JP3765820B2 - 供給装置 - Google Patents

Description

この発明は、多数積み重ねられたシートをラップ状としてシート加工機のシート供給部に送り込むようにした供給装置に関するものである。

一般に、シート加工機であるプリンタスロッタは、段ボールシートに対する加工速度がきわめて高速であるため、そのシート供給部に対して段ボールシートを能率よく供給する必要があり、特許文献１に記載されている供給装置が広く採用されている。

上記特許文献１に記載された供給装置においては、一対の側枠と、その一対の側枠の長さ方向に移動されるテーブルとを有するシート反転台を、その一対の側枠がほぼ水平とされる状態まで回動させてテーブル上に支持された積み重ね段ボールシートを横倒しとし、この横倒しの段ボールシートを一対の側枠の長さ方向に移動されるテーブルにより下流側のシート搬送装置上に送り込み、このシート搬送装置による横倒し段ボールシートの搬送時に、横倒し段ボールシートを搬送方向前方に向けて伏倒させてラップ状とし、このラップ状の段ボールシートをプリンタスロッタのシート供給部に送り込むようにしている。
特開２００２−３４７９７１号公報

ところで、特許文献１に記載された供給装置は、そのシート搬送装置による横倒し段ボールシートの搬送時にこの横倒し段ボールシートの先頭から順に搬送方向前方に伏倒させてラップ状とするものであるため、ときには、先頭の複数の段ボールシートが同時に倒れてブロック状に互に重なり合ってシートブロックが形成される場合がある。

作業者がこのように形成されたシートブロックに気付いた場合には、作業者がこのシートブロックを除去する必要があるため非常に手間がかかっていた。

一方、シートブロックが形成されたことに気付かない場合であると、シートブロックがプリンタスロッタのシート供給部に送り込まれることになるため、シート供給部において詰まりが生じ、その上に後続のシートが順次積み重ねられるため、これらの段ボールシートを取り除いて供給のやり直しを行なう必要が生じ、非常に手間がかかるばかりでなく、折れや破れによる不良段ボールシートが発生するという問題がある。

この発明の課題は、シート搬送装置の搬送面上で横倒し段ボールシートが前倒しされてラップ状とされる際にシートブロックが形成された場合でも、そのシートブロックをラップ状の整列状態に自動的に修正することができるようにして、全ての段ボールシートをラップ状態でシート加工機のシート供給部に供給することができるようにした供給装置を提供することである。

上記の課題を解決するために、この発明においては、一対の側枠と、その一対の側枠の長さ方向に移動可能なテーブルとを有するシート反転台を、前記一対の側枠がほぼ水平とされる状態まで回動させてテーブル上に支持された積み重ねシートを横倒しとしたのち、側枠の長さ方向にテーブルを移動させて横倒しシートを下流側のシート搬送装置に送り込み、そのシート搬送装置の搬送面上で横倒しシートを搬送方向前方に向けて伏倒させてラップ状とし、このラップ状のシートをシート加工機のシート供給部に送り込む供給装置において、前記シート搬送装置によって搬送されるラップ状のシートの搬送路に整列コンベヤを設けてその整列コンベヤの下流側の端部が上下動する方向にその上流側の端部を中心にして揺動自在に支持し、その整列コンベヤを、その搬送面がシート搬送装置の搬送面とほぼ同一の高さに保持される水平位置と搬出端に向けて上り勾配をもって傾斜する傾斜位置との間で起伏するよう揺動させる揺動手段を設け、前記シート搬送装置から整列コンベヤ上にシートブロックが送り込まれた際にその整列コンベヤを起伏させてシートブロックをラップ状に整列させるようにした構成を採用したのである。

上記のように、シート搬送装置によって搬送されるラップ状のシートの搬送路に整列コンベヤを揺動自在に設けることによって、その整列コンベヤ上にシートブロックが搬送されたとき、整列コンベヤを上方に揺動させると、シートブロックを形成する複数のシートは相互の接触部で滑りが生じて最上位のシートから順に後続の横倒しシート側に滑り移動し、上記整列コンベヤを伏倒させることで全てのシートが整然としたラップ状となり、シートブロックを自動的にラップ状の整列状態とすることができる。このため、全てのシートをラップ状態でシート加工機のシート供給部に供給することができ、シート供給部でのトラブルの発生や折れ等による不良シートの発生を防止できる。

以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１に示すように、シート加工機１のシート供給部２には、そのシート供給部２にラップ状の段ボールシートＳ₁ を供給する供給装置１０が接続されている。

ここで、シート供給部２は段ボールシートＳ₁ を支持するテーブル３を有し、そのテーブル３上には段ボールシートＳ₁ の前縁を位置決めする前当部材４と、その前当部材４とでシート収容部５を形成するバックストップ６と、そのバックストップ６上に積み重ね段ボールシートＳ₁ の後端縁を押圧して揃えるジョガ７とが設けられている。

前当部材４とバックストップ６間のシート収容部５において、テーブル３上に積み重ねられる段ボールシートＳ₁ は水平方向に往復動されるキッカー８によって最下位の段ボールシートＳ₁ から順に下流側のシート加工部に向けて送り出される。

供給装置１０は、シート送り込みコンベヤ１１からシート反転台１２に積み重ね段ボールシートＳ₀ を送り込み、そのシート反転台１２のほぼ９０°の回動によって積み重ね段ボールシートＳ₀ を横倒ししたのち、その横倒し段ボールシートＳ₀ を下流側に設けられたシート搬送装置３０に送り込み、そのシート搬送装置３０からシート加工機１のシート供給部２に段ボールシートＳ₁ を送り込むような構成になっている。

ここで、シート反転台１２は、一対の側枠１３と、その一対の側枠１３の長さ方向に移動可能なテーブル１４とを有し、上記テーブル１４の水平状態において、その上側にシート送り込みコンベヤ１１から積み重ね段ボールシートＳ₀ が送り込まれる。

一対の側枠１３の上部間には支持軸１５が渡され、その支持軸１５を中心にしてシート反転台１２が回動自在とされている。また、一対の側枠１３間にはステー１６が渡され、そのステー１６に連結された反転用シリンダ１７の伸縮によって、支持軸１５を中心にシート反転台１２が回動させられるようになっている。

さらに、上記支持軸１５と、一対の側枠１３の下端部間に渡されたスプロケット軸１８のそれぞれに複数のスプロケット１９、２０が上下で対向するよう取付けられ、その上下で対向するスプロケット１９、２０間にかけ渡されたチェーン２１の一部がテーブル１４に連結され、上記チェーン２１の移動によってテーブル１４が一対の側枠１３の長さ方向に移動されるようになっている。

シート搬送装置３０は、複列の第１ベルトコンベヤ３１と、その下流側に設けられた複列の第２ベルトコンベヤ３２と、その第２ベルトコンベヤ３２の下流側に設けられた複列の第３ベルトコンベヤ３３とから成っている。

複列の第１ベルトコンベヤ３１におけるキャリア側ベルト３１ａには、水平走行部３１ｂと、その水平走行部３１ｂの先端に連続して搬出端に向けて下り勾配をもって傾斜する傾斜走行部３１ｃが設けられ、横倒し段ボールシートＳ₀ が水平走行部３１ｂから傾斜走行部３１ｃに移動するとき、横倒し段ボールシートＳ₀ の段ボールシートＳ₁ は前方に倒れてラップ状とされる。この場合、ときとして、先頭から複数の段ボールシートＳ₁ が同時に倒れて、図１の鎖線で示すように、ブロック状に互に重なり合うシートブロックＢが形成される場合がある。

複列の第２ベルトコンベヤ３２は搬出端に向けてわずかな上り勾配をもって傾斜し、複列の第１ベルトコンベヤ３１から送り込まれてくるラップ状の段ボールシートＳ₁ やシートブロックＢはその複列の第２ベルトコンベヤ３２によって複列の第３ベルトコンベヤ３３に搬送される。

図２および図３に示すように、複列の第３ベルトコンベヤ３３間のそれぞれには、シートブロックＢをラップ状に整列させる複数の整列コンベヤ４０が設けられている。

図２および図３に示すように、複数の整列コンベヤ４０のそれぞれはコンベヤフレーム４１により支持され、各コンベヤフレーム４１には第２ベルトコンベヤ３２の搬出端部の下方に延びる延長部４１ａが形成され、その延長部４１ａが支持軸４２で支持されている。また、各延長部４１ａの端部はステー４３により連結され、そのステー４３に連結された揺動手段としての揺動用シリンダ４４の作動によって、複列の整列コンベヤ４０は支持軸４２を中心に起伏され、伏倒時にはその搬送面が第３ベルトコンベヤ３３の搬送面とほぼ同一高さに支持されるようになっている。

供給装置１０は上記の構成から成り、シート加工機１のシート供給部２に対する段ボールシートＳ₁ の供給に際しては、シート送り込みコンベヤ１１からシート反転台１２の水平状態のテーブル１４に積み重ね段ボールシートＳ₀ を送り込み、反転用シリンダ１７の作動によりシート反転台１２を図１の鎖線（イ）で示すようにほぼ９０°回動させて積み重ねシートＳ₀ を横倒しし、側枠１３の長さ方向に移動されるテーブル１４の移動により、この横倒し段ボールシートＳ₀ を第１ベルトコンベヤ３１上に送り込むと共に、その第１ベルトコンベヤ３１により第２ベルトコンベヤ３２上に搬送して横倒し段ボールシートＳ₀ の各段ボールシートＳ₁ を前方に倒してラップ状とする。

上記ラップ状の段ボールシートＳ₁ を第２ベルトコンベヤ３２により第３ベルトコンベヤ３３上に搬送し、その第３ベルトコンベヤ３３によってラップ状の段ボールシートＳ₁ をシート加工機１のシート供給部２に向けて搬送する。

ここで、横倒し段ボールシートＳ₀ の各段ボールシートＳ₁ が第１ベルトコンベヤ３１から第２ベルトコンベヤ３２上に搬送されて前方に倒れてラップ状とされるとき、図１に示すように、先頭から複数の段ボールシートＳ₁ がブロック状に同時に倒れてシートブロックＢが形成される場合がある。この場合、そのシートブロックＢが整列コンベヤ４０の搬入端部上に送り込まれたときに、その整列コンベヤ４０を支持軸４２を中心にして繰り返し起伏させるようにする。

図４に示すように、整列用コンベヤ４０の起立方向への揺動時、シートブロックＢはその整列コンベヤ４０で持ち上げられて傾斜状とされる。このとき、シートブロックＢを形成する複数の段ボールシートＳ₁ は相互の接触部で滑りが生じて最上位の段ボールシートＳ₁ から順に横倒し段ボールシートＳ₀ 側へ滑り移動する。

整列コンベヤ４０を支持軸４２を中心にして２〜３回程度、繰り返し起伏させると、図５に示すように、シートブロックＢを形成していた段ボールシートＳ₁ は後続の段ボールシートＳ₁ と接触することになり、整列コンベヤ４０が伏倒することで全ての段ボールシートＳ₁ が前方に倒れて第３ベルトコンベヤ３３上でラップ状とされ、このラップ状の段ボールシートＳ₁ が第３ベルトコンベヤ３３によってシート加工機１のシート供給部２に向けて搬送されることになる。

ここで、シートブロックＢをラップ状に整列させる動作は、第１ベルトコンベヤ３１乃至第３ベルトコンベヤ３３の停止時に行なうようにしてもよく、あるいは各ベルトコンベヤ３１乃至３３の移動時に行なうようにしてもよい。

なお、整列コンベヤ４０は、シートブロックＢの有無に関係なく、横倒し段ボールシートＳ₀ の先頭の段ボールシートＳ₁ が送り込まれた際に２〜３回程度繰り返し起伏されるようにして、整然としたラップ状になるようにしてもよい。

以上のように、整列コンベヤ４０を揺動させて起伏させることによってシートブロックＢを自動的にラップ状に整列させることができるため、全ての段ボールシートＳ₁ をラップ状態でシート加工機１のシート供給部２に供給することができる。

この発明に係る供給装置の実施形態を示す縦断正面図 図１に示す供給装置の整列コンベヤ部を拡大して示す断面図 図２の平面図 シートブロックの整列状態を示す断面図 シートブロックの整列状態を示す断面図

符号の説明

１２ シート反転台
１３ 側枠
１４ テーブル
３０ シート搬送装置
４０ 整列コンベヤ
４４ 揺動用シリンダ（揺動手段）

Claims (1)

1. 一対の側枠と、その一対の側枠の長さ方向に移動可能なテーブルとを有するシート反転台を、前記一対の側枠がほぼ水平とされる状態まで回動させてテーブル上に支持された積み重ねシートを横倒しとしたのち、側枠の長さ方向にテーブルを移動させて横倒しシートを下流側のシート搬送装置に送り込み、そのシート搬送装置の搬送面上で横倒しシートを搬送方向前方に向けて伏倒させてラップ状とし、このラップ状のシートをシート加工機のシート供給部に送り込む供給装置において、前記シート搬送装置によって搬送されるラップ状のシートの搬送路に整列コンベヤを設けてその整列コンベヤの下流側の端部が上下動する方向にその上流側の端部を中心にして揺動自在に支持し、その整列コンベヤを、その搬送面がシート搬送装置の搬送面とほぼ同一の高さに保持される水平位置と搬出端に向けて上り勾配をもって傾斜する傾斜位置との間で起伏するよう揺動させる揺動手段を設け、前記シート搬送装置から整列コンベヤ上にシートブロックが送り込まれた際にその整列コンベヤを起伏させてシートブロックをラップ状に整列させるようにしたことを特徴とする供給装置。

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