JP2008156075A - 給紙装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】積み重ねシートを所定の枚数のシート束に確実に、しかも次のシートに傷を付けることなく分離する給紙装置を提供する。
【解決手段】軸4を中心に傾動される傾動台2でシート繰り出し装置10と支持部材20とを支持し、支持部材20上に送り込まれた積み重ねシートSが傾動台2の揺動によって傾斜状態に保持される状態でシート繰り出し装置10と支持部材20とで斜め上方に移動させ、シート繰り出し装置10の排出端部に設けられた分離装置30により先頭から所要の枚数のシート束Bに分離して送り出す給紙装置において、分離装置30を、昇降用シリンダ32と、そのシリンダ32によって上昇動させるシート受け部材33とで構成し、シート受け部材33をシート繰り出し装置10のシート搬送面より下方の待機位置からシート搬送面上の位置まで略垂直方向に上昇させてシート束Bをシート繰り出し装置10のシート搬送面上に持ち上げて分離させる。
【選択図】図1
【解決手段】軸4を中心に傾動される傾動台2でシート繰り出し装置10と支持部材20とを支持し、支持部材20上に送り込まれた積み重ねシートSが傾動台2の揺動によって傾斜状態に保持される状態でシート繰り出し装置10と支持部材20とで斜め上方に移動させ、シート繰り出し装置10の排出端部に設けられた分離装置30により先頭から所要の枚数のシート束Bに分離して送り出す給紙装置において、分離装置30を、昇降用シリンダ32と、そのシリンダ32によって上昇動させるシート受け部材33とで構成し、シート受け部材33をシート繰り出し装置10のシート搬送面より下方の待機位置からシート搬送面上の位置まで略垂直方向に上昇させてシート束Bをシート繰り出し装置10のシート搬送面上に持ち上げて分離させる。
【選択図】図1
Description
この発明は、段ボールシート等の厚みのある板紙を印刷機等のシート加工機に連続して供給する給紙装置に関するものである。
一般に、コルゲータによって製造される段ボールシート(以下、シートという)は、表ライナを下にして多数積み重ねられる。その積み重ね段ボールシート(以下、積み重ねシートという)は、普通、給紙装置にセットされ、その給紙装置の作動によって印刷機あるいは罫入れ溝切り装置等のシート加工機に連続して供給される。
シート加工機に積み重ねシートを連続して供給する給紙装置として、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。この給紙装置においては、水平の軸を中心として揺動自在に支持された傾動台によってシート繰り出し装置と、そのシート繰り出し装置のシート搬送面に対して交差方向に延びる支持部材とを支持し、上記傾動台を略垂直としてシートを受け入れる状態の位置において水平とされる支持部材上に積み重ねシートを送り込み、上端が下流側に倒れる傾斜状のシートを繰り出す状態の位置まで傾動台を揺動させてシート繰り出し装置と支持部材とで積み重ねシートを支持し、そのシート繰り出し装置と支持部材により一定ストローク間歇的に上昇動される積み重ねシートの停止状態において、シート繰り出し装置の排出端部に設けられた分離装置により先頭から所定の枚数のシート束に分離して下流側に送り出すようにしている。
ところで、特許文献1に記載された給紙装置においては、所定の枚数のシート束に分離する分離装置が、シリンダの作動により往復動される押し出し板を積み重ねシートの上面と平行する方向に移動させて所定の枚数のシート束を下流側に押し出す構成であるため、押し出されるシート束の次のシートがシート束との接触により引き摺られて下流側に移動するおそれがあり、所定の枚数のシート束のみを確実に分離させることができない。
また、押し出し板がシート束に続く次のシートの上面を擦りながら移動してシート束を押し出すため、次のシート表面に傷が付きやすいという問題もある。
この発明の課題は、積み重ねシートを所定の枚数のシート束に確実に、しかもそのシート束に続く次のシートに傷を付けることなく分離することができるようにした給紙装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、シートを受け入れる状態の略垂直の位置と上端が下流側に倒れてシートを繰り出す状態の傾斜状の位置との間で揺動される傾動台と、その傾動台がシートを受け入れる状態でシート搬送面が略垂直の状態となるよう傾動台に支持されたシート繰り出し装置と、前記傾動台が略垂直とされて送り込まれてくる積み重ねシートを受け取り、傾動台のシート繰り出し位置でその積み重ねシートをシート繰り出し装置とで支持する支持部材とを有し、前記傾動台のシート繰り出し位置でシート繰り出し装置と支持部材により積み重ねシートを上昇動させ、シート繰り出し装置の排出端部に設けられた分離装置により先頭から所定の枚数のシート束に分離して下流側に送り出すようにした給紙装置において、前記分離装置が、シート繰り出し装置のシート搬送面より下方の位置を待機位置とするシート受け部材と、そのシート受け部材を待機位置からシート繰り出し装置のシート搬送面上の位置まで略垂直方向に上昇動させる昇降動装置とからなる構成を採用したのである。
上記の構成からなる給紙装置において、支持部材上に積み重ねシートを送り込んだ後に傾動台を上端が下流側に倒れるシート繰り出し位置まで揺動させると、積み重ねシートはシート繰り出し装置と支持部材とで支持されて傾斜状態に保持される。
給紙に際しては、上記のように、傾動台をシート繰り出し位置に位置させた状態において、シート繰り出し装置および支持部材の駆動により積み重ねシートを上方に移動させ、昇降動装置によりシート繰り出し装置の排出端部に設けられた分離装置のシート受け部材を略垂直方向に昇降動させ、そのシート受け部材の上昇時に積み重ねシートの先頭から数枚のシート束をシート繰り出し装置のシート搬送面上に持ち上げて分離し、その分離されたシート束を下流側に送り出すようにする。
ここで、シート受け部材は、傾斜状態に保持された積み重ねシートに対して略垂直方向に上昇するため、シート受け部材によって分離されるシート束はその下端部が次のシートから離れる方向に持ち上げられると共に、そのシート束の上流側である背面上部が次のシートの下流側である前面上部を擦りながら持ち上げられることになる。
このため、次のシートが分離されて持ち上げられるシート束との接触によって引き摺り上げられるようなことはなく、所定の枚数のシート束のみが確実に持ち上げられて後続のシートから分離されることになる。
上記のように、この発明においては、傾斜状態に保持される積み重ねシートに対してシート繰り出し装置のシート搬送面より下方の位置を待機位置とするシート受け部材を略垂直方向に昇降動させて積み重ねシートの先頭から数枚のシート束をシート搬送面上に持ち上げるようにしたので、所定の枚数のシート束のみを確実に分離することができる。
また、シート受け部材はシート束に続く次のシート表面から離れた状態で上昇してシート束として分離されるため、次のシートに傷を付けることなくシート束として分離することができる。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1および図2に示すように、多数のシートsを積み重ねた積み重ねシートSは下敷きAに支持され、ローラコンベヤ1によって下流側に搬送される。
ローラコンベヤ1の下流側には、傾動台2が設けられている。傾動台2は、図3に示す機台3のサイドフレーム3aに支持された水平な軸4(図1に図示)を中心に上下方向に揺動自在に支持され、揺動駆動装置としての揺動用シリンダ5の作動によって、図1の鎖線イで示すように略垂直となっている積み重ねシートSを受け入れる状態のシート受け入れ位置と、同図の実線で示すように上端が下流側に倒れて下流側へ向けて上り勾配となっていて積み重ねシートSの上部から順次繰り出す状態のシート繰り出し位置との間で揺動される。
傾動台2は一対のレール部材6を両側に有し、その一対のレール部材6間にシート繰り出し装置10が設けられている。シート繰り出し装置10は2列のベルトコンベヤ10aからなる。この各列のベルトコンベヤ10aは、傾動台2のシート受け入れ位置においてキャリア側ベルトのシート搬送面が略垂直の状態となるよう傾動台2に支持され、図示省略したモータの駆動によって図1の矢印で示す方向に移動される。ここで、各列のベルトコンベヤ10aのキャリア側ベルトは、図1に示すベルト案内板11に支持されて移動するようになっている。
傾動台2の一対のレール部材6間には支持部材20が設けられている。支持部材20は、傾動台2の一対のレール部材6間に渡る長さのバー部材21に複数の帯状の板体22を櫛歯状に設けた構成とされ、上記バー部材21の両端部はレール部材6によってスライド自在に支持されている。
支持部材20の複数の板体22は傾動台2のシート受け入れ位置で略水平の状態とされ、シート繰り出し装置10の搬入端に配置される状態でローラコンベヤ1から送り込まれる積み重ねシートSを受け取って支持するようになっている。そして、その積み重ねシートSの受け取り後において、傾動台2が揺動されてシート繰り出し位置に保持されると、積み重ねシートSをこの傾動台2とシート繰り出し装置10とで支持するようになっている。
また、支持部材20は、シート繰り出し装置10におけるベルトコンベヤ10aのキャリア側ベルトの移動と共に移動して、キャリア側ベルトと同方向に同じ量だけ一定のストロークで間歇的に移動するようになっている。
図3および図4に示すように、傾動台2のシート繰り出し位置において、シート繰り出し装置10の排出端部には、そのシート繰り出し装置10で支持された積み重ねシートSの上層部の先頭から数枚のシート束Bをシート搬送面上に持ち上げて分離する分離装置30が設けられている。
分離装置30は、機台3の一対のサイドフレーム3a間に渡る支持バー31によって支持された昇降動装置としての昇降用シリンダ32によって板状のシート受け部材33をシート繰り出し装置10のシート搬送面の下方に位置する待機位置から略垂直方向に上昇させてシート繰り出し装置10で支持された積み重ねシートSの上層部の先頭から所要の枚数のシートsをシート搬送面上に持ち上げてシート束Bとして分離するような構成になっている。
ここで、シート受け部材33はブラケット34の両側で対向する側板34a間に渡されたピン35を中心として揺動自在に支持され、一方、昇降用シリンダ32はシート受け部材33を支持するブラケット34を略垂直方向に昇降動させるようになっている。
また、シート受け部材33はブラケット34に支持された揺動用シリンダ36により下流側に向って上り勾配となっている際の各列のベルトコンベヤ10aのキャリア側ベルトと同方向に同じ勾配をもって傾斜する傾斜状の位置と略水平となる水平位置との間で揺動されるようになっている。
上記シート受け部材33の上面33aは少なくともシート束Bの下端部全体を支持できる長さを有しており、その上流側端には、分離されたシート束Bのずれ落ちを防止する防止爪33bが設けられている。
分離装置30によって分離されたシート束Bは、必要に応じて図1および図2に示すシート束反転装置40によって積み重ね状態での上面が下向きとなるように倒される。
図7乃至図9は、シート束反転装置40の詳細を示し、以下のような構成になっている。すなわち、シート束反転装置40は、機台3の一方のサイドフレーム3aの外側面から水平方向に張り出すステー41に軸受42を固定し、その軸受42の二股片42aによって両端部が回転自在に支持された支点軸43を中心にして、シート束Bの背面上部に対して係合可能な蹴り出しアーム44を揺動させ、その蹴り出しアーム44によってシート束Bの上流側である背面の上部をシート繰り出し装置10の搬出端に向けて押すような構成になっている。
ここで、支点軸43はステー41に支持されたモータ45によって回転されるようになっており、その支点軸43にガイド部材46に設けられた支持片47を固定している。
また、ガイド部材46によって細長いねじ軸ホルダ48をその長さ方向にスライド自在に支持し、そのねじ軸ホルダ48の両端部に対向するように一対設けられた支持片48aによってねじ軸49の両端部を回転自在に支持し、そのねじ軸49にねじ係合するナット50をガイド部材46に固定し、上記ねじ軸49をその下端部に接続したモータ51の駆動により回転させて、ねじ軸ホルダ48を長さ方向に位置調整できるようになっている。
さらに、ねじ軸ホルダ48の上端部にシート繰り出し装置10上に張り出す第1アーム52を設け、その第1アーム52の先端部に固定した第2アーム53によって前記蹴り出しアーム44の後端部をピン54で揺動自在に支持し、この蹴り出しアーム44の後端に接続したシリンダ55を第2アーム53で支持して、そのシリンダ55の作動でピン54を中心に蹴り出しアーム44の先端部を上下する方向に揺動させるようにしている。
図3および図5に示すように、シート繰り出し装置10の搬出端部には、シート束送り出し装置60が設けられている。
シート束送り出し装置60は、2列のベルトコンベヤ61からなる。このベルトコンベヤ61は、一対のコンベヤフレーム62によってヘッドプーリ63とテールプーリ64を回転自在に支持し、その両プーリ63、64間にベルト65を掛け渡し、そのベルト65のキャリア側ベルトをベルト支持板66で支持した構成とされている。
各ベルトコンベヤ61は、傾動台2におけるレール部材6の先端部間に渡された軸67により搬出端部が支持されて、シート繰り出し装置10の2列のベルトコンベヤ10a間に位置する搬入端部が上下動する方向に揺動自在とされている。
また、2列のベルトコンベヤ61は上記コンベヤフレーム62に接続されたシリンダ68の作動によって軸67を中心に揺動され、上方へはシート受け入れ部材33を通過してその搬送面が略水平とされる位置まで揺動されて、分離装置30のシート受け部材33で支持されるシート束Bを掬い上げて受け取ることができようになっている。
図1および図2に示すように、シートを繰り出す状態とされた傾動台2の下流側には、シート束送り出し装置60から送り出されてくるシート束Bを受け取って下流側に配置された図示省略のシート加工機に送り込むフィードコンベヤ70が設けられている。そのフィードコンベヤ70の搬送面上には、その搬送面との間に数枚のシートsが通過可能なゲート71を形成するゲートプレート72が設けられ、そのゲートプレート72によって、シート束Bはラップ状態に送り姿勢が変更されるようになっている。
実施の形態で示す給紙装置は上記の構造からなり、シート加工機に対する給紙に際しては、先ず、傾動台2を積み重ねシートSを受け入れる状態とし、支持部材20をシート繰り出し装置10の下端部において水平の状態とした後、その支持部材2上に積み重ねシートSを供給する。
積み重ねシートSの供給後、揺動用シリンダ5を作動して傾動台2を揺動し、上端が下流側に傾斜するシート繰り出し位置に姿勢を変更する。その傾動台2の姿勢変更によって、積み重ねシートSは上端が下流側に倒れる状態となり、その積み重ねシートSは支持部材20の板体22とシート繰り出し装置10の2列のベルトコンベヤ10aにより支持されて傾斜状態に保持される。
上記のように、傾動台2をシート繰り出し状態に姿勢を変更した後、シート繰り出し装置10および支持部材20を駆動し、積み重ねシートSの先頭のシートsが分離装置30のシート受け部材33の上方に配置される位置まで積み重ねシートSを斜め上方に一定ストローク間歇的に移動させる。
積み重ねシートSの停止状態において、分離装置30のシリンダ32の作動によって下流側に向けて上り勾配に傾斜した状態のシート受け部材33を上方に移動させると、先頭から数枚のシートsがシート受け部材33によってシート繰り出し装置10のシート搬送面上に持ち上げられてシート束Bとして分離される。
このとき、傾斜状態のシート受け部材33は、傾斜状態に保持された積み重ねシートSに対して略垂直方向に移動されるため、ブロック分けされたシート束Bの下端部は次のシートsの下端部から下流側に離れる方向に持ち上げられると共に、シート束Bの背面側上部が次のシートsの前面側上部を擦るように接触しながら持ち上げられることになる。
このため、次のシートsは分離されて持ち上げられるシート束Bとの接触により引き摺り上げられるようなことはなく、所定の枚数のシート束Bのみが確実に持ち上げられて、図5に示すように、分離されることになる。
また、シート受け部材33は分離されたシート束Bに続く次のシートsの下流側の表面から離れた状態でシート束Bを上昇させて分離するため、次のシートsはシート受け部材33によって傷を付けられることはない。
ここで、シートsを積み重ね状態で上方向に向いている上面側を上下逆にして下方向へ向く状態で送る場合は、シート束反転装置40を作動させる。そのシート束反転装置40を作動させる場合、図9に示すモータ45の駆動によるガイド部材46の上流へ向けての下方向への揺動と、図7に示すシリンダ55の作動による蹴り出しアーム44の上流側へ向けての下方向への揺動とによって蹴り出しアーム44の先端がシート束Bの上流側に位置する背面上部と対向可能な位置に配置されるよう蹴り出しアーム44の位置を予め調整しておく。
蹴り出しアーム44の位置調整に際しては、図7に示すモータ51の駆動によりねじ軸49を回転させる。そのねじ軸49の回転により、ねじ軸ホルダ48が長さ方向に移動し、その移動によって蹴り出しアーム44の高さ位置が調整されることになる。
上記のような蹴り出しアーム44の位置調整後、図7に示すシリンダ55の作動により、蹴り出しアーム44の先端が下流側に向けて上方に移動する方向にその蹴り出しアーム44を揺動させると共に、図9に示すモータ45の駆動によりガイド部材46を図7の矢印で示すように上流側へ向けて下方に揺動させ、蹴り出しアーム44の先端がシート束Bの上側を通過した後に、モータ45を停止し、シリンダ55の作動により蹴り出しアーム44を上流側に向けて下向きに揺動させると、図10に示すように、蹴り出しアーム44の先端がブロック分けされたシート束Bの背面上部に対向する。
図10に示す状態から、図9に示すモータ45の駆動によりガイド部材46を図7に示す矢印と反対の方向である下流側へ向けて上方への方向に揺動させると、蹴り出しアーム44の先端がシート束Bをシート繰り出し装置10の排出端に向けて押圧する。その押圧と同時に、図10に示す揺動用シリンダ36の作動によりシート受け部材33を略水平となる方向に揺動させる。シート受け部材33の揺動によりシート束Bは下流側の端部が持ち上げられる。また、蹴り出しアーム44の押圧により、そのシート束Bは略水平状態のシート受け部材33で支持される下面を中心に揺動して、図11に示すように、その上端部側が下流側へ向けて倒れてシート繰り出し装置10の搬出端側に伏倒し始める。
シート束反転装置40によってシート束Bが伏倒され始めるのと略同時に図11に示すシリンダ68を作動して、軸67を中心にシート束送り出し装置60の各列のベルトコンベヤ61を上方に揺動させる。このベルトコンベヤ61の上方への揺動により、シート受け部材33上で伏倒するシート束Bは、図12に示すように、分離装置30のシート受け部材33からベルトコンベヤ61で掬い上げられる。
図16に示すように、各列のベルトコンベヤ61のシート搬送面が略水平となる位置までベルトコンベヤ61が揺動されると、シート束Bはそのベルトコンベヤ61のシート搬送面上に伏倒して、積み重ね状態の際に上方へ向いていた上面が下方向へ向いた状態でシート搬送面に支持され、そのベルトコンベヤ61により下流側に搬送される。
ここで、シート束送り出し装置60の2列のベルトコンベヤ61によってシート束Bが搬送される時、図13に示すように、シリンダ32の作動によりシート受け部材33がシート繰り出し装置10の搬送面の下まで下降され、かつ、揺動用シリンダ36の作動によりシート受け部材33が下流側へ向けて上り勾配となっているシート繰り出し装置10の搬送面と平行とされた状態である待機位置に戻される。
また、ベルトコンベヤ61からシート束Bが送り出されると、シリンダ68の作動により、ベルトコンベヤ61は下流側の軸67を中心にして上流側が下方向に向けて揺動されて下流側へ上り勾配となっているシート繰り出し装置10の搬送面と平行とされた、図10に示すような待機位置に戻される。
その後、シート繰り出し装置10および支持部材20の移動によって積み重ねシートSは先頭のシートsがシート受け部材33上に臨む位置まで搬送される。以後、上記動作の繰り返しにより、シート束Bは次々とフィードコンベヤ70上に送り込まれ、最後のシートsが送られると、支持部材20の板体22上に下敷きAが残される。このため、下敷きAを簡単に取り除くことができる。
ここで、図10に示すように、ベルトコンベヤ61がシート受け部材33からシート束Bを受け取ってシート搬送面が略水平となる位置まで揺動する際、シート束Bはベルトコンベヤ61から上流側にずり落ちる可能性がある。
そこで、実施の形態では、図6に示すように、ベルトコンベヤ61のコンベヤフレーム62の外側面にシリンダ80の作動によってピン81を中心に上下方向に揺動されるずり落ち防止アーム82を設け、上方に向けて揺動するベルトコンベヤ61がシート受け部材33上のシート束Bを掬い上げる直前に、そのずり落ち防止アーム82の上流側端部を上方に揺動させ、その上流側端部をシート束Bの背面下部に位置させて、シート束Bのずり落ちを防止するようにしている。
一方、シートsを積み重ね状態での上面をそのままの状態で送る場合は、図10に示すように、分離装置30のシート受け部材33の上方への移動によって先頭の数枚のシート束Bを分離した後、シート束送り出し装置60の上流側をその2列のベルトコンベヤ61を駆動させつつ下流側の軸67を中心に上方に揺動させる。
ベルトコンベヤ61の上方への揺動により、分離されたシート受け部材33上のシート束Bは、図14および図15に示すように、ベルトコンベヤ61により掬い上げられてその上端部が上流側へ倒れるように伏倒し、シートsは積み重ね時の上面を上向きとする状態で、図16に示すように、ベルトコンベヤ61からフィードコンベヤ70に送り出される。
ここで、シート束送り出し装置60のベルトコンベヤ61によってシート束Bが搬送される時、図16に示すように、シリンダ32の作動によりシート受け部材33が下降されて待機位置に戻される。また、ベルトコンベヤ61からシート束Bが送り出されると、シリンダ68の作動により、ベルトコンベヤ61は下方向に向けて揺動されて図10に示すように待機位置に戻される。
その後、シート繰り出し装置10および支持部材20の移動によって積み重ねシートSは先頭のシートsがシート受け部材33上に臨む位置まで搬送される。以後、上記動作の繰り返しにより、シート束Bは次々とフィードコンベヤ70上に送り込まれ、最後のシートsが送られると、支持部材20の板体22上に下敷きAが残される。このため、下敷きAを簡単に取り除くことができる。
上記のように、分離装置30によって積み重ねシートSを先頭のシートの束を持ち上げて分離した後、シート束反転装置40を作動させ、同時にシート束送り出し装置60を上方に向けて揺動させることで、シートは積み重ね状態での上面が下向きとされ、または、シート束Bの分離後、シート束反転装置40を停止させた状態でシート束送り出し装置60のみを上方に向けて揺動させることで、シートsは積み重ね状態での上面がそのままの状態とされるため、積み重ねシートSを、その積み重ね状態における上面をそのまま状態で送り出し、あるいは、上下を逆にして送り出すことができる。
実施の形態で示す分離装置30のように、傾斜状態に保持される積み重ねシートSに対してシート繰り出し装置10のシート搬送面より下方の位置を待機位置とするシート受け部材33を略垂直方向に昇降動させて積み重ねシートSの先頭から数枚のシート束Bをシート搬送面上に持ち上げて分離させることによって、所定の枚数のシート束Bのみを確実に分離することができる。
このため、シート束反転装置40およびシート束送り出し装置60によって分離されたシート束Bを下流側にスムーズに送り出すことができる。なお、シート束Bの送り出しはシート束反転装置40およびシート束送り出し装置60に限定されるものではない。
また、シート受け部材33はシート束Bに続く次のシートsの表面から離れた状態で上昇してシート束Bを分離するため、次のシートsに傷を付けることなくシート束Bを分離することができる。
S 積み重ねシート
2 傾動台
10 シート繰り出し装置
20 支持部材
30 分離装置
32 昇降用シリンダ
33 シート受け部材
2 傾動台
10 シート繰り出し装置
20 支持部材
30 分離装置
32 昇降用シリンダ
33 シート受け部材
Claims (1)
- シートを受け入れる状態の略垂直の位置と上端が下流側に倒れてシートを繰り出す状態の傾斜状の位置との間で揺動される傾動台と、
その傾動台がシートを受け入れる状態でシート搬送面が略垂直の状態となるよう傾動台に支持されたシート繰り出し装置と、
前記傾動台が略垂直とされて送り込まれてくる積み重ねシートを受け取り、傾動台のシート繰り出し位置でその積み重ねシートをシート繰り出し装置とで支持する支持部材と、
を有し、前記傾動台のシート繰り出し位置でシート繰り出し装置と支持部材により積み重ねシートを上昇動させ、シート繰り出し装置の排出端部に設けられた分離装置により先頭から所定の枚数のシート束に分離して下流側に送り出すようにした給紙装置において、
前記分離装置が、シート繰り出し装置のシート搬送面より下方の位置を待機位置とするシート受け部材と、そのシート受け部材を待機位置からシート繰り出し装置のシート搬送面上の位置まで略垂直方向に上昇動させる昇降動装置とからなることを特徴とする給紙装置。
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