用いる脂肪族ポリケトン繊維はガラス転移温度が低く、常温域からの温度上昇に伴って引張り弾性率が低下してくる知見に基づくものである。また、該繊維はより高温域で圧縮特性の低下やクリープ性が増大してくるという知見に基づくものである。これら現象が生じるのは、100℃強の温度域で該繊維の結晶構造の転移が起こり分子鎖間の二次結合力が低下するからであると考えられる。
【0041】
ベルトコードを埋設するコートゴムの100℃でのモジュラスが3.5MPa未満の場合、タイヤ走行に伴う発熱によって繊維コードの弾性率の低下によるタイヤ操縦性能の低下や高速耐久性低下の抑制が困難となる。但し、ゴムのモジュラスはJIS(1995年度版)のK6301に記載の加硫ゴム物理試験方法の引張試験に従って測定したものである。
【0042】
更に、ベルトコードを埋設するコートゴムの60℃でのtanδが0.16〜0.22の範囲であることが好ましい。このtanδが0.22を超えるとタイヤベルト層の発熱が増大し、コートゴムのモジュラスが大きくてもベルト層の剛性低下を十分に抑制することが困難となる。一方、tanδが0.16未満の場合にはタイヤの振動乗り心地特性が低下する。但し、tanδは粘弾性スペクトロメーターを用いて初期歪み10%、動歪み±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件で測定したものである。
【0043】
更に、本発明においては、ベルトコードが脂肪族ポリケトン繊維とガラス転移温度が60℃以上で、強度が8g/d以上、初期引張弾性率が100g/d以上の繊維とを撚り合わせてなるコードを用いることが好ましい。
これは、上記のように脂肪族ポリケトン繊維の引張り弾性率が温度上昇によって低下してくる知見に基づく。通常タイヤ走行時の温度は60〜80℃であり、この温度域以上のガラス転移温度を持つ繊維材料と組み合わせることによって引張り弾性率の低下度合いを抑制できるため、タイヤの操縦安定性能の低下や高速性能の低下をより高度に抑制することが可能となる。但し、撚り合わされる繊維のガラス転移温度が高くても強度が低いとタイヤとしての強度確保が困難となる。また、弾性率が低いと操縦安定性能や高速耐久性低下の抑制効果が小さくなる。
【0044】
このような繊維としてアラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維が挙げられるが、引張り弾性率とガラス転移温度がより高いポリエチレンー2,6−ナフタレート繊維やアラミド繊維がより好適である。また、これらの繊維と脂肪族ポリケトン繊維とを撚り合わせる方法としては、それぞれの繊維を別々に下撚りを加えた後に両者を合わせて上撚りを加える方法、それぞれの繊維を先ず合わせて下撚りを加え、更にこれらの複合された下撚り糸に上撚りを加える方法などが用いられる。
【0045】
更に本発明においては、図4(a),(b)に示すように繊維コードを1本乃至複数本平行にゴムマトリックスに埋設してなるテープ6aを、カーカス層4の外周にタイヤ周方向に対して10度乃至35度の角度で、ベルト幅方向両端部で折り曲げ或いは折り返しながら連続的に周回させて実質的に2層からなるベルト層6を形成することが好ましい。このようにベルト層6を形成することによりコードの切断端が実質的になくなるのでベルト端部での接着破壊が発生し難くなるだけでなく、タイヤ周方向の剛性が高まるために、本発明に使用される繊維コードの欠点である温度上昇に伴う引張り弾性率の低下に起因するタイヤ周方向の成長がより効果的に抑制可能となり、より軽量で高速耐久性・操縦安定性の高いタイヤが提供可能となる。尚、このような構造の他の例を図5(a)〜(c)に示すが、これに限定されるものではない。図中のRはタイヤ周方向を示す。
【0046】
また、ベルト層6のトレッド側に、タイヤ周方向に対して実質的に平行に有機繊維コードを配置してなるベルトカバー層7を具備していることが更に好ましい。このようにすることで連続的に折り曲げ或いは折り返して形成されるベルト層の周期性に起因する振動乗り心地性の低下が抑制されることになり、より居住性に優れたタイヤが提供できることになる。ここで用いられる有機繊維コードは特に限定されるものではなく、66ナイロン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アラミド繊維などを用いることができるが、本発明のベルト層に用いる繊維コードを使用することでベルト層とベルトカバー層を連続的に形成できるので生産性が高まりより経済性の高いタイヤが提供可能となる。
【0047】
更に本発明でベルトコードに用いられる繊維コードは、K=T√Dで表される撚り係数Kが1000〜2000の範囲であり、コードの総デニール数が3000D〜5000Dであることが好ましい。撚り係数Kが1000未満では耐疲労性の確保が困難となるばかりでなく、破断伸びが低下し耐外傷性が悪化する。2000超ではモジュラスの低下が大きく操縦安定性や高速耐久性の確保が困難となる。また、コードの総デニール数が3000D未満では打ち込み本数も増加し生産性が悪化する。一方、5000D超ではベルト層の厚みが増加するためにタイヤ重量が増大する。ここでKは撚り係数、Tはコードの上撚り数(回/10cm)、Dはコードの総デニール数である。
【0048】
【実施例】
先ず、カーカスコードを種々異ならせた場合について、タイヤサイズとして195/65R15を用いて評価を行った。
従来例1は従来のカーカスコードとして1000d/2のポリエチレンテレフタレート繊維コードを2プライカーカス構造で使用したものである。タイヤ構造は図1に示すカーカス端部をビード部でタイヤ外側に巻き上げた構造である。また、比較例1はポリエチレンテレフタレート繊維コードを従来例1の2倍の太さである2000d/2として1プライ構造に用いた場合の例である。タイヤ構造は図1に示す構造である。比較例2は強度・弾性率に優れるアラミド繊維を1000d/2のコードとして1プライカーカス構造として図1に示した構造を用いた例である。比較例3は脂肪族ポリケトン繊維(表中POK−1と略す)であるが、(1)式の(n+m)/nが1.07である。また、(1)式のRはプロピレンユニットである。この繊維の原糸強度は13.0g/d、初期モジュラスが160g/dのものである。繊維強度が低いので1000d/3のコードを1プライカーカスとして用いている。カーカス構造は図1を適用している。
【0049】
実施例1は本発明の脂肪族ポリケトン繊維(表中POK−2と略す)であり、(1)式中のm=0、即ち(n+m)/n=1である。この繊維の原糸強度は18.5g/d,初期モジュラスが240g/dのものである。これは繊維強度が高いので1000d/2のコードを1プライとして図1の構造を用いたものである。
【0050】
従来例1及び比較例1〜3、実施例1のいずれのコードも60℃のtanδが0.15のゴムに埋設してある。また、カーカスの打ち込み本数はタイヤのカーカス総強度がほぼ等価となるように調整した。即ち、一定幅当たりの強度が一定となるようにしてある。
また、実施例2は、実施例1のカーカスコートゴムのtanδだけ異なるものを用いた例である。
【0051】
実施例3は、タイヤ構造として図2(a)に示したカーカス層端部をビード部でタイヤ外側に巻き上げていない構造を適用し、更に撚り係数を下げたコードを適用したたものである。その他は実施例2と同様である。
実施例4はカーカスコードとして実施例1で用いた脂肪族ポリケトン繊維1000dに下撚りを加えた下撚り糸2本とポリエチレンー2,6−ナフタレート繊維1000d(ガラス転移温度120℃、強度9.2g/d、引張り弾性率220g/d)に下撚りを加えた下撚り糸とを撚り合わせて1000d/3構造の複合コードとした以外は実施例3と同じである。
【0052】
タイヤ試験は以下のような方法を用いた。
タイヤ高速耐久性試験法:ドラム表面が平滑な鋼製でかつ直径が1707mmであるドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、リムサイズ15×6JJ、試験内圧210KPa、速度81km/hの条件にて、JATMAで規定された空気圧条件に対応する荷重の88%で120分間ならし走行し、次いで3時間以上放冷した後に試験空気圧に再調整して本走行を開始する。本走行は、121km/hの速度より開始し、30分毎に速度を8km/hづつ段階的に上昇させ、故障が発生するまで走行する。タイヤの故障が発生するまでの距離を、基準タイヤ(従来例1)の故障距離を100として指数で表した値を高速耐久性とする。この指数値が大きいほど高速耐久性が優れている。
【0053】
タイヤ荷重耐久性試験法:ドラム表面が平滑な鋼製でかつ直径が1707mmであるドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、リムサイズ15×6JJ、試験内圧180KPa、速度81km/hの条件にて、JATMAで規定された空気圧条件に対応する荷重の85%で4時間、次いで最大荷重の90%で6時間、次いで最大荷重で24時間走行する。ここでいったん走行を停止し、外観に異常が無ければ更に最大荷重の115%で4時間、次いで最大荷重の130%で2時間走行する。このとき外観または内部に異常が生じた場合は不合格とし試験を打ち切る。異常が生じなかった場合は、更に最大荷重の130%で2時間走行し、次いで最大荷重の145%で4時間、次いで最大荷重の160%で破壊するまで走行する。結果は破壊するまでの走行距離を従来例1を100とした時の指数で表した値を荷重耐久性とする。この指数値が大きいほど荷重耐久性が優れている。
【0054】
操縦安定性試験法:15×6JJのリムに内圧210KPaで組み込んだ試験タイヤを排気量2.5リットルクラスの国産乗用車に装着し、訓練された5名のドライバーにてテストコースを走行してフィーリング評価する。結果は、基準タイヤ(従来例1)との相対比較にて、以下の判定基準をもとに5点法で採点し、最高点と最低点を除いた3名の平均点で表す。
判定基準 5:すばらしい、4:優れる、3.5:やや優れる、3:基準同等、2.5:やや劣る(実用下限)、2:劣る、1:大きく劣る
【0055】
実車乗り心地性試験法:15×6JJのリムに内圧210KPaで組み込んだ試験タイヤを排気量2.5リットルクラスの国産乗用車に装着し、訓練された5名のドライバーにてテストコースを走行してフィーリング評価する。結果は、基準タイヤ(従来例1)との相対比較にて、以下の判定基準をもとに5点法で採点し、最高点と最低点を除いた3名の平均点で表す。
判定基準 5:すばらしい、4:優れる、3.5:やや優れる、3:基準同等、2.5:やや劣る(実用下限)、2:劣る、1:大きく劣る
【0056】
カーカス層の耐外傷性評価方法:室内耐外傷性試験機を用いて、タイヤ最大幅位置に高さ70cm、衝撃荷重20Kg、カッター衝撃部面積5mm×25mmで繰り返し衝撃を加えて破壊するまでの回数を測定する。5回以下の衝撃で破壊した場合を×、6回から10回の衝撃で破壊した場合を△、10回を超えたものを○として示した。
【0057】
上記試験方法による試験結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 0003652116
【0059】
この表1から明らかなように、従来例1の2プライカーカスのポリエチレンテレフタレート繊維を単に太デニール化して1プライ化にした比較例1の場合、タイヤ重量は低減できるが、タイヤの高速耐久性、荷重耐久性、更に操縦安定性が低下する。一方、比較例2は引張り弾性率の高いアラミド繊維を用いているので、高速耐久性は従来例1と同等以上の結果を与える。しかし、アラミド繊維の圧縮疲労抵抗に劣るためにタイヤの荷重耐久性は低下する。更にアラミド繊維は伸びが低く、外部から強い衝撃を与えると充分に耐えられないために耐外傷性が低下していることが判る。
【0060】
また、比較例3は脂肪族ポリケトン繊維をカーカスコードに用いているが(n+m)/nが1.05を超えているものである。表から明らかなように高速耐久性・荷重耐久性及び操縦安定性は従来例1より低下しており、また比較例1に比較してもその改良効果は小さい。これは、該繊維コードの(n+m)/nが1.05を超えているために、繊維の結晶構造故のクリープ性がタイヤ走行成長を促進し高速耐久性の改善を与えないためと考えられる。また、荷重耐久性の改善が得られないのも結晶構造に由来する分子鎖間の相互作用が小さいためと考えられる。更に該繊維コードは強度が低くコードとして太デニールを使用するために軽量性も低下する。
【0061】
一方、本発明の実施例1は(n+m)/nが1.0であるコードを用いているため上述のような結晶構造に起因する問題がないので比較例1と比較して高速耐久性や荷重耐久性が向上し、従来例1の2プライカーカス並みのタイヤ性能が得られ、1プライ化による軽量化が達成されている。
【0062】
実施例2は、実施例1のコートゴムの60℃でのtanδを大幅に下げた場合の例である。実施例1に比較して明らかな高速耐久性の向上と操縦安定性の向上が得られる。走行によるカーカス層の温度上昇が低減されるために、特にガラス転移温度の低い該コードを用いた場合、コードの弾性率の変化が抑制されるため、このような効果が得られると考えられる。比較例4には比較例1と同様にポリエチレンテレフタレート繊維をカーカスコードに用い、コートゴムのtanδを実施例2と全く同様にしたものであるが、この例では比較例1と比較してほとんど改良効果が無い。これはポリエチレンテレフタレート繊維のガラス転移温度が高いためにカーカスコートゴムの低発熱化の寄与がほとんど無いためと考えられる。
【0063】
実施例3は、コードの撚り数を低減したものを図2(a)に示す実質的にカーカス層の端部をビード部の外側に巻き上げていない構造に適用した以外は実施例2と同様の例である。撚り数を低減することでコードの強度・弾性率は更に向上するが、一般に疲労耐久性が低下する。しかし該コードを図2(a)の構造に適用することで疲労耐久性の低下を招くこと無く更に軽量化が達成可能である。
【0064】
実施例4は、実施例3のカーカスコードに代えて、ガラス転移温度が120℃であるポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維の1000dに下撚りを加えたもの1本と、脂肪族ポリケトン繊維1000dに下撚り加えたものを2本準備し、これらをまとめて上撚りを加えた1000D/3としてコードをカーカスコードに用いた例である。強度低下を補うようにコードの太さを1000D/3としたために実施例3に比較して軽量性が若干低下するが、高速耐久性と操縦安定性は更に向上することが判る。
【0065】
次に、ベルトコードを種々異ならせた場合について、タイヤサイズとして195/65R15を用いて評価を行った。
全てのタイヤはカーカスコードとして1000d/2のポリエチレンテレフタレート繊維コードを2プライカーカス構造(打ち込み本数50本/5cm)としベルト層のみを変えて試験を行った。
【0066】
従来例11と比較例11、実施例11〜12は図3に示すベルト構造とした。従来例11はスチールコードをベルト層に用いたものである。また、比較例11は脂肪族ポリケトン繊維(表中POK−1と略す)であるが、(1)式の(n+m)/nが1.07のものである。また、(1)式のRがプロピレンユニットからなるものである。この繊維の原糸強度は13.0g/d、初期モジュラスは160g/dのものである。繊維強度が低いので3000d/2のコードを用いている。
【0067】
一方、実施例11及び実施例12は本発明の脂肪族ポリケトン繊維(表中POK−2と略す)であり、(1)式中のm=0、即ち(n+m)/n=1である。この繊維の原糸強度は18.5g/d、初期モジュラスは240g/dのものである。これは繊維強度が高いので2000d/2のコードとしてベルト層に用いている。
【0068】
従来例11及び比較例11、実施例11のベルトコートゴムは100℃での100%モジュラスが3.0MPaのものであり、60℃のtanδは0.17である。また、実施例12のベルトコートゴムは100℃での100%モジュラスが4.0MPaのもので60℃のtanδは0.19である。
【0069】
実施例13は、タイヤ構造として、図4(a)に示すように繊維コードを複数本平行にゴムマトリックスに埋設してなるテープを、カーカス層の外周にタイヤ周方向に対して所定の角度で、ベルト幅方向両端部で折り返しながら連続的に周回させて形成した実質的に2層からなるベルト層を備えたものである。但し、ベルトカバー層は配置していない。
【0070】
実施例14はベルトコードとして実施例11と同じ骨格を有する脂肪族ポリケトン繊維1500Dに下撚りを加えた下撚り糸2本とポリエチレンー2,6−ナフタレート繊維1500D(ガラス転移温度120℃、強度9.2g/d、引張り弾性率220g/d)に下撚りを加えた下撚り糸1本とを撚り合わせて3本構造である1500D/3の複合糸とした以外は実施例13と同じである。
【0071】
実施例15は図4(a)に示すベルト構造を適用したものである。即ち、ベルト層は実施例14と全く同じであるが、その上にタイヤ周方向にほぼ平行に有機繊維コードを連続的に1層周回させた所謂ベルトカバー層を配置したものである。ここで用いたベルトカバーコードは実施例11に用いたものと同じ脂肪族ポリケトン繊維コード1000d/2を使用している。それ以外は実施例13と全く同様である。
【0072】
尚、ベルト層のコードの打ち込み本数はタイヤのベルト総強度がほぼ等価となるように調整した。即ち、一定幅当たりの強度が一定となるようにしてある。更に、ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度は全て24度とした。
【0073】
タイヤ試験は以下のような方法を用いた。
タイヤ高速耐久性試験法:ドラム表面が平滑な鋼製でかつ直径が1707mmであるドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、リムサイズ15×6JJ、試験内圧210KPa、速度81km/hの条件にて、JATMAで規定された空気圧条件に対応する荷重の88%で120分間ならし走行し、次いで3時間以上放冷した後に試験空気圧に再調整して本走行を開始する。本走行は、121km/hの速度より開始し、30分毎に速度を8km/hづつ段階的に上昇させ、故障が発生するまで走行する。タイヤの故障が発生するまでの距離を、基準タイヤ(従来例11)の故障距離を100として指数で表した値を高速耐久性とする。この指数値が大きいほど高速耐久性が優れている。
【0074】
操縦安定性試験法:15×6JJのリムに内圧210KPaで組み込んだ試験タイヤを排気量2.5リットルクラスの国産乗用車に装着し、訓練された5名のドライバーにてテストコースを走行してフィーリング評価する。結果は、基準タイヤ(従来例11)との相対比較にて、以下の判定基準をもとに5点法で採点し、最高点と最低点を除いた3名の平均点で表す。
判定基準 5:すばらしい、4:優れる、3.5:やや優れる、3:基準同等、2.5:やや劣る(実用下限)、2:劣る、1:大きく劣る
【0075】
実車乗り心地性試験法:15×6JJのリムに内圧210KPaで組み込んだ試験タイヤを排気量2.5リットルクラスの国産乗用車に装着し、訓練された5名のドライバーにてテストコースを走行してフィーリング評価する。結果は、基準タイヤ(従来例11)との相対比較にて、以下の判定基準をもとに5点法で採点し、最高点と最低点を除いた3名の平均点で表す。
判定基準 5:すばらしい、4:優れる、3.5:やや優れる、3:基準同等、2.5:やや劣る(実用下限)、2:劣る、1:大きく劣る
上記試験方法による試験結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
Figure 0003652116
【0077】
この表2から明らかなように、従来例11のスチールコードベルトに代えて、脂肪族ポリケトン繊維をベルトコードに用いているが、(n+m)/nが1.05を超えているものを用いた比較例11は、軽量化が達成され乗り心地性能も改良されるが、高速耐久性が従来例11より大きく低下している。また、実施例11に比較して繊維強度が低いために太いコードを用いているので軽量性も低下している。一方、本発明の実施例11は(n+m)/nが1.0であるコードを用いているので高速耐久性は従来例11と同程度の性能を維持しながら軽量性と乗り心性の改良が得られている。実施例11が比較例11に対して操縦性や高速耐久性が改良された理由は、(n+m)/nの比を適切化したために、繊維の結晶構造に起因する分子鎖間の相互作用の低下が抑制され繊維の成長性が低減し、タイヤ走行成長が低減したためと考えられる。
【0078】
実施例12は、実施例11のコートゴムの100℃での100%モジュラスを高めたものである。この結果、実施例11に比較して明らかな操縦安定性の向上が得られる。そのため、従来例11に比較して高速耐久性・操縦安定性を損なうことなく軽量で乗り心地性に優れたタイヤとなっている。
実施例13は、ベルト層を連続的に形成したものであり、この結果として高速耐久性や操縦安定性が実施例12に比較して大きく向上している。
【0079】
実施例14は、実施例13のベルトコードに代えて、ガラス転移温度が120℃であるポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維と脂肪族ポリケトン繊維を撚り合わせてカーカスコードに用いた例である。この場合、強度低下を補うようにコードの太さを1500D/3としたために実施例13に比較して軽量性が若干低下するが、高速耐久性と操縦安定性は更に向上することが判る。
【0080】
実施例15は実施例13にベルトコードと同じコードを用いてベルトカバー層を配置した例である。ベルトカバー層の配置によって軽量性は損なわれるが、高速耐久性や操縦安定性も向上し、しかも乗り心地性が大きく改善しているのが判る。これは連続的にベルト層を形成したことにより生じたベルト層の周期性がベルトカバー層を併用することで緩和された結果、乗り心地性が大きく改良されたと考えられる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、脂肪族ポリケトン繊維をカーカス層やベルト層の補強コードに用い、該脂肪族ポリケトン繊維の分子骨格とコード物性を特定することにより、軽量かつ安価な脂肪族ポリケトン繊維を有効利用しながら優れたタイヤ性能を発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示す断面図である。
【図2】(a)は図1の空気入りラジアルタイヤの変形例を示す断面図であり、(b)及び(c)はそれぞれ更なる変形例を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示す斜視断面図である。
【図4】(a)は図3の空気入りラジアルタイヤの変形例を示す断面図であり、(b)はそのベルト構造を示す斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は図4の空気入りラジアルタイヤにおけるベルト層の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ベルト層
6a テープ
7 ベルトカバー層

Claims (8)

  1. カーカス層を形成する繊維コードが(1)式で表される構造を有し、nとmの関係が1.05≧(n+m)/n≧1.00である脂肪族ポリケトン繊維を少なくとも含むコードからなり、該繊維コードの強度が10g/d以上、2.25g/d時の伸び率が3.5%以下であり且つ破断伸びが5%以上であると共に、前記繊維コードを被覆するコートゴムの60℃でのtanδが0.08〜0.13の範囲である空気入りラジアルタイヤ。
    (1)式 −(CH2 −CH2 −CO)n−(R−CO)m−
    ここでRは炭素数が3以上のアルキレン基
  2. 前記カーカス層が1プライ構造を有する請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記繊維コードが前記脂肪族ポリケトン繊維とガラス転移温度が60℃以上で、強度が8g/d以上、初期引張弾性率が100g/d以上の繊維とを撚り合わせてなる請求項1又は請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記カーカス層がビード部で実質的に巻き上げ端部を持たない構造を有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 左右一対のビード部間にカーカス層を懸架し、トレッド部におけるカーカス層の外側にベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、少なくとも1層のベルト層を形成する繊維コードが(1)式で表される構造を有し、nとmの関係が1.05≧(n+m)/n≧1.00である脂肪族ポリケトン繊維を少なくとも含むコードからなり、該繊維コードの強度が10g/d以上、2.25g/d時の伸び率が3.0%以下であると共に、前記繊維コードを被覆するコートゴムの100℃での100%モジュラスが3.5MPa以上である空気入りラジアルタイヤ。
    (1)式 −(CH2 −CH2 −CO)n−(R−CO)m−
    ここでRは炭素数が3以上のアルキレン基
  6. 前記繊維コードが前記脂肪族ポリケトン繊維とガラス転移温度が60℃以上で、強度が8g/d以上、初期引張弾性率が100g/d以上の繊維とを撚り合わせてなる請求項5に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記繊維コードを1本乃至複数本平行にゴムマトリックスに埋設してなるテープを、カーカス層の外周にタイヤ周方向に対して10度乃至35度の角度で、ベルト幅方向両端部で折り曲げ或いは折り返しながら連続的に周回させて実質的に2層からなるベルト層を形成した請求項5又は請求項6に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  8. 前記ベルト層のトレッド側に、タイヤ周方向に対して実質的に平行に有機繊維コードを配置してなるベルトカバー層を設けた請求項7に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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