JPH0419188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、井桁状の組子桟を取付ける組子の組
子枠に関する。

（従来の技術） 近年、住宅の高級化に伴ない、台形状出窓が普
及しつつあるが、その中にあつて、出窓のガラス
屋外面に組子などの装飾を施すことが要望されて
いる。

装飾体として用いられる組子は、外周枠たる組
子枠を額縁状に組合せるとともに、これに井桁状
の組子桟を取付けてなるもので、組子枠は通常、
外側片と内側差込片とを備え、この内側差込片を
ガラスとともにガラス装飾溝に嵌入するものであ
ることが知られている。

（考案が解決しようとする課題） ところで、上述の出窓において、風の通り入れ
などを考慮して、各ガラス部は嵌め殺しのほか内
倒し障子、上下障子、開き障子など、好みに応じ
てこれらを組合せて採用している。

この場合、組子を装着する相手が障子のとき
は、障子の框の中、一方の縦框を予め外してお
き、コ字形状に形成される障子框に組子をそのま
まスライド嵌合させればよいので問題はない。し
かし嵌め殺し窓に組子を装着するときは、ガラス
に先たち組子を室内側からガラス装着溝にケンド
ン方式にて取付けるが、この場合、窓下枠のガラ
ス装着溝の水平片に組子枠の内側差込片が接触す
る不都合を生じる。したがつて、これを回避する
ためにガラス装着溝を広くしたり、或いは窓下枠
のガラス装着溝の水平片の箇所を分割材で形成す
るなどして、本来の嵌め殺し窓の構成を一部変更
しなければならなかつた。

（課題を解決するための手段） そこで本考案は、組子枠を改良することによ
り、嵌め殺し窓の構成を変更することなく上記欠
点を解消することができたものである。

すなわち、本考案は、実施例で用いた符号を付
して記すと、井桁状の組子桟２，２を取付ける組
子の外周枠であつて、少なくとも組子上枠及び組
子下枠に、外側片４１と、該外側片４１よりも長
い内側差込片５１とを備えた組子枠３１におい
て、前記組子下枠を、内側片５及び外側片４を備
えた下向き開口で断面コ字形の下枠１と、該下枠
１の下部に装着される補助部材６とから構成し、
そして、前記内外側片４，５には相対向する突条
４ａ，５ａを形成し、更に、前記補助部材６は、
前記突条４ａ，５ａに係合する硬質取付片７，７
と、前記内側片５の下部に位置する軟質突出片８
とを備えたものである。

（作用） 本考案を上記のように構成した場合は、組子下
枠の内側差込片たる突出片８が可撓性を有してい
るので、当該突出片８か窓下枠のガラス開口水平
片に当接した際、該突出片８が屈曲して、組子取
付けの障害とならない。そして、この可撓性ある
突出片８は、組子枠の下枠１とは別部材の補助部
材６に形成されているので、すなわち従来の押出
し一体成型からなる組子枠の内側差込片でなく別
部材で形成されているので、この突出片８を可撓
性ある部材で形成することが可能となる。

（実施例） 以下に本考案を図示の実施例に基いて説明する
と、第１図ないし第４図において、開き障子Ｓに
装着される組子３１の組子枠１１は、井桁状の組
子桟２，２を取付ける組子３１の外周枠であつ
て、通常は外側片４１と内側差込片５１とを備え
ている。本実施例の場合は、嵌め殺し窓Ｗに装着
されるものであつて、組子３の中、組子枠の下枠
１の内側片５を外側片４と同じか或いはそれより
も短く形成するとともに、該下枠にプラスチツク
製の補助部材６を嵌着して組子枠を形成してい
る。

前記補助部材６は、下枠１の外側片４と内側片
５との間に嵌合する軟質取付片７，７と、組子枠
１１における従来の内側差込片５１に相当する軟
質突出片８とを一体に備えてなるもので、下枠１
の外側片４と内側片５の相対向する箇所に突条４
ａ，５ａを設けたのに対応して、軟質取付片７，
７を爪状に形成して両者のスナツプフイツトが図
られるように構成している。

尚、下枠１以外の組子枠１１は従前の通り、外
側片４１と内側差込片５１とを備えている。もつ
とも本考案の場合は、少なくとも外側片４１とこ
れよりも長い内側差込片５１を、組子上枠と組子
下枠に設けてあればよい。

このように構成される本考案において、組子３
を嵌め殺し窓Ｗに装着するときは、ガラスＧに先
だち組子３を室内側からガラス装着溝９１にケン
ドン方式にて取付けるが、この場合、第５図に示
すように、窓下枠９のガラス装着溝の水平片９１
ａに、組子枠の内側差込片に相当する突出片８が
接触することとなるところ、該突出片８は弾性的
に屈曲し、突出片８がガラス装着溝の水平片９１
ａをのり越えてガラス開口溝９１に納まると、突
出片８は弾性的に復帰し、他の内側差込片５１と
同様に機能を発揮するものとなる。しかる後、ガ
ラスＧをガラス装着溝９１に嵌着し、左右押し縁
９２を装着する。

（考案の効果） 本考案は、以上説明したように構成されるの
で、組子を室内側からガラス装着溝にケンドン方
式にて取付けるに際し、窓下枠のガラス装着溝の
水平片に組子枠の内側差込片が接触しても、この
片すなわち突出片は軟質材で形成されているので
容易に屈曲することとなり、突出片がガラス装着
溝の水平片をのり越えてガラス装着溝に納まる
と、突出片は弾性的に復帰し、これにより他の内
側差込片と同様の機能を発揮することができるも
のである。このように本考案によれば、従来窓下
枠のガラス装着溝の水平片に、押出し一体成型か
らなる組子枠の内側差込片が接触し、組子の装着
が困難であつた不都合を解消することができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の組子枠を示す分解側面図、第
２図は組子を装着した出窓を示す横断面図、第３
図及び第４図は第１図のＡ−Ａ，Ｂ−Ｂ矢視断面
図、第５図は本考案に用いる組子の取付け軌跡を
示す側面図である。 １……組子枠の下枠、２……組子桟、３，３１
……組子枠、４，４１……外側片、５……内側
片、６……補助部材、７……取付片、８……突出
片、５１……内側差込片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 井桁状の組子桟２，２を取付ける組子の外周枠
   であつて、少なくとも組子上枠及び組子下枠に、
   外側片４１と、該外側片４１よりも長い内側差込
   片５１とを備えた組子枠３１において、 前記組子下枠を、内側片５及び外側片４を備え
   た下向き開口で断面コ字形の下枠１と、該下枠１
   の下部に装着される補助部材６とから構成し、 前記内外側片４，５には相対向する突条４ａ，
   ５ａを形成し、 前記補助部材６は、前記突条４ａ，５ａに係合
   する硬化取付片７，７と、前記内側片５の下部に
   位置する軟質突出片８とを備えたことを特徴とす
   る組子枠。