JP4563624B2 - ポリケトン交撚コード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリケトン繊維のもつ優れた力学物性、寸法安定性および熱特性の特長と高伸度および高タフネスの特性を具備した、ポリケトン繊維を含む交撚コードに関する。
本発明の交撚コードは、家庭用資材、生活用資材、産業用資材など幅広い用途に適用可能であり、とりわけ加工時や使用時に高負荷、高衝撃および高温に曝される産業資材用途、具体的には、タイヤ、ベルト、ホース、FRP、光ファイバー、セメントなどの成型品の補強用繊維材料として極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、一酸化炭素とエチレン、プロペンのようなオレフィンをパラジウムやニッケルを触媒として重合させることにより、一酸化炭素とオレフィンが実質完全に交互共重合した脂肪族ポリケトンが得られることが見いだされた。このポリケトンを繊維化したポリケトン繊維は、従来のポリオレフィン繊維に比べて融点が高く、高強度および高弾性率を備えていることから、産業用資材、土木用資材、生活用資材、衣料用途など、幅広い用途への応用が期待されている。特に、タイヤ、ベルト、ホースなどのゴム補強材料、および樹脂、セメント、光ファイバーなどの補強材料としての展開が期待されている。
【0003】
ポリケトン繊維をゴム補強材料として用いる場合、通常は撚糸を行ってコードとして使用する。ポリケトン繊維を含む交撚コードは強度が高く、荷重時および加熱時の寸法安定性に優れるという特長を有する(例えば、特願2001−146079号)。しかしながら、ポリケトン繊維を含む交撚コードは伸度が低く、高強度のわりにタフネスが小さく、耐衝撃性や耐疲労性に問題があった。
この問題に対して、ポリケトンコードの撚糸数を大きくすれば伸度を高くすることが可能であるが、コードの強度が低下し、2.0cN/dtex荷重時の伸度が大きくなってポリケトンコードの寸法安定性が悪くなるばかりか、撚糸による強力利用率の低下が大きく、かえってタフネスが低下するという問題があった。
【0004】
本発明者らは、ポリケトン繊維の単糸膠着や繊維の表面摩擦特性を制御することにより、撚糸強力利用率の高いポリケトンコードが得られることを見いだしたが(特願2001−192739号)、このポリケトンコードは高強度ではあるものの、より高い伸度およびより高いタフネスを有するコードを得るには未だ不充分であった。
一方、ポリケトン繊維とその他の繊維素材とを複合して得られる交撚コードに関して、特開平11−334313号公報および特開平11−336957号公報に、ポリケトン繊維とポリエチレンナフタレート繊維とを交撚する技術が開示されている。しかしながら、この交撚コードは、強度は13cN/dtex以上と高いものの、伸度が6.5%であり、全く不十分なレベルのものである。そして、この先行技術には、伸度およびタフネスの高いポリケトン繊維を含む交撚コードに関する技術については全く開示されていない。
【0005】
本発明者らは、ポリケトン繊維と他の繊維素材との交撚コードは、双方の熱収縮特性が違うために、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)処理時や加硫時に不均一な収縮挙動を示し(例えば、熱収縮応力の高い繊維の方が強く収縮することによって熱収縮応力の低い繊維にたるみや歪が生じる)、処理コードやゴム製品の力学特性が低下したり、コードやゴム製品の品位が悪くなるという問題があることを見出した。しかしながら、これまでの先行技術においては、上述のポリケトン繊維と他の繊維素材との交撚コードの熱寸法安定性の問題や、この問題を解決する手段、均一な熱収縮を示し高品位の交撚コードを製造する技術については全く開示されていない。
【0006】
以上のように、高強度、かつ、高寸法安定性を有しながら、伸度およびタフネスが大きいポリケトン繊維を含む交撚コード、さらには熱収縮特性が均一で品位のよいポリケトン繊維を含む交撚コードおよびその製造技術についてはこれまで一切知られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、ポリケトン繊維を使用した交撚コードにおいて、
(1)高強度、かつ、高寸法安定性を有するコードを提供すること、
(2)高伸度、かつ、高タフネスを有するコードを提供すること、および
(3)均一な熱収縮特性を有し、RFL処理や加硫によってたるみや歪みのない均質なコードを提供すること、
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の発明は、繰り返し単位の95〜100質量%が1−オキソトリメチレンから構成された、下記(a)〜(c)の特性を具備するポリケトン繊維(A)と、下記(d)〜(e)の特性を具備する繊維(B)とを撚り合わせてなる交撚コードであって、AとBの質量割合(A/B)が80/20〜20/80であり、下記(f)〜(h)の特性を有することを特徴とする交撚コードである。
繊維(A)
(a)引っ張り強度≧10cN/dtex
(b)弾性率≧200cN/dtex
(c)伸度=3〜9%
繊維(B)
(d)弾性率≦200cN/dtex
(e)伸度≧10%
コード
(f)引っ張り強度≧7cN/dtex
(g)伸度≧10%
(h)2.0cN/dtex荷重時伸度≦6%
【0009】
第二の発明は、繰り返し単位の95〜100質量%が1−オキソトリメチレンから構成された、下記(a)〜(c)の特性を具備するポリケトン繊維(A)と、下記(i)〜(k)の特性を具備する繊維(C)とを撚り合わせてなる交撚コードであって、AとCの質量割合(A/C)が80/20〜20/80であり、下記(l)〜(n)の特性を有することを特徴とする交撚コードである。
繊維(A)
(a)引っ張り強度≧10cN/dtex
(b)弾性率≧200cN/dtex
(c)伸度=3〜9%
繊維(C)
(i)引っ張り強度≧18cN/dtex
(j)弾性率≧450cN/dtex
(k)伸度=2〜5%
コード
(l)引っ張り強度≧12cN/dtex
(m)伸度≧6%
(n)2.0cN/dtex荷重時伸度≦4%
【0010】
第三の発明は、上記のコードを用いた成型品、例えば、タイヤ、ホース、ベルト、光ファイバー、である。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における交撚コードは、ポリケトン繊維(A)と、繊維(B)または繊維(C)とを撚り合わせたコードである。すなわち、一方向に撚りを加えたポリケトン繊維および繊維(B)、または一方向に撚りを加えたポリケトン繊維および繊維(C)を数本引き揃え、引き続き逆方向に撚糸したものである。
本発明に用いられるポリケトン繊維は、繰り返し単位の95〜100質量%、好ましくは97質量%以上、より好ましくは100質量%が化学式(1)で示す1−オキソトリメチレンから構成されたポリケトンである。
【0012】
【化1】
Figure 0004563624
【0013】
繰り返し単位中の1−オキソトリメチレンの割合が高いほど分子鎖の規則性が向上し、高結晶性で高配向度を有する繊維が得られる。その結果、この繊維を用いることによって高強度、高寸法安定性および高耐熱性を備えたコードが得られる。
【0014】
第一の発明におけるポリケトン交撚コードは、ポリケトン繊維(A)とポリケトン繊維(A)よりも高伸度で低弾性率の繊維(B)(以下、「繊維(B)」と略することがある)とを交撚したもので、ポリケトン繊維(A)と繊維(B)の質量割合(A/B)は80/20〜20/80であり、好ましくは70/30〜30/70、より好ましくは60/40〜40/60である。ポリケトン繊維の割合が20質量%未満であるとコードの強度が低くなり、また、2.0cN/dtex荷重時の伸度の小さいコード(力学的寸法安定性に優れたコード)が得られなくなる。一方、ポリケトン繊維の割合が80質量%を越えると、強度および寸法安定性には優れるものの、耐疲労性および耐衝撃性に優れた交撚コードが得られない。
【0015】
本発明の交撚コードを構成するポリケトン繊維(A)および繊維(B)はそれぞれ下記の特性を有することが極めて重要である。
繊維(A)
(a)引っ張り強度≧10cN/dtex
(b)弾性率≧200cN/dtex
(c)伸度=3〜9%
繊維(B)
(d)弾性率≦200cN/dtex
(e)伸度≧10%
ポリケトン繊維(A)の引っ張り強度が10cN/dtex未満であると高強度のコードを得ることができないため、引っ張り強度は10cN/dtex以上であることが必要であり、好ましくは12cN/dtex以上、より好ましくは15cN/dtex以上である。
【0016】
ポリケトン繊維の弾性率が200cN/dtex未満であると力学的寸法安定性に優れるコードが得られなくなるため、弾性率は200cN/dtex以上であることが必要であり、好ましくは300cN/dtex以上、より好ましくは350cN/dtex以上である。
ポリケトン繊維の伸度が3%未満であると交撚しても高伸度のコードを得ることができなくなる。一方、伸度が9%を越えると、ポリケトン繊維は力学的、熱的寸法安定性に劣るため、ポリケトン繊維の伸度は3〜9%であることが必要であり、好ましくは4〜8%、より好ましくは5〜7%である。
【0017】
繊維(B)については、弾性率が200cN/dtex以下、かつ、伸度が10%以上であることが必要である。弾性率が200cN/dtexを越えると交撚コードが硬くなり、交撚コードの伸度を高める効果が十分に得られない。弾性率は、好ましくは150cN/dtex以下、より好ましくは100cN/dtex以下である。また伸度が10%未満であると交撚しても十分な伸度およびタフネスを有する交撚コードが得られない。伸度は、好ましくは12%以上、より好ましくは15%以上である。
【0018】
本発明に用いる繊維(B)の種類は、弾性率および伸度が本発明の範囲内であれば制限はないが、得られる交撚コードの強度、伸度、工程通過性およびコストの観点から、ナイロン66繊維、ナイロン6繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維が好ましく、特に、高強度、高伸度および高タフネスを有するコードが得られ、ゴムとの接着が容易であるナイロン66繊維が好ましい。また、繊維(B)は伸度、弾性率が上述の範囲内であればポリケトン繊維であってもよく、例えば、繰り返し単位の7質量%が1−オキソ−3−メチルトリメチレンであるエチレン/プロピレン/一酸化炭素共重合ポリケトンからなるポリケトン繊維等を使用することができる。
【0019】
上述の特性を有するポリケトン繊維(A)と繊維(B)とを撚り合わせることにより交撚コードが得られるが、本発明の交撚コードは以下の(f)〜(h)の特性を有することが極めて重要である。
(f)引っ張り強度≧7cN/dtex
(g)伸度≧10%
(h)2.0cN/dtex荷重時伸度≦6%
【0020】
交撚コードの引っ張り強度が7cN/dtex未満であるとゴム補強材料などの産業資材用途としての機能が不十分で、軽量化や低コスト化が困難となる。したがって、コードの引っ張り強度としては7cN/dtex以上であることが必要であり、10cN/dtex以上であることが好ましく、12cN/dtex以上がより好ましく、15cN/dtex以上が最も好ましい。
交撚コードの伸度を10%以上、好ましくは12%以上にすることによって、交撚コードのタフネスが大きくなり、耐疲労性や耐衝撃性が顕著に向上する。
ポリケトン交撚コードの2.0cN/dtex荷重時伸度が6%を越えると力学的寸法安定性が悪くなり、使用時や加工時の製品の寸法変化が起こりやすくなる。このため、2.0cN/dtex荷重時伸度は6%以下であることが必要であり、好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下である。
【0021】
第二の発明における交撚コードは、ポリケトン繊維(A)とポリケトン繊維(A)よりも高強度、高弾性率、かつ、低伸度の繊維(C)との交撚コードであり、交撚によって極めて高強度、かつ、高力学寸法安定性でありながら、高強度繊維(C)のみからなるコードに比べて伸度が高く、高タフネスの特性を有する交撚コードである。
【0022】
すなわち、繰り返し単位の95〜100質量%が1−オキソトリメチレンから構成された、第一の発明と同じ、下記(a)〜(c)の特性を具備するポリケトン繊維(A)と、下記(i)〜(k)の特性を具備する繊維(C)とを撚り合わせてなる交撚コードであって、A/Cの質量割合が80/20〜20/80であり、下記(l)〜(n)の特性を有することを特徴とする交撚コードである。
繊維(A)
(a)引っ張り強度≧10cN/dtex
(b)弾性率≧200cN/dtex
(c)伸度=3〜9%
繊維(C)
(i)引っ張り強度≧18cN/dtex
(j)弾性率≧450cN/dtex
(k)伸度=2〜5%
交撚コード
(l)引っ張り強度≧12cN/dtex
(m)伸度≧6%
(n)2.0cN/dtex荷重時伸度≦4%
【0023】
本発明の交撚コードは、ポリケトン繊維(A)と、ポリケトン繊維(A)よりも高強度、高弾性率、かつ、高伸度の繊維(C)(以下、「繊維(C)」、と略することがある)とを交撚したものであり、ポリケトン繊維(A)と繊維(C)の質量割合(A/B)は80/20〜20/80であり、好ましくは70/30〜30/70、より好ましくは60/40〜40/60である。ポリケトン繊維(A)の割合が20質量%未満であるとコードの伸度が低くなり、高タフネスのコードが得られなくなる。一方、ポリケトン繊維(A)の割合が80質量%を越えると、強度および寸法安定性がポリケトン繊維のみからなるコードと同等のものしか得られなくなる。
【0024】
本発明の交撚コードを構成するポリケトン繊維(A)および繊維(C)はそれぞれ下記の特性を有することが極めて重要である。
繊維(A)
(a)引っ張り強度≧10cN/dtex
(b)弾性率≧200cN/dtex
(c)伸度=3〜9%
繊維(C)
(i)引っ張り強度≧18cN/dtex
(j)弾性率≧450cN/dtex
(k)伸度=2〜5%
ポリケトン繊維(A)の特性は、第一の発明の場合と同じである。
【0025】
繊維(C)は、引っ張り強度が18cN/dtex以上であることが必要であり、好ましくは20cN/dtex以上である。引っ張り強度が18cN/dtex未満であると引っ張り強度の極めて高い交撚コードを得ることが困難となる。また繊維(C)の弾性率は450cN/dtex以上であることが必要であり、好ましくは500cN/dtex以上である。弾性率が450cN/dtex未満であると交撚コードの力学的寸法安定性が低下する。さらに、繊維(C)の伸度が2%未満の場合には高伸度の交撚コードを得ることが困難となり、伸度が5%を越える場合には力学的寸法安定性が不十分となるため、繊維(C)の伸度は2〜5%であることが必要であり、好ましくは2.5〜4%である。
【0026】
本発明に用いる繊維(C)の種類は、引っ張り強度、弾性率および伸度が本発明の範囲内であれば制限はないが、得られる交撚コードの強度、寸法安定性、伸度および工程通過性の観点から、アラミド繊維、ポリベンザゾール繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維が好ましく、特に高耐熱性のコードが比較的安価に得られるアラミド繊維が好ましい。また、繊維(C)は引っ張り強度、伸度および弾性率が上述の範囲内であれば、ポリケトン繊維であってもよく、例えば、特願2001−052718号公報記載の高強度、高弾性率のポリケトン繊維等を使用することができる。
【0027】
上述の特性を有するポリケトン繊維(A)と繊維(C)とを撚り合わせることにより交撚コードが得られるが、本発明の交撚コードは、以下の(l)〜(n)の特性を有することが極めて重要である。
(l)引っ張り強度≧12cN/dtex
(m)伸度≧6%
(n)2.0cN/dtex荷重時伸度≦4%
本発明の交撚コードの引っ張り強度を12cN/dtex以上、好ましくは15cN/dtex以上とすることによって、成型品中の交撚コードの大幅な軽量化が達成される。
【0028】
本発明の交撚コードは、伸度が6%以上であることが特に重要であり、好ましくは8%以上、より好ましくは10%以上である。本発明の交撚コードはポリケトン繊維のみからなるコードに比べて同一伸度あたりのタフネスが高く、より小さい伸度で実用的なタフネス、耐疲労性を有するものであるが、それでも伸度が6%未満の場合では、交撚コードのタフネスが十分には高くならず、耐疲労性や耐衝撃性の向上幅が小さい。
【0029】
また、本発明の交撚コードは極めて高強度である特長を活かして、コード量を減らして成型品を軽量化することが期待されるが、軽量化した際にはコードにかかる荷重が大きくなるため、力学的寸法安定性が極めて優れたものであることが必要である。具体的には、2.0cN/dtex荷重時伸度が4%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下に設定することによって、力学的寸法安定性が大幅に向上する。
【0030】
以上述べたように、本発明の交撚コードは、ポリケトン繊維と、繊維(B)または繊維(C)とを撚り合わせて構成される。
このように構成された本発明の交撚コードは、タフネスが高いことが望ましい。タフネスは、交撚コードの引っ張り試験における応力−伸び曲線の面積(cN・%/dtex)で表される特性であり、この値が高いほど交撚コードの耐衝撃性や耐疲労性が優れる。そのため、タフネスは、好ましくは30cN・%/dtex以上、より好ましくは40cN・%/dtex以上、最も好ましくは50cN・%/dtex以上である。
【0031】
本発明の交撚コードの繊度、撚糸数、撚り形態には制限はなく、用途および目的に応じて適宜選定することができる。好適な範囲としては、総繊度はゴム補強用途の場合には通常100〜10000dtex、好ましくは1000〜8000dtexである。撚糸数は、下式で表される撚り係数Kが100〜30000の範囲とすることが好ましい。
K=Y×D0.5(T/m・dtex0.5
式中、Yは交撚コード1mあたりの上撚り数(T/m)、Dは交撚コードの総表示繊度(dtex)である。
【0032】
交撚コードの総表示繊度とは、交撚コードの製造に用いた全繊維材料の繊度の和である。例えば、1670dtexのポリケトン繊維を2本と1400dtexのナイロン66繊維を用いて交撚コードとした場合、総表示繊度は4740dtexとなる。
撚糸形態はどのようなものであってもよく、2本撚り、3本撚りあるいは4本以上の繊維を撚り合わせてなるコードであってもよい。
【0033】
ポリケトン繊維(A)、および繊維(B)または繊維(C)に、それぞれ下撚りを加えた後に、撚り合わせて上撚りを行う場合、下撚り数が異なるものを組み合わせてもよい。この場合、高強度、かつ、高伸度を有する、バランスのよい交撚コードを得るために、第一の発明においては、ポリケトン繊維Aの下撚り数NAと繊維Bの下撚り数NBの比(NA/NB)、第二の発明においては、ポリケトン繊維Aの下撚り数NAと繊維Cの下撚り数Ncの比(NA/Nc)を、0.5〜2.0とすることが好ましく、0.8〜1.25がより好ましい。
【0034】
本発明の交撚コードは、加工時にレゾルシン−ホルマリン−ラテックス処理や加硫などの熱処理工程を経たり、使用時に高温環境に曝されるため、熱寸法安定性に優れることが望まれる。本発明者らは、交撚コードを構成するポリケトン繊維(A)、および繊維(B)または繊維(C)の最大熱収縮温度の差および最大熱収縮応力の差を一定範囲内に設定することにより、交撚コードの片縮みがなく、熱寸法安定性に優れた交撚コードが得られることを見出した。ここで、最大熱収縮温度および最大熱収縮応力とは、それぞれ、繊維やコードが最も強く熱収縮を起こす温度およびその温度における熱収縮力であり、後述する方法により測定される値である。好ましい範囲としては、第一の発明においては、ポリケトン繊維(A)の最大熱収縮温度TAと繊維(B)の最大熱収縮温度TBおよびポリケトン繊維(A)の最大熱収縮応力σAと繊維(B)の最大熱収縮応力σBとが下記の範囲である。
最大熱収縮温度差 : |TA−TB|=0〜30℃
最大熱収縮応力差 : |σA−σB|=0〜0.2cN/dtex
最大熱収縮温度差が0〜10℃、最大熱収縮応力差が0〜0.1cN/dtexであることがより好ましい。
【0035】
第二の発明においては、ポリケトン繊維(A)の最大熱収縮温度をTA、最大熱収縮応力をσA、繊維(C)の温度TAにおける熱収縮応力をσC(TA)として、
熱収縮応力差 : |σA−σC(TA)|=0〜0.2cN/dtex
とすることが好ましく、熱収縮応力差を0〜0.1cN/dtexとすることがより好ましい。
交撚コードの熱収縮特性としては、最大熱収縮応力が0.01cN/dtex未満であると加熱時の形態保持性が低下し、0.6cN/dtexを越えると加熱時の熱収縮により得られる成型品に歪みや変形が生じやすくなるため、最大熱収縮応力は0.01〜0.6cN/dtexであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4cN/dtexの範囲である。
本発明の交撚コードは、ゴム補強材料などの補強材として優れた性能を有するものであるが、ゴム補強材として用いる場合には、ゴムとの接着性を強化するために、交撚コードに接着剤を付着させて用いる。
【0036】
接着剤の種類は特に限定されず、公知の接着剤を用いることができる。接着剤として、RFL(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)液を主成分とするものを用いることが一般的であり、この場合、RFL液単独、あるいは目的に応じてエポキシ化合物、イソシアネート化合物、フェノール化合物など、その他の薬液と混合したものでもよい。交撚コードに付着した接着剤の割合には制限はなく、用途、目的に応じて所望の量を付与すればよい。コードの力学的性質、工程通過性、ゴムとの接着性などの観点から、交撚コードに対して0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%、最も好ましくは2〜7質量%である。
【0037】
このようにして得られた接着剤の付着した交撚コードを、各種成型品に補強材として用いることができる。成型品としては、織物、編物、ネット、網などの繊維製品はもちろんのこと、タイヤ、ベルト、ホースなどのゴム製品、FRPなどの樹脂製品、光ファイバーやセメントなどが挙げられる。特に、タイヤのカーカス材、ベルト材、キャッププライ材、ベルトの心材、帆布、ホースの心線、光ファイバー用テンションメンバーとして極めて有用である。
【0038】
次に、本発明の交撚コードの製造方法について説明する。
交撚コードに用いるポリケトン繊維は、引っ張り強度、伸度および弾性率が上述の範囲であればその製造方法には特に制限はなく、公知の製造法を適用することができる。高強度、高弾性率および高寸法安定性を有するポリケトン繊維を生産性よく工業的に製造するには、金属塩を溶剤とする湿式紡糸法が好ましく用いられる。
【0039】
ポリケトンの極限粘度は2〜20であることが好ましい。このポリケトンをハロゲン化亜鉛、ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属などを含有する溶液(例えば、塩化亜鉛/塩化カルシウム水溶液)に溶解してドープを製造する。ドープを紡糸口金から水などの液体中に吐出して糸条とした後に、塩酸などの酸水溶液により金属塩を洗浄除去し、引き続き乾燥した後に、200〜280℃にて5倍以上の熱延伸を行う。高強度のポリケトン繊維を得る場合には、総延伸倍率を好ましくは10倍以上、より好ましくは12倍以上とし、その場合、2段以上の多段延伸を行うことが好ましい。
【0040】
多段延伸終了後に100〜280℃で0.001〜1cN/dtexの低張力下で熱処理を行い、ポリケトン繊維の熱収縮応力を制御することが好ましい。ポリケトン繊維の最大熱収縮応力を、交撚する繊維(B)または繊維(C)の最大熱収縮応力に近いものとすることにより、RFL液処理時や加硫時、使用時に交撚コードが均一に収縮し、品位のよい交撚コードが得られる。ポリケトン繊維と、例えば、ナイロン66繊維とを交撚する場合には、多段延伸終了後に、張力を0.2〜0.5cN/dtexとし、180〜240℃で1〜10秒間の熱処理を行って、ポリケトン繊維の最大熱収縮応力をナイロン66繊維の最大熱収縮応力と同等の0.2〜0.6cN/dtexに調整することが好ましい。また、ポリケトン繊維と、例えば、アラミド繊維とを交撚する場合には張力を0.1〜0.3cN/dtexとし、180〜240℃で1〜20秒間の熱処理を行いポリケトン繊維の最大熱収縮応力を0.05〜0.2cN/dtexに調整することが好ましい。
【0041】
ポリケトン繊維の繊度は、用途および目的によって随時選定すればよいが、単糸繊度0.5〜5dtex、総繊度300〜3000dtexのものが好ましい。ポリケトン繊維には、油剤、酸化防止剤、クエンチング剤、ラジカル捕捉剤、ゲル化抑制剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、顔料などの添加剤などが含まれていてもよい。
繊維(B)は、伸度および弾性率が本発明の範囲内であれば制限はなく、公知の繊維をそのまま用いることができる。その繊度としては、単糸繊度1〜10detx、総繊度300〜3000dtexが好ましい。
繊維(C)についても、引っ張り強度、伸度、弾性率が本発明の範囲内であれば制限はなく、公知の繊維を用いることができる。その繊度としては、単糸繊度0.5〜5detx、総繊度300〜3000dtexの繊維が好適に用いられる。繊維(C)は高弾性率であるため、単糸繊度が大きい場合、ポリケトン繊維と交撚した際に交撚コードが硬くなり高伸度の交撚コードが得られにくくなる。このため、繊維(C)の単糸繊度を2dtex以下とすることが好ましく、1.5dtex以下がより好ましい。
【0042】
このようにして得られたポリケトン繊維(A)および繊維(B)、またはポリケトン繊維(A)および繊維(C)を、それぞれ下撚りを行った後に引き揃えて上撚りを行う。撚糸の種類、方法および合撚本数については制限はなく、もろ撚り糸、ピッコもろ撚り糸、強撚糸など任意の方法が採用される。合撚する本数も制限はなく、2本撚りあるいは3本以上の合撚であってもよい。3本以上の合撚を行う場合には、本発明の範囲内であれば、複数種類の繊維(例えば、繊維(B)との交撚コードではナイロン66繊維とポリエチレンテレフタレート繊維、繊維(C)との交撚コードではアラミド繊維とポリビニルアルコール繊維等)を同時に用いてもよい。撚糸数も用途、使用環境などに応じて任意に選定すればよい。一般的には、撚り係数Kが1000〜30000の範囲で撚糸される。この際、撚糸張力を、下撚り/上撚り共に0.01〜0.2cN/dtexとすることが好ましい。また、本発明の交撚コードは、ポリケトン繊維(A)と、繊維(B)または繊維(C)の特性および割合が本発明の範囲内であれば、交撚コード中に30質量%以下の割合で上記以外の特性を有する繊維を含んでいてもよい。このような繊維としては、ポリエチレンナフタレート繊維等が挙げられる。
【0043】
このようにして得られた交撚コードを、引き続き濃度10〜30質量%のRFL液に浸漬し、少なくとも100℃の熱をかけて固着させる工程(いわゆるDip処理)を通すことによりRFL処理コードが得られる。
RFL液の好ましい組成は、レゾルシン0.1〜10質量%、ホルマリン0.1〜10質量%、ラテックス1〜28質量%であり、より好ましい組成は、レゾルシン0.5〜3質量%、ホルマリン0.5〜3質量%、ラテックス10〜25質量%である。必要に応じて、RFL処理の他にエポキシ化合物やイソシアネート化合物などの液体に浸漬する多段階の処理を行ってもよい。繊維(B)との交撚コードの場合、RFL液のみの1浴処理で十分なゴム接着力が得られるという観点(工程性、コストの観点)から、ポリケトン繊維とナイロン66繊維との交撚コード、ポリケトン繊維とビスコースレーヨン繊維との交撚コードが好ましい。
【0044】
RFL液の乾燥は、好ましくは140〜200℃で、少なくとも10秒、好ましくは20〜120秒間行う。
乾燥後のコードに対して、引き続きヒートセットゾーンおよびノルマライジングゾーンにて熱処理を施す。収縮ムラがなく、均質で高性能の処理コードを得るためには、熱処理条件(熱処理温度および熱処理張力、熱処理時間)を特定範囲内とすることが重要である。ヒートセットは、好ましくは交撚コードの最大熱収縮温度±20℃、より好ましくは最大熱収縮温度±5℃で、好ましくは最大熱収縮応力±0.2cN/dtex、より好ましくは最大熱収縮応力±0.05cN/dtexの張力下で熱処理を行う。また、熱処理時間は、好ましくは10〜300秒、より好ましくは30〜120秒の範囲である。
ノルマライジングゾーンの熱処理温度および熱処理時間は、上述のヒートセット温度および時間の範囲内であることが好ましい。熱処理張力はヒートセットゾーンの熱処理張力の10〜80%とすることが好ましい。
【0045】
【実施例】
本発明を実施例などにより具体的に説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。
本発明に用いる各測定値の測定方法は次の通りである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
Figure 0004563624
式中のt及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及びヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。Cは上記100ml中のグラム単位による溶質質量値である。
【0046】
(2)ポリケトンの組成
NMRにより1−オキソトリメチレン基の量比を求める。
(3)繊度、引っ張り強度、弾性率、伸度および2.0cN/dtex荷重時伸度、タフネス
繊度は、試料を25℃、55%湿度下で48時間静置後、試料100mの質量W1を計量し、W1×100を繊度(dtex)とする。この試料について、試料長250mm、クロスヘッド速度300mm/分にて、引っ張り強度、弾性率、伸度、2.0cN/dtex荷重時伸度およびタフネスを測定する。
【0047】
(4)最大熱収縮応力、最大熱収縮温度
東洋精機製作所(株)社製CORD−TESTER(Goodrich Type)を用いて、下記の条件で一定変位下における繊維およびコードの熱収縮力特性を測定する。
Figure 0004563624
計測された温度−収縮力カーブから最大の収縮力Fmax(cN)および最大の収縮力を示す温度Tmax(℃)を読みとり、Tmaxを最大熱収縮温度とする。さらに、Fmaxを試料の繊度(dtex)で除して最大熱収縮応力σmax(cN/dtex)を求める。
【0048】
(5)樹脂付着率
1mm長に細断したコード試料約5mを105℃で5時間加熱した後に絶乾質量W2(g)を計量する。次いで、300mlのヘキサフルオロイソプロパノールに添加して、攪拌下、60℃、2時間処理して細断したコードを溶解後、ガラスフィルターにてろ過する。
ろ過後の試料残渣をさらに、JIS−L1017(1995)記載の交撚した繊維に対応する溶解法にしたがって溶解する。この溶液をろ過し、得られた残さを105℃で5時間加熱処理した後に質量W3(g)を精秤し、下式から樹脂付着率を求める。
樹脂付着率 = [W3/(W2−W3)]×100 (%)
【0049】
(6)ゴム接着力
天然ゴム70質量%、SBR15質量%及びカーボンブラック15質量%配合の未加硫ゴムを用い、これにコードを1cm埋め込み、155℃、3.5MPa、30分の条件で加硫後、T引き抜き強力(N)をクロスヘッド速度300mm/分にて測定する。
【0050】
【参考例1】
ポリケトン繊維1の製造
常法により、繰り返し単位の100質量%が1−オキソトリメチレンである極限粘度5.9のポリケトンを製造した。このポリケトンを、塩化カルシウム40質量%/塩化亜鉛22質量%を含有する水溶液に添加し、ポリマー濃度6.8質量%のドープを得た。得られたドープをホール数300の紡糸口金より2質量%の塩化カルシウム、1.1質量%の塩化亜鉛および0.1質量%の塩酸を含有する−2℃の水からなる凝固浴中に吐出し、引き続き、塩酸洗浄、水洗浄を行った後に、IRGANOX(登録商標)1098(チバスペシャリティケミカルス社製)、IRGANOX(登録商標)1076(チバスペシャリティケミカルス社製)をそれぞれ0.05質量%づつ(対ポリケトン)含浸せしめ、引き続き温度225℃で1分間の定長乾燥を行った後に圧気処理を行った。この繊維を225℃の加熱炉で1段目(7倍)の延伸を行った。この1段延伸糸を5本引き揃え、引き続き240℃/253℃/257℃でそれぞれ1.5/1.3/1.25倍の多段延伸を行った。得られた延伸糸に油剤を付与し、0.3cN/dtexの張力をかけながら210℃で3秒間の熱処理を行い、1625dtex/1500fのポリケトン繊維を製造した。
【0051】
このポリケトン繊維の引っ張り強度は17.7cN/dtex、弾性率は380cN/dtex、伸度は5.5%であり、最大熱収縮温度は218℃、最大熱収縮応力は0.43cN/dtexであった。
【0052】
【参考例2】
ポリケトン繊維2の製造
ポリケトン繊維1の製造において、多段延伸後の熱処理を0.1cN/dtexの張力をかけながら225℃で10秒間の処理を行う以外は同様にしてポリケトン繊維を製造した。このポリケトン繊維の引っ張り強度は17.8cN/dtex、弾性率は388cN/dtex、伸度は5.4%であり、最大熱収縮温度は180℃、最大熱収縮応力は0.12cN/dtexであった。
【0053】
【実施例1】
参考例1で製造したポリケトン繊維1および1400dtex/(210)fのナイロン66繊維(レオナ66(登録商標)、旭化成(株)社製)をそれぞれ390T/mで下撚り(Z撚り)を行った後に、2本を引き揃えてさらに390T/mにて上撚り(S撚り)を加えて交撚コードを得た。得られたコードの引っ張り強度は10.1cN/dtex、伸度は12.9%、2.0cN/dtex荷重時伸度は4.5%、タフネスは40.1cN・%/dtexであり、極めて優れたものであった。
ポリケトン繊維1、ナイロン66繊維および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表1に示す。
【0054】
【実施例2】
実施例1において、下撚り数および上撚り数をそれぞれ290T/mとする以外は同様にして撚糸を行った。得られた交撚コードの引っ張り強度は11.5cN/dtex、2.0cN/dtex荷重時伸度は3.7%であり、強度および寸法安定性に優れたものであった。さらに伸度は10.8%、タフネスは42.2cN・%/dtexであり、優れた性質を具備するものであった。このコードを、ヒートセット張力を0.45cN/dtexとする以外は実施例1と同様にしてRFL処理を行った。得られた処理コードは均質で熱収縮による変形や欠陥はなく、高強度で高伸度の優れた特性を有するものであった。
ポリケトン繊維1、ナイロン66繊維および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表1に示す。
【0055】
【実施例3】
実施例1において、ナイロン66繊維に代えて1670dtex/384fのポリエチレンテレフタレート繊維(SR3(商標)、帝人(株)社製)を用いる以外は同様にして撚糸を行った。得られた交撚コードの引っ張り強度は9.5cN/dtex、伸度は10.4%、2.0cN/dtex荷重時伸度は3.5%、タフネスは35.5cN・%/dtexであり、優れた性質を有するものであった。さらにこのコードを用いてヒートセット張力を0.36cN/dtex、ヒートセット温度を210℃とする以外は実施例1と同様にしてRFL処理を行った。得られた処理コードは均質で熱収縮による変形や欠陥はなく、高強度で高伸度の優れた特性を有するものであった。
ポリケトン繊維1、ポリエチレンテレフタレート繊維および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表1に示す。
【0056】
【比較例1】
実施例1において、ナイロン66繊維の代わりにポリケトン繊維1を用いる以外は同様にして撚糸を行いポリケトンコードを得た。このコードは12.9cN/dtexと極めて高い引っ張り強度を有していたが、伸度が8.8%と低く、本発明の範囲外のものであった。
ポリケトン繊維1および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表1に示す。
【0057】
【比較例2】
実施例1において、ポリケトン繊維1の代わりにナイロン66繊維を用いる以外は同様にして撚糸を行いナイロン66コードを得た。得られたコードの引っ張り強度は8.5cN/dtex、伸度は24.7%と高いものの、2.0cN/dtex荷重時伸度は11.2%であり、本発明の範囲外のものであった。
ポリケトン繊維1、ナイロン66繊維および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表1に示す。
【0058】
【比較例3】
実施例2において、ポリケトン繊維1の代わりにポリエチレンテレフタレート繊維を用いる以外は同様にして撚糸を行いポリエチレンテレフタレートコードを得た。得られたコードの引っ張り強度は6.8cN/dtex、2.0cN/dtex荷重時伸度も6.3%であり本発明の範囲外のものであった。
ポリケトン繊維1、ポリエチレンテレフタレート繊維および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表1に示す。
【0059】
【実施例4】
実施例1で製造した交撚コードを、下記の液組成のRFL液に浸漬した後に、乾燥ゾーン(張力0.3cN/dtexで160℃で120秒の熱処理)、ヒートセットゾーン(張力0.4cN/dtexで225℃で60秒の熱処理)、ノルマライジングゾーン(張力0.1cN/dtexで220℃、60秒の熱処理)を通して処理コードを得た。
(RFL液組成)
レゾルシン 22.0部
ホルマリン(30質量%) 30.0部
水酸化ナトリウム(10質量%) 14.0部
水 570.0部
ビニルピリジンラテックス(41質量%) 364.0部
【0060】
得られた処理コードの樹脂付着率は5.5%、引っ張り強度は9.5cN/dtex、伸度は12.8%、2.0cN/dtex荷重時伸度は4.4%、タフネスは37.8cN・%/dtexであり、優れた力学特性を有するものであった。ゴム接着力は155N/cm/cordでありRFL液1浴処理で十分な接着力を示した。この処理コードは均質で熱収縮によるたるみや歪みのない高品位のコードであった。
【0061】
【実施例5】
参考例2で製造したポリケトン繊維2および1690dtex/1000fのアラミド繊維(KEVLAR(登録商標)K29、DuPont社製)を、それぞれ390T/mで下撚り(Z撚り)を行った後に、2本を引き揃えてさらに390T/mにて上撚り(S撚り)を加えて交撚コードを得た。得られたコードの引っ張り強度は13.5cN/dtex、伸度は8.3%、2.0cN/dtex荷重時伸度は2.4%、タフネスは33.9cN・%/dtexであり、ポリケトン繊維のみからなるコードに比べて高い強度と低い2.0cN/dtex荷重時伸度を有し、かつ、高い伸度とタフネスを具備するものであった。
ポリケトン繊維2、アラミド繊維および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表2に示す。
【0062】
【実施例6】
実施例5において、下撚り数および上撚り数をそれぞれ290T/mとする以外は同様にして撚糸を行った。得られた交撚コードの引っ張り強度は16.4cN/dtex、2.0cN/dtex荷重時伸度は1.9%であり、引っ張り強度および寸法安定性の高いものであった。さらに伸度は7.2%、タフネスは34.5cN・%/dtexであり、優れた性質を具備するものであった。
ポリケトン繊維2、アラミド繊維および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表2に示す。
【0063】
【実施例7】
実施例5において、下撚り数および上撚り数をそれぞれ190T/mとする以外は同様にして撚糸を行った。得られた交撚コードの引っ張り強度は18.1cN/dtex、2.0cN/dtex荷重時伸度は1.4%であり、引っ張り強度および寸法安定性の高いものであった。さらに伸度は6.1%、タフネスは36.0cN・%/dtexであり、優れた性質を具備するものであった。
ポリケトン繊維2、アラミド繊維および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表2に示す。
【0064】
【比較例4】
実施例5において、アラミド繊維の代わりにポリケトン繊維2を用いる以外は同様にして撚糸を行いポリケトンコードを得た。このコードは交撚コードに比べて高伸度であるものの、引っ張り強度およびタフネスが低く、2.0cN/dtex荷重時伸度の大きなものであった。
ポリケトン繊維2、および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表2に示す。
【0065】
【比較例5】
実施例5において、ポリケトン繊維の代わりにアラミド繊維を用いる以外は同様にして撚糸を行いアラミドコードを得た。このコードの伸度は5.0%と低く、本発明の範囲外のものである。
ポリケトン繊維2、アラミド繊維および交撚コードの特性、および交撚コードの性能を表2に示す。
【0066】
【実施例8】
実施例5で作製した交撚コードを、下記の組成の接着液1に浸漬した後に、張力0.9cN/dtexで230℃、60秒の熱処理をした後に、引き続き下記組成の接着剤2に浸漬し、張力0.3cN/dtexで230℃、90秒の熱処理を行い処理コードを得た。
(接着剤1液組成)
デナコール(登録商標)614B(長瀬産業(株)社製)30.0部
2−ピロリドン 100.0部
水酸化ナトリウム 1.0部
ペレックス(登録商標)OTP(花王(株)社製) 20.0部
水 850.0部
(接着剤2液組成)
レゾルシン 14.0部
ホルマリン 20.6部
水酸化ナトリウム 1.6部
水 106.7部
ビニルピリジンラテックス(49.8質量%) 857.1部
【0067】
得られた処理コードの樹脂付着率は6.1%であり、引っ張り強度は12.5cN/dtex、伸度は8.1%、2.0cN/dtex荷重時伸度は2.3%、タフネスは34.5cN・%/dtexであり、優れた力学特性を有していた。またゴム接着力は150N/cm/cordという高い接着力を示した。この処理コードは均質で熱収縮によるたるみや歪みのない高品位のコードであった。
【0068】
【表1】
Figure 0004563624
【0069】
【表2】
Figure 0004563624
【0070】
【発明の効果】
本発明の交撚コードは、ポリケトンのみからなるコードに近い高強度および高寸法安定性という優れた力学特性を持つとともに、ポリケトンのみからなるコードでは得られない高い伸度およびタフネスの特性を具備するものである。さらには、交撚に用いるポリケトン繊維の熱収縮特性を制御することによって、熱収縮によるたるみや歪み、物性低下のない高性能、かつ、高品位のコードが実現できる。
本発明の交撚コードは、高強度、高寸法安定性、高伸度、高タフネスおよび良好なゴムとの接着力の特性を活かして、高い負荷のかかる産業資材用途、特に、タイヤ、ベルト、ホース、FRP、光ファイバー、セメントなどの成型品の補強用繊維材料として極めて有用である。

Claims (14)

  1. 繰り返し単位の95〜100質量%が1−オキソトリメチレンから構成された、下記(a)〜(c)の特性を具備するポリケトン繊維(A)と、下記(d)〜(e)の特性を具備する繊維(B)とを撚り合わせてなる交撚コードであって、AとBの質量割合(A/B)が80/20〜20/80であり、下記(f)〜(h)の特性を有することを特徴とする交撚コード。
    繊維(A)
    (a)引っ張り強度≧10cN/dtex
    (b)弾性率≧200cN/dtex
    (c)伸度=3〜9%
    繊維(B)
    (d)弾性率≦200cN/dtex
    (e)伸度≧10%
    コード
    (f)引っ張り強度≧7cN/dtex
    (g)伸度≧10%
    (h)2.0cN/dtex荷重時伸度≦6%
  2. タフネスが30cN・%/dtex以上であることを特徴とする請求項1記載の交撚コード。
  3. ポリケトン繊維(A)の最大熱収縮温度TAと繊維(B)の最大熱収縮温度TBおよびポリケトン繊維(A)の最大熱収縮応力σAと繊維(B)の最大熱収縮応力σBとが下式の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の交撚コード。
    |TA−TB|=0〜30℃
    |σA−σB|=0〜0.2cN/dtex
  4. 最大熱収縮応力が0.01〜0.6cN/dtexであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の交撚コード。
  5. 繊維Bが、ナイロン66繊維、ナイロン6繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の交撚コード。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の交撚コードに、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス樹脂が交撚コードに対して1〜10質量%付着していることを特徴とする接着性の改良された交撚コード。
  7. 繰り返し単位の95〜100質量%が1−オキソトリメチレンから構成された、下記(a)〜(c)の特性を具備するポリケトン繊維(A)と、下記(i)〜(k)の特性を具備する繊維(C)とを撚り合わせてなる交撚コードであって、AとCの質量割合(A/C)が80/20〜20/80であり、下記(l)〜(n)の特性を有することを特徴とする交撚コード。
    繊維(A)
    (a)引っ張り強度≧10cN/dtex
    (b)弾性率≧200cN/dtex
    (c)伸度=3〜9%
    繊維(C)
    (i)引っ張り強度≧18cN/dtex
    (j)弾性率≧450cN/dtex
    (k)伸度=2〜5%
    コード
    (l)引っ張り強度≧12cN/dtex
    (m)伸度≧6%
    (n)2.0cN/dtex荷重時伸度≦4%
  8. タフネスが30cN・%/dtex以上であることを特徴とする請求項7記載の交撚コード。
  9. 最大熱収縮応力が0.01〜0.6cN/dtexであることを特徴とする請求項7または8に記載の交撚コード。
  10. 繊維Cが、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール繊維、ポリビニルアルコール繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の交撚コード。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の交撚コードに、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス樹脂が交撚コードに対して1〜10質量%付着していることを特徴とする接着性の改良された交撚コード。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の交撚コードを使用した成型品。
  13. 成型品がタイヤ、ホース、ベルトおよび光ファイバーから選ばれた1種であることを特徴とする請求項12記載の成型品。
  14. 請求項1、2、3、4、5、7、8、9および10のいずれか1項に記載の交撚コードをレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液に浸漬後、交撚コードの最大熱収縮温度±20℃の温度、最大熱収縮応力±0.2cN/dtexの張力の下で、10〜300秒間、熱処理を行う工程を含むことを特徴とする接着性の改良された交撚コードの製造方法。
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