JPH0412032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、送り出し方向に並び立てられた多数
の板状体群を、その所定枚数に分割しながら板状
体をその前面が上方に向くと共に、板状体の下端
が前方になるように倒置状態に繰り出す板状体の
送出装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種の板状体の送出装置としては、本
出願人は先に次のような送出装置を提案した。即
ち、多数の板状体群を送り出し方向に並べ立てた
状態で前方に搬送する送出コンベアと、送り込み
端を送出コンベアの送り出し端にくい込ませて送
出コンベアと同一方向に延設し、送出コンベアが
送りこんだ所定枚数の板状体をその前面が上方に
向くと共に板状体の下端が前方になるように倒置
された板状体を繰り出す繰出コンベアとから成
り、前記繰出コンベアを前記送出コンベアの搬送
面の下方位置から上方位置に延設すると共に、繰
出コンベアの搬送面を第１搬送面と、該第１搬送
面と送出コンベアの搬送面とがなす傾斜角よりも
小さい傾斜角をもつて延びる第２搬送面とで構成
し、該繰出コンベアの搬送面を送出コンベアの搬
送面より早い搬送速度とした装置を提案した。

しかしこのような構成においては、板状体の送
出処理能力を増加するために、送出コンベアの搬
送面および繰出コンベアの搬送面の夫々の搬送速
度をアツプした場合においては、送出コンベアに
並べ立てられた板状体群から所定枚数の板状体を
繰出コンベアに送り出した後送出コンベアの送り
出しを停止したときに送出コンベアの板状体群の
先端側の板状体が早い速度で移動している繰出コ
ンベアの搬送面に引きずり込まれて前方に送り出
されたり、或いは板状体の下端が移動中の繰出コ
ンベアの搬送面に接して損傷しやすい不都合を生
ずる。

（解決しようとする問題点） 本考案はかかる従来の不都合を解消し、並べ立
てられた多数の板状体群を所定枚数ずつに分割し
ながらその前面が上方に向くと共に板状体の下端
が前方になるようにかつ厚さの薄い板状体であつ
てもその下端に傷つけることなく自動的に倒置せ
しめ、この倒置状態で送り出し方向に能率よく繰
り出すことが出来る装置を提供しようとするもの
である。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、前記問題点を解消するためになされ
たものであつて、多数の板状体群を送り出し方向
に並べ立てた状態で前方に搬送する送出コンベア
と、送り込み端を送出コンベアの送り出し端にく
い込ませて送出コンベアと同一方向に延設し、送
出コンベアが送り込んだ所定枚数の板状体をその
前面が上方に向くと共に板状体の下端が前方にな
るように倒置された板状体を繰り出す繰出コンベ
アとから成り、前記繰出コンベアを前記送出コン
ベアの搬送面の下方位置から上方位置に延設する
と共に、繰出コンベアの搬送面を第１搬送面と、
該第１搬送面と送出コンベアの搬送面とがなす傾
斜角よりも小さい傾斜角をもつて延びる第２搬送
面とで構成し、該繰出コンベアの搬送面を送出コ
ンベアの搬送面より早い搬送速度としたものにお
いて、送出コンベアから繰出コンベアへの板状体
の送り出し位置に送出コンベア上の板状体群の先
端側の板状体を繰出コンベアの第１搬送面より上
方へ持ち上げる持上装置を設けたことを特徴とす
る。

（実施例） 以下本考案を図面により説明する。

第１図ないし第５図は給紙機に用いた本考案実
施の１例を示すものである。

図面で、１は送出コンベア、２は繰出コンベ
ア、３は持上装置を示す。

送出コンベア１は１対のサイドフレーム４間に
間隔をあけて設けられた複数の平行な無端チエー
ンコンベア５を備える。そして各チエーンコンベ
ア５はモーター６によつて駆動される。また各チ
エーンコンベア５と共に板状体７群を送り出し方
向Ｘに移動させるフオーク８をチエーンコンベア
５に連結して備えている。更に送出コンベア１は
ローラーを備えた受台９に積み重ねられた多数の
板状体７群をフオーク８と共に受け取り、この状
態でチエーンコンベア５およびフオーク８をサイ
ドフレーム４と共に回動自在に支持する軸１０を
備えている。そしてチエーンコンベア５とフオー
ク８とを第１図仮想線示のように積み重ねた板状
体７群を受け取つた状態Ａから第１図実線示のよ
うに板状体７群を送り出し方向Ｘに並べ立てた状
態すなわち送り出し状態Ｂまで回動させる駆動装
置１１を備える。更に送り出し状態Ｂにおいて
は、チエーンコンベア５はその送り出し端１２側
がやゝ上向きの傾斜状態をとるようになつてい
る。

繰出コンベア２は板状体７群の送り出し方向Ｘ
に対し平行方向であつて間隔をあけて前記送出コ
ンベア１と同一方向に延設された複数の平行な無
端のベルトコンベア１３を備える。そしてこのベ
ルトコンベア１３すなわち繰出コンベア２の搬送
面１４は第３図示のように前記送出コンベア１の
チエーンコンベア５の搬送面１５の下方位置から
上方位置に延びかつチエーンコンベア５の搬送面
１５に対して上向きの傾斜角θを有する第１搬送
面１６と、この第１搬送面１６とチエーンコンベ
ア５の搬送面１５とがなす傾斜角θよりも小さい
傾斜角をもつて延びる第２搬送面１７とを備える
ものである。このためベルトコンベア１３の内面
側に第１搬送面１６および第２搬送面１７を一定
の傾斜角に保持するための案内部材１８を設け
た。そして前記送出コンベア１が板状体７群の送
り出し状態Ｂにあるとき、繰出コンベア２の送り
込み端１９を送出コンベア１の送り出し端１２に
くい込むように配置した。更に繰出コンベア２の
繰り出し端２０は後記する受け取り手段２１の受
け取り端２２間にくい込ませて配置させた。ま
た、各ベルトコンベア１３はモーター２３によつ
て駆動プーリー２４を介して相互に連動して板状
体７群の送り出し方向Ｘに駆動させるようになつ
ており、かつベルトコンベア１３すなわち繰出コ
ンベア２の搬送面１４の搬送速度V₂を前記チエ
ーンコンベア５すなわち送出コンベア１の搬送面
１５の搬送速度V₁より早く駆動するようにした。

持上装置３は第３図示のように送出コンベア１
側の端部が下方に曲げられた屈曲部２５を備え、
下面がＬ字形状の揺動腕２６に支持された平板状
の持上部２７を備える。更に持上装置３は揺動腕
２６の連結部２８に作用して軸２９を支点にして
屈折部２５と共に持上部２７を前記繰出コンベア
２の第１搬送面１６より上昇および下降させるた
めの油圧或いは空気圧作動のピストンシリンダ装
置３０を備えている。

また、第２図および第３図示のように複数の持
上装置３を前記送出コンベア１が板状体７群の送
り出し状態Ｂにあるとき、送出コンベア１から繰
出コンベア２への板状体７の送り出し位置Ｓに設
けると共に、送出コンベア１より所定枚数の板状
体７を繰出コンベア２に送り出し作動中は持上部
２７と屈折部２５とが送出コンベア１の搬送面１
５および繰出コンベア２の第１搬送面１６より下
方になるように配置した。

受け取り手段２１は板状体７の送り出し方向Ｘ
に対し平行方向であつて間隔をあけて設けられた
複数の平行の移送コンベア３１を備えるものであ
り、図示のものでは移送コンベア３１の駆動を移
送コンベア３１の受け取り端２２側に設けた駆動
プーリー３２の軸３３と、前記繰出コンベア２の
ベルトコンベア１３の繰り出し端２０側に設けた
駆動プーリー２４の軸３３と同一軸線上に配置し
てモーター２３によつてベルトコンベア１３の駆
動と同時にかつ同速で行うようにした。

次に本考案装置の作動について説明する。

まず第１図仮想線示のように積み重ねた板状体
７群を受け取り状態Ａにおかれた送出コンベア１
に、予め多数の板状体７群の面３４を上方に向け
て積み重ねられた各板状体７をコンベア（図示せ
ず）によつて送られてくると、各板状体７は受台
９にそのまゝ受け取られ、これを検出して駆動装
置１１によりチエーンコンベア５および受台９を
軸１０を中心として第１図実線示のように板状体
７群の送り出し状態Ｂまで回動し多数の板状体７
群はチエーンコンベア５上に並べ立てられると共
に、板状体７の面３４は前面３４ａとなる。

次にモーター６の回転に伴いチエーンコンベア
５上の板状体７群は第１図示のようにフオーク８
と共にチエーンコンベア５の送り出し端１２へ押
し進められ、第３図示のように並べ立てられた板
状体７群の最初の板状体７ａの下端３５がチエー
ンコンベア５の送り出し端１２に到達するとこの
板状体７ａの下端３５が繰出コンベア２のベルト
コンベア１３の送り込み端１９に送り込まれる。
この送り込まれた板状体７ａの下端３５の搬出は
送出コンベア１の搬送速度V₁より早い搬送速度
V₂を有する繰出コンベア２の第１搬送面１６に
よつて早められて、その下端３５は前方に繰り出
されると共に第２搬送面１７に搬送される。同様
に第１搬送面１６によつて板状体７ｂ……７ｘの
各下端３５も前方に繰り出されながら第２搬送面
１７へ搬送される。そして送出コンベア１上に並
べ立てられた板状体７群からその所定枚数をフオ
ーク８によつて繰出コンベア２側に押し進めて、
所定枚数の最後の板状体７ｘの下端３５が送出コ
ンベア１の送り出し端１１の送り出し位置Ｓに到
達すると送出コンベア１を停止して所定枚数の板
状体７を繰出コンベア２への送りを完了させると
共にこれに続く板状体７群の送り出し方向Ｘへの
送りを停止する。

続いてこの送り出し方向Ｘへの板状体７群の送
り停止を検出して第４図示のようにピストンシリ
ンダ装置３０により揺動腕２６の連結部２８を軸
２９を支点として図示では反時計方向に回動せし
めて揺動腕２６に支持されている屈折部２５と持
上部２７とを上昇せしめて送出コンベア１上の板
状体７群の先端側の少数の板状体７ｙを持上部２
７で繰出コンベア２の第１搬送面１６より僅かに
持ち上げると共に、屈折部２５で持ち上げられた
板状体７ｙに続く板状体７ｚの下端３５近傍に当
接させて送出コンベア１より両板状体７ｙ，７ｚ
の送り出しを完全に停止させる。

一方すでに送出コンベア１の搬送速度V₁より
早い搬送速度V₂を有する繰出コンベア２の第１
搬送面１６によつて繰り出された状態の所定枚数
の板状体７の各下端３５は更に第１搬送面１６と
第２搬送面１７との進行によつてその各下端３５
は第１図示のように分割された所定枚数の板状体
７はその前面３４ａは上方に向けられると共に、
各下端３５が送り出し方向Ｘに向けられるように
繰出コンベア２上で自動的に倒置状態となつて受
け取り手段２１の受け取り端２２に繰出コンベア
２の繰り出し端２０より繰り出し、受け取り手段
２１の移送コンベア３１で送り出し方向Ｘへ搬送
させる。

以降、前記説明したような順序で送出コンベア
１上に並べ立てられた状態の板状体７群をその所
定枚数に分割しながら送出コンベア１より繰出コ
ンベア２に押し進ませて繰出コンベア２で倒置せ
しめ、その状態のまゝで受け取り手段２１に繰り
出させる。かくて送出コンベア１上に並べ立てら
れた多数の板状体７群をその所定枚数毎に繰出コ
ンベア２上に送り出せば送出コンベア１の搬送速
度V₁より早い搬送速度V₂を有する繰出コンベア
２の第１搬送面１６で板状体７の下端３５が前方
に繰り出され更に第２搬送面１７に搬送される。
またこの所定枚数毎の搬送の完了と同時に送出コ
ンベア１から繰出コンベア２への板状体７の送り
出し位置Ｓに設けられた持上装置３の持上部２７
と屈折部２５とが上昇して送出コンベア１上の板
状体７群の先端側の板状体７ｙを持上部２７によ
つて第１搬送面１６より上方に持ち上げると共
に、この板状体７ｙに続く板状体７ｚの下端３５
近傍が屈折部２５によつて押圧されて駆動してい
る繰出コンベア２の送り込み端１９に送り出され
ない。従つて送出処理能力を増加させるために送
出コンベア１の搬送面１５および繰出コンベア２
の搬送面１４の夫々の搬送速度をアツプした場合
であつても、送出コンベア１上の板状体７群の先
端側の板状体７ｙが繰出コンベア２に送り出され
ることを防止出来、かつ板状体７の厚さの厚い薄
いにかかわらずその下端３５を傷つけることなし
に、板状体７群を所定枚数に分割しながらその前
面３４ａが上方に向くと共にその下端３５が前方
に向いた倒置状態で送り出し方向Ｘに連続して所
定枚数の板状体７を繰り出すことが出来る。

また第５図示のように繰出コンベア２の第１搬
送面１６が送出コンベア１の搬送面１５に対して
上方に向く傾斜角θを有するため、第１搬送面１
６上を送り出し方向Ｘに繰り出される板状体７の
下端３５の速度Ｖは繰出コンベア２の搬送速度
V₂とした際 Ｖ＝V₂×cosθ で表わされる。従つて例えば送出コンベア１の搬
送速度V₁を25m／min、繰出コンベア２の搬送速
度V₂を50m／min、傾斜角θを40°とした場合板
状体７の下端３５が繰り出される速度Ｖは Ｖ＝50×cos40°＝38.3m／min となつて送出コンベア１の搬送速度V₁よりは早
いが繰出コンベア２の搬送速度V₂より遅い速度
で繰り出されるため、第１搬送面１６で板状体７
の下端３５が急激に繰り出されることなしに前方
に搬送出来るから下端３５が繰り出された板状体
７の上端がこれに続く各板状体７の前面３４ａ上
をスライドして各板状体７の各下端３５が扇状に
大きく展開して板状体７が不揃いの倒置状態とな
ることを防止出来る。

そして第２搬送面１７の搬送速度は繰出コンベ
ア２の搬送速度V₂がそのまゝの速度であるので、
これに続く受け取り手段２１に所定枚数の板状体
７を前記倒置状態で速やかに送り出し方向Ｘに繰
り出すことが出来る。

（考案の効果） このように本考案によるときは、送出コンベア
から繰出コンベアへの板状体の送り出し位置に送
出コンベア上の板状体群の先端側の板状体を繰出
コンベアの第１搬送面より上方へ持ち上げる持上
装置を設けたので、送り出し方向に送出コンベア
に並べ立てられた多数の板状体群を、その所定枚
数毎に送出コンベアより繰出コンベアに送り出し
を完了して、これに続く送出コンベア上の板状体
の送り出しを停止したときに、送出コンベアから
繰出コンベアへの板状体の送り出し位置に設けら
れた持上装置により送出コンベア上の板状体群の
先端側の板状体を繰出コンベアの第１搬送面より
上方に持ち上げる。

従つて、送出処理能力を増加させるために送出
コンベアの搬送面および繰出コンベアの搬送面の
夫々の搬送速度をアツプした場合であつても、送
出コンベア上の板状体群の先端側の板状体が繰出
コンベアに送り出されることを完全に防止出来、
更に板状体の厚さの厚い薄いにかかわらずその下
端の損傷を防止することが出来、かつ送出コンベ
アに並べ立てられた板状体群をその所定枚数に分
割して板状体の前面を上方に向かせると共に、板
状体の下端を前方に向くように連続して倒置出来
て、更にこの倒置状態の板状体を送り出し方向に
容易にかつ能率よく繰出すことの出来る装置を提
供出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案装置の１例を示す
もので、第１図は側面図、第２図は送出コンベア
を板状体を送り出し状態においたときの一部分を
省略した平面図、第３図、第４図は主要部の拡大
側面図、第５図は第３図の説明用線図である。 １……送出コンベア、２……繰出コンベア、３
……持上装置、７……板状体、１２……送り出し
端、１４……繰出コンベアの搬送面、１５……送
出コンベアの搬送面、１６……第１搬送面、１７
……第２搬送面、１９……送り込み端、３４ａ…
…前面、３５……下端、ｓ……送り出し位置、ｘ
……送り出し方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の板状体群を送り出し方向に並べ立てた状
   態で前方に搬送する送出コンベアと、送り込み端
   を送出コンベアの送り出し端にくい込ませて送出
   コンベアと同一方向に延設し、送出コンベアが送
   り込んだ所定枚数の板状体をその前面が上方に向
   くと共に板状体の下端が前方になるように倒置さ
   れた板状体を繰り出す繰出コンベアとから成り、
   前記繰出コンベアを前記送出コンベアの搬送面の
   下方位置から上方位置に延設すると共に、繰出コ
   ンベアの搬送面を第１搬送面と、該第１搬送面と
   送出コンベアの搬送面とがなす傾斜角よりも小さ
   い傾斜角をもつて延びる第２搬送面とで構成し、
   該繰出コンベアの搬送面を送出コンベアの搬送面
   より早い搬送速度としたものにおいて、送出コン
   ベアから繰出コンベアへの板状体の送り出し位置
   に送出コンベア上の板状体群の先端側の板状体を
   繰出コンベアの第１搬送面より上方へ持ち上げる
   持上装置を設けたことを特徴とする板状体の送出
   装置。