JPH0419643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、カートリツジケースを構成する上
ケースと下ケースとがそれぞれ材質の異なるプラ
スチツク材で成形されているテープカートリツジ
を対象とし、上下ケースの内面形状に改良を加え
たものである。

〔従来の技術〕

例えば、第２図に示すごときフイリツプス型の
テープカートリツジでは、元来がカートリツジケ
ース１を上下反転してＡ面とＢ面とに切り替えて
プレイヤに装填する仕様になつている。そのため
にカートリツジケース１を構成する上下ケース１
ａ，１ｂの外観形状は同一に形成されている。

しかし、オートリバース仕様のプレイヤに専ら
適用すべきテープカートリツジに関しては、必ず
しも上下ケース１ａ，１ｂが同一形状であること
が要求されない、。却つて下ケース１ｂを不透明
プラスチツク材で成形し、上ケース１ａを透明プ
ラスチツク材で成形して時に外面形状も替える機
運がある。いずれにせよ、上ケース１ａのみを透
明にすることは内部の左右のハブ５，５に対する
テープ４の巻量を外部から視認するに便利であ
る。透明プラスチツク成形品は概して耐衝撃性に
劣るので、上下ケース１ａ，１ｂを共に透明にす
ることは得策ではない。

その他、機械的強度や成形精度を必要かつ十分
に確保して安価に生産するなどの目的の下に、上
下ケース１ａ，１ｂを異なるプラスチツク材で成
形することが既に試みられている。

しかるに、第２図に示すごときテープカートリ
ツジにおける従来のカートリツジケース１をみる
と、第５図に示すごとく上下ケース１ａ，１ｂの
それぞれの対向内壁面からその外周側壁を超える
高さの突起物１６が基本的に上下対称をなして突
出形成されている。この突起物１６は後述するキ
ヤプスタン枠９や誤録防止爪１５で代表されるも
のである。このように上下ケース１ａ，１ｂの内
面から外周側壁を超える突起物１６をそれぞれ基
本的に上下で点対称にして突出形成すのは、金型
の製作を容易にする、成形品の管理上からも上下
ケース１ａ，１ｂを対で成形すべきところプラス
チツク材料のボリユ−ムを左右で可及的に同量に
して成形性を高める、といつた要請による。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、いま下ケース１ｂを不透明プラスチツ
ク材で、上ケース１ａを透明プラスチツク材でそ
れぞれ成形するに際し、上下ケース１ａ，１ｂの
対向内壁面の形状を第５図の従来例で示す通り踏
襲したとする。例えば下ケース１ｂは不透明であ
るからブタジエンゴムなどを含むスチロール樹脂
で成形し、上ケース１ａはスチロール樹脂だけで
成形したとする。下ケース１ｂは靱性を有し耐衝
撃性が確保されているので問題はない。ところ
が、上ケース１ａは脆いため、成形時の離型抵抗
が前記突起物１６の存在で大きくなり、割れやク
ラツク等の欠陥が生じやすい。この割れやクラツ
クを防止するために突起物１６の抜き勾配を大き
く採ると、これら突起物１６を所要形状に形成し
難くなり、突起物１６のケース内面との付け根部
が太くなつてヒケ発生の原因にもなる。

この考案は、かかる事実に着目してカートリツ
ジケース１を構成する上ケース１ａと下ケース１
ｂを異なるプラスチツク材で成形するに際し、前
述の突起物１６に起因する離型上のトラブルを解
消し、成形バランスも良く成形性に優れたテープ
カートリツジを得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、カートリツジケース１が透明プラス
チツク材で成形された上ケース１ａと、不透明プ
ラスチツク材で成形された下ケース１ｂとを突き
合わせ結合してなり、上下ケース１ａ，１ｂの対
向内壁面においてこれの外周側壁を超えて突出形
成すべき突起物１６が、下ケース１ｂ側にのみ一
体形成されていることを特徴とする。ここで突起
物１６とは、図示例で特定すると少なくともキヤ
プスタン枠９と誤録防止爪１５とを意味する。図
示例のテープガイドピン２１やねじボス２２を含
む一切までもが図の下ケース１ｂ側に突出形成さ
れて他方の上ケース１ａ側に突出形成されていな
いことが望まれるが、これらの部材２１，２２に
関しては、そのうちのあるものが上ケース１ａ側
に外周側壁を僅かに超えて突出形成されていても
よい。

〔考案の効果〕

本考案では、不透明プラスチツク材からなる下
ケース１ｂ側にのみ突起物１６を集約的に突出形
成し、透明プラスチツク材からなる上ケース１ａ
側には該突起物１６を設けていない。従つて、下
ケース１ｂにはこれが不透明プラスチツク材から
なるために耐衝撃性など必要かつ十分な機械的強
度を担持させることができ、この下ケース１ｂに
支障なく突起物１６を突出形成できる。その一方
で、上ケース１ａは透明プラスチツク材からなる
ために耐衝撃性などに劣るが、ここには突起物１
６を設けていないので、上ケース１ａの成形時に
離型上のトラブルが生じることはない。その結
果、カートリツジケース１は異材質の上下ケース
１ａ，１ｂで必要かつ十分な機械的強度を確保し
ながらも、透明な上ケース１ａによる内部の透視
性能を有効に発揮させることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図ないし第４図に
基づき説明する。図面はフイリツプス型のテープ
カートリツジを例示している。これのカートリツ
ジケース１は透明な上ケース１ａと不透明な下ケ
ース１ｂを突き合わせてねじ２で一体的に結合し
てなり、内部左右に駆動軸挿入孔３，３を有し、
これら軸挿入孔３，３上にテープ４が巻かれたハ
ブ５，５を可回転に装置してある。カートリツジ
ケース１の前面の左右に消去ヘツド・ピンチロー
ラ挿入口６，６を、その中央に録再ヘツド挿入口
７をそれぞれ開口し、消去ヘツド・ピンチローラ
挿入口６の内奥部にはキヤプスタン孔８およびキ
ヤプスタン枠９を有する。テープ４は一方のハブ
５から繰り出され、前方左右に配置したガイドロ
ーラ１０，１０を介して消去ヘツド・ピンチロー
ラ挿入口６，６および録再ヘツド挿入口７を通つ
たうえで、他方のハブ５に巻き取られる。

透明の上ケース１ａは透明プラスチツク材、例
えばポリスチレンで成形する。そこには前後左右
の同一高さの外周側壁１１，１２，１３，１４を
超えて突出する突起物の一切が全く存在しない形
状に形成した。つまり、第５図に示す従来の上ケ
ース１ａと異なり、キヤプスタン枠９や誤録防止
爪１５などの高い一体成形突起物を一切有しな
い。

これに対し、下ケース１ｂは不透明プラスチツ
ク材、例えばポリスチレンにブダジエンゴムを充
填して耐衝撃性に優れた材料で成形する。そこに
は前後左右の同一高さの外周側壁１７，１８，１
９，２０を超えて高く突出するキヤプスタン枠９
及び誤録防止爪１５をはじめとしてテープガイド
ピン２１、ねじボス２２を含む突起物１６の全て
が下ケース１ｂ側に一体成形されるものとした。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示し
ており、第１図はカートリツジケースを構成する
上下ケースを分離状態で示す正面図、第２図はテ
ープカートリツジの外観斜視図、第３図は上ケー
スの斜視図、第４図は下ケースの斜視図である。
第５図は従来のカートリツジケースを構成する上
下ケースを分離状態で示す正面図である。 １……カートリツジケース、１ａ……上ケー
ス、１ｂ……下ケース、４……テープ、５……ハ
ブ、９……キヤプスタン枠、１５……誤録防止
爪、１６……突起物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カートリツジケース１が、透明プラスチツク材で
   成形された上ケース１ａと、不透明プラスチツク
   材で成形された下ケース１ｂとを突き合わせ結合
   してなり、 上下ケース１ａ，１ｂの対向内壁面においてこ
   れの外周側壁を超えて突出形成すべき突起物１６
   が、下ケース１ｂ側にのみ一体形成されているこ
   とを特徴とするテープカートリツジ。