JPH08244404A - 高速重荷重用クロスプライタイヤ - Google Patents
高速重荷重用クロスプライタイヤInfo
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- JPH08244404A JPH08244404A JP7083329A JP8332995A JPH08244404A JP H08244404 A JPH08244404 A JP H08244404A JP 7083329 A JP7083329 A JP 7083329A JP 8332995 A JP8332995 A JP 8332995A JP H08244404 A JPH08244404 A JP H08244404A
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- Japan
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- cord
- carcass
- ply
- tire
- strand
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C9/00—Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
- B60C9/005—Reinforcements made of different materials, e.g. hybrid or composite cords
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D02—YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
- D02G—CRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
- D02G3/00—Yarns or threads, e.g. fancy yarns; Processes or apparatus for the production thereof, not otherwise provided for
- D02G3/44—Yarns or threads characterised by the purpose for which they are designed
- D02G3/48—Tyre cords
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D10—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
- D10B—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
- D10B2331/00—Fibres made from polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polycondensation products
- D10B2331/02—Fibres made from polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polycondensation products polyamides
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D10—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
- D10B—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
- D10B2331/00—Fibres made from polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polycondensation products
- D10B2331/02—Fibres made from polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polycondensation products polyamides
- D10B2331/021—Fibres made from polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polycondensation products polyamides aromatic polyamides, e.g. aramides
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Textile Engineering (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】耐熱性に優れた高速重荷重用クロスプライタイ
ヤを提供する。 【構成】複数枚のカーカスプライ6A…からなるカーカ
ス6を具え、カーカスプライのカーカスコードは、芳香
族ポリアミド繊維を下撚りして形成した高弾性ストラン
ドと、ナイロン繊維を下撚りして形成した低弾性ストラ
ンドとを上撚りして束ねた複合コードからなり、次式を
満たす。 112.07≦(115.97×X)+(63.735
×Y) 但し、Xは、N1×√(0.139×D1/ρ1 )×1
0-3、Yは、N2×√(0.139×D2/ρ2 )×1
0-3、N1は、複合コードの10cm当りの上撚り数、
N2は、低弾性ストランドの10cm当りの下撚り数、
D1は、複合コードの太さ(デニール)、D2は、低弾
性ストランドの太さ(デニール)、ρ1 は、複合コード
の比重(g/cm3 )、ρ2 は、低弾性ストランドの比重
(g/cm3 )。
ヤを提供する。 【構成】複数枚のカーカスプライ6A…からなるカーカ
ス6を具え、カーカスプライのカーカスコードは、芳香
族ポリアミド繊維を下撚りして形成した高弾性ストラン
ドと、ナイロン繊維を下撚りして形成した低弾性ストラ
ンドとを上撚りして束ねた複合コードからなり、次式を
満たす。 112.07≦(115.97×X)+(63.735
×Y) 但し、Xは、N1×√(0.139×D1/ρ1 )×1
0-3、Yは、N2×√(0.139×D2/ρ2 )×1
0-3、N1は、複合コードの10cm当りの上撚り数、
N2は、低弾性ストランドの10cm当りの下撚り数、
D1は、複合コードの太さ(デニール)、D2は、低弾
性ストランドの太さ(デニール)、ρ1 は、複合コード
の比重(g/cm3 )、ρ2 は、低弾性ストランドの比重
(g/cm3 )。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れた航空機
用として好ましく用いうる高速重荷重用クロスプライタ
イヤに関する。
用として好ましく用いうる高速重荷重用クロスプライタ
イヤに関する。
【0002】
【従来の技術】航空機用として使用される高速重荷重用
タイヤは、近年の航空機の大型化、飛行速度の増大に伴
い、離着陸時の速度、荷重が増大する傾向にあるため離
着陸時における衝撃を緩和すべく、負荷時のタイヤ半径
方向の撓み量が大きいことが望まれる。
タイヤは、近年の航空機の大型化、飛行速度の増大に伴
い、離着陸時の速度、荷重が増大する傾向にあるため離
着陸時における衝撃を緩和すべく、負荷時のタイヤ半径
方向の撓み量が大きいことが望まれる。
【0003】従って、従来この種のタイヤには、タイヤ
横剛性が高く走行性能に優れるとともに、タイヤの撓み
量が大であり衝撃緩和効果が高いクロスプライ構造のも
の、すなわちカーカスコードをカーカスプライ間で互い
に交差させたものが多用されている。又前記カーカスコ
ードとしては、耐疲労性に優れ、かつ伸度の高いナイロ
ン繊維からなるコードが使用される。
横剛性が高く走行性能に優れるとともに、タイヤの撓み
量が大であり衝撃緩和効果が高いクロスプライ構造のも
の、すなわちカーカスコードをカーカスプライ間で互い
に交差させたものが多用されている。又前記カーカスコ
ードとしては、耐疲労性に優れ、かつ伸度の高いナイロ
ン繊維からなるコードが使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ナイロ
ンは、耐疲労性に優れる反面、表1に示すように軟化
点、融解点が比較的低いという性質がある。
ンは、耐疲労性に優れる反面、表1に示すように軟化
点、融解点が比較的低いという性質がある。
【0005】
【表1】
【0006】一般に、航空機用のタイヤは、前記離着陸
の際に、きわめて大きな荷重の下での高速走行を強いら
れる結果、タイヤ温度がナイロンの軟化点温度近く(約
180゜C)まで上昇することがある。したがって、ナ
イロンコードをカーカスプライに用いた航空機用のクロ
スプライタイヤでは、このような発熱によりナイロンコ
ードが軟化してしまう場合があり、カーカスプライの強
度を著しく低下させ、ひいてはタイヤの構造破壊を招く
という問題がある。
の際に、きわめて大きな荷重の下での高速走行を強いら
れる結果、タイヤ温度がナイロンの軟化点温度近く(約
180゜C)まで上昇することがある。したがって、ナ
イロンコードをカーカスプライに用いた航空機用のクロ
スプライタイヤでは、このような発熱によりナイロンコ
ードが軟化してしまう場合があり、カーカスプライの強
度を著しく低下させ、ひいてはタイヤの構造破壊を招く
という問題がある。
【0007】他方、芳香族ポリアミド(アラミド)繊維
は、高温下においても強力の低下がナイロンに比べて小
さく、剛性が著しく高い素材としてよく知られている。
しかしながら、クロスプライタイヤは、ラジアルタイヤ
と異なり、接地面が局部的に変形するため、カーカスコ
ードの歪みが大きい。したがって、芳香族ポリアミドコ
ードのみを航空機用のクロスプライタイヤのカーカスコ
ードして用いた場合には、耐熱性は向上させうるもの
の、その剛性の高さから耐疲労性が著しく劣るという問
題がある。
は、高温下においても強力の低下がナイロンに比べて小
さく、剛性が著しく高い素材としてよく知られている。
しかしながら、クロスプライタイヤは、ラジアルタイヤ
と異なり、接地面が局部的に変形するため、カーカスコ
ードの歪みが大きい。したがって、芳香族ポリアミドコ
ードのみを航空機用のクロスプライタイヤのカーカスコ
ードして用いた場合には、耐熱性は向上させうるもの
の、その剛性の高さから耐疲労性が著しく劣るという問
題がある。
【0008】本発明者等は、かかる問題点に鑑み鋭意研
究を重ねた結果、芳香族ポリアミド繊維を下撚りした高
弾性ストランドと、ナイロン繊維を下撚りした低弾性ス
トランドとを上撚りして束ねた複合コードをカーカスコ
ードに用いることを基本として、とりわけ低弾性ストラ
ンドの下撚り、及び複合コードの上撚りを相互に関連付
けて規制することによって、前記ナイロンコードの優れ
た耐疲労性と、芳香族ポリアミドコードの高温時におけ
る高強力とを、高い次元でともに満足させうることを見
い出し本発明を完成させたのである。
究を重ねた結果、芳香族ポリアミド繊維を下撚りした高
弾性ストランドと、ナイロン繊維を下撚りした低弾性ス
トランドとを上撚りして束ねた複合コードをカーカスコ
ードに用いることを基本として、とりわけ低弾性ストラ
ンドの下撚り、及び複合コードの上撚りを相互に関連付
けて規制することによって、前記ナイロンコードの優れ
た耐疲労性と、芳香族ポリアミドコードの高温時におけ
る高強力とを、高い次元でともに満足させうることを見
い出し本発明を完成させたのである。
【0009】なお特開平1−247204号公報など
は、ナイロン繊維フィラメントと、芳香族ポリアミド繊
維フィラメントとを混合撚りすることにより1本の複合
コードを形成しうることを開示しているが、この複合コ
ードは、ベルト層の半径方向外側に螺旋巻きされるバン
ド層として用いられるものであり、しかもその撚り数に
ついては何ら記載されているものではない。
は、ナイロン繊維フィラメントと、芳香族ポリアミド繊
維フィラメントとを混合撚りすることにより1本の複合
コードを形成しうることを開示しているが、この複合コ
ードは、ベルト層の半径方向外側に螺旋巻きされるバン
ド層として用いられるものであり、しかもその撚り数に
ついては何ら記載されているものではない。
【0010】以上のように、本発明は、カーカスコード
に改良を加えることにより耐疲労性を低下させることな
く耐熱性に優れた高速重荷重用クロスプライタイヤを提
供することを目的としている。
に改良を加えることにより耐疲労性を低下させることな
く耐熱性に優れた高速重荷重用クロスプライタイヤを提
供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の高速重荷重用クロスプライタイヤは、トレッ
ド部からサイドウオール部を通りビード部のビードコア
の廻りを折り返されるとともにカーカスコードをタイヤ
赤道に対して20〜50度の角度で配列した複数枚のカ
ーカスプライを有したからなるカーカスを具える高速重
荷重用クロスプライタイヤであって、少なくとも1枚の
カーカスプライのカーカスコードは、芳香族ポリアミド
繊維を下撚りした高弾性ストランドとナイロン繊維を下
撚りした低弾性ストランドとを上撚りして束ねた複合コ
ードからなり、しかも該複合コードは、次式(1)を満
たすことを特徴としている。 112.07≦(115.97×X)+(63.735×Y) …(1) 但し、Xは、N1×√(0.139×D1 /ρ1 )×1
0-3 Yは、N2×√(0.139×D2 /ρ2 )×10-3 N1は、複合コードの10cm当りの上撚り数、N2
は、低弾性ストランドの10cm当りの下撚り数、D1
は、複合コードの太さ(単位:デニール) D2は、低弾性ストランドの太さ(単位:デニール) ρ1は、複合コードの比重(単位:g/cm3 )、ρ2
は、低弾性ストランドの比重(単位:g/cm3 )、
に本発明の高速重荷重用クロスプライタイヤは、トレッ
ド部からサイドウオール部を通りビード部のビードコア
の廻りを折り返されるとともにカーカスコードをタイヤ
赤道に対して20〜50度の角度で配列した複数枚のカ
ーカスプライを有したからなるカーカスを具える高速重
荷重用クロスプライタイヤであって、少なくとも1枚の
カーカスプライのカーカスコードは、芳香族ポリアミド
繊維を下撚りした高弾性ストランドとナイロン繊維を下
撚りした低弾性ストランドとを上撚りして束ねた複合コ
ードからなり、しかも該複合コードは、次式(1)を満
たすことを特徴としている。 112.07≦(115.97×X)+(63.735×Y) …(1) 但し、Xは、N1×√(0.139×D1 /ρ1 )×1
0-3 Yは、N2×√(0.139×D2 /ρ2 )×10-3 N1は、複合コードの10cm当りの上撚り数、N2
は、低弾性ストランドの10cm当りの下撚り数、D1
は、複合コードの太さ(単位:デニール) D2は、低弾性ストランドの太さ(単位:デニール) ρ1は、複合コードの比重(単位:g/cm3 )、ρ2
は、低弾性ストランドの比重(単位:g/cm3 )、
【0012】又前記複合コードは、前記式(1)に加
え、次式(2)を満たすように構成することができる。 1.018≦(8.159×X)+(10.488×Y) …(2)
え、次式(2)を満たすように構成することができる。 1.018≦(8.159×X)+(10.488×Y) …(2)
【0013】さらに、前記複合コードは、前記式(1)
又は(2)に加え、次式(3)を満たすように構成する
ことができる。 0≦(−33.219×X)+(19.363×Y) +48.2−8.8×D2×10-3 …(3)
又は(2)に加え、次式(3)を満たすように構成する
ことができる。 0≦(−33.219×X)+(19.363×Y) +48.2−8.8×D2×10-3 …(3)
【0014】上記の(1)〜(3)式は、本発明者等
が、芳香族ポリアミド繊維を下撚りした1本の高弾性ス
トランドと、ナイロン繊維を下撚りした1本の低弾性ス
トランドとを上撚りして束ねた複合コードについて、表
2に示す仕様で8種の試供サンプルを試作し、これらに
ついて種々の実験を行なった結果の解析により得られた
ものである。
が、芳香族ポリアミド繊維を下撚りした1本の高弾性ス
トランドと、ナイロン繊維を下撚りした1本の低弾性ス
トランドとを上撚りして束ねた複合コードについて、表
2に示す仕様で8種の試供サンプルを試作し、これらに
ついて種々の実験を行なった結果の解析により得られた
ものである。
【0015】
【表2】
【0016】先ず第一に、本発明者等の実験結果によれ
ば、複合コードの耐疲労性は、複合コードの上撚り数
と、低弾性ストランドの下撚り数とに密接な相関関係が
あることが判明した。そこで、前記試供サンプルについ
て、「JIS L 1017化学繊維タイヤコード試験
方法」の「3.2.2.2 ディスク疲労強さ」に準じ
て、伸長率を0%、圧縮率15%で試験を行い、伸長・
圧縮疲労率(強度保持率)(%)を算出したところ、図
3に示すような結果を得た。なお試料の添字は、強力保
持率を示す。
ば、複合コードの耐疲労性は、複合コードの上撚り数
と、低弾性ストランドの下撚り数とに密接な相関関係が
あることが判明した。そこで、前記試供サンプルについ
て、「JIS L 1017化学繊維タイヤコード試験
方法」の「3.2.2.2 ディスク疲労強さ」に準じ
て、伸長率を0%、圧縮率15%で試験を行い、伸長・
圧縮疲労率(強度保持率)(%)を算出したところ、図
3に示すような結果を得た。なお試料の添字は、強力保
持率を示す。
【0017】このデータを基に、重回帰分析したとこ
ろ、耐疲労性(F)は、複合コードの上撚り数(U)
と、低弾性ストランドの下撚り数(N)とを用いること
により下記(4)式に示すような回帰式を得た(但し各
撚り数は10cm当たりである)。 F=1.99U+0.79N−22.07 …(4)
ろ、耐疲労性(F)は、複合コードの上撚り数(U)
と、低弾性ストランドの下撚り数(N)とを用いること
により下記(4)式に示すような回帰式を得た(但し各
撚り数は10cm当たりである)。 F=1.99U+0.79N−22.07 …(4)
【0018】この(4)式に基づいて、図3に、70%
から100%まで10%間隔で耐疲労性の基準となる直
線を示す。図3から明らかなように、複合コードの上撚
り数(U)が大きいほど、又低弾性ストランドの下撚り
数(N)が大きいほど、耐疲労性が向上していることが
理解できる。
から100%まで10%間隔で耐疲労性の基準となる直
線を示す。図3から明らかなように、複合コードの上撚
り数(U)が大きいほど、又低弾性ストランドの下撚り
数(N)が大きいほど、耐疲労性が向上していることが
理解できる。
【0019】ところが、この(4)式は、予め定まった
太さのストランドの撚り数を基準としているため、異な
る太さのストランドを束ねた複合コードに適用するため
には、「撚り数」を「撚り係数」に置き換える必要があ
る。一般に、コード10cm当たりの撚り数Neと、撚り
係数NTとの関係は、次の(5)式で与えられる。 撚り係数NT=Ne√(0.139×D/ρ)×10-3 …(5) 但し、Dは、コードの太さ(単位:デニール)、ρは、
コードの加重平均比重(単位:g/cm3 )である。なお
この(5)式は1本のストランドにも採用でき、このと
き撚り数Neにはストランドの10cm当たりの下撚り数
を、又太さDにはストランドの太さを、同比重ρにはス
トランドの荷重平均比重を代入すれば良い。
太さのストランドの撚り数を基準としているため、異な
る太さのストランドを束ねた複合コードに適用するため
には、「撚り数」を「撚り係数」に置き換える必要があ
る。一般に、コード10cm当たりの撚り数Neと、撚り
係数NTとの関係は、次の(5)式で与えられる。 撚り係数NT=Ne√(0.139×D/ρ)×10-3 …(5) 但し、Dは、コードの太さ(単位:デニール)、ρは、
コードの加重平均比重(単位:g/cm3 )である。なお
この(5)式は1本のストランドにも採用でき、このと
き撚り数Neにはストランドの10cm当たりの下撚り数
を、又太さDにはストランドの太さを、同比重ρにはス
トランドの荷重平均比重を代入すれば良い。
【0020】次に、上記(5)式を、10cm当りの撚
り数Neで展開すれば、下記(6)式のように表しう
る。 Ne=撚り係数(NT)/√(0.139×D/ρ)×10-3 …(6)
り数Neで展開すれば、下記(6)式のように表しう
る。 Ne=撚り係数(NT)/√(0.139×D/ρ)×10-3 …(6)
【0021】又、試供サンプルの複合コードは、表2に
示したように、高弾性ストランド/低弾性ストランド
を、それぞれ1500d/1260dの太さとしてい
る。又ナイロンの比重は1.14g/cm2 、同芳香族ポ
リアミドの比重は、1.44g/cm2 であり、さらに複
合コードの場合、加重平均により、およそ1.303g
/cm2 となる。したがって、これらを上記(6)式に代
入すれば、複合コードの上撚り数をN1、同撚り係数を
NT1、低弾性ストランドの下撚り数をN2、同撚り係
数をNT2としたとき、次の(7)、(8)式のように
表すことができる。 N1=NT1/0.017159 …(7) N2=NT2/0.012395 …(8)
示したように、高弾性ストランド/低弾性ストランド
を、それぞれ1500d/1260dの太さとしてい
る。又ナイロンの比重は1.14g/cm2 、同芳香族ポ
リアミドの比重は、1.44g/cm2 であり、さらに複
合コードの場合、加重平均により、およそ1.303g
/cm2 となる。したがって、これらを上記(6)式に代
入すれば、複合コードの上撚り数をN1、同撚り係数を
NT1、低弾性ストランドの下撚り数をN2、同撚り係
数をNT2としたとき、次の(7)、(8)式のように
表すことができる。 N1=NT1/0.017159 …(7) N2=NT2/0.012395 …(8)
【0022】これらの(7)、(8)式を前記(4)式
に当てはめるとともに、耐疲労性(F)(強力保持率)
を90%以上と規制すれば次の(9)式が成り立つ。 90≦115.97×NT1+63.735×NT2−22.07 …(9)
に当てはめるとともに、耐疲労性(F)(強力保持率)
を90%以上と規制すれば次の(9)式が成り立つ。 90≦115.97×NT1+63.735×NT2−22.07 …(9)
【0023】上記(9)式を整理し、かつ撚り係数NT
1 、NT2 に、それぞれX、Yを代入することで試供サ
ンプルとは太さの異なる複合コードにも適合しうる前記
式(1)を得る。 112.07≦(115.97×X)+(63.735×Y) …(1) なお、X、Yのパラメータは、前に述べたとおりであ
る。
1 、NT2 に、それぞれX、Yを代入することで試供サ
ンプルとは太さの異なる複合コードにも適合しうる前記
式(1)を得る。 112.07≦(115.97×X)+(63.735×Y) …(1) なお、X、Yのパラメータは、前に述べたとおりであ
る。
【0024】したがって、複合コードは、この式(1)
を満足することにより、耐疲労性(F)(強力保持率)
を90%以上確保しうる。つまり、このような複合コー
ドは、高弾性ストランドにより、高温下における強力を
発揮しつつ、耐疲労性をも損なわないことが理解でき、
ひいては発熱に基づくタイヤ構造破壊を防止しうる。
を満足することにより、耐疲労性(F)(強力保持率)
を90%以上確保しうる。つまり、このような複合コー
ドは、高弾性ストランドにより、高温下における強力を
発揮しつつ、耐疲労性をも損なわないことが理解でき、
ひいては発熱に基づくタイヤ構造破壊を防止しうる。
【0025】次に、本発明者等の実験結果によれば、前
記複合コードは、耐疲労性に加えて、中間伸度をも規制
することがより好ましいことが判明した。
記複合コードは、耐疲労性に加えて、中間伸度をも規制
することがより好ましいことが判明した。
【0026】ここで、中間伸度とは、一定荷重時の伸度
であって、この中間伸度が小さすぎると、タイヤの剛性
が高められがちとなり、クロスプライタイヤではその局
部的な変形により発熱が増す傾向にある他、高弾性スト
ランドに生じる歪みが大きく前記の耐疲労性に悪影響を
及ぼしかねない。
であって、この中間伸度が小さすぎると、タイヤの剛性
が高められがちとなり、クロスプライタイヤではその局
部的な変形により発熱が増す傾向にある他、高弾性スト
ランドに生じる歪みが大きく前記の耐疲労性に悪影響を
及ぼしかねない。
【0027】逆に、中間伸度が大きすぎると、高弾性ス
トランドの高強力を生かしきれず、補強効果が得られ難
い傾向にあり、複合コードの強力低下を招きかねない。
つまり、前記耐疲労性を90%以上に規制すると同時
に、中間伸度についても同時に一定範囲に規制すること
がより望ましいのである。
トランドの高強力を生かしきれず、補強効果が得られ難
い傾向にあり、複合コードの強力低下を招きかねない。
つまり、前記耐疲労性を90%以上に規制すると同時
に、中間伸度についても同時に一定範囲に規制すること
がより望ましいのである。
【0028】本発明者等は、前記試供サンプルについ
て、「JIS L 1017 化学繊維タイヤコード試
験方法」の「7.7 一定荷重伸び率」の7.7.1項
の「標準時試験」に準じて、一定荷重時の伸びである中
間伸度(%)を測定したところ、図4に示すような結果
を得た。なお各試料の添字は、中間伸度を示す。
て、「JIS L 1017 化学繊維タイヤコード試
験方法」の「7.7 一定荷重伸び率」の7.7.1項
の「標準時試験」に準じて、一定荷重時の伸びである中
間伸度(%)を測定したところ、図4に示すような結果
を得た。なお各試料の添字は、中間伸度を示す。
【0029】このデータを基に、重回帰分析したとこ
ろ、中間伸度(E)(%)を目的とする下記(10)式
に示すような回帰式を得た。 E=0.14U−0.13N+5.98 …(10) ここで、U、Nは、前記と同様のパラメータである。
ろ、中間伸度(E)(%)を目的とする下記(10)式
に示すような回帰式を得た。 E=0.14U−0.13N+5.98 …(10) ここで、U、Nは、前記と同様のパラメータである。
【0030】この(10)式に基づいて、図4に、7%
から11%まで1%間隔で中間伸度を直線で示す。図か
ら明らかなように、複合コードの上撚り数(U)が大き
いほど、又低弾性ストランドの下撚り数(N)が小さい
ほど、中間伸度が大きくなるという相関関係があること
が理解できる。
から11%まで1%間隔で中間伸度を直線で示す。図か
ら明らかなように、複合コードの上撚り数(U)が大き
いほど、又低弾性ストランドの下撚り数(N)が小さい
ほど、中間伸度が大きくなるという相関関係があること
が理解できる。
【0031】ここで、前記同様、異なる太さのストラン
ドを有する複合コードに適用するために、複合コード1
0cmあたりの上撚り数(U)にN1 =NT1 /0.0
17159(前記(7)式)を、又低弾性ストランドの
10cmあたりの下撚り数(N)に、N2 =NT2 /
0.012395(前記(8)式)を夫々上記(10)
式に代入して整理すると、中間伸度(E)(%)は、次
の(11)式で表すことができる。 E=8.159×NT1−10.488×NT2+5.982 …(11)
ドを有する複合コードに適用するために、複合コード1
0cmあたりの上撚り数(U)にN1 =NT1 /0.0
17159(前記(7)式)を、又低弾性ストランドの
10cmあたりの下撚り数(N)に、N2 =NT2 /
0.012395(前記(8)式)を夫々上記(10)
式に代入して整理すると、中間伸度(E)(%)は、次
の(11)式で表すことができる。 E=8.159×NT1−10.488×NT2+5.982 …(11)
【0032】次に、航空機用のクロスプライタイヤのカ
ーカスに用いられるナイロンコードについて、前記と同
様に中間伸度を測定したとろ、ほぼ10.0%であっ
た。一般に、クロスプライタイヤの場合、ラジアルタイ
ヤに比べてカーカスプライの枚数が格段に多く、したが
って、カーカスコードの中間伸度が小さいと、たわみに
対し、たわみの内側の圧縮力が大きくなるためコード耐
久性が低下するのである。
ーカスに用いられるナイロンコードについて、前記と同
様に中間伸度を測定したとろ、ほぼ10.0%であっ
た。一般に、クロスプライタイヤの場合、ラジアルタイ
ヤに比べてカーカスプライの枚数が格段に多く、したが
って、カーカスコードの中間伸度が小さいと、たわみに
対し、たわみの内側の圧縮力が大きくなるためコード耐
久性が低下するのである。
【0033】又複合コードにおいては、中間伸度が小さ
いということは、撚り数を小さくすることであり、この
場合高弾性ストランド、つまり芳香族ポリアミド繊維に
かかる変形が大きく耐久性に問題がある。一方、複合コ
ードにおいて、中間伸度が大きいということは、撚り数
を大きくすることであり、この場合強力を低下させる傾
向にある。
いということは、撚り数を小さくすることであり、この
場合高弾性ストランド、つまり芳香族ポリアミド繊維に
かかる変形が大きく耐久性に問題がある。一方、複合コ
ードにおいて、中間伸度が大きいということは、撚り数
を大きくすることであり、この場合強力を低下させる傾
向にある。
【0034】本発明では、コードの耐久性の低下を防止
することを最優先課題として検討した結果、中間伸度に
ついては、7%を下回らないように規制すること、つま
り下限を規制することが特に重要であるとの知見に達し
た。ここで、前記(11)式に、中間伸度Eに7.0を
代入し、前記X、Yパラメータにて整理すれば次の
(2)式が成り立つ。 1.018≦8.159×X−10.488×Y+5.982…(2)
することを最優先課題として検討した結果、中間伸度に
ついては、7%を下回らないように規制すること、つま
り下限を規制することが特に重要であるとの知見に達し
た。ここで、前記(11)式に、中間伸度Eに7.0を
代入し、前記X、Yパラメータにて整理すれば次の
(2)式が成り立つ。 1.018≦8.159×X−10.488×Y+5.982…(2)
【0035】なお、さらに好ましい範囲として、中間伸
度の下限を9%とすれば次の(12)式が成立する。 3.018≦8.159×NT1−10.488×NT2+5.982 …(12)
度の下限を9%とすれば次の(12)式が成立する。 3.018≦8.159×NT1−10.488×NT2+5.982 …(12)
【0036】又、さらに好ましいものとして複合コード
の強力低下傾向を抑制すべく、中間伸度の上限を10%
に規制すれば次の(13)式が成立する。 4.018≧8.159×NT1−10.488×NT2+5.982 …(13)
の強力低下傾向を抑制すべく、中間伸度の上限を10%
に規制すれば次の(13)式が成立する。 4.018≧8.159×NT1−10.488×NT2+5.982 …(13)
【0037】したがって、中間伸度は、前記式(2)に
より、好ましくは(12)式により、その下限を規制す
ることが良い。このように中間伸度の下限を規制するこ
とにより、複合コードは、前記式(1)で確保される耐
疲労性の向上を、より効果的に発揮しうる。
より、好ましくは(12)式により、その下限を規制す
ることが良い。このように中間伸度の下限を規制するこ
とにより、複合コードは、前記式(1)で確保される耐
疲労性の向上を、より効果的に発揮しうる。
【0038】又中間伸度は、さらに好ましくは前記
(2)式と(13)式により、さらに好ましくは(1
2)式と(13)式により上限、下限を規制することに
より、耐疲労性の向上はもとより、強力が低下するのを
抑制しうる。
(2)式と(13)式により、さらに好ましくは(1
2)式と(13)式により上限、下限を規制することに
より、耐疲労性の向上はもとより、強力が低下するのを
抑制しうる。
【0039】なお本実験においては、特定のコードにつ
いて中間伸度の絶対値を規定しているが、さらに詳細に
検討したところ、複合コードの中間伸度Eは、この複合
コードに用いる低弾性ストランドを2本上撚りしたナイ
ロンコード中間伸度をE′としたとき両者の差が0.5
〜1(%)となるように設定することが好ましいことが
判明した。
いて中間伸度の絶対値を規定しているが、さらに詳細に
検討したところ、複合コードの中間伸度Eは、この複合
コードに用いる低弾性ストランドを2本上撚りしたナイ
ロンコード中間伸度をE′としたとき両者の差が0.5
〜1(%)となるように設定することが好ましいことが
判明した。
【0040】このときの荷重は、例えばナイロンコード
で1デニール当たり2.68gの引張荷重が作用すると
きを基準としたもので、このようにナイロンコードと、
複合コードとの中間伸度の差を規制することにより、高
弾性ストランドの補強効果とともに低弾性ストランドの
耐久性を生かしうる。
で1デニール当たり2.68gの引張荷重が作用すると
きを基準としたもので、このようにナイロンコードと、
複合コードとの中間伸度の差を規制することにより、高
弾性ストランドの補強効果とともに低弾性ストランドの
耐久性を生かしうる。
【0041】さらに、本発明者等の実験結果によれば、
かかる複合コードは、耐疲労性に加えて強力をも規制す
ることがさらに好ましいことが判明した。
かかる複合コードは、耐疲労性に加えて強力をも規制す
ることがさらに好ましいことが判明した。
【0042】ここで、「強力」とは複合コードが破断す
るときの荷重であって、とりわけ本発明において優先す
べき課題は、約200゜C程度の高温下における強力
を、従来のナイロンコードと同等ないしは大きくするこ
とである。
るときの荷重であって、とりわけ本発明において優先す
べき課題は、約200゜C程度の高温下における強力
を、従来のナイロンコードと同等ないしは大きくするこ
とである。
【0043】この点につき本発明者等は、前記試供サン
プルについて、「JIS L 1017 化学繊維タイ
ヤコード試験方法」の「7.5 引張強さ及び伸び率」
の7.5.1項の標準時試験に準じて、温度200゜C
条件下で試験を行い、試供サンプルが破断したときの荷
重を測定したところ、図5に示すような結果を得た。な
お試料の添字は強力を示している。
プルについて、「JIS L 1017 化学繊維タイ
ヤコード試験方法」の「7.5 引張強さ及び伸び率」
の7.5.1項の標準時試験に準じて、温度200゜C
条件下で試験を行い、試供サンプルが破断したときの荷
重を測定したところ、図5に示すような結果を得た。な
お試料の添字は強力を示している。
【0044】このデータを基に、重回帰分析したとこ
ろ、強力(T)(kgf)を目的とする下記(14)式
に示すような回帰式を得た。 T=−0.57U+0.24N+48.2 …(14) なお、U、Nは、前記と同じパラメータである。
ろ、強力(T)(kgf)を目的とする下記(14)式
に示すような回帰式を得た。 T=−0.57U+0.24N+48.2 …(14) なお、U、Nは、前記と同じパラメータである。
【0045】この(14)式に基づいて、図5に、20
kgfから35kgfまで5kgf間隔で強力を直線で
示す。図から明らかなように、複合コードの上撚り数
(U)が小さいほど、又低弾性ストランドの下撚り数
(N)が大きいほど、強力が大きくなることが理解でき
る。
kgfから35kgfまで5kgf間隔で強力を直線で
示す。図から明らかなように、複合コードの上撚り数
(U)が小さいほど、又低弾性ストランドの下撚り数
(N)が大きいほど、強力が大きくなることが理解でき
る。
【0046】ここで、前記同様、異なる太さのストラン
ドを有する複合コードに適用するために、複合コード1
0cmあたりの上撚り数(U)にN1=NT1/0.0
17159を、又低弾性ストランドの10cmあたりの
下撚り数(N)に、N2=NT2/0.012395を
夫々(14)式に代入して整理すると、強力(T)(k
gf)は、次の(15)式で表すことができる。 T=−33.219×NT1+19.363×NT2+48.2 …(15)
ドを有する複合コードに適用するために、複合コード1
0cmあたりの上撚り数(U)にN1=NT1/0.0
17159を、又低弾性ストランドの10cmあたりの
下撚り数(N)に、N2=NT2/0.012395を
夫々(14)式に代入して整理すると、強力(T)(k
gf)は、次の(15)式で表すことができる。 T=−33.219×NT1+19.363×NT2+48.2 …(15)
【0047】次に、試供サンプルに用いた低弾性ストラ
ンドを2本撚り合わせたナイロンコード(従来、一般的
に航空機用の高速クロスプライタイヤのカーカスコード
として用いられていたもの)の前記試験環境下での強度
を測定したところ、1デニールあたり、8.8gであっ
た。この場合、強力T1(kgf)は、ナイロンコード
のデニール数をD2とすれば次の(16)式により求め
うる。 T1=8.8×D2×10-3 …(16)
ンドを2本撚り合わせたナイロンコード(従来、一般的
に航空機用の高速クロスプライタイヤのカーカスコード
として用いられていたもの)の前記試験環境下での強度
を測定したところ、1デニールあたり、8.8gであっ
た。この場合、強力T1(kgf)は、ナイロンコード
のデニール数をD2とすれば次の(16)式により求め
うる。 T1=8.8×D2×10-3 …(16)
【0048】したがって、複合コードの強力Tが、前記
ナイロンコードの強力T2以上であるとして整理し、
X、Yパラメータをあてはめれば、前記した下記の
(3)式が成り立つ。 0≦(−33.219×X)+(19.363×Y) +48.2−8.8×D2×10-3 …(3)
ナイロンコードの強力T2以上であるとして整理し、
X、Yパラメータをあてはめれば、前記した下記の
(3)式が成り立つ。 0≦(−33.219×X)+(19.363×Y) +48.2−8.8×D2×10-3 …(3)
【0049】なお、ナイロンコード1260d/2のデ
ニール数を約2730とすれば、上記(3)式は、次の
ようになる。 0≦(−33.219×X)+(19.363×Y)+24.2 …(17)
ニール数を約2730とすれば、上記(3)式は、次の
ようになる。 0≦(−33.219×X)+(19.363×Y)+24.2 …(17)
【0050】このように、前記(3)式では、複合コー
ドの強力を規制することができる。したがって、この
(3)式と、前記耐疲労性を規制する(1)式とを、複
合コードがともに満足することにより、高温時における
強力を確実に維持ないしは向上しつつ、耐疲労性をも高
めうる。なおこのとき、前記(2)、(12)、又は
(13)式をも同時に満足させることにより、中間伸度
を従来のナイロンコードとほぼ同程度に維持でき、コー
ドの耐久性の向上に役立つ。
ドの強力を規制することができる。したがって、この
(3)式と、前記耐疲労性を規制する(1)式とを、複
合コードがともに満足することにより、高温時における
強力を確実に維持ないしは向上しつつ、耐疲労性をも高
めうる。なおこのとき、前記(2)、(12)、又は
(13)式をも同時に満足させることにより、中間伸度
を従来のナイロンコードとほぼ同程度に維持でき、コー
ドの耐久性の向上に役立つ。
【0051】以上のように、前記(1)〜(3)式を満
足する複合コードは、高温時においても高強力を発揮し
うる結果、このような複合コードを少なくとも1枚のカ
ーカスプライのカーカスコードとして用いることによ
り、耐疲労性を犠牲にすることなく発熱によるタイヤ構
造破壊などを完全に防止しうる。
足する複合コードは、高温時においても高強力を発揮し
うる結果、このような複合コードを少なくとも1枚のカ
ーカスプライのカーカスコードとして用いることによ
り、耐疲労性を犠牲にすることなく発熱によるタイヤ構
造破壊などを完全に防止しうる。
【0052】なお、本実験において、耐疲労性を90%
以上、中間伸度を9〜10%、強度を25kgf以上の
3条件を満足するより好ましい範囲は、図6の斜線で示
す領域となる。
以上、中間伸度を9〜10%、強度を25kgf以上の
3条件を満足するより好ましい範囲は、図6の斜線で示
す領域となる。
【0053】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。本発明の高速重荷重用クロスプライタイヤは、図1
に示すようにトレッド部2からサイドウオール部3を通
りビード部4のビードコア5の廻りを折り返されるとと
もにカーカスコードをタイヤ赤道Cに対して20〜50
度の角度で配列した複数枚のカーカスプライからなるカ
ーカス6を具えている。
る。本発明の高速重荷重用クロスプライタイヤは、図1
に示すようにトレッド部2からサイドウオール部3を通
りビード部4のビードコア5の廻りを折り返されるとと
もにカーカスコードをタイヤ赤道Cに対して20〜50
度の角度で配列した複数枚のカーカスプライからなるカ
ーカス6を具えている。
【0054】前記ビードコア5は、本実施例では、タイ
ヤ軸方向内側から外側に向けて並ぶ第1、第2、第3の
ビードコア5A〜5Cを有してビード部を強固に補強
し、かつリムとの接合を高めているが1本のビードコア
からなるシングルビード構造を採用しても良い。
ヤ軸方向内側から外側に向けて並ぶ第1、第2、第3の
ビードコア5A〜5Cを有してビード部を強固に補強
し、かつリムとの接合を高めているが1本のビードコア
からなるシングルビード構造を採用しても良い。
【0055】又前記カーカス6は、トロイド状の本体部
6aに前記夫々の第1〜3のビードコアをタイヤ軸方向
内側から外側に向けて折り返す折返し部6bを設けた第
1〜3の折り返しプライ群6A、6B、6Cと、この第
3の折り返しプライ群6Cの半径方向外側に、トレッド
部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビード
コア5A…のタイヤ半径方向内側にて終端するダウンプ
ライ群6Dとを有している。
6aに前記夫々の第1〜3のビードコアをタイヤ軸方向
内側から外側に向けて折り返す折返し部6bを設けた第
1〜3の折り返しプライ群6A、6B、6Cと、この第
3の折り返しプライ群6Cの半径方向外側に、トレッド
部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビード
コア5A…のタイヤ半径方向内側にて終端するダウンプ
ライ群6Dとを有している。
【0056】前記第1の折り返しプライ群6Aは、本実
施例では6枚のカーカスプライからなり、その折り返し
部の半径方向外端は、相互に重ならないように所定の間
隔を隔てて位置ずれさせ、かつタイヤ内腔側に位置する
カーカスプライほど、その折り返し高さを低く位置させ
ている。
施例では6枚のカーカスプライからなり、その折り返し
部の半径方向外端は、相互に重ならないように所定の間
隔を隔てて位置ずれさせ、かつタイヤ内腔側に位置する
カーカスプライほど、その折り返し高さを低く位置させ
ている。
【0057】又前記第2、第3の折り返しプライ群6
B、6Cは、本実施例ではそれぞれ2枚のカーカスプラ
イからなり、その折り返し部の半径方向外端について
は、第1の折り返しプライ群と同様、相互に位置ずれさ
せることにより、かかる部分に応力が集中するのを緩和
している。
B、6Cは、本実施例ではそれぞれ2枚のカーカスプラ
イからなり、その折り返し部の半径方向外端について
は、第1の折り返しプライ群と同様、相互に位置ずれさ
せることにより、かかる部分に応力が集中するのを緩和
している。
【0058】なお前記ダウンプライ群6Dは、本実施例
では、2枚のカーカスプライからなることにより、前記
ビードコア5A…を折り返すプライ10枚と合わせて、
カーカスは、(6−2−2−2)構造の合計12枚のカ
ーカスプライから構成されるとともに、互いに重なり合
うプライ間では、カーカスコードが交差するように向き
を違えて配されるクロスプライ構造をなす。
では、2枚のカーカスプライからなることにより、前記
ビードコア5A…を折り返すプライ10枚と合わせて、
カーカスは、(6−2−2−2)構造の合計12枚のカ
ーカスプライから構成されるとともに、互いに重なり合
うプライ間では、カーカスコードが交差するように向き
を違えて配されるクロスプライ構造をなす。
【0059】なお、前記第1、第2の折り返しプライ群
6A、6Bの間、及び第2、第3の折り返しプライ群6
B、6Cの間で、かつトレッド部2の内方には、前記カ
ーカスプライと同一のプライからなるキャッププライ7
を各2枚ずつ配することによりトレッド部を外傷から保
護しうる。又前記カーカス6の半径方向外側かつトレッ
ド部2の内方には、ブレーカプライ9を配することによ
り、さらにトレッド部2を補強している。
6A、6Bの間、及び第2、第3の折り返しプライ群6
B、6Cの間で、かつトレッド部2の内方には、前記カ
ーカスプライと同一のプライからなるキャッププライ7
を各2枚ずつ配することによりトレッド部を外傷から保
護しうる。又前記カーカス6の半径方向外側かつトレッ
ド部2の内方には、ブレーカプライ9を配することによ
り、さらにトレッド部2を補強している。
【0060】次に、前記カーカス6の本体部6aと折返
し部6bとの間には各ビードコア5A…から半径方向上
向きにのびる先細状かつ硬質ゴムからなるビードエーペ
ックス10が配される。又ビード部4において、前記ダ
ウンプライ群6Dのタイヤ軸方向外側から、前記ビード
コア5A…のタイヤ半径方向内側を超えて、前記第1の
折り返しプライ群6Aのタイヤ軸方向内側で終端するチ
エーファ11などのビード補強材を配することによりビ
ード部4の剛性を高めている。
し部6bとの間には各ビードコア5A…から半径方向上
向きにのびる先細状かつ硬質ゴムからなるビードエーペ
ックス10が配される。又ビード部4において、前記ダ
ウンプライ群6Dのタイヤ軸方向外側から、前記ビード
コア5A…のタイヤ半径方向内側を超えて、前記第1の
折り返しプライ群6Aのタイヤ軸方向内側で終端するチ
エーファ11などのビード補強材を配することによりビ
ード部4の剛性を高めている。
【0061】又本実施例では、前記合計12枚の全ての
カーカスプライのカーカスコードは、図2で示すよう
に、芳香族ポリアミド繊維を下撚りした1本の高弾性ス
トランド12と、ナイロン繊維を下撚りした1本の低弾
性ストランド13とを上撚りして束ねた複合コード8を
用いたものを例示している。
カーカスプライのカーカスコードは、図2で示すよう
に、芳香族ポリアミド繊維を下撚りした1本の高弾性ス
トランド12と、ナイロン繊維を下撚りした1本の低弾
性ストランド13とを上撚りして束ねた複合コード8を
用いたものを例示している。
【0062】なお前記高弾性ストランド12のデニール
数は、低弾性ストランド13のデニール数よりも大とす
ること、より好ましくは低弾性ストランド13のデニー
ル数115〜125%とすることが望ましい。その理由
は、低弾性ストランド13のデニール数を、高弾性スト
ランド12のそれより大としたときには、タイヤ発熱の
高温時に高弾性ストランド12による十分な高強力を得
られにくく、逆に高弾性ストランド12のデニール数が
低弾性ストランド13のデニール数の125%を越える
ときには、コード耐久性を低下させがちとなるためであ
る。
数は、低弾性ストランド13のデニール数よりも大とす
ること、より好ましくは低弾性ストランド13のデニー
ル数115〜125%とすることが望ましい。その理由
は、低弾性ストランド13のデニール数を、高弾性スト
ランド12のそれより大としたときには、タイヤ発熱の
高温時に高弾性ストランド12による十分な高強力を得
られにくく、逆に高弾性ストランド12のデニール数が
低弾性ストランド13のデニール数の125%を越える
ときには、コード耐久性を低下させがちとなるためであ
る。
【0063】又、このような複合コード8は、前記した
(1)式を満足すること、好ましくは前記した(2)
式、又は(3)式をも満足すること、さらに好ましくは
前記(1)、(2)及び(3)式をも満足することが望
ましいのは、既に作用の項で詳細に述べたとおりであ
る。
(1)式を満足すること、好ましくは前記した(2)
式、又は(3)式をも満足すること、さらに好ましくは
前記(1)、(2)及び(3)式をも満足することが望
ましいのは、既に作用の項で詳細に述べたとおりであ
る。
【0064】なお上記実施例では、カーカス6の全ての
プライ群6A〜6Dに前記複合コード8を用いたものを
例示したが、これに加えてキャッププライ7のプライコ
ードとしても用いうる他、比較的トレッド側に近く発熱
しやすい、前記ダウンプライ群6Dのカーカスプライの
み、又は第3の折り返しプライ群6Cのカーカスプライ
のみに前記複合コード8を用いることなど本発明は種々
の態様のクロスプライタイヤに採用しうる。
プライ群6A〜6Dに前記複合コード8を用いたものを
例示したが、これに加えてキャッププライ7のプライコ
ードとしても用いうる他、比較的トレッド側に近く発熱
しやすい、前記ダウンプライ群6Dのカーカスプライの
み、又は第3の折り返しプライ群6Cのカーカスプライ
のみに前記複合コード8を用いることなど本発明は種々
の態様のクロスプライタイヤに採用しうる。
【0065】(具体例)先ず、高弾性ストランドとし
て、芳香族ポリアミド(アラミド)繊維を下撚りした1
500dのストランドを、又低弾性ストランドとしてナ
イロン−66繊維を下撚りした1260dのストランド
を各1本用い表3、表4に示すような仕様のコード番号
1〜11の11本の複合コード及びコード番号12とし
て従来のナイロン66コード(1260d/2)を試作
した。コード番号1、6、8及び10の複合コードが、
前記式(1)〜(3)を満足する。又コード番号11の
コードが、前記式(1)及び(2)を満足している。
て、芳香族ポリアミド(アラミド)繊維を下撚りした1
500dのストランドを、又低弾性ストランドとしてナ
イロン−66繊維を下撚りした1260dのストランド
を各1本用い表3、表4に示すような仕様のコード番号
1〜11の11本の複合コード及びコード番号12とし
て従来のナイロン66コード(1260d/2)を試作
した。コード番号1、6、8及び10の複合コードが、
前記式(1)〜(3)を満足する。又コード番号11の
コードが、前記式(1)及び(2)を満足している。
【0066】
【表3】
【0067】これらの各コードについて、前述した耐疲
労性、中間伸度、破断強力(常温と200℃)をラボテ
ストによって測定した結果を表4に示す。
労性、中間伸度、破断強力(常温と200℃)をラボテ
ストによって測定した結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】表から明らかなように、コード番号1、
6、8、10及び11の複合コードは、200゜Cにお
ける強力をナイロンコード(コード番号12)のそれを
上回りつつ、90%を越える耐疲労性を有していること
が確認できた。なお前記(1)式を満足しないコード番
号3及び9の複合コードは、200゜C強力に優れるも
のの、耐疲労性がともに90(%)以上保ちうることが
確認できた。
6、8、10及び11の複合コードは、200゜Cにお
ける強力をナイロンコード(コード番号12)のそれを
上回りつつ、90%を越える耐疲労性を有していること
が確認できた。なお前記(1)式を満足しないコード番
号3及び9の複合コードは、200゜C強力に優れるも
のの、耐疲労性がともに90(%)以上保ちうることが
確認できた。
【0070】次に、図1に示す構造をなし、かつタイヤ
サイズが46×16 28PR TL(前記6−2−2
−2構造)であるタイヤの全てのカーカスプライ(12
枚)に、前記試作コードを用いたタイヤを次のように試
作した。
サイズが46×16 28PR TL(前記6−2−2
−2構造)であるタイヤの全てのカーカスプライ(12
枚)に、前記試作コードを用いたタイヤを次のように試
作した。
【0071】先ず、コード番号1、6、8、10及び1
1の複合コードをカーカスコードとして使用したタイヤ
を夫々実施例1〜5とし、前記(1)式を満足しないコ
ード番号3及び5をカーカスコードに用いた前記同サイ
ズのタイヤを比較例1、2とした。又、ナイロン繊維の
みからなるコード番号12の従来コードをカーカスコー
ドに用いたタイヤを従来例として、これらの各タイヤに
ついて、ドラム耐久テストAを行った。
1の複合コードをカーカスコードとして使用したタイヤ
を夫々実施例1〜5とし、前記(1)式を満足しないコ
ード番号3及び5をカーカスコードに用いた前記同サイ
ズのタイヤを比較例1、2とした。又、ナイロン繊維の
みからなるコード番号12の従来コードをカーカスコー
ドに用いたタイヤを従来例として、これらの各タイヤに
ついて、ドラム耐久テストAを行った。
【0072】ドラム耐久テストAは、試供タイヤを46
×16のリムにリム組みし、かつ248PSIの内圧を
充填して規格最大荷重(41800LBS)の下、速度
40MPHでドラム上を400000feet走行させ
ることにより行ない、走行後のカーカスコードを抜きと
って残存強力を測定することにより耐疲労性を比較し
た。テストの結果を表5に示す。
×16のリムにリム組みし、かつ248PSIの内圧を
充填して規格最大荷重(41800LBS)の下、速度
40MPHでドラム上を400000feet走行させ
ることにより行ない、走行後のカーカスコードを抜きと
って残存強力を測定することにより耐疲労性を比較し
た。テストの結果を表5に示す。
【0073】
【表5】
【0074】テストの結果、実施例1〜5、比較例1及
び従来例のタイヤは、全てテストを完走した。又、比較
例2のタイヤは、約388000feet近くで、第3
の折り返しプライ群のクリンチャー部において、高弾性
ストランドが機械的疲労により破断しバーストしたこと
が確認できた。
び従来例のタイヤは、全てテストを完走した。又、比較
例2のタイヤは、約388000feet近くで、第3
の折り返しプライ群のクリンチャー部において、高弾性
ストランドが機械的疲労により破断しバーストしたこと
が確認できた。
【0075】又ともにテストを完走した比較例1及び従
来例は、特に前記第3の折り返しプライ群を中心とした
残存強力の低下が著しく、継続して使用するには殆ど不
可能に近い状態であることが判明した。
来例は、特に前記第3の折り返しプライ群を中心とした
残存強力の低下が著しく、継続して使用するには殆ど不
可能に近い状態であることが判明した。
【0076】次に、第3の折り返しプライ群のカーカス
プライ(2枚)のカーカスコードのみを前記試作した複
合コードとし、他の第1、第2の折り返しプライ群及び
ダウンプライ群を、コード番号12のナイロンコードと
して次のように試作した。
プライ(2枚)のカーカスコードのみを前記試作した複
合コードとし、他の第1、第2の折り返しプライ群及び
ダウンプライ群を、コード番号12のナイロンコードと
して次のように試作した。
【0077】コード番号1、6、8、10及び11の複
合コードを、第3の折り返しプライ群のカーカスコード
として使用したタイヤを実施例6〜10とし、前記
(1)式を満足しないコード番号3及び5を第3の折り
返しプライ群のカーカスコードに用いた前記同サイズの
タイヤを比較例3、4とした。なお従来例は前記と同様
であり、これらの各タイヤについて、ドラム耐久テスト
Aを行った。テストの結果を表6に示す。
合コードを、第3の折り返しプライ群のカーカスコード
として使用したタイヤを実施例6〜10とし、前記
(1)式を満足しないコード番号3及び5を第3の折り
返しプライ群のカーカスコードに用いた前記同サイズの
タイヤを比較例3、4とした。なお従来例は前記と同様
であり、これらの各タイヤについて、ドラム耐久テスト
Aを行った。テストの結果を表6に示す。
【0078】
【表6】
【0079】テストの結果、実施例6〜10及び従来例
のタイヤは、全てテストを完走した。又、比較例3のタ
イヤは、約343400feet近くで、第2の折り返
しプライ群のクリンチャー部において、夫々同比較例4
のタイヤは、約114600feetの短距離で、第
2、第3の各折り返しプライ群のクリンチャー部におい
て、高弾性ストランドが機械的疲労により破断しバース
トしたことが確認できた。
のタイヤは、全てテストを完走した。又、比較例3のタ
イヤは、約343400feet近くで、第2の折り返
しプライ群のクリンチャー部において、夫々同比較例4
のタイヤは、約114600feetの短距離で、第
2、第3の各折り返しプライ群のクリンチャー部におい
て、高弾性ストランドが機械的疲労により破断しバース
トしたことが確認できた。
【0080】次に、前記各実施例タイヤ、比較例タイ
ヤ、及び従来例について、ドラム耐久テストBを行っ
た。ドラム耐久テストBは、試供タイヤを46×16の
リムにリム組みし、かつ248PSIの内圧を充填して
規格最大荷重(41800LBS)の1.86倍(77
748LBS)の高荷重下、速度40MPHでドラム上
を17500feet走行させることにより行ない、熱
疲労による影響をカーカスコードの残存強力を測定する
ことにより比較した。
ヤ、及び従来例について、ドラム耐久テストBを行っ
た。ドラム耐久テストBは、試供タイヤを46×16の
リムにリム組みし、かつ248PSIの内圧を充填して
規格最大荷重(41800LBS)の1.86倍(77
748LBS)の高荷重下、速度40MPHでドラム上
を17500feet走行させることにより行ない、熱
疲労による影響をカーカスコードの残存強力を測定する
ことにより比較した。
【0081】なお、このように規格最大荷重の1.86
倍のテスト荷重を作用させたのは、次の理由による。即
ち、航空機用のクロスプライタイヤは、通常、規格荷重
の93%以内の荷重条件で使用されるが、例えば走行中
に片輪がバーストした場合には、残りの片輪で走行しな
ければならない。したがって、このような状況下を想定
すれば、残りの片輪には規格荷重の0.93×2、つま
り規格荷重の1.86倍の荷重が作用することに基づ
く。テストの結果を表7、表8に示す。
倍のテスト荷重を作用させたのは、次の理由による。即
ち、航空機用のクロスプライタイヤは、通常、規格荷重
の93%以内の荷重条件で使用されるが、例えば走行中
に片輪がバーストした場合には、残りの片輪で走行しな
ければならない。したがって、このような状況下を想定
すれば、残りの片輪には規格荷重の0.93×2、つま
り規格荷重の1.86倍の荷重が作用することに基づ
く。テストの結果を表7、表8に示す。
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】テストの結果、従来例は、8700fee
tの短距離で、第3の折り返しプライ群のクリンチャー
部のナイロンコードが発熱により溶解し、バーストした
ことが判明した。なお比較例1〜4は、熱疲労に対して
は向上性が見受けられるが、機械的疲労については未だ
十分解決できていないことは、前記ドラム耐久テストA
の結果の通りである。
tの短距離で、第3の折り返しプライ群のクリンチャー
部のナイロンコードが発熱により溶解し、バーストした
ことが判明した。なお比較例1〜4は、熱疲労に対して
は向上性が見受けられるが、機械的疲労については未だ
十分解決できていないことは、前記ドラム耐久テストA
の結果の通りである。
【0085】
【発明の効果】如上のごとく、本発明は、耐疲労性を低
下させることなく耐熱性に優れた高速重荷重用クロスプ
ライタイヤを提供しうる。
下させることなく耐熱性に優れた高速重荷重用クロスプ
ライタイヤを提供しうる。
【図1】本発明の一実施例を示すタイヤ子午断面図(右
半分)である。
半分)である。
【図2】複合コードの実施例を示す線図である。
【図3】複合コードにおける耐疲労性と、低弾性ストラ
ンドの下撚り、複合コードの上撚りの関係を説明する線
図である。
ンドの下撚り、複合コードの上撚りの関係を説明する線
図である。
【図4】複合コードにおける中間伸度と、低弾性ストラ
ンドの下撚り、複合コードの上撚りの関係を説明する線
図である。
ンドの下撚り、複合コードの上撚りの関係を説明する線
図である。
【図5】複合コードにおける強力と、低弾性ストランド
の下撚り、複合コードの上撚りの関係を説明する線図で
ある。
の下撚り、複合コードの上撚りの関係を説明する線図で
ある。
【図6】複合コードにおける耐疲労性、中間伸度及び強
力の関係を説明するための線図である。
力の関係を説明するための線図である。
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 8 複合コード 12 高弾性ストランド 13 低弾性ストランド
Claims (3)
- 【請求項1】トレッド部からサイドウオール部を通りビ
ード部のビードコアの廻りを折り返されるとともにカー
カスコードをタイヤ赤道に対して20〜50度の角度で
配列した複数枚のカーカスプライを有したカーカスを具
える高速重荷重用クロスプライタイヤであって、 少なくとも1枚のカーカスプライのカーカスコードは、
芳香族ポリアミド繊維を下撚りして形成した高弾性スト
ランドと、ナイロン繊維を下撚りして形成した低弾性ス
トランドとを上撚りして束ねた複合コードからなり、 しかも該複合コードは、次式(1)を満たすことを特徴
とする高速重荷重用クロスプライタイヤ。 112.07≦(115.97×X)+(63.735×Y) …(1) 但し、Xは、N1×√(0.139×D1/ρ1 )×1
0-3 Yは、N2×√(0.139×D2/ρ2 )×10-3 N1は、複合コードの10cm当りの上撚り数、 N2は、低弾性ストランドの10cm当りの下撚り数、 D1は、複合コードの太さ(単位:デニール) D2は、低弾性ストランドの太さ(単位:デニール) ρ1は、複合コードの比重(単位:g/cm3 )、 ρ2は、低弾性ストランドの比重(単位:g/cm3 )、 - 【請求項2】前記複合コードは、次式(2)を満たすこ
とを特徴とする請求項1記載の高速重荷重用クロスプラ
イタイヤ。 1.018≦(8.159×X)+(10.488×Y) …(2) - 【請求項3】前記複合コードは、次式(3)を満たすこ
とを特徴とする請求項1乃至2記載の高速重荷重用クロ
スプライタイヤ。 0≦(−33.219×X)+(19.363×Y) +48.2−8.8×D2×10-3 …(3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7083329A JPH08244404A (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 高速重荷重用クロスプライタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7083329A JPH08244404A (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 高速重荷重用クロスプライタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08244404A true JPH08244404A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=13799398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7083329A Pending JPH08244404A (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 高速重荷重用クロスプライタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08244404A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000255209A (ja) * | 1999-01-07 | 2000-09-19 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
JP2008162494A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Bridgestone Corp | 航空機用空気入りタイヤ |
JP2014213723A (ja) * | 2013-04-25 | 2014-11-17 | 株式会社ブリヂストン | 空気入り安全タイヤ |
JP2016506453A (ja) * | 2012-12-27 | 2016-03-03 | コーロン インダストリーズ インク | ハイブリッド繊維コード及びその製造方法 |
JP2018535137A (ja) * | 2015-10-22 | 2018-11-29 | コルドサ・テクニク・テクスティル・アノニム・シルケティKordsa Teknik Tekstil Anonim Sirketi | バイアスタイヤ中のカーカス強化材としてのハイブリッドコード |
CN110520306A (zh) * | 2017-04-28 | 2019-11-29 | 横滨橡胶株式会社 | 斜交轮胎 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6171204A (ja) * | 1984-09-13 | 1986-04-12 | Bridgestone Corp | 空気入りラジアルタイヤのカ−カス用プライ |
JPS6460403A (en) * | 1987-08-31 | 1989-03-07 | Toyo Tire & Rubber Co | Bias tire |
-
1995
- 1995-03-14 JP JP7083329A patent/JPH08244404A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6171204A (ja) * | 1984-09-13 | 1986-04-12 | Bridgestone Corp | 空気入りラジアルタイヤのカ−カス用プライ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008162494A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Bridgestone Corp | 航空機用空気入りタイヤ |
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US9789731B2 (en) | 2012-12-27 | 2017-10-17 | Kolon Industries, Inc. | Hybrid fiber cord and method for manufacturing the same |
JP2014213723A (ja) * | 2013-04-25 | 2014-11-17 | 株式会社ブリヂストン | 空気入り安全タイヤ |
JP2018535137A (ja) * | 2015-10-22 | 2018-11-29 | コルドサ・テクニク・テクスティル・アノニム・シルケティKordsa Teknik Tekstil Anonim Sirketi | バイアスタイヤ中のカーカス強化材としてのハイブリッドコード |
CN110520306A (zh) * | 2017-04-28 | 2019-11-29 | 横滨橡胶株式会社 | 斜交轮胎 |
CN110520306B (zh) * | 2017-04-28 | 2021-10-22 | 横滨橡胶株式会社 | 斜交轮胎 |
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