JPH04219237A - 飛翔体抵抗性物 - Google Patents

飛翔体抵抗性物

Info

Publication number
JPH04219237A
JPH04219237A JP3073215A JP7321591A JPH04219237A JP H04219237 A JPH04219237 A JP H04219237A JP 3073215 A JP3073215 A JP 3073215A JP 7321591 A JP7321591 A JP 7321591A JP H04219237 A JPH04219237 A JP H04219237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
ultra
high molecular
weight ethylene
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3073215A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3082955B2 (ja
Inventor
Kazuo Yagi
八 木  和 雄
Yoshiyasu Fujiwara
藤 原  義 康
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP03073215A priority Critical patent/JP3082955B2/ja
Publication of JPH04219237A publication Critical patent/JPH04219237A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3082955B2 publication Critical patent/JP3082955B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、飛翔体抵抗性物たとえば
装甲板、防弾チョッキ、ヘルメット、ヘリコプターおよ
び他の軍事装置の構造部材、車のパネル、折りがばん、
レインコートおよびかさに用いられる材料に関し、さら
に詳しくは、超高分子量エチレン・α−オレフィン共重
合体の分子配向成形体クロスとマトリックス樹脂とから
なる積層体よりなり、軽量かつ高強度であって耐衝撃性
に優れ、しかも耐候性および耐水性に優れた飛翔体抵抗
性物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】飛翔体抵抗性物は、軽量であると
ともに高強度であって、耐衝撃性に優れ、しかも耐候性
、耐水性に優れていることが要求されている。このよう
な複合材料中のクロスに用いられる繊維には、アラミド
類、たとえばポリ(フェニレンジアミンテレフタルアミ
ド)、グラファイト繊維、ガラス繊維などがある。これ
らの繊維はクロス(織布、編布)の形で使用される。 繊維は複合材料中に埋め込まれている。マトリックスと
しては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ
エーテル樹脂、ポリイミド樹脂がある。飛翔体抵抗性体
として用いられる高強度繊維に要求される因子としては
、高い引張弾性率、高い融点、高い強度および大きい破
断に到るまで衝撃エネルギー吸収量(耐衝撃性)が挙げ
られる。これらの複合材料よりなる飛翔体抵抗性物はそ
の付随的な性質である軽量性、耐水性、耐薬品性などの
いずれかで不満足な面が見られ、しかも飛翔体抵抗性に
おいても耐衝撃性でも改善すべき点が多々見られる。
【0003】超高分子量のきわめて高い強度のポリエチ
レン材料は、融点が比較的低いにもかかわらず、飛翔体
抵抗性材料として驚くべきほどよい性能をもつことが発
見されている。特開昭58−180635号公報には、
弾道抵抗性物品として超高分子量のきわめて高い強力ポ
リオレフィン材料の中でポリエチレン繊維を最も優れた
弾道抵抗性物品用繊維として以下のように開示している
。ポリエチレンの場合においては、分子量が少なくとも
500,000、好ましくは少なくとも1×106 、
より好ましくは2〜5×106 の間であるものである
。 繊維に付与される強力は少なくとも15g/デニール、
好ましくは少なくとも20g/デニール、より好ましく
は少なくとも25g/デニール、最も好ましくは少なく
とも30g/デニールであるべきである。また、繊維の
引張弾性率は少なくとも300g/デニール、好ましく
は少なくとも500g/デニール、より好ましくは少な
くとも1,000g/デニール、最も好ましくは少なく
とも1,500g/デニールである。引張弾性率および
強力についてのこれらの最高の値は、溶液成長またはゲ
ル繊維の方法を用いることによってのみ、一般に得るこ
とができる。さらに該公報では、ポリエチレン糸による
弾道抵抗性物品はアラミド糸を凌ぐ性能と判定している
【0004】本発明者らは、上記のような知見に鑑み、
鋭意研究したところ、超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体クロスとマトリックス樹脂とからなる積層
体から飛翔体抵抗性物を製造すれば、ポリエチレン糸に
よる場合に比較して抵抗性能の格段の高性能化を達成で
きるばかりでなく、耐熱性に優れ、従来の高強度糸を用
いた場合の問題点が一挙に解決されることを見出して、
本発明を完成するに至った。
【0005】なお、超高分子量ポリエチレンを繊維、テ
ープ等に成形し、これを延伸することにより、高弾性率
、高引張強度を有する分子配向成形体が得られることは
既に知られている。たとえば、特開昭56−15408
号公報には、超高分子量ポリエチレンの希薄溶液を紡糸
し、得られるフィラメントを延伸することが記載されて
いる。また、特開昭59−130313号公報には、超
高分子量ポリエチレンとワックスとを溶融混練し、この
混練物を押出し、冷却固化後延伸することが記載され、
さらに特開昭59−187614号公報には、上記溶融
混練物を押出し、ドラフトをかけた後冷却固化し、次い
で延伸することが記載されている。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、軽量であると
ともに高強度であって耐衝撃性に優れ、しかも耐候性お
よび耐水性に優れた飛翔体抵抗性物を提供することを目
的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る飛翔体抵抗性物は、極限粘
度[η]が少なくとも5dl/gであり、しかも炭素数
3以上のα−オレフィンの含有量が炭素数1000個あ
たり平均0.1〜20個である超高分子量エチレン・α
−オレフィン共重合体の分子配向体クロスと、マトリッ
クス樹脂とからなる積層体よりなることを特徴としてい
る。
【0008】本発明に係る飛翔体抵抗性物は、上記のよ
うな超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分
子配向体クロスと、マトリックス樹脂とからなる積層体
から形成されており、軽量かつ高強度であって耐衝撃性
に優れ、しかも優れた耐候性および耐水性を有している
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る飛翔体抵抗性
物について具体的に説明するが、まず本発明に係る飛翔
体抵抗性物を形成する積層体に用いられる超高分子量エ
チレン・α−オレフィン共重合体の分子配向成形体につ
いて説明する。
【0010】本発明で用いられる分子配向成形体を構成
する超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体とし
ては、超高分子量エチレン・プロピレン共重合体、超高
分子量エチレン・1−ブテン共重合体、超高分子量エチ
レン・4−メチル−1− ペンテン共重合体、超高分子
量エチレン・1−ヘキセン共重合体、超高分子量エチレ
ン・1−オクテン共重合体、超高分子量エチレン・1−
デセン共重合体などのエチレンと炭素原子数が3〜20
、好ましくは4〜10のα−オレフィンとの超高分子量
エチレン・α−オレフィン共重合体を例示することがで
きる。この超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合
体では、炭素数3以上のα−オレフィンは、該重合体の
炭素数1000個当り0.1〜20個、好ましくは0.
5〜10個、さらに好ましくは1〜7個の量で含有され
ている。
【0011】このような超高分子量エチレン・α−オレ
フィン共重合体から得られる分子配向成形体は、超高分
子量ポリエチレンから得られる分子配向成形体と比較し
て、特に耐衝撃性および耐クリープ性に優れている。し
かもこの超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体
は、軽量であって高強度であり、耐摩耗性、耐衝撃性、
耐クリープ性に優れ、耐候性、耐水性、耐塩水性に優れ
ている。
【0012】本発明で用いられる分子配向成形体を構成
する超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体は、
その極限粘度[η]が5dl/g以上、好ましくは7〜
30dl/gの範囲にあり、この共重合体から得られる
分子配向成形体の機械的特性あるいは耐熱性が優れてい
る。すなわち、分子端末は繊維強度に寄与せず、分子端
末の数は分子量(粘度)の逆数であることから、極限粘
度[η]の大きいものが高強度を与える。
【0013】本発明で用いられる分子配向成形体の密度
は、0.940〜0.990g/cm3 、好ましくは
0.960〜0.985g/cm3 である。ここで密
度は、常法(ASTM D 1505) に従い、密度
勾配管法にて測定した。このときの密度勾配管は四塩化
炭素とトルエンを用いることにより調製し、測定は常温
(23℃)で行なった。
【0014】本発明で用いられる分子配向成形体の誘電
率(1kHz、23℃)は、1.4〜3.0、好ましく
は1.8〜2.4であり、正電正接(1kHz、80℃
)は、0.050〜0.008%、好ましくは0.04
0〜0.010%である。ここで、誘電率および正電正
接は、繊維およびテープ状の分子配向体を一方向に緻密
に引き揃え、フィルム状にした試料を用い、ASTM 
D 150によって測定した。
【0015】本発明で用いられる分子配向成形体の延伸
倍率は5〜80倍、好ましくは10〜50倍である。本
発明で用いられる分子配向成形体における分子配向の程
度は、X線回析法、複屈折法、螢光偏光法等で知ること
ができる。本発明の超高分子量重合体が延伸フィラメン
トの場合、たとえば呉祐吉、久保輝一郎:工業化学雑誌
第39巻、992頁(1939)に詳しく述べられてい
る半価巾による配向度、すなわち式 (式中、H°は赤道線上最強のパラトロープ面のデバイ
環に沿っての強度分布曲線の半価幅(°)である。)で
定義される配向度(F)が0.90以上、特に0.95
以上となるように分子配向されていることが、機械的性
質の点で望ましい。
【0016】さらに、本発明で用いられる分子配向成形
体は、前述のように、機械的特性にも優れており、たと
えば延伸フィラメントの形状で20GPa 以上、特に
30GPa 以上の弾性率と、1.2GPa 以上、特
に1.5GPa 以上の引張強度とを有している。
【0017】本発明で用いられる分子配向成形体のイン
パルス電圧破壊値は、110〜250kV/mm好まし
くは150〜220kV/mmである。インパルス電圧
破壊値は、誘電率の場合と同様な試料を用い、銅板上で
黄銅(25mmφ)のJIS型電極により、負極性のイ
ンパルスを2kV/3回ステップで加えながら昇圧し、
測定した。
【0018】本発明で用いられる分子配向成形体が超高
分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分子配向成
形体である場合には、この分子配向成形体は耐衝撃性、
破断エネルギーおよび耐クリープ性が著しく優れている
という特徴を有している。これらの超高分子量エチレン
・α−オレフィン共重合体の分子配向成形体の特徴は、
以下の物性によって表わされる。
【0019】本発明で用いられる超高分子量エチレン・
α−オレフィン共重合体の分子配向成形体の破断エネル
ギーは、8kg・m/g以上、好ましくは10kg・m
/g以上である。
【0020】また、本発明で用いられる超高分子量エチ
レン・α−オレフィン共重合体の分子配向成形体は、耐
クリープ性に優れている。とくに、常温クリープ性の促
進条件に相当する高温下での耐クリープ特性に際立って
優れており、荷重を30%破断荷重として、雰囲気温度
を70℃とし、90秒後の伸び(%)として求めたクリ
ープが7%以下、特に5%以下であり、さらに90秒か
ら180秒後のクリープ速度(ε,sec−1)が4×
10−4sec−1以下、特に5×10−5sec−1
以下である。
【0021】本発明で用いられる分子配向体のうちで、
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分子配
向体は、前述の常温物性を有しているが、さらにこれら
の常温物性に加えて、次の熱的性質を兼備していると、
前述の常温物性がさらに向上し、耐熱性にも優れている
ので好ましい。
【0022】本発明で用いられる超高分子量エチレン・
α−オレフィン共重合体の分子配向成形体は、該共重合
体本来の結晶融解温度(Tm)よりも少なくとも20℃
高い温度に少なくとも1個の結晶融解ピーク(Tp)を
有し、この結晶融解ピーク(Tp)に基づく融解熱量が
、該重合体の全融解熱量の15%以上、好ましくは20
%以上、特に30%以上である。
【0023】超高分子量エチレン共重合体本来の結晶融
解温度(Tm)は、この成形体を一度完全に融解した後
冷却して、成形体における分子配向を緩和させた後、再
度昇温させる方法、いわゆる示差走査型熱量計における
セカンド・ランで求めることができる。
【0024】さらに説明すると、本発明で用いられる分
子配向成形体では、前述した共重合体本来の結晶融解温
度域には結晶融解ピークは全く存在しないか、存在する
としても極くわずかにテーリングとして存在するにすぎ
ない。結晶融解ピーク(Tp)は一般に、温度範囲Tm
+20℃〜Tm+50℃、特にTm+20℃〜Tm+1
00℃の領域に表わされるのが普通であり、このピーク
(Tp)は上記温度範囲内に複数個のピークとして表わ
れることが多い。すなわち、この結晶融解ピーク(Tp
)は、温度範囲Tm+35℃〜Tm+100℃における
高温側融解ピーク(Tp1)と、温度範囲Tm+20℃
〜Tm+35℃における低温側融解ピーク(Tp2)と
の2つに分離して表われることが多く、分子配向成形体
の製造条件によっては、Tp1やTp2がさらに複数個
のピークから成ることもある。
【0025】これらの高い結晶融解ピーク(Tp1,T
p2)は、超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合
体の分子配向成形体の耐熱性を著しく向上させ、かつ高
温の熱履歴後での強度保持率あるいは弾性率保持率に寄
与するものであると思われる。
【0026】また温度範囲Tm+35℃〜Tm+100
℃の高温側融解ピーク(Tp1)に基づく融解熱量の総
和は、全融解熱量当り、1.5%以上、特に3.0%以
上にあることが望ましい。
【0027】また高温側融解ピーク(Tp1)に基づく
融解熱量の総和が上述の値を満している限りにおいては
、高温側融解ピーク(Tp1)が主たるピークとして突
出して現われない場合、つまり小ピークの集合体もしく
はブロードなピークになったとしても、耐熱性は若干失
われる場合もあるが、耐クリープ特性については優れて
いる。
【0028】本発明における融点および結晶融解熱量は
以下の方法により測定した。融点は示差走査熱量計で以
下のように測定した。示差走査熱量計としては、DSC
 II型(パーキンエルマー社製)を用いた。試料は約
3mgを4mm×4mm、厚さ0.2mmのアルミ板に
巻きつけることにより配向方向に拘束した。次いでアル
ミ板に巻きつけた試料をアルミパンの中に封入し、測定
用試料とした。また、リファレンスホルダーに入れる、
通常空のアルミパンには、試料に用いたと同じアルミ板
を封入し、熱バランスを取った。まず試料を30℃で約
1分間保持し、その後10℃/分の昇温速度で250℃
まで昇温し、第1回目昇温時の融点測定を完了した。引
き続き250℃の状態で10分間保持し、次いで20℃
/分の降温速度で降温し、さらに30℃で10分間試料
を保持した。次いで二回目の昇温を10℃/分の昇温速
度で250℃まで昇温し、この際2回目昇温時(セカン
ドラン)の融点測定を完了した。このとき融解ピークの
最大値をもって融点とした。ショルダーとして現われる
場合は、ショルダーのすぐ低温側の変曲点とすぐ高温側
の変曲点で接線を引き交点を融点とした。
【0029】また吸熱曲線の60℃と240℃との点を
結び該直線(ベースライン)と二回目昇温時の主融解ピ
ークとして求められる超高分子量エチレン共重合体本来
の結晶融解温度(Tm)より20℃高い点に垂線を引き
、これらによって囲まれた低温側の部分を超高分子量エ
チレン共重合体本来の結晶融解(Tm)に基づくものと
し、また高温側の部分を本発明成形体の機能を発現する
結晶融解(Tp)に基づくものとし、それぞれの結晶融
解熱量は、これらの面積より算出した。また、Tp1 
およびTp2 の融解に基づく融解熱量も上述の方法に
従い、Tm+20℃からの垂線とTm+35℃からの垂
線に囲まれた部分をTp2 の融解に基づく融解熱量の
ものとし、高温側部分をTp1 の融解に基づく融解熱
量のものとして同様に算出した。
【0030】本発明で用いられる超高分子量エチレン・
α−オレフィン共重合体の延伸フィラメントは、170
℃で5分間の熱履歴を与えた後での強度保持率が95%
以上で、弾性率保持率が90%以上、特に95%以上で
あり、従来のポリエチレンの延伸フィラメントには全く
認められない優れた耐熱性を有している。
【0031】超高分子量ポリオレフィンの分子配向成形
体の製造方法 前述の高弾性、高引張強度を有する超高分子量ポリオレ
フィン延伸物を得る方法としては、たとえば、特開昭5
6−15408号公報、特開昭58−5228号公報、
特開昭59−130313号公報、特開昭59−187
614号公報等に詳述されているような、超高分子量ポ
リオレフィンを稀薄溶液にするか、あるいは超高分子量
ポリオレフィンにパラフィン系ワックスなどの低分子量
化合物を添加して超高分子量ポリオレフィンの延伸性を
改良して高倍率に延伸する方法を例示することができる
【0032】超高分子量エチレン・α−オレフィン共重
合体の分子配向成形体の製造方法 次に超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分
子配向成形体の製造方法を、その理解が容易なように、
原料、製造方法および目的の順に以下に説明する。
【0033】原    料 本発明で用いられる超高分子量エチレン・α−オレフィ
ン共重合体は、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィ
ンとを、チーグラー系触媒を使用し、たとえば有機溶媒
中でスラリー重合させることにより得られる。
【0034】炭素数3以上のα−オレフィンとしては、
プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペ
ンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−
1などが用いられるが、このうち特にブテン−1、4−
メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1など
が好ましい。このようなα−オレフィンは、得られる共
重合体の炭素数1000個当り前述の量で存在するよう
にエチレンと共重合される。また、本発明で分子配向体
を製造する際にベースとして用いられる超高分子量エチ
レン・α−オレフィン共重合体は、前述した極限粘度[
η]に対応する分子量を有するべきである。
【0035】本発明で用いられる超高分子量エチレン・
α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン成分の定量
は、赤外分光光度計(日本分光工業製)によって行なわ
れる。具体的には、エチレン鎖の中に取り込まれたα−
オレフィンのメチル基の変角振動を表わす1378cm
−1の吸光度を、赤外分光光度計により測定し、この値
を、あらかじめ13C核磁気共鳴装置にて、モデル化合
物を用いて作成した検量線にて1000炭素原子当りの
メチル分枝数に換算することにより、超高分子量エチレ
ン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン量を定
量する。
【0036】製造方法 本発明では、上記超高分子量エチレン・α−オレフィン
共重合体から分子配向体を製造するに際して、該共重合
体に希釈剤を配合する。このような希釈剤としては、超
高分子量エチレン共重合体に対する溶剤あるいは超高分
子量エチレン共重合体に対して分散性を有する各種ワッ
クス状物が用いられる。
【0037】このような溶剤としては、前記共重合体の
融点以上の沸点、さらに好ましくは前記共重合体の融点
よりも20℃以上高い沸点を有する溶剤が用いられる。 このような溶剤としては、具体的には、n−ノナン、n
−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−テトラ
デカン、n−オクタデカンあるいは流動パラフィン、灯
油等の脂肪族炭化水素系溶媒;キシレン、ナフタリン、
テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキ
シルベンゼン、ジエチルベンゼン、ベンチルベンゼン、
ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、デカリン、メチ
ルナフタリン、エチルナフタリン等の芳香族炭化水素系
溶媒あるいはその水素化誘導体;1,1,2,2−テト
ラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエ
タン、1,2,3−トリクロロプロパン、ジクロロベン
ゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素溶媒、パラフィン系プロセス
オイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセス
オイル等の鉱油が挙げられる。
【0038】また希釈剤としてのワックス類としては、
具体的には脂肪族炭化水素化合物あるいはその誘導体が
用いられる。このような脂肪族炭化水素化合物としては
、飽和脂肪族炭化水素化合物を主体とし、通常、分子量
が2000以下、好ましくは1000以下、さらに好ま
しくは800以下のパラフィン系ワックスと呼ばれる化
合物が用いられる。
【0039】このような脂肪族炭化水素化合物としては
、具体的には、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、
トリアコンタン等の炭素数22以上のn−アルカンある
いはこれらを主成分とした低級n−アルカンとの混合物
、石油から分離精製されたいわゆるパラフィンワックス
、エチレンあるいはエチレンと他のα−オレフィンとを
共重合して得られる低分子量重合体である中・低圧法ポ
リエチレンワックス、高圧法ポリエチレンワックス、エ
チレン共重合ワックスあるいは中・低圧法ポリエチレン
、高圧法ポリエチレン等のポリエチレンを熱減成等によ
り分子量を低下させたワックス、それらのワックスの酸
化物あるいはマレイン酸変性等の酸化ワックス、マレイ
ン酸変性ワックス等が用いられる。
【0040】また脂肪族炭化水素化合物誘導体としては
、たとえば脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル
基)の末端もしくは内部に1個またはそれ以上、好まし
くは1〜2個、特に好ましくは1個のカルボキシル基、
水酸基、カルバモイル基、エステル基、メルトカプト基
、カルボニル基等の官能基を有する化合物である炭素数
8以上、好ましくは炭素数12〜50または分子量13
0〜2000、好ましくは200〜800の脂肪酸、脂
肪族アルコール、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪
族メルカプタン、脂肪族アルデヒド、脂肪族ケトン等が
用いられる。
【0041】このような脂肪族炭化水素化合物誘導体と
しては、具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸など
の脂肪酸;ラウリンアルコール、ミリスチルアルコール
、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの脂肪
族アルコール;カプリンアミド、ラウリンアミド、パル
ミチンアミド、ステアリルアミドなどの脂肪酸アミド、
ステアリル酢酸エステルなどの脂肪酸エステル等が用い
られる。
【0042】超高分子量エチレン・α−オレフィン共重
合体と希釈剤とは、これらの種類によっても相違するが
、一般的に3:97〜80:20、特に15:85〜6
0:40の重量比で用いられる。希釈剤の量が上記範囲
よりも少い場合には、溶融粘度が高くなり過ぎ、溶融混
練や溶融成形が困難となるとともに、得られる成形体の
肌荒れが著しく、延伸切れ等を生じ易い。一方、希釈剤
の量が上記範囲よりも多いと、やはり溶融混練が困難と
なり、また得られる成形体の延伸性が劣るようになる。
【0043】溶融混練は、一般に150〜300℃、特
に170〜270℃の温度で行なわれる。上記範囲より
も低い温度では、溶融粘度が高すぎて、溶融成形が困難
となり、また上記範囲よりも高い場合には、熱減成によ
り超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分子
量が低下し、優れた高弾性率および高強度を有する成形
体を得ることが困難となる。なお、配合はヘンシェルミ
キサー、V型ブレンダー等による乾式ブレンドで行なっ
てもよいし、あるいは単軸押出機または多軸押出機を用
いて行なってもよい。
【0044】超高分子量エチレン・α−オレフィン共重
合体と希釈剤とからなるドープ(紡糸原液)の溶融成形
は、一般に溶融押出成形により行なわれる。具体的には
、ドープを紡糸口金を通して溶融押出することにより、
延伸用フィラメントが得られる。この際、紡糸口金より
押出された溶融物にドラフト、すなわち溶融状態での引
き伸しを加えることもできる。溶融樹脂のダイ・オリフ
ィス内での押出速度V0 と冷却固化した未延伸物の巻
き取り速度Vとの比をドラフト比として次式で定義する
ことができる。
【0045】ドラフト比=V/V0  このようなドラフト比は、混合物の温度および超高分子
量エチレン共重合体の分子量等により変化するが、通常
は3以上、好ましくは6以上とすることができる。
【0046】次に、このようにして得られた超高分子量
エチレン・α−オレフィン共重合体の未延伸成形体を、
延伸処理する。延伸は、超高分子量エチレン・α−オレ
フィン共重合体から得られた未延伸成形体に少なくとも
一軸方向の分子配向が有効に付与されるように行なわれ
る。
【0047】超高分子量エチレン・α−オレフィン共重
合体から得られる未延伸成形体の延伸は、一般に40〜
160℃、特に80〜145℃の温度で行なわれる。未
延伸成形体を上記温度に加熱保持するための熱媒体とし
ては、空気、水蒸気、液体媒体の何れをも用いることが
できる。しかしながら、熱媒体として、前述した希釈剤
を溶出除去することができる溶媒で、しかもその沸点が
成形体組成物の融点よりも高い液体媒体、具体的には、
デカリン、デカン、灯油等を使用して、延伸操作を行な
うと、前述した希釈剤の除去が可能となるとともに、延
伸時の延伸むらが生ぜずしかも高延伸倍率の達成が可能
となるので好ましい。
【0048】超高分子量エチレン・α−オレフィン共重
合体から希釈剤を除去する手段は、前記方法に限らず、
未延伸物をヘキサン、ヘプタン、熱エタノール、クロロ
ホルム、ベンゼン等の溶剤で処理後延伸する方法、延伸
物をヘキサン、ヘプタン、熱エタノール、クロロホルム
、ベンゼン等の溶剤で処理する方法によっても、成形物
中の希釈剤を除去することによって、高弾性率、高強度
の延伸物を得ることができる。
【0049】延伸操作は、一段あるいは二段以上の多段
で行なうことができる。延伸倍率は、所望とする分子配
向およびこれに伴う融解温度向上の効果にも依存するが
、一般に5〜80倍、好ましくは10〜50倍である。
【0050】一般には、二段以上の多段延伸により延伸
操作を行なうことが好ましく、一段目では80〜120
℃の比較的低い温度で押出成形体中の希釈剤を抽出しな
がら延伸操作を行ない、二段目以降では120〜160
℃の温度でしかも一段目延伸温度よりも高い温度で成形
体の延伸操作を行なうことが好ましい。
【0051】一軸延伸操作の場合には、周速の異なるロ
ーラ間で引張延伸を行なえばよい。このようにして得ら
れた分子配向成形体は、所望により拘束条件下に熱処理
することができる。この熱処理は、一般に140〜18
0℃、好ましくは150〜175℃の温度で、1〜20
分間、好ましくは3〜10分間行なうことができる。熱
処理により、配向結晶部の結晶化が一層進行し、結晶融
解温度の高温側への移行、強度および弾性率の向上、さ
らには高温での耐クリープ性の向上がもたらされる。
【0052】本発明で用いられるクロスは、上記のよう
な超高分子量ポリオレフィンの繊維状分子配向体または
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の繊維状
分子配向体を用いて形成されるが、繊維状分子配向体か
らクロスを形成する際の織り方の種類は問わないが、具
体的には平織、朱子織、あや織などが用いられる。
【0053】なお、必要に応じて、超高分子量エチレン
・α−オレフィン共重合体の分子配向成形体により構成
されてなるクロス、または超高分子量エチレン・α−オ
レフィン共重合体の分子配向成形体に、いわゆるコロナ
放電処理、プラズマ放電処理、放射線(電子線、γ線)
照射処理、紫外線照射処理等の表面処理を行なうことが
できる。
【0054】本発明では、マトリックス樹脂として、熱
可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性
樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、エチレン・
α−オレフィン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリブテン
などが用いられる。なおエチレン・α−オレフィン共重
合体として、たとえばエチレン・多環状オレフィン共重
合体が好ましく用いられ、前記エチレン・多環状オレフ
ィン共重合体としては、具体的には、40〜90モル%
の範囲内のエチレン繰返し単位と、60〜10モル%の
範囲内の下記の一般式[I]または一般的[II]で表
わされる繰返し単位とからなるランダム共重合体(エチ
レン・多環状オレフィン共重合体)などが用いられる。
【0055】
【化1】
【0056】(一般式[I]、[II]において、R1
 〜R10は、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素
基であって、各々同一または異なっていてもよく、R5
 〜R8 が複数回繰り返される場合には、これらR5
 〜R8 はそれぞれ同一または異なっていてもよい。 pおよびqは、いずれも0もしくは正の整数であり、r
は3以上の整数である。)このランダム共重合体は、デ
カリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度[η]が0
.03〜10dl/gであり、X線回折による結晶化度
が10%以下であり、沃素価が5以下であり、かつガラ
ス転移温度(Tg)が50〜250℃の範囲内にあるこ
とが好ましい。 このうち極限粘度[η]が0.1〜5dl/gであり、
結晶化度が5%以下であり、沃素価が1以下であり、か
つガラス転移温度が60〜200℃の範囲内にあるラン
ダム共重合体が特に好ましい。
【0057】また熱硬化性樹脂としては、具体的には、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂
、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、キシレン
・ホルムアルデヒド樹脂などが用いられる。このうちエ
ポキシ樹脂および不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
【0058】上記のような超高分子量エチレン・α−オ
レフィン共重合体の分子配向体クロスとマトリックス樹
脂とからなる積層体では、前記クロスは20〜85容積
%、好ましくは40〜75容積%の量で用いられ、また
マトリックス樹脂は80〜15容積%、好ましくは60
〜25容積%の量で用いられる。
【0059】本発明で用いられる積層体は、1枚の超高
分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分子配向成
形体クロス層とマトリックス樹脂層とから構成される積
層体であってもよく、また2枚以上の上記クロス層がマ
トリックス樹脂層とともに互いに複合されて構成される
多層積層体であってもよい。
【0060】1枚の分子配向成形体クロス層とマトリッ
クス樹脂層とから構成される積層体は、マトリックス樹
脂たとえばポリオレフィンをトルエンなどの有機溶媒に
溶解して、この溶液で、前記分子配向体からなるクロス
の表面を処理してクロスにマトリックス樹脂を付着させ
た後、予備乾燥してプレス成形することなどにより製造
される。
【0061】また2枚以上の分子配向成形体クロス層が
マトリックス樹脂層とともに互いに複合されて構成され
る多層積層体は、マトリックス樹脂たとえばポリオレフ
ィンをトルエンなどの有機溶媒に溶解して、この溶液で
、前記分子配向成形体からなるクロスの表面を処理して
クロスにマトリックス樹脂を付着させた後、予備乾燥し
、次いで予備乾燥して得られたクロスを、2枚以上重ね
合わせてプレス成形することなどにより製造される。
【0062】本発明で用いられる積層体における分子配
向成形体からなるクロスにマトリックス樹脂を付着させ
るには、上記のようにマトリックス樹脂の溶液を準備し
、この溶液にクロスを含浸させてもよく、またこの溶液
をロールコータなどによってクロス上に塗布してもよい
。さらに、マトリックス樹脂の粉末を準備し、この粉末
をクロス上に付着させてもよい。
【0063】上記プレス成形条件は、用いられる分子配
向成形体からなるクロスの種類、厚み、および目付、マ
トリックス樹脂の種類および塗布樹脂量など応じて決定
される。
【0064】以上のようにして得られる積層体の曲げ弾
性率は、JIS K 7055による3点曲げ試験で得
られる値で少なくとも3GPa以上であり、好ましくは
5GPa以上である。また本積層体の最大の特徴である
衝撃強度は、ASTM D 3763 により評価して
最大荷重時の吸収エネルギー量が少なくとも30J以上
、好ましくは40J以上、また破壊に到るまでの吸収エ
ネルギー量(トータルエネルギー)は35J以上、好ま
しくは45J以上である。
【0065】本発明に係る飛翔体抵抗性物は、上記のよ
うにして得られた積層体から、通常の方法により製造さ
れる。上記のような本発明に係る飛翔体抵抗性物は、軽
量かつ高強度であって耐衝撃性に優れ、しかも耐候性お
よび耐水性に優れている。
【0066】
【発明の効果】本発明に係る飛翔体抵抗性物は、上記の
ような超高分子量ポリオレフィンの分子配向体クロスま
たは超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分
子配向体クロスと、マトリックス樹脂とからなる積層体
から形成されており、軽量かつ高強度であって耐衝撃性
に優れ、しかも優れた耐候性および耐水性を有している
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0068】
【実施例1】[超高分子量エチレン・ブテン−1共重合
体の重合]チーグラー系触媒を用い、n−デカン1リッ
トルを重合溶媒として、超高分子量エチレン・ブテン−
1共重合体のスラリー重合を行なった。エチレンとブテ
ン−1との組成がモル比で97.2:2.35の比率の
混合モノマーガスを圧力が5kg/cm2 の一定圧力
を保つように反応器に連続供給した。重合は反応温度7
0℃で2時間で終了した。
【0069】得られた超高分子量エチレン・ブテン−1
共重合体の粉末の収量は160gで極限粘度[η](デ
カリン:135℃)は8.2dl/g、赤外分光光度計
によるブテン−1含量は1000炭素原子あたり1.5
個であった。[超高分子量エチレン・ブテン−1共重合
体延伸配向物の調製]上述の重合により得られた超高分
子量エチレン・ブテン−1共重合体粉末20重量部とパ
ラフィンワックス(融点;69℃、分子量;490)8
0重量部との混合物を次の条件で溶融紡糸した。
【0070】該混合物100重量部にプロセス安定剤と
して3,5−ジ−tert−ブチル−4−ハイドロキシ
トルエンを0.1重量部配合した。次いで該混合物をス
クリュー式押出機(スクリュー径;25mm、L/D;
25、サーモプラスチックス社製)を用いて、設定温度
190℃で溶融混練を行なった。引き続き、該混合溶融
物を押出機に付属するオリフィス径2mmの紡糸ダイよ
り溶融紡糸した。押出溶融物は180cmのエアーギャ
ップで36倍のドラフト比で引き取られ、空気中にて冷
却、固化し、未延伸繊維を得た。さらに該未延伸繊維を
次の条件で延伸した。
【0071】三台のゴデットロールを用いて二段延伸を
行なった。このとき第一延伸槽の熱媒はn−デカンであ
り、温度は110℃、第二延伸槽の熱媒はトリエチレン
グリコールであり、温度は145℃であった。槽の有効
長はそれぞれ50cmであった。延伸に際しては、第1
ゴデットロールの回転速度を0.5m/分として第3ゴ
デットロールの回転速度を変更することにより、所望の
延伸比の配向繊維を得た。第2ゴデットロールの回転速
度は、安定延伸可能な範囲で適宜選択した。初期に混合
されたパラフィンワックスは、ほぼ全量が延伸時n−デ
カン中に抽出された。このあと配向繊維は、水洗し、減
圧下室温にて一昼夜乾燥し、諸物性の測定に供した。な
お延伸比は、第1ゴデットロールと第3ゴデットロール
の回転速度比から計算で求めた。[引張特性の測定]弾
性率および引張強度は島津製作所製DCS−50M型引
張試験機を用い、室温(23℃)にて測定した。
【0072】この時クランプ間の試料長は100mmで
あり、引張速度100mm/分(100%/分歪速度)
であった。弾性率は初期弾性率で接線の傾きを用いて計
算した。計算に必要な繊維断面積は密度を0.960g
/ccとして重量から計算で求めた。[熱履歴後の引張
弾性率、強度保持率]熱履歴試験はギヤーオーブン(パ
ーフェクトオーブン:田葉井製作所製)内に放置するこ
とによって行なった。
【0073】試料は約3mの長さでステンレス枠の両端
に複数個の滑車を装置したものに折り返しかけて試料両
端を固定した。この際試料両端は試料がたるまない程度
に固定し、積極的に試料に張力はかけなかった。熱履歴
後の引張特性は、前述の引張特性の測定の記載に基づい
て測定した。[耐クリープ性の測定]耐クリープ性の測
定は熱応力歪測定装置 TMA/SS10(セイコー電
子工業社製)を用いて、試料長1cm、雰囲気温度70
℃、荷重は室温での破断荷重の30%に相当する重量の
促進条件下で行なった。クリープ量を定量的に評価する
ため以下の二つの値を求めた。すなわち荷重後、90秒
後のクリープ伸び(%)CR90、そして90秒後から
180秒後の間の平均クリープ速度(sec−1)であ
る。
【0074】表1に得られた延伸配向繊維の引張特性を
示す。
【0075】
【表1】
【0076】超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体
延伸フィラメント(試料−1)の配向度は0.975、
またこの本来の結晶融解ピークは126.7℃、全結晶
融解ピーク面積に対するTpの割合は33.8%であっ
た。また耐クリープ性はCR90=3.1%、ε=3.
03×10−5sec−1であった。さらに170℃、
5分間の熱履歴後の弾性率保持率は102.2%、強度
保持率は102.5%で熱履歴により性能の低下を示さ
なかった。
【0077】また、延伸フィラメントの破断に要する仕
事量は10.3kg・m/gであり、密度は0.973
g/cm3 であり、比誘電率は2.2、誘電正接は0
.024であり、インパルス電圧破壊値は180kV/
mmであった。
【0078】上記のようにして調製した繊維は100本
に束ねられ、1インチ当り、1回の甘縒りをすることに
より、マルチフィラメントとした。該マルチフィラメン
トの引張特性を表2に示す。なお、マルチフィラメント
の引張特性はインストロン社製万能試験機1123型を
用いて、クランプはタイヤコードグリップ4D(同じく
インストロン社製)で試料長10インチ、引張速度10
インチ/分で測定した。
【0079】
【表2】
【0080】
【実施例2】[超高分子量エチレン・オクテン−1共重
合体の重合]チーグラー系触媒を用いて、n−デカン1
リットルを重合溶媒としてエチレンのスラリー重合を行
なった。このとき、共単量体としてオクテン−1を12
5mlと分子量調整のための水素40Nmlを重合開始
前に添加し、重合を開始した。エチレンガスを反応器の
圧力が5kg/cm2 の一定圧力を保つように連続供
給し、重合は70℃、2時間で終了した。得られた超高
分子量エチレン・オクテン−1共重合体粉末の収量は1
78gであり、その極限粘度[η](デカリン、135
℃)は10.66dl/gであり、赤外分光光度計によ
るオクテン−1共単量体含量は1000炭素原子当り0
.5個であった。[超高分子量エチレン・オクテン−1
共重合体延伸配向物の調製とその物性]実施例1に記載
した方法により延伸配向繊維の調製を行なった。
【0081】表3に得られた超高分子量エチレン・オク
テン−1共重合体延伸配向繊維の引張特性を示す。
【0082】
【表3】
【0083】超高分子量エチレン・オクテン−1共重合
体延伸フィラメント(試料−2)の配向度は0.978
、またこの本来の結晶融解ピークは131.1℃で全結
晶融解ピーク面積に対するTpおよびTp1 の割合は
それぞれ97.7%および5.0%であった。試料−2
フィラメントの耐クリープ性はCR90=2.0%、ε
=9.50×10−6sec−1であった。また、17
0℃、5分間の熱履歴の後の弾性率保持率は108.2
%であり、強度保持率は102.1%であった。さらに
試料−2フィラメントの破断に要する仕事量は10.1
kg・m/gであり、密度は0.971g/cm3 で
あり、比誘電率は2.2、誘電正接は0.031であり
、インパルス電圧破壊値は185kV/mmであった。
【0084】上述のようにして調製した繊維は100本
に束ねられ、1インチ当り、1回の甘縒りをすることに
より、マルチフィラメントとした。該マルチフィラメン
トの引張特性を表4に示す。
【0085】
【表4】
【0086】
【実施例3】[各種クロスの仕様]実施例1および2で
調製したマルチフィラメントを用いて、クロス(繊維織
物)を得た。得られたクロスの仕様を後で耐衝撃性を比
較する。リファレンスクロスの仕様と共に表5に示した
【0087】
【表5】
【0088】ここで用いたクロス織物組織は全て、平織
りである。リファレンスクロスとしてNo. 3は鐘紡
(株)製ポリエチレン織物:品番PT 837、No.
 4は鐘紡(株)製ケブラー49織物:品番K 281
 、No. 5は東レ(株)製トレカT−300 織物
:品番6343、No. 6は日東紡(株)製Tガラス
織物:品番WFT230N−100 を用いた。
【0089】織り密度は縦×横1インチ当りの糸の打ち
込み数であり、坪量は1平方メートル当りの織り上りク
ロス1枚の重量(g)である。No. 3のポリエチレ
ン織物は超高分子量エチレン重合体を用いた高弾性率、
高強度繊維よりなる織物であるとされている(鐘紡(株
)カタログ)。[積層体の調製方法]マトリックス樹脂
は昭和高分子(株)製ビニルエステル樹脂リポキシRT
−883、硬化触媒は日本油脂製パーロイルLを用いた
。これらの配合比率はリポキシRT−883:パーロイ
ルL=100:1である。調製積層体の目標板厚を約1
mmとし、クロス体積分率が約60%となるようにクロ
スの枚数をそれぞれ設定した。従ってこの結果、クロス
の枚数は各試料でNo. 1〜3は各4枚、No. 4
は5枚、No. 5は6枚、No. 6は8枚となった
。成形は80℃で5分間、約10kg/cm2 の圧力
をかけて行なった。さらにポストキュアーを100℃で
2時間行ない、クロスとマトリックス樹脂からなる積層
体を得ることができた。[衝撃強度]ASTM D 3
763 により評価を行なった。 試験片寸法は150×150mmとし、以下の条件で衝
撃試験を行なった。
【0090】プローブ径:1/2インチバックアップリ
ング径:1インチ 試験速度:1m/sec  結果を表6に示す。
【0091】
【表6】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  極限粘度[η]が少なくとも5dl/
    gであり、しかも炭素数が3以上のα−オレフィンの含
    有量が炭素数1000個あたり平均0.1〜20個であ
    る超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分子
    配向成形体クロスと、マトリックス樹脂とからなる積層
    体よりなる飛翔体抵抗性物。
  2. 【請求項2】  α−オレフィンが、ブテン−1、4−
    メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1また
    はデセン−1である請求項1に記載の飛翔体抵抗性物。
  3. 【請求項3】  極限粘度[η]が少なくとも5dl/
    gである超高分子量ポリオレフィンの分子配向成形体ク
    ロスとマトリックス樹脂とからなる積層体よりなる飛翔
    体抵抗性物。
JP03073215A 1990-11-29 1991-04-05 飛翔体抵抗性物 Expired - Fee Related JP3082955B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03073215A JP3082955B2 (ja) 1990-11-29 1991-04-05 飛翔体抵抗性物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33187790 1990-11-29
JP2-331877 1990-11-29
JP03073215A JP3082955B2 (ja) 1990-11-29 1991-04-05 飛翔体抵抗性物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04219237A true JPH04219237A (ja) 1992-08-10
JP3082955B2 JP3082955B2 (ja) 2000-09-04

Family

ID=26414369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03073215A Expired - Fee Related JP3082955B2 (ja) 1990-11-29 1991-04-05 飛翔体抵抗性物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3082955B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002503564A (ja) * 1998-02-12 2002-02-05 トレスパファン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング バリヤー特性を改良した密封可能な二軸延伸ポリプロピレンフィルム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58180635A (ja) * 1982-03-19 1983-10-22 アライド・コ−ポレ−シヨン 弾道抵抗性物品
JPS62128750A (ja) * 1985-02-28 1987-06-11 アライド・コ−ポレ−シヨン 改良された衝撃耐性を有するコンプレツクス複合製品
JPH01156541A (ja) * 1987-10-02 1989-06-20 Stamicarbon Bv 防弾用織物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58180635A (ja) * 1982-03-19 1983-10-22 アライド・コ−ポレ−シヨン 弾道抵抗性物品
JPS62128750A (ja) * 1985-02-28 1987-06-11 アライド・コ−ポレ−シヨン 改良された衝撃耐性を有するコンプレツクス複合製品
JPH01156541A (ja) * 1987-10-02 1989-06-20 Stamicarbon Bv 防弾用織物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002503564A (ja) * 1998-02-12 2002-02-05 トレスパファン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング バリヤー特性を改良した密封可能な二軸延伸ポリプロピレンフィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3082955B2 (ja) 2000-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH089804B2 (ja) 初期伸びの改善されたポリオレフィン系繊維及びその製法
CA1297247C (en) Molecularly oriented molded body of ultra-high-molecular-weight ethylene/polyene copolymer
EP0318136B1 (en) Rope for traction
AU642154B2 (en) Molecular orientation articles molded from high-molecular weight polyethylene and processes for preparing same
US5115067A (en) Molecularly oriented molded body of ultra-high-molecular weight ethylene/α-olefin copolymer
JPH0284584A (ja) フィラメント集合体、およびこのフィラメント集合体により構成される網製品
JP2599751B2 (ja) 窓ブラインド用紐
JP3082955B2 (ja) 飛翔体抵抗性物
JP2599750B2 (ja) ロープ
JPH0251539A (ja) 低誘電性積層体
JPH02112432A (ja) ヨット用帆布
JPH086205B2 (ja) 超高分子量エチレン・プロピレン共重合体の分子配向成形体
JP2601868B2 (ja) 釣 糸
JPS63275711A (ja) 超高分子量エチレン−α−オレフィン共重合体の分子配向成形体
JPH0250603A (ja) パラボラアンテナ
JPH01291486A (ja) 回路基板
JPH01260077A (ja) 登山用ロープ
JPH01260078A (ja) テント固定用ロープ
JPH01291487A (ja) 回路基板
JP2557460B2 (ja) ヨット用ロープ
JPH0253840A (ja) 低誘電性組成物
JPH089802B2 (ja) 超高分子量エチレン−α−オレフィン共重合体の分子配向成形体
JPH04364923A (ja) 超高分子量ポリプロピレン延伸成形体およびその製造方法
JP2557461B2 (ja) 係留用ロープ
JP2548292B2 (ja) 漁網および漁網牽引用ロープ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees