JPH0421205Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、灯具ボデイが形成する灯室内にバル
ブを担持する合成樹脂製のソケツトに係り、特に
該バルブが装着されるソケツト主体の該装着部位
のみを６ナイロン等の耐熱材料を用いた耐熱構成
部として一体的に構成して成る全合成樹脂製の灯
具用ソケツトに関するものである。

〔従来の技術〕

従来から、第６図に示すように、自動車その他
の車両に搭載する前照灯や尾灯等の車両用灯具の
灯室内に担持収容するバルブ５１は、車両用灯具
を構成する灯具ボデイ５２の後面側に開設した取
付孔５２ａに対して掛け外し自在となるプラグを
兼ねたソケツト５３に装着し、該ソケツト５３を
介して灯具ボデイ５２の灯室５２ｂ内に担持して
成り、該ソケツト５３は灯具ボデイ５２の取付孔
５２ａ部に対しては、その防水をすると共に、適
度の弾性力によりソケツト５３を灯具ボデイ５２
に圧着するためのガスケツト５４を介装して固定
するものであつた。したがつて、ソケツト５３
は、特にバルブ５１の装着部において灯具ボデイ
５２に開設した上記取付孔５２ａの端縁に密着す
る構造になり、しかもバルブ５１がその点灯時に
高熱を生じるものであるため、ソケツト５３自体
は勿論、ソケツト５３が密着する上記灯具ボデイ
５２に対しても熱影響を与え、これを変形した
り、損傷したりするものであつた。そこで、従来
からソケツト５３全体を６ナイロン等の耐熱性合
成樹脂で成型したものが多用されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来の構造にあつては、ソケツト
５３におけるバルブ５１の熱影響を受けない部分
についてまで割高な耐熱性合成樹脂を使用しなけ
ればならず、コスト高の原因にもなるという問題
を有していた。

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたもので
あり、バルブの発熱による熱影響を受ける部位の
みを６ナイロン等の耐熱性合成樹脂を用いた耐熱
構成部として構成することにより、割高な材料を
節減し、安価な灯具用ソケツトを提供することを
目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る灯具
用ソケツトは、灯具ボデイの後面に開設した取付
孔に固着してバルブを該灯具ボデイの灯室内に担
持する合成樹脂製のソケツトにおいて、ソケツト
主体のバルブ装着部側の開口部内側に耐熱材料を
用い、該ソケツト主体の他部に積層する耐熱構成
部を一体成型により構成したことを要旨とするも
のである。

また、上記ソケツト主体は、灯具ボデイの取付
孔に対するプラグ部を具備するソケツトプラグで
あつてもよい。

〔作用〕

上記構成によれば、ソケツト主体のバルブ装着
部が耐熱材料で構成されているため、バルブ点灯
時に該バルブ装着部に対する熱影響の発生を防止
すると共に、灯具ボデイ側に対する熱影響の発生
もない。

また、耐熱構成部がバルブの装着部側の開口部
内側に積層して一体的に構成されているため、ソ
ケツト主体の他部との間の接合強度を高めること
ができる。

〔実施例〕

以下、本考案に係る灯具用ソケツトの実施例を
図面に従つて説明する。

第１図及び第２図は、本考案に係る灯具用ソケ
ツトの実施例を示すものであり、ソケツト主体１
に装着するバルブ２の発熱による影響を直接受け
る部位、即ちソケツト主体１のプラグ部１ａを含
むバルブ２の装着部１ｂを６ナイロン等の耐熱材
料を用いた耐熱構成部３として他部１ｃと共に一
体成形により接合構成したものである。

第３図は、上記耐熱構成部３をバルブ２の装着
部１ｂ側の開口部１ｄの内側に積層形成した状態
を示すものである。本実施例では、図示例のよう
な相互に接合部の一部が噛み合うような積層構造
として一体的に構成して、ソケツト主体１の他部
１ｃとの間の接合強度を更に高めている。

なお、ソケツト主体１におけるバルブ２の熱影
響を受けない他部１ｃについては、PP合成樹脂
等、合成樹脂成型品の形成に一般的に使用される
合成樹脂材料を用いて構成するものであり、この
部分の材料費を節減し得るものとなる。

上記のように、本考案に係る灯具用ソケツト
は、該灯具用ソケツトを構成するソケツト主体１
におけるバルブ２の装着部１ｂとなる耐熱構成部
３と、該バルブ２の熱影響を受けない他部１ｃと
を一体成型により構成したものである。よつて、
以下この一体成型法の一原理を第４図及び第５図
に従つて説明する。

即ち、先ず一次成型のためのキヤビテイa′を形
成する一組みの金型Ａ及びＢと入子金型Ｃとによ
り一次成型品ａである、例えばソケツト主体１に
おけるバルブ２の熱影響を受けない他部１ｃを成
型した後、入子金型Ｃを二次成型のためのキヤビ
テイb′を形成する入子金型Ｄと入れ変え、該入子
金型Ｄのキヤビテイb′を一次成型されたソケツト
主体１の上記他部１ｃ等の一次成型品ａの該当部
分に重ね、該キヤビテイb′内に耐熱構成部３を成
型するための溶融材料を注入して二次成型品ｂを
成型するものである。

〔考案の効果〕

本考案に係る灯具用ソケツトは、以上のように
構成したから、該灯具用ソケツトに対するバルブ
の熱影響の発生を防止すると共に、該灯具用ソケ
ツトを嵌着する灯具ボデイの取付孔部分に対する
熱影響の発生を防止するものであり、しかもバル
ブの熱影響を受けない部分については割安の合成
樹脂材料により構成することができるため、価格
的にも安価に製造することができる。

また、耐熱構成部がバルブの装着部側の開口部
の内側に積層形成して一体的に構成されているた
め、ソケツト主体の他部との間の接合強度が高
く、信頼性の高いソケツトを提供することができ
る等、本考案実施後の実用的効果は極めて大き
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る灯具用ソケツトの実施例
を示すものであり、ソケツト主体を灯具ボデイに
固着した状態の正面図、第２図は同じく正断面
図、第３図は耐熱構成部をバルブの装着部側の開
口部の内側に積層形成した状態を示す正断面図、
第４図は一体成型法の一例を示す金型構成の要部
断面図、第５図は一体成型法の一例を示す金型構
成の要部断面図、第６図は従来の灯具用ソケツト
を示す正断面図である。 １……ソケツト主体、１ａ……プラグ部、１ｂ
……バルブ装着部、１ｃ……他部、２……バル
ブ、３……耐熱構成部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 灯具ボデイの後面に開設した取付孔に固着し
   てバルブを該灯具ボデイの灯室内に担持する合
   成樹脂製のソケツトにおいて、 ソケツト主体のバルブ装着部側の開口部内側
   に耐熱材料を用い、該ソケツト主体の他部に積
   層する耐熱構成部を一体成型により構成したこ
   とを特徴とする 灯具用ソケツト。 (2) ソケツト主体が灯具ボデイの取付孔に対する
   プラグ部を具備するソケツトプラグであること
   を特徴とする請求項１の 灯具用ソケツト。