JPH04173137A - バルーン用積層体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明はヘリウムガス、水素ガスなどに対するバリヤー
性を有する透明なバルーン用積層体に関する。

［従来の技術］ 従来から各種サイズのバルーンが、がん具、広告媒体、
デイスプレーなどの用途に用いられている。これらのバ
ルーンの大部分は、ヘリウムガスまたは水素ガスが充填
され、空中に浮いた状態で使用されている。空気中でバ
ルーンに充分な浮力を持たせるためにはガスを充填した
バルーンの空気に対する比重を１以下にすることが必要
で、そのためには、充填するガスにはできるだけ軽いも
のを選び、バルーン材料には軽くかつ充填されたガスか
バルーン壁をとおして外に洩れないような性質をもち、
さらに引張り強度が大きくて容易に破裂しないものを選
ぶことが必要である。

前記バルーンの材料としては、がん具など小さいもので
はゴムも使用されているが、一般的にヘリウムガス、水
素ガスに対するガスバリヤ−性を有するプラスチック材
料、たとえばエチレン−ビニルアルコール共重合体、ナ
イロン、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）　、ポ
リ塩化ビニリデンを塗布したナイロンやＰＥＴなとのプ
ラスチックフィルムにポリエチレン、無延伸ポリプロピ
レンなどをラミネートしたものなどが用いられている。

その他ガスバリヤー性を高めるため、ナイロンやＰＥＴ
にアルミニウム箔をラミネートしたり、アルミニウムな
どの蒸着膜を設けたものにポリエチレン、無延伸ポリプ
ロピレンなどをラミネートした積層物なども用いられて
いる。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、前記ゴムはガスバリヤ−性が低く、かつ
極めて破損しやすいし、しかも透明性が低いので内部が
みえにくいという欠点がある。

一方前記プラスチック材料は引っ張り強度が大きく破損
はしにくいが充分なガスバリヤ−性を有していないため
、それらを使用して作製したバルーンは、比較的短時間
のうちに中のガスが壁を通して外に透過し浮力を失って
しまうという問題がある。フィルムの厚さを厚くするこ
とによってガスバリヤ−性を向上させようとするとゴム
のばあいと同様に重量の増加による浮力の減少が起った
り、また可撓性が失われるなどの問題がある。

またアルミニウム箔をラミネートしたプラスチック材料
または金属蒸着をしたプラスチック材料はガスバリヤ−
性にすぐれ、その点ては好ましいが、バルーンの内部を
見ることができないので用途が限られてしまうという欠
点がある。

本発明は前記の点に鑑み、透明で、かつヘリウムガス、
水素ガスに対してすぐれたバリヤー性を有するバルーン
用積層体を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、プラスチック基材と、該プラスチック基Ｈの
片面に設けられた、ケイ素原子と酸素原子の原子比が１
．０゜３〜２であるケイ素酸化物の透明薄膜層とからな
るガスバリヤ−性を有する透明なバルーン用積層体に関
する。

［作　用］ 本発明のバルーン用積層体は前記特定のケイ゛素酸化物
の透明薄膜層をプラスチック基材上に設けたものであり
、このものは透明でかつヘリラムガス、水素ガスなどに
対して優れたバリヤー性を有する。そのため積層体の厚
さをむやみに厚くすることなくこれらのガスに対して高
度なバリヤー性を確保でき、ガスを充填して空中に浮べ
るバルーン用材料として好適である。さらにケイ素酸化
物層は基材フィルムに対する付着力に優れ、かつヌレ性
が良いためプラスチックフィルム層などとのラミネート
強度も強い。

［実施例］ 本発明において、バルーンなる用語は球形状のものに限
定されるものではなく、ヘリウムガスまたは水素ガスを
充填して空中に浮遊させうるすべての立体形状のものを
含む総称として使用される。

本発明に用いる透明プラスチック基材としてはとくに制
限されず、たとえばナイロン、ＰＥＴなどのポリエステ
ル、ポリ塩化ビニリデンコートナイロン、ポリ塩化ビニ
リデンコートＰＥＴ　。

無延伸または２軸延伸ポリプロピレン、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体（Ｅ■ＯＨ）、ポリエチレン、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンなどのフィル
ムがいずれも用いられる。

基材に要求されるガスバリヤ−性、蒸着層の密着性、強
しん性、比重なとの点から、とくにポリエステル、ナイ
ロン、Ｅ　Ｖ　ＯＩＩなとのフィルムが好ましい。基材
の厚さはバルーンの大きさ、使用方法によって異なるが
、通常６〜５０μｍの範囲から適宜選択される。しかし
強度および軽さ、その他の要請に応じてより薄いまたは
より厚い基材を使用することもてきる。

本発明における透明薄膜層は前記プラスチック基材上に
下塗層を介してまたは介さずに設けられる。

前記透明薄膜層におけるケイ素酸化物は、ケイ素原子と
酸素原子の原子比が１　：　０．３〜２、なかんず＜１
．０゜７〜１．９であるのが好ましい。

酸素原子の割合が前記範囲より多いと、ガスバリヤ−性
が低下し、とくに１．２より多いと所望のガスバリヤ−
性かえられない。一方酸素原子の割合が前記範囲より少
ないとガスバリヤ−性は良いが透明性がわるくなる。

透明薄膜層の厚さは２０〜ＬＯＯｎｍ　％なかんづく３
０〜８０ｎｍの範囲が好ましい。厚さが前記範囲未満で
は充分なガスバリヤ−性かえられず、前記範囲を超える
とコスト高となり、またクラックが発生しやすく、さら
に厚さが厚くなるにしたがって着色の度合も高くなる。

なお、本発明における蒸着層の膜厚は水晶振動子膜厚モ
ニターでの測定値である。

かかるケイ素酸化物の透明薄膜層の形成には真空蒸着法
、スパッタリング法、イオンブレーティング法などの物
理蒸着（ＰＶＤ）法、あるいは化学蒸着（ＣＶＤ）法な
どが適宜用いられる。真空蒸着法においては、蒸発源材
料として５ＬＯ１あるいはＳＬとＳｔ　ｏ２の混合物な
どが用いられ、透明薄膜層におけるケイ素原子と酸素原
子の比を前記範囲内で任意にかえるには蒸発源としてＳ
ＬとＳＬ　Ｑ２を用い、これらの混合割合を変えて蒸着
する方法などにより行うことができる。

前記のプラスチック基材の片面上にケイ素酸化物の透明
薄膜層を設けた積層体はそのまま使用してもよいが、通
常は透明薄膜層上にさらに上塗層またはプラスチックフ
ィルム層を設けて使用する。

前記上塗層は前記ケイ素酸化物の薄膜層を保護するため
のものであるが、熱融着性を有し前記積層体にヒートシ
ール性を与えるものであってもよい。前記上塗層は塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン、ポリ
アミド、ポリエステル、アクリル樹脂、ニトロセルロー
スなとの樹脂を適宜の溶剤に溶解した溶液を既知の塗工
法、たとえばグラビアコーティング法などにより前記透
明薄膜層上に塗布することによって形成する。ヒートシ
ール性の上塗層はホットメルトコーティング法により成
形してもよい。上塗層の厚さは単に保護する目的か、ヒ
ートシール性を与える目的かによって適宜選択されるが
、通常０５〜３０μｍである。

前記プラスチックフィルム層はケイ素酸化物の透明薄膜
層を保護し、かつ本発明のバルーン用積層体の引っ張り
強度を増加せしめるものであるが、ヒートシール性を有
するものが好ましい。該プラスチックフィルム層は前記
ケイ素酸化物の透明薄膜層上に下塗層を介して、または
介さず直接に設けられる。その材料としてはとくに制限
はなく、通常無延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−アクリル酸
系共重合体、あるいはエチレン−酢酸ビニル系共重合体
、エチレン−アクリル酸系共重合体なとのエチレン系ア
イオノマーなどがあげられる。該プラスチックフィルム
層は通常ドライラミネート法あるいは押出し法によって
設けられる。その厚さは６〜４０加の範囲が好ましい。

前記下塗層は前記透明薄膜層と、前記基材または前記プ
ラスチックフィルム層との密着性を向上させるために、
必要に応じて設けられるものである。その材料としては
、ポリウレタン、イソシアネート化合物、ウレタンプレ
ポリマー、またはそれらの混合物もしくは反応生成物、
ボー　］０− リエステル、ポリオールとイソシアネート化合物との混
合物もしくは反応生成物：ポリエチレンイミン、アルキ
ルチタネ−１・、改質ポリオレフィンなどがあげられる
。それらを既知の塗工法、たとえばグラビアコーティン
グ法などの方法で０１〜２ｕｍ（乾燥後厚さ）の範囲で
塗布して下塗層を形成する。

本発明のバルーン用積層体の構成には種々の態様がある
が、それらの代表的な例を示せばつぎのとおりである。

たたし積層例はこれらに限られるものではない。

（１）　　プラスチック基材／透明薄膜層（ここで、斜
線の右側の層を斜線の左側の層上に重ねることを意味す
る、以下同様）（２）　　プラスチック基材／透明薄膜
層／上塗層（３）　　プラスチック基材／透明薄膜層／
プラスチックフィルム層 （４）　　プラスチック基材／透明薄膜層／プラスチッ
クフィルム層／上塗層 （５）　　プラスチック基材／下塗層／透明薄膜層／上
塗層 （６）　　プラスチック基材／下塗層／透明薄膜層／プ
ラスチックフィルム層 （７）　　プラスチック基材／透明薄膜層／下塗層／プ
ラスチックフィルム層 本発明のバルーン用積層体は透明であると共に高度なガ
スバリヤ−性を有する。すなわちヘリウムガス透過率が
５　ｍｌ　／　ｒｄ　・２４ｈｒｓ　−ａｔｍ以下で、
水素ガス透過率が７　ｍｌ　／　ｒｒｒ・２４ｈｒｓ　
・ａｉｍ以下である。

したがって、前記積層体を用いて製造したバルーンはヘ
リウムガス、水素ガスなどの気体を充填することによっ
て、長時間ガスの充填補充をすることなしに空中に浮か
ばせることができる。

本発明の積層体を用いて作られるバルーンの大きさには
特別の制限はない。しかし小さすぎると充分な浮力かえ
られないし、大きすぎると強度上の問題が出るので、体
積として約５〜５０００ｆＩの範囲で用いるのが好まし
い。

前記バルーンは球形に限られるものではなく、ラグビー
ボール状、円筒状をはじめ、動物の形状その他の複雑な
形状のものまで任意の形状とすることができる。

本発明の積層体を前記の種々の形状に加工するには、え
ようとする立体の展開図を作り、それにしたがって前記
積層体を裁断し、該積層体の最上層がヒートシール性を
有するプラスチックフィルム層かヒートシール性を有す
る上塗層であるばあいにはヒートシールによって、そう
でないばあいには接着剤を使用して各断片を接合し気密
構造とすればよい。前記バルーンには１個以上の逆止弁
骨のガス注入口を設ける。

本発明の積層体はヘリウムガスおよび水素ガスに対する
バリヤー性が高いので、−旦これらのガスを充填すると
長時間に亘ってその浮力を保持する。しかも透明なので
、がん具、商品デイスプレー、アトバルーンなど広い分
野での応用が可能である。たとえばバルーンの外表面ま
たは内表面に図柄、文字などを施し、バルーン＝　１３
− 内に光源を入れて光らせれば、夜間でもバルーン表面の
文字などを認識することが可能である。

その他バルーン内に商品見本を入れ宙に浮かせて、人々
に注目させることもできる。

バルーンを宙に浮かせるばあいには、バルーンにとりつ
けた索の他端を地上あるいは室内の床上に固定し、バル
ーンが風などによって流されることがなく常に管理下に
あるようにするのがよい。

つぎに本発明のバルーン用積層体を実施例をあげて説明
する。

実施例１ 厚さ１２ＡＩｍの延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの片面にＳＬとＳシ０２の混合物を蒸発源として厚
さ７０ｎｍのケイ素酸化物層（ケイ素原子と酸素原子の
原子比１　：　１．７　）を真空蒸着法により形成し、
さらにこの蒸着面上に厚さ３０加の無延伸ポリエチレン
フィルムを、ポリエステル系接着剤を３胴の厚さに塗布
し、８０℃で２０秒間乾燥後、２　ｋｇ　／　ｃ−の加
圧下で１００℃×１秒の条件のもとでドライラミネート
して積層体を作成した。

実施例２ 実施例１において、延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを厚さ１５μｍの延伸ナイロンフィルムに変えた
ほかは実施例１と同様な構成の積層体を作製した。

実施例３ 実施例１において、延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを厚さ１５１Ｍの延伸エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体に変えたほかは、実施例１と同様な構成の積
層体を作製した。

実施例４ 厚さ１．２．の延伸ナイロンフィルムの片面にＳｔとＳ
Ｌ　０２の混合物を蒸発源として厚さ５０ｎｍのケイ素
酸化物層（ケイ素原子と酸素原子の原子比１・１．７）
を真空蒸着法により形成し、さらに蒸着面上にポリウレ
タン樹脂系接着剤溶液［武田薬品工業（株）製タケラッ
クへ−３１０（固型分濃度５０重量％）と武田薬品工業
（株）製Ａ−３（固型分濃度７５重量％）との混合物（
重量混合比１２：１）３０重量部およびメチルエチルケ
トン−酢酸エチル混合溶剤（重量混合比１・１）７０重
量部からなるもの］を塗布、乾燥して厚さ５加の上塗層
を設けて積層体をえた。

実施例５ 厚さ１５加の延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体
フィルム上に２液型ポリエステル系アンカーコート剤（
東洋モートン（株）製、ｒＡＤ５０３　、ＣＡＴＩＯＪ
　）をグラビアコーティング法によって塗布、乾燥して
厚さ０．１扉の下塗層を設け、その上に実施例］と同様
にして厚さ４０ｎｍのケイ素酸化物層を形成し、さらに
実施例１と同様にしてポリエチレンフィルム層を設けて
積層体をえた。

比較例１ 厚さ３０μｍの延伸ポリエチレンフィルム上に厚さ５０
ｎｍのアルミニウム蒸着層を設け、さらに厚さ３０卯の
無延伸ポリエチレンフィルムを実施例１と同様にしてド
ライラミネートして積層体をえた。

比較例２ 厚さ１５ＪｉｒＩｌの延伸ナイロンフィルムに厚さ５０
ｎｍのアルミニウム蒸着層を設け、さらに厚さ３０゜の
無延伸ポリエチレンフィルムを実施例１と同様にしてド
ライラミネートして積層体を作製した。

比較例３ 厚さ１５〃ｍのエチレン−ビニルアルコール共重合体に
厚さ３（ｌｕｍの無延伸ポリエチレンフィルムを実施例
１と同様にしてドライラミネートして積層体を作製した
。

えられた各積層体についてヘリウムガス、水素ガスに対
するバリヤー性を調べた。結果を第１表に示す。

ガスバリヤ−性は、ヘリウムガス、水素ガスともに産工
試法（テスト条件　２０℃、６０％Ｒ１１）に従ってそ
れぞれのガスの透過度を測定することによって調べた。

さらに実施例１〜５および比較例１〜３てえた積層体を
用いて直径５０ｃｍの球状バルーンを作製した。それら
にヘリウムガスを充填し浮力をもたせてから室内に放置
し、該バルーンが浮力を失なうまでの日数を調べた。そ
の結果も第１表に併せて示す。

［以下余白コ 第１表から本発明のバルーン用積層体はガスバリヤ−性
が優れていることがわかる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明のバルーン用積層体はヘリウ
ムガス、水素ガスに対して充分なバリヤー性を有するの
で、これらの積層体を用いて作ったバルーンはヘリウム
ガスまたは水素ガスを充填することにより、長時間浮力
をもたせることが可能である。またガスバリヤ−性を高
めるためにフィルムを厚くしたり、多くのフィルムを積
層するなどの必要がないので、バルーンの厚さを薄くて
きて、より大きな浮力をうろことが可能となる。さらに
本発明の積層体は透明なのでバルーン内に入れた物品を
外からみることができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　プラスチック基材と、該プラスチック基材の片面に
   設けられた、ケイ素原子と酸素原子の原子比が１：０．
   ３〜２であるケイ素酸化物の透明薄膜層とからなるガス
   バリヤー性を有する透明なバルーン用積層体。 ２　透明薄膜層上にさらにプラスチックフィルム層が設
   けられている請求項１記載のバルーン用積層体。 ３　プラスチックフィルム層がヒートシール性を有する
   ものである請求項２記載のバルーン用積層体。 ４　透明薄膜層上またはプラスチックフィルム層上にさ
   らに上塗層が設けられている請求項１または２記載のバ
   ルーン用積層体。 ５　上塗層がヒートシール性を有するものである請求項
   ４記載のバルーン用積層体。 ６　プラスチック基材と透明薄膜層との間に下塗層が設
   けられている請求項１、２、３、４または５記載のバル
   ーン用積層体。 ７　プラスチック基材と、該プラスチック基材の片面に
   設けられた、ケイ素原子と酸素原子の原子比が１：０．
   ３〜２であるケイ素酸化物の透明薄膜層とからなるガス
   バリヤー性を有する透明な積層体から作製されてなるバ
   ルーン。