JP3730742B2 - 液体薬品用包装材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体薬品、特に液体内服薬に好適に用いられる包装材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な包装材料として、ポリエステル、ポリアミド等のフィルムに金属箔を積層した基材フィルムの一方の面にエチレン−酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン又はポリプロピレン等の熱接着性合成樹脂層を積層した包装材料は広く知られている。また、薬品用、特に液体薬品用の包装材料として、ポリ塩化ビニル系の包装材料や、内層からエチレン−プロピレン共重合体/低密度ポリエチレン/ポリエステルの順に積層された包装材料等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、包装材料中の可塑剤その他の配合成分が包装材料から溶出、浸透して内容物を汚染する可能性がある。なかでも、液体内服薬その他の液体薬品用の包装材料については、包装材料中の成分が溶出、浸透して内容物の液体薬品に好ましくない影響を及ぼすことを極力避けることが要求される。
【0004】
本発明の目的は、容易に製造可能であって、内容物の液体薬品が包装材料の成分によって好ましくない影響を受けることを避け得る、液体薬品を包装するのに適した包装材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、アルミニウム箔の両面にポリエステル−ウレタン系接着剤を介してポリエステルフィルムを積層し、この積層フィルムのいずれか一方の表面にポリエステル−ウレタン系アンカー剤をその付着量が0.1〜0.5g/m2 であるように塗工しさらにその上にアンカー剤浸透防壁層として厚さ20〜100μmの直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEという)を積層してなる液体薬品用包装材料である。
【0006】
本発明に係る液体薬品用包装材料の製造方法は、アルミニウム箔の両面にポリエステル−ウレタン系接着剤を介してポリエステルフィルムを積層し、次いで、この積層フィルムのいずれか一方の表面にポリエステル−ウレタン系アンカー剤をその付着量が0.1〜0.5g/m2 であるように塗工し、さらにその上にアンカー剤浸透防壁層として厚さ20〜100μmの直鎖状低密度ポリエチレンを、つや消しロールを用いて押し出しラミネートすることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る包装材料を模式的に示す断面図である。
【0008】
アルミニウム箔1の両面にそれぞれ積層されるポリエステルフィルム3,3は、ポリエチレンテフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルムを用いることができるが、通常は二軸延伸されたポリエチレンテフタレートフィルムが多く利用される。ポリエステルフィルム3,3の厚さは、目的とする包装体の大きさ等にもよるが、通常、12〜50μm、好ましくは12〜16μmである。アルミニウム箔1の両面の各ポリエステルフィルム3,3の厚さは、通常、同厚であるが、異なる厚さのフィルムを使用してもよく、また、異なる種類のポリエステルフィルムを用いてもよい。アルミニウム箔1の厚さは特に限定されるものではないが、通常、5〜20μm程度のアルミニウム箔が使用される。
【0009】
上記ポリエステルフィルム3,3は、アルミニウム箔1の両面にポリエステル−ウレタン系接着剤2,2を介して積層される。ポリエーテル−ウレタン系接着剤を使用した場合は、液体用包装材料としてポリエステルフィルム3,3とアルミニウム箔1との間の接着強度が充分ではない。ポリエステル−ウレタン系接着剤2,2としては、ポリエステル系ウレタンとキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系イソシアネートとを反応させて得られるものと、ポリエステル系ウレタンとトリレンジイソシアネート、ジフェニールメタンイソシアネート等の芳香族系イソシアネートとを反応させて得られるものとがあり、双方の接着剤は本発明に好適に使用できるが、包装袋とした場合、液体薬品が充填される内面側に脂肪族系イソシアネートを用いたポリエステル−ウレタン系接着剤を用いることが、溶出量等についてFDAが認可している基準を満足し得るので、より好ましい。ポリエステル−ウレタン系接着剤の塗布量は、通常、2.0〜5.0g/m2 、好ましくは3.0〜4.0g/m2 である。
【0010】
上記の積層フィルムのいずれか一方の表面には、ポリエステル−ウレタン系アンカー剤4をその付着量が0.1〜0.5g/m2 となるように少量塗工する。そして、アンカー剤浸透防壁層として厚さ20〜100μmのLLDPE5を積層する。ポリエステル−ウレタン系アンカー剤としては、例えば、芳香族系イソシアネートを使用したポリエステル−ウレタン系接着剤が用いられるが、前記の脂肪族系イソシアネートを使用したポリエステル−ウレタン系接着剤を用いることが、溶出量や溶出する物質についてFDAが認可している基準を満足し得るのでより好ましく、アンカー剤4としての付着量が0.1g/m2 未満であると、ポリエステルフィルム3とLLDPE5との密着性に問題があり、0.5g/m2 を超えるとアンカー剤成分が液体薬品へ溶出しやすくなるので好ましくなく、かかる知見を得た結果、この範囲に特定したものである。
【0011】
アンカー剤浸透防壁層としてのLLDPE5は、厚さ20μm以上である。厚さ20μm未満であると、アンカー剤の液体薬品への浸透が確実に防止されないからである。また、必要なヒートシール強度を得るためにも、20μm以上が必要である。一方、LLDPEの厚さの上限は100μmである。100μmを超えてもアンカー剤浸透防壁層としての効果はそれほど期待できないからである。LLDPE5の積層は、押し出しラミネーションによるのが好ましい。
【0012】
アンカー剤浸透防壁層としてのLLDPE5は、一般的包装材料として使用する場合配合されるスリップ剤及びアンチブロッキング剤を一切使わない無添加のものを用いることが好ましい。これにより、溶出成分を少なくして、内容物たる液体薬品への好ましくない影響をさらに避けることができる。
【0013】
スリップ剤、アンチブロッキング剤を使わないと、加工性は必ずしも良好とはいえないが、最内層のLLDPE5の押し出しラミネート時はつや消しロールを用いることにより、包装袋内面のLLDPE5に粗面を形成して滑り性を付与することができる。
【0014】
なお、アルミニウム箔1とポリエステルフィルム3,3とを接着剤を介して積層する場合、ポリエステルフィルム/アルミニウム箔/ポリエステルフィルムよりなる積層体のポリエステルフィルム面にコロナ放電処理等の表面処理を行えば、さらに接着強度が補強されるので、より好ましい。
【0015】
また、本発明の包装材料を用いて包装袋を製造する場合、公知の製袋方法により行うことができる。袋の形態は特に限定されるものではなく、例えば、LLDPE5が内層となるように折り返して必要箇所を熱接着した三方袋、いわゆるスチック袋といわれる背貼合掌袋、ガセット袋、あるいは自立性を有するスタンディングパウチ等に製袋することができる。
【0016】
【実施例】
〔実施例1〜3〕
厚さ9μmのアルミニウム箔の両面に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製:商品名エステルE−5100)を脂肪族系イソシアネート系のポリエステル−ウレタン系接着剤(武田薬品工業株式会社製:商品名タケラックA500,塗布量3.5g/m2 )を用いて積層し、次いで二軸延伸ポリエステルフィルムの一方の面に、芳香族系イソシアネート系ポリエステル−ウレタン系接着剤(東洋モートン株式会社製:商品名オリバインTX1439,付着量0.2g/m2 )を用いて、表1のごとく、LLDPEの厚さを変更しながら、つや消しロールを用いて押し出しラミネートすることにより、本発明の包装材料を得た。
【0017】
この包装材料を用いて外寸170×220mm(接液面積600cm2 )の三方袋を作成し、袋内に200mlの精製水を充填、密封し、70℃,24hr保存後、その液を試験液とした。試験液を第13日本薬局方「プラスチック製薬品容器試験法」の溶出物試験に規定する紫外吸収スペクトルにより、220〜240nm及び241〜350nmの最大吸光度を測定した。220〜240nmにおいては0.08以下、241〜350nmにおいては0.05以下が合格値である。測定値及び合否結果を表1に示す。
【0018】
〔比較例1〜3〕
厚さ9μmのアルミニウム箔の両面に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製:商品名エステルE−5100)を実施例と同様のポリエステル−ウレタン系接着剤(塗布量3.5g/m2 )を用いて積層し、次いで二軸延伸ポリエステルフィルムの一方の面に、実施例と同様のポリエステル−ウレタン系接着剤の塗布量を表1のごとく変えるとともに、LLDPEの厚さを変更しながら、押し出しラミネートすることにより包装材料を得た。
【0019】
この包装材料を用いて外寸170×220mm(接液面積600cm2 )の三方袋を作成し、袋内に200mlの精製水を充填、密封し、70℃,24hr保存後、その液を試験液とした。試験液を実施例と同様に第13日本薬局方「プラスチック製薬品容器試験法」の溶出物試験に規定する紫外吸収スペクトルにより、220〜240nm及び241〜350nmの最大吸光度を測定した。220〜240nmにおいては0.08以下、241〜350nmにおいては0.05以下が合格値である。測定値及び合否結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で適宜変更して実施し得るものである。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の包装材料は、容易に製造可能であるとともに、内容物の液体薬品が包装材料の成分によって好ましくない影響を受けることを避けることができ、かつ包装袋にした場合の開封性も良好であり、また包装袋の耐圧強度も大きいので、液体薬品特に液体内服薬を包装するのに適しており、その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である包装材料を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム箔
2 ポリエステル−ウレタン系接着剤
3 ポリエステルフィルム
4 ポリエステル−ウレタン系アンカー剤
5 LLDPE
Claims (2)
- アルミニウム箔の両面にポリエステル−ウレタン系接着剤を介してポリエステルフィルムを積層し、この積層フィルムのいずれか一方の表面にポリエステル−ウレタン系アンカー剤をその付着量が0.1〜0.5g/m2 であるように塗工しさらにその上にアンカー剤浸透防壁層として厚さ20〜100μmの直鎖状低密度ポリエチレンを積層してなる液体薬品用包装材料。
- アルミニウム箔の両面にポリエステル−ウレタン系接着剤を介してポリエステルフィルムを積層し、次いで、この積層フィルムのいずれか一方の表面にポリエステル−ウレタン系アンカー剤をその付着量が0.1〜0.5g/m2 であるように塗工し、さらにその上にアンカー剤浸透防壁層として厚さ20〜100μmの直鎖状低密度ポリエチレンを、つや消しロールを用いて押し出しラミネートすることを特徴とする液体薬品用包装材料の製造方法。
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JP04490197A JP3730742B2 (ja) | 1997-02-14 | 1997-02-14 | 液体薬品用包装材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP04490197A JP3730742B2 (ja) | 1997-02-14 | 1997-02-14 | 液体薬品用包装材料及びその製造方法 |
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JPH10226017A JPH10226017A (ja) | 1998-08-25 |
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- 1997-02-14 JP JP04490197A patent/JP3730742B2/ja not_active Expired - Fee Related
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