JPH0415308B2 - - Google Patents

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JPH0415308B2
JPH0415308B2 JP59204575A JP20457584A JPH0415308B2 JP H0415308 B2 JPH0415308 B2 JP H0415308B2 JP 59204575 A JP59204575 A JP 59204575A JP 20457584 A JP20457584 A JP 20457584A JP H0415308 B2 JPH0415308 B2 JP H0415308B2
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JP
Japan
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polyurethane elastomer
solution
polymer
fatty acid
wet
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JP59204575A
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JPS6183380A (ja
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Takeo Nishimura
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6183380A publication Critical patent/JPS6183380A/ja
Publication of JPH0415308B2 publication Critical patent/JPH0415308B2/ja
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ポリウレタンエラストマーを主体と
する重合体の溶液を湿式凝固させて平滑性の良好
な皮革様シート物を製造する方法に関する。 従来より、不織布、織布、編布等の繊維質基材
またはこれにバインダー樹脂を含浸した基材の上
にポリウレタンエラストマーを主体とする重合体
からなる被覆層を設けたシート物は、外観や物性
が天然皮革に類似しているため天然皮革の代替品
として靴、バツグ、ボール、ベルト、衣料等に広
く使用されている。そしてこれらシート物には、
当然のことながら天然皮革に類似した表面の平滑
性を初め、風合、折シボ、耐屈曲性等の性質が優
れていることが要求され、なかでも靴や衣料の用
途では表面の形押し模様の浅いもの、つまり浅シ
ボ品が多いため平滑性が非常にすぐれていること
が極めて重要である。このような要求品質は、該
皮革様シート物のポリウレタンエラストマーを主
体とする重合体の内部を均一なスポンジ構造とす
ることにより達成される。 ポリウレタンエラストマーを主体をする重合体
の溶液を湿式凝固するとスポンジ構造が得られる
が、平滑性が得られるほど均一なスポンジ構造を
得ることはなかなか容易なことではない。特にソ
フトセグメント成分としてポリエーテルグリコー
ルを使用したエーテル系ポリウレタンエラストマ
ーあるいはポリエーテルグリコールとポリエステ
ルグリコールを使用したエーテル・エステル系ポ
リウレタンエラストマーからはポリエステルグリ
コールのみを使用したエステル系ポリウレタンエ
ラストマーよりも一層困難である。その理由は、
エーテル系またはエーテル・エステル系のポリウ
レタンは疎水性が大きく、湿式凝固の際にその初
期にポリウレタンエラストマー溶液の表面に強固
な膜(スキン層)が形成され、これが凝固浴中の
非溶剤と重合体溶液中の溶剤の交換を阻害するた
めである。従来、この欠点を改良するための方法
として、ポリウレタンエラストマー溶液の中に高
級アルコール、高級脂肪酸、ウレタン、ウレイ
ド、ポリエチレングリコール、硼酸、水などを添
加する方法や、ポリウレタン溶液を凝固浴に浸漬
するに先立つて該溶液を予め水蒸気または湿気を
多量に含んだ空気中に放置することにより一部ゲ
ル化せしめる方法などが提案されている。しかし
ながら、これらの方法は均一なスポンジ構造すな
わち平滑な表面を得るためには必ずしも十分な方
法とは言えず、また製造上からしてもポリウレタ
ンエラストマー溶液の調整が可成り困難であつた
り、あるいは湿式凝固の工程が複雑でさらその条
件の許容範囲が狭くてコントロールしにくい等の
問題点があつた。 本発明者は、この問題点を解決するために広範
囲の研究を行なつた結果、ポリウレタンエラスト
マーを主体とする重合体の溶液に、 高級アルコール、高級アルキルアミン、ソル
ビタン脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸アミド
およびアルキルフエノールからなる群から選ば
れた少なくとも1種の化合物のエチレンオキサ
イド付加物と、 硫酸塩、スルホン酸塩おびリン酸塩の中から
選ばれた少なくとも1種の化合物と、 水、低級アルコール、脂肪酸エステル、およ
びアルキレンジアミン酢酸塩の中から選ばれた
少なくとも1種の化合物、 を添加し、湿式凝固させることにより均一なスポ
ンジ構造が容易にしかも安定して得られ、その結
果平滑性の非常にすぐれた皮革様シート物が製造
できることを見出した。 次に本発明の各構成要件について詳しく説明す
る。 本発明において湿式凝固される際の重合体の溶
液は、繊維質基材に含浸または塗布された状態で
あつても、あるいは支持体上に塗布された状態で
あつてもよい。繊維質基材としては、不織布、織
布、編布などの繊維を主体とするシート状物であ
り、所望により重合体がバインダーとして含浸凝
固されているものである。繊維質基材を構成する
繊維としては、木綿、麻、羊毛、レーヨン、アセ
テート、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリル
ニトリル、ビニロン、ポリオレフイン等があげら
れ、合成繊維の場合には単独紡糸繊維はもちろん
のこと、これら或はこれらと他の重合体との混合
または複合紡糸繊維であつてもよい。混合或いは
複合紡糸繊維が用いられる場合には、皮革様シー
トを作製する任意の段階で該繊維を構成する複数
のポリマーのうち少なくとも1種のポリマーを抽
出除去するか或いはポリマー間で分割処理する方
法を採用するのが好ましい。 繊維質基材に所望により付与されるバインダー
としては、一般には皮革様シート物に使用される
もの全てが使用可能であり、たとえばポリウレタ
ンエラストマー、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、合
成ゴム等が使用される。これらのバインダーは、
溶液またはエマルジヨンの状態で含浸法、コーテ
イング法等により繊維を主体とするシート物内に
含浸され、乾式法または湿式法により凝固される
が、湿式凝固によりスポンジを有する構造にした
方が風合や引裂強度等の点で好ましい。これらバ
インダー樹脂としてポリウレタンエラストマーを
主体とする重合体を用いる場合には、この樹脂の
付与方法として本発明の方法を用いることもでき
る。 このような基材の少なくとも片面には多孔質ま
たは非多孔質の被覆層が付与されている。基体層
に本発明方法が用いられていない場合にはこの被
覆層に用いられる。この場合には、被覆層は当然
のことながら多孔質またはそれと非多孔質層の積
層体となつている。多孔質被覆層は、重合体溶液
を基材上に直接塗布して湿式凝固するか、あるい
は支持体上に塗布して湿式凝固し、しかる後に得
られる多孔質フイルムを基材に貼り合わせる方法
により繊維質基材と一体化される。 本発明で使用するポリウレタンエラストマー
は、ポリマーグリコール、有機ポリイソシアネー
トおよび鎖伸長剤から主として合成される。ポリ
マーグリコールとしては、ポリエチレンアジペー
トグリコール、ポリブチレンアジペートグリコー
ル、ポリヘキサメチレンアジペートグリコール、
ポリカプロラクトングリコール等のポリエステル
グリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレンググリコール、ポリテトラメチレングリ
コール、ポリヘキサメチレングリコール等のポリ
エーテルグリコール類等が挙げられる。有機ポリ
イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネ
ート、ジフエニルジイソシアネート、ジフエニル
メタン−4,4′−ジイソシアネート、ナフチレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート等が挙げられる。また鎖伸長剤と
しては、活性水素原子を1個以上有する低分子化
合物、たとえばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール、ペンチルグリ
コール、ヘキシルグリコール、ジエチレングリコ
ール、4,4′−ジヒドロキシジフエニルメタン、
ヒドラジン、エチレンジアミン、トリメチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミ
ン、ペンチルジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、N−メチルトリメチレンジアミン、フエニレ
ンジアミン、トリレンジアミン、ナフチレンジア
ミン、4,4′−ジアミノジフエニルメタン、ジシ
クロヘキシルアミン、4,4′−ジアミノジシクロ
ヘキシルメタン、イソホロンジアミン、エタノー
ルアミン、ブタノールアミン、ヘキサノールアミ
ン等が挙げられる。なかでもソフトセグメント成
分として、炭素数が2〜6個のアルキレン基を有
するポリエーテルグリコールを使用する場合ある
いはこれと炭素数が2〜6個のグリコールとアジ
ピン酸の縮合物であるポリエステルグリコールと
を併用する場合が凝固性および物性の点で好まし
く、その平均分子量は500〜4000の範囲が好まし
い。また有機ポリイソシアネートとしては芳香環
を有するもの、特にジフエニルメタン−4,4′−
ジイソシアネートが、さらに鎖伸長剤としては炭
素数2〜6のアルキレングリコールが凝固性およ
び物性の点で最良である。さらに凝固性および物
性等の点から、ポリウレタンエラストマー中にお
けるジイソシアネート基に基づく窒素含有量が
2.5〜7重量%、特に3〜6重量%のポリウレタ
ンエラストマーが好ましい。 該ポリウレタンエラストマーには溶液状態で相
溶性の良好な重合体、例えばポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール、メタアク
リル酸樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の
ほか、各種安定剤、充填剤、顔料、染料等が必要
により添加されていてもよい。 また該ポリウレタンエラストマーを主体とする
重合体の溶液中には、湿式凝固性を改善し均一な
スポンジ構造を得るために、本発明の特徴であ
る、 高級アルコール、高級アルキルアミン、ソル
ビタン脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸アミド
およびアルキルフエノールからなる群から選ば
れた少なくとも1種の化合物のエチレンオキサ
イド付加物と、 硫酸塩、スルホン酸塩およびリン酸塩の中か
ら選ばれた少なくとも1種の化合物と、 水、低級アルコール、脂肪酸エステル、およ
びアルキレンジアミン酢酸塩の中から選ばれた
少なくとも1種の化合物、 が添加される。該化合物、、は、重合体層
内に均一な巨大気孔あるいは微細気孔を形成せし
め得られる多孔質層の折シボ、風合、耐屈曲性、
透気・透湿性等を良好なものとするために極めて
卓越した効果を発揮する。特に耐菌性、耐加水分
解性、耐薬品劣化性が非常に良好であるという大
きな利点を有しているにもかかわらず湿式凝固性
が不良なために今まであまり使用されていなかつ
たエーテル系またはエーテル・エステル系ポリウ
レタンエラストマーに対しても該化合物が非常に
有効であるということは誠に驚くべきことであ
る。 本発明の方法においては、前述したように、
、の群からそれぞれ少なくとも1種の化合物
を選び出し、これらを併用するものであるが、こ
れらの化合物を単独で使用した場合には本発明の
目的、すなわち均一な巨大気孔あるいは微細孔を
有するスポンジ構造体を工業的に安定して得るこ
とは困難である。併用することにより初めて所期
の目的が達成できることとなる。 高級アルコールあるいはアルキルフエノールの
エチレンオキサイド付加物としては、ポリオキシ
エチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイル
エーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエー
テル、ポリオキシエチレンラウリルフエノールエ
ーテル、ポリオキシエチレンステアリルフエノー
ルエーテル等があげられ、高級アルキルアミンの
エチレンオキサイド付加物としてはオクチルアミ
ン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂ア
ルキルアミン、ジラリルアミン、ジステアリルア
ミン、ステアリルメチルエチルアミン等のエチレ
ン付加物があげられる。またソルビタン脂肪酸エ
ステルのエチレンオキサイド付加物としてはソル
ビタンモノカプリレート、ソルビタンジカプリレ
ート、ソルビタントリカプリレート、ソルビタン
モノステアレート、ソルビタンジステアレート、
ソルビタントリステアレート等のエチレンオキサ
イド付加物があげられ、脂肪酸あるいは脂肪酸ア
ミドのエチレンオキサイド付加物としては、ポリ
オキシエチレンカプリレート、ポリオキシエチレ
ンラウレート、ポリオキシエチレンステアレー
ト、ポリオキシエチレンラウリン酸エタノールア
ミド、ポリオキシエチレンステアリン酸エタノー
ルアミド、ポリオキシエチレンカプリン酸アミ
ド、ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリ
オキシエチレンステアリン酸アミド等がある。こ
れらの化合物の中ではポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ルが特に好ましく、その添加量は重合体溶液に対
して0.1〜7重量%が適当である。 またこれらと併用する硫酸エステル塩やスルホ
ン酸塩はポリウレタンエラストマーの溶剤に可溶
なものあるいはポリウレタンエラストマー溶液中
で安定な微粒子として存在するものが好ましく、
特に可溶なものが好ましい。このようなものとし
ては、例えば C8H17O(C2H4O)4SO3Na, C9H19O(C2H4O)6SO3Na, C12H25O(C2H4O)3SO3Na, C14H29O(C2H4O)2SO3Na, C8H17OSO3HN(C2H4OH)3, C11H23OSO3HN(C2H4OH)3, C14H29OSO3HN(C2H4OH)3, C8H17O(C2H4O)5SO3HN(C2H4OH)3, C12H25O(C2H4O)2SO3HN(C2H4OH)3, C14H29O(C2H4O)3SO3HN(C2H4OH)3, C9H19OSO3H3NC2H4OH,
C14H29OSO3H3NC2H4OH, C8H17O(C2H4O)3SO3H3NC2H4OH, C13H27O(C2H4O)6SO3H3NC2H4OH, C6H13OSO3Na,
【式】 CH3CH(C2H5)C4H8OSO3Na,
【式】 C6H13SO3Na,
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】 C12H25CONHSO3Na,C18H37CONHSO3Na, C12H25CONH(CH2CH2O)4SO3Na, C18H37CONH(CH2CH2O)8SO3Na 等があり、なかでもアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩、アルキルアリールエーテル硫酸エステル
塩、アルキル硫酸エステルエタノールアミン塩、
脂肪酸アミドスルホン酸塩およびこれらのエチレ
ンオキサイド付加物が特に好ましい。またリン酸
塩としては、オクチルリン酸カリ、オレイルリン
酸カリ、ラウリルリン酸カリ、ステアリルリン酸
カリ、オクチルリン酸ソーダ、オレイルリン酸ソ
ーダ、ラウリルリン酸ソーダ、ステアリルリン酸
ソーダ、ノニルフエノールリン酸カリ、デシルフ
エノールリン酸カリ、オレイルフエノールリン酸
カリ、ステアリルフエノールリン酸カリ、ノニル
フエノールリン酸ソーダ、ラウリルフエノールリ
ン酸ソーダおよびこれらのエチレンオキサイド付
加物等がある。これらの化合物の添加量は重合体
溶液に対して0.1〜7重量%が好ましい。 さらにこれらの化合物と共に、水、低級アルコ
ール、脂肪酸エステル、およびアルキルジアミン
酢酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の
化合物が添加される。低級アルコールとしてはメ
タノール、エタノール、プロパノール等がある。
脂肪酸エステルとしては、カプリン酸メチルエス
テル、ラウリン酸メチルエステル、ステアリン酸
メチルエステル、ステアリン酸エチルエステル、
ステアリン酸ブチルエステル等が挙げられ、また
アルキレンジアミン酢酸塩としては、エチレンジ
アミン酢酸ソーダ、エチレンジアミン酢酸カリ、
ブチレンジアミン酢酸ソーダ等が挙げられ、これ
らの添加量は重合体に対して各々0.1〜10重量%
が好ましい。また水あるいは低級アルコールを用
いる場合の好ましい添加量は重合体溶液に対して
0.1〜5重量%である。 以上、、、の3つの群の化合物はそれぞ
れちがつた作用を持つている。つまり群の化合
物は微細孔をつくる働きを持つているのに対し、
群の化合物は巨大孔をつくる働きを持つてい
る。また群の化合物は、群と群の化合物が
うまく調和するように仲介作用を有する。従つて
、、の3群の化合物の添加量を適当に選ぶ
ことによつて巨大孔から微細孔まで任意のスポン
ジ構造を得ることができる。このように3種の全
く異つた効果を持つた化合物のバランスでもつて
重合体溶液の塗布斑や温度斑、凝固液の濃度斑や
流れ斑等が不可避的に発生する生産でも希望のス
ポンジが安定に得られるようになることは今まで
に誰れもが考えつかなかつたことであり、工業的
に極めて重要である。 本発明方法においては、このような化合物を添
加したポリウレタンエラストマーを主体とする重
合体の溶液を湿式凝固させるのであるが、溶液を
構成する溶媒としては、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド等の非プロトン性有機極性
溶媒あるいこれに他の溶媒、例えばアルコール類
やセロソルブ類等を添加した混合溶媒が一般に用
いられる。 ポリウレタンエラストマーを主体とする重合体
の溶液の湿式凝固は、該重合体の非溶剤またはこ
れと溶剤との混合液を入れた凝固浴中にポリウレ
タンエラストマーを主体とする重合体の溶液を浸
漬することにより行なわれる。 本発明では凝固条件としては重合体の溶剤と非
溶剤の比率が10〜60:90〜40で、温度が20〜70℃
で行う。重合体の溶剤の量が10重量%を下廻ると
巨大孔が余りにも大きくなつたり、多くなりすぎ
るに対して、逆にそれが60%を超えるとスポンジ
が緻密化しすぎて、いずれの場合にも折シボや面
の平滑性等が不良となりやすい。また温度も20℃
以下では巨大なスポンジが多発しすぎ、折シボ、
平滑性、表面強度等が不良となり、一方70℃以上
ではスポンジが緻密化しすぎて折シボ、風合、平
滑性等が悪くなる場合がある。以上のようにして
得た皮革様シート物は極めて折シボが良好であ
り、以下具体的に実施例を挙げて本発明を説明す
る。なお実施例における%はすべて重量に基ず
く。 実施例 1 ポリエチレンフイルムを支持体として、この上
にポリテトラメチレングリコール/ポリエチレン
アジペートグリコール(重量比6/4)とジフエ
ニルメタン−4,4′−ジイソシアネートとエチレ
ングリコールから合成された窒素含有量4.8%の
ポリウレタンエラストマー12.0%、ポリ塩化ビニ
ル1.0%、カーボンブラツク0.2%、ポリオキシエ
チレンオレイルエーテル0.5%、2−エチルヘキ
シル硫酸ソーダ1.0%、エチレンジアミンテトラ
酢酸ソーダ0.2%、ステアリン酸メチル0.1%およ
びジメチルホルムアミド85.0%の溶液を固形分で
80g/m2塗布し、ジメチルホルムアミドを45%含
む40℃の水溶液で30分間凝固してから支持体より
はがし、温水で十分脱溶剤したのち、乾燥して多
孔質フイルム(a)を得た。このものは内部に均一な
巨大スポンジが多数できており表面の平滑性も良
好であつた。次いでこれをポリエステル織布の上
に架橋形ポリウレタンエラストマー溶液を用いて
接着し、この上にポリエチレンアジペートグリコ
ール、ジフエニルメタン−4,4′−ジイソシアネ
ートおよびエチレングリコールよりなるポリウレ
タンエラストマー8.0%、カーボンブラツク1.5
%、ジメチルホルムアミド28.0%、アセトン38.0
%およびシクロヘキサノン24.5%からなる溶液を
固形分で3.8μの厚みとなるようにグラビア法で塗
布し乾燥してから毛絞模様の形押しをし、最後に
モミ加工を行つた。このようにして得た皮革様シ
ート物〔〕は表面の平滑性をはじめ折シボ、風
合、物性等すべて良好であつた。一方、前記と同
じ支持体の上に前記と同じポリウレタンエラスト
マー12.0%、ポリ塩化ビニル1.0%、カーボンブ
ラツク0.2%、ステアリルアルコール0.2%および
ジメチルホルムアミド86.6%よりなる溶液を前記
と同じように塗布し、続いて湿式凝固、脱溶剤お
よび乾燥して多孔質フイルム(b)を得た。このもの
は内部に不均一な巨大孔が散発し、表面が可成り
激しく凹凸していた。これを前記と同じようにナ
イロン織布に接着し、次いで表面仕上げとモミ加
工も前記と同様に行つて皮革様シート物〔〕を
製造した。このものは表面の平滑性が非常に悪
く、折シボ、風合も不良であつたので商品価値は
低くかつた。他方、前記と同じポリウレタンエラ
ストマー12.0%、ポリ塩化ビニル1.0%、カーボ
ンブラツク0.2%、ポリオキシエチレンオレイル
エーテル0.5%、エチレンジアミンテトラ酢酸ソ
ーダ0.2%、ステアリン酸メチル0.1%およびジメ
チルホルムアミド86.0%よりなる溶液、前記と同
じポリウレタンエラストマー12.0%、ポリ塩化ビ
ニル1.0%、カーボンブラツク0.2%、2−エチル
ヘキシル硫酸ソーダ1.0%、エチレンジアミンテ
トラ酢酸ソーダ0.2%、ステアリン酸メチル0.1%
およびジメチルホルムアミド85.5%よりなる溶
液、前記と同じポリウレタンエラストマー12.0
%、ポリ塩化ビニル1.0%、カーボンブラツク0.2
%、エチレンジアミンテトラ酢酸ソーダ0.2%、
ステアリン酸メチル0.1%およびジメチルホルム
アミド86.5%よりなる溶液の3種から前記と同じ
ようにしてそれぞれ多孔質フイルム(c)、(d)、(e)を
得た。多孔質フイルム(c)の内部には不均一な巨大
孔が散発し、表面に凹凸が多数認められた。また
多孔質フイルム(d)の内部には大きさの可成りちが
う巨大孔が多発し、表面には凝固液の流れ斑によ
ると考えられる筋状の凹みが発生していた。さら
に多孔質フイルム(e)の内部には巨大孔が散発し、
表面が激しく凹凸していた。次にこれらの多孔質
フイルムから前記と同じようにしてそれぞれ皮革
様シート物〔〕、〔〕、〔〕を製造した。これ
らのものはいずれも表面の平滑性が不良で、折シ
ボ、風合、物性等も悪く商品価値が低くかつた。 実施例 2 ナイロン不織布にポリプロピレングリコール、
ジフエニルメタン−4,4′−ジイソシアネートお
よびブタンジオールよりなる窒素含有量が4.4%
のポリウレタンエラストマー15.5%、酸化チタン
0.4%、ポリオキシエチレンソルビタントリステ
アレート0.5%、ポリオキシエチレンリノール酸
アミド硫酸ソーダ2.0%、水2.0%およびジメチル
ホルムアミド79.6%の溶液を含浸し、この上に同
じ溶液を固形分で100g/m2塗布し、ジメチルホ
ルムアミドを40%含む45℃の水溶液に30分間浸漬
して湿式凝固したのち脱溶剤と乾燥を行つた。こ
のものは重合体層内に均一な巨大孔を有し、表面
の平滑性も良好であつた。さらにこの上に実施例
1の多孔質フイルムと同じポリウレタンエラスト
マー8%、酸化チタン8%、ジメチルホルムアミ
ド30%、アセトン39%およびシクロヘキサノン15
%よりなる溶液を固形分で4.3μ塗布し、地生模様
の形押しをしてからモミ加工し、皮革様シート物
〔〕を製造した。このものは表面の平滑性はも
ちろん、風合、折シボ、物性等がすべて良好で商
品価値が高かつた。一方、前記本実施例の不織布
に重合体溶液を含浸および塗布したものを、ジメ
チルホルムアミドを70%含む70℃の水溶液と20℃
の水でそれぞれ湿式凝固し、次いで脱溶剤と乾燥
を行つた。このうち70℃のジメチルホルムアミド
70%水溶液で凝固したものはスポンジはほとんど
緻密化して密度が非常に高くなり、表面に凹凸が
多数認められたのに対し20℃の水で凝固したもの
は不ぞろいの大きな巨大孔が非常に多く発生し、
表面の平滑性も良くなかつた。これらを前記本実
施例と同じようにして表面仕上げとモミ加工を行
い、それぞれ皮革様シート物〔〕、〔〕を製造
したがいずれも表面の平滑性をはじめ折シボ、物
性等不良で商品価値は低くかつた。 実施例 3 ナイロン不織布にポリカプロラクトングリコー
ル、ジフエニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
トおよびエチレングリコールよりなる窒素含有量
4.2%のポリウレタンエラストマー13.0%、カー
ボンブラツク0.2%、ポリオキシエチレンオクタ
デシルアミン4.0%、ポリオキシエチレンラウリ
ル硫酸ソーダ0.5%、エチレンジアミンテトラ酢
酸ソーダ0.1%、水0.5%およびジメチルホルムア
ミド81.7%の溶液を含浸し、この上に同じ溶液を
固形分で120g/m2塗布してからジメチルホルム
アミドを40%含む50℃の水溶液中で30分間湿式凝
固し、次いで脱溶剤と乾燥を行つた。このものは
重合体層に均一な微細スポンジが無数に存在し、
表面の平滑性が良好であつた。このものを実施例
1と同じように表面仕上げとモミ加工したとこ
ろ、表面の平滑性、風合、折シボ、物性等のすべ
てが良好で、商品価値が高かつた。 実施例4〜11、比較例1〜9 前記実施例1において、化合物、、にそ
れぞれ対応する化合物およびその添加量を表−1
および表−2に示すように変更する以外は実施例
1と同様に行ない、多孔質フイルムを製造し、さ
らに皮革様シート物を製造した。得られた多孔質
フイルムの気孔の状態および皮革様シート物の表
面状態を表−1および表−2に示す。
【表】
【表】 * 重合体に対する重量%であり、その他は溶液全体
に対する重量%である。
【表】 * 表−1と同じ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリウレタンエラストマーを主体とする重合
    体の溶液を湿式凝固して皮革様シート物を得るに
    際して、 高級アルコール、高級アルキルアミン、ソル
    ビタン脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸アミド
    およびアルキルフエノールからなる群より選ば
    れた少なくとも1種の化合物のエチレンオキサ
    イド付加物と、 硫酸塩、スルホン酸塩およびリン酸塩の中か
    ら選ばれた少なくとも1種の化合物と、 水、低級アルコール、脂肪酸エステルおよび
    アルキレンジアミン酢酸塩の中から選ばれた少
    なくとも1種の化合物、 を添加した重合体溶液を湿式凝固させることを特
    徴とする外観の良好な皮革様シート物の製造方
    法。 2 ポリウレタンエラストマーがエーテル系ポリ
    ウレタンエラストマー或はエーテル・エステル系
    ポリウレタンエラストマーである特許請求の範囲
    第1項記載の製造方法。 3 湿式凝固を重合体の溶剤と非溶剤の比率が10
    〜60:90〜40で温度が20〜70℃で行う特許請求の
    範囲第1項記載の製造方法。
JP20457584A 1984-09-28 1984-09-28 外観の良好な皮革様シ−ト物の製造方法 Granted JPS6183380A (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6128080A (ja) * 1984-07-10 1986-02-07 Kuraray Co Ltd 折シボの良好なシ−ト物の製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6128080A (ja) * 1984-07-10 1986-02-07 Kuraray Co Ltd 折シボの良好なシ−ト物の製造法

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