JPH0411940Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、組立て及び折畳みを容易に行なえる
ようにした、内部に区画をする中仕切を箱本体と
一体に設けた包装箱に関するものである。

（従来の技術） 従来から折畳み可能とした包装箱に関しては、
各種数多く提案されている。しかしながら区画の
多い中仕切を箱本体と一体に形成し、それを折畳
み及び組立てを容易にした包装箱に対しては、提
案が極めて少なくなる。

この数少ない提案のなかで代表的なものとして
は、実公昭57−37707号公報に係る仕切箱がある。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の提案に係る仕切箱は、区画の多い中仕切
を設けたものを、偏平シート状に折畳み可能とし
て所期の目的を達しているが、中仕切壁の各仕切
片の下部が全部切離されているなどのため、自動
機により包装箱を組立てるさい作業がし難くく、
手作業箇所が多くなりどうしても加工費が高くな
る欠点がある。

又底部を形成した状態で偏平状に折畳むことが
できないため、需要者は偏平状に納入されたもの
を方形立方体状にしたのち、底部を糊付固定して
使用しなければならず、需要家が余計な工数を要
して包装費用の増大につらなる欠点もある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたものであつて、底部を形成する部材及び
仕切の構成を変更して、底板を前・後中仕切板の
間に嵌挿させることにより底部があるにもかかわ
らず折畳みを可能にすると共に、糊着組立て操作
の殆んどを自動機で行なわせることができるよう
にして、上記問題点を解決することを目的として
いる。

本考案は、左側板、後板、右側板、前板、貼着
片を折線介して横一方向に順次連接し、さらに
左・右側板には、夫々上・下端に折線介して上・
下内蓋を連設し、また後板には、上端に折線介し
て後支持板と、上・下固定板の間に保持された１
個または複数個の仕切片を備えた後仕切と、先端
に誘導板を有する中仕切板とからなる後仕切板を
連接し、下端に折線介して左側板側に固着片と先
端に下蓋片とを備えた後下蓋を連設し、また前板
には、下端に固着片と下蓋片を備えた後下蓋と同
形状の前下蓋を夫々連設し、各折線に従つて折曲
して、後板に重合された後支持板に下固定板を、
さらに該後支持板に重合された中仕切板に上固定
板を夫々固着すると共に、前・後下蓋の固着片を
隣接した下内蓋に固着したのち、貼着片を左側板
に固着して形成された箱本体に；前支持板と、
上・下固定板で１個または複数個の仕切片を保持
した前仕切と、誘導板を有する前中仕切板とを折
線介して連設した、後仕切板と同形状で、各折線
に従つて折り曲げて、前支持板に下固定板をまた
前中仕切板に上固定板を夫々固着した前仕切板
を；前板と中仕切板に間挿し、前板と前支持板ま
た中仕切板と前中仕切を夫々固着形成したものに
おいて、箱状にしたとき前・後仕切板の仕切片に
より並列した区画を形成せしめると共に、前・後
下蓋を内側に折曲して両誘導板に間挿せしめて偏
平状に折畳み可能としたことを特徴とする折畳可
能な中仕切付包装箱である。

（作用） 包装箱は、前・後仕切板の仕切片を上・下固定
板で連設保持しているので、自動機で糊付け、組
立などのさい、その操作がやり易く作業能率の向
上を計ることができる。

又組立作業の大部分である箱本体及び前仕切板
の組立てを自動機で行なつて、最後の二者を手作
業で固着するだけなので、全体の組立工数を少な
くすることができる。

又底部が形成されているにもかかわらず折畳む
ことができるので、需用家に保管管理、包装作業
などの点で貢献することができる。

（実施例） 本考案を一実施例を示す第１図〜第８図に基づ
いて以下詳述する。中仕切付きの箱本体１の展界
図を示す第１図において、箱用板紙などを用い
て、縦折線ａ，ｂ，ｃ，ｄを介して左側板２、後
板３、右側板４、前板５、貼着片６を順次横一方
向に連設し、さらに左・右側板２，４には、その
上端に横折線ｅを介して同一形状で方形状の上内
蓋７，７′を連設し、下端に横折線ｆを介して同
一形状で三角形状の下内蓋８，８′を連設し、ま
た後板３には、その上端に横折線ｇ，ｈ，ｉを介
して、方形状の後支持板９、上・下固定板１１，
１０の間に配設された４個の同一形状で方形状の
仕切片１２を備えた後仕切１３、該後仕切１３よ
り右端側が突出している中仕切板１４、該中仕切
板１４より右端側を短くした誘導板１５を順次縦
方向に連設し、下端に折線ｆを介して、下内蓋８
側の端部に斜折線ｊを介して連設された該下内蓋
８へ貼着する固着片１６と、該固着片１６の反対
側の端部附近で縦方向に突出した下蓋片１７とを
備えた後下蓋１８を連接し、また前板５には、そ
の上端に横折線ｅ，ｋを介して後支持板９と略同
一大きさの上蓋１９、差込片２０を順次縦方向に
連接し、下端に横折線ｆを介して、下内蓋８′に
貼着する固着片１６′と下蓋片１７′とを備えた、
後下蓋１８と同一形状の前下蓋２１を連設してい
る。

後仕切１３は、左側中央附近を縦折線ｌを介し
て下固定板１０の等間隔に配設された接続突片２
２に連結し、右側上端附近を縦折線ｌに平行な縦
折線ｍを介して上固定板１１の等間隔に配設され
た接続突起２３に連結すると共に、両折線ｌ，ｍ
を連結するように切込み２４，２５を適宜設けて
形成された４個の同一形状で方形状の仕切片１２
を備えている。後支持板９、後仕切１３、中仕切
板１４、及び誘導板１５で後仕切板２６を構成し
ている。

箱本体１に挿入固着して区画を形成する、第２
図に示す展開図の前仕切板２７は、箱用板紙など
を用いて箱本体１の後仕切板２６と殆ど同形状に
形成されたものである。同図において、前支持板
２８、前仕切２９及び前中仕切板３０は、後支持
板９、後仕切１３及び中仕切板１４と同一形状で
ある。説明をしない符号に対する名称は、後仕切
板２６の場合と同様である。尚第１図及び第２図
において、点線で示す折線ｇ，ｈ，ｉ，ｊの実線
で示す部分は切込みである。

中仕切付き箱本体１の組立て方法について以下
説明する。先ず横折線ｅに従つて後支持板９を内
側に折り曲げて後板３に重合させ、さらに横折線
ｇに従つて後仕切１３を外側に折り曲げ後支持板
９に重合させて、下固定板１０を後支持板９に貼
着固定（第３図−Ａ）したのち、横折線ｈに従つ
て中仕切板１４及び誘導板１５を内側に折り曲げ
て後仕切１３に重合させ、上固定板１１を中仕切
板１４に貼着固定（第３図−Ｂ）する。

次に、横折線ｆに従つて後下蓋１８を内側に折
り曲げて中仕切板１４及び誘導板１５に重合させ
ると共に、斜折線ｊに従つて固着片１６を外側に
折り曲げて後下蓋１８に重合させ、さらに横折線
ｆに従つて下内蓋８を内側に折り曲げて重合され
（第３図−Ｃ）た左側板２を、縦折線ａに従つて
内側に折り曲げて重合した固着片１６と下内蓋８
を糊着固定（第３図−Ｄ）する。

続いて、横折線ｆに従つて下内蓋８′を内側に
折り曲げて右側板４に重合させ、さらに横折線ｆ
に従つて内側に折り曲げて前板５に重合された前
下蓋２１に、斜折線ｊに従つて外側に折り曲げて
固着片１６′を重合させ（第３図−Ｅ）たのち、
縦折線ｃに従つて前板５、貼着片６及び前下蓋２
１を内側に折り曲げて重合する下内蓋８′と固着
片１６′を糊着固定すると共に、貼着片６を左側
板２の内側に糊着固定（第３図−Ｆ）する。箱本
体１の糊着（第３図−Ａ〜Ｆ）工程は、総て自動
機で行なう。

他方、前仕切板２７は、横折線g′に従つて前仕
切２９、前中仕切板３０及び誘導板１５を内側に
折り曲げて、前仕切２９を前支持板２８に重合さ
せて下固定板１０を前支持板２８に糊着固定（第
４図−Ａ）したのち、横折線h′に従つて前中仕切
板３０及び誘導板１５を外側に折り曲げて、前中
仕切板３０に重合した上固定板１１を糊着固定
（第４図−Ｂ）して仕上げられる。この糊着（第
４図−Ａ〜Ｂ）工程も総て自動機で行なわれる。

包装箱３１は、箱本体１の前板５と前下蓋２１
の間に、前支持板２８を前板５側にして前仕切板
２７を挿入し、前支持板２８の上端を前板５内側
上端に糊着固定すると共に、前中仕切板３０の上
端を中仕切板１４の上端に糊着固定して偏平状に
組立てられる。

この包装箱３１は、偏平状のものを立てて左右
から斜方向に押圧すると第８図の如く開き方形立
方体となり、内部に５個並列した10個の区画が形
成され、また第６図の如く固着片１６と１６′を
介して下内蓋８と８′に連設された後下蓋１８と
前下蓋２１とが、下蓋片１７と１７′を介して互
いに組込まれて底部を形成され、横折線ｅに従つ
て両上内蓋７，７′を内側に折り曲げ、さらに折
線ｅ，ｋに従つて上蓋１９、差込片２０を夫々内
側に折り曲げると共に、差込片２０を後板３に重
合された後支持板９の内側に差込んで上蓋１９を
固定して組立てられる。また上蓋１９を開き両上
内蓋７，７′を立てたのち、前・後下蓋２１，１
８を両下内蓋８，８′とともに内側に折り曲げて
両誘導板１５，１５の間に嵌挿し、開箱するとき
と反対の斜方向に左側板２及び前板５を押圧する
と偏平状に折畳むことができる。

この中仕切付包装箱３１は、箱本体１内部に仕
切片１２により形成された各区画に物品を嵌挿し
て従来の箱と同様に使用される。

この場合、前・後仕切板２７，２６の仕切片１
２が上・下固定板１１，１０で連設保持している
ので、自動機で箱本体１及び前仕切板２７を糊付
け、組立てなどの操作がやり易く、作業能率の向
上を計ることができる。

又包装箱３１は、組立作業の大部分である箱本
体１及び前仕切板２７の組立てを自動機で行なつ
て、最後に二者を手作業で固着するだけなので、
全体の組立工数を少なくすることができる。

又底部が形成されているにもかかわらず折畳む
ことができるので、需要家に保管管理、包装作業
などの点で貢献することができる。

上記の一実施例において、包装箱３１の内部に
５並列にして10個設けるために、前・後仕切板２
７，１３に夫々仕切片１２を４個設けたが、使用
目的によつてこの仕切片１２の数を適当に変更し
たり、または前・後仕切板２７，１３にある仕切
片１２の数を違いるようにしても良い。

（考案の効果） 本考案は上記の構成を有するので次の効果を奏
する。

(1) 糊着組立作業の大部分を自動機で行なうこと
のできるようにしたので、組立工数を節減して
作業能率の向上を計り原価低減に寄与する。

(2) 底部が形成されているにもかかわらず折畳可
能となり、小形にすることができるので、輸送
や保管に場所をとられず、間接経費の節減に寄
与する。

(3) 底部が形成されているので、需要家の包装組
立工数の低減に役立つて、需要家の購買意慾を
刺戟し、販売増大に貢献する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は箱本体の展界図、第２図は前仕切板の展界図、
第３図は箱本体の組立方法を説明するための平面
図、第４図は前仕切板の組立方法を説明のための
平面図、第５図〜第８図は包装箱で、第５図が開
蓋した平面図、第６図が底面図、第７図が閉蓋し
たＡ−Ａ断面図、第８図が斜視図である。 １……箱本体、２……左側板、３……後板、４
……右側板、５……前板、６……貼着片、７，
７′……上内蓋、８，８′……下内蓋、９……後支
持板、１０……下固定板、１１……上固定板、１
２……仕切片、１３……後仕切、１４……中仕切
板、１５……誘導板、１６，１６′……固着片、
１７，１７′……下蓋片、１８……後下蓋、１９
……上蓋、２０……差込片、２１……前下蓋、２
６……後仕切板、２７……前仕切板、２８……前
支持板、２９……前仕切、３０……前中仕切板、
３１……包装箱、ａ，ｂ，ｃ……ｌ，ｍ，ｎ……
折線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左側板、後板、右側板、前板、貼着片を折線介
   して横一方向に順次連接し、さらに左・右側板に
   は、夫々上・下端に折線介して上・下内蓋を連設
   し、また後板には、上端に折線介して後支持板
   と、上・下固定板の間に保持された１個または複
   数個の仕切片を備えた後仕切と、先端に誘導板を
   有する中仕切板とからなる後仕切板を連設し、下
   端に折線介して左側板側に固着片と先端に下蓋片
   とを備えた後下蓋を連設し、また前板には、折線
   を介して上端に差込片を有する上蓋、下端に固着
   片と下蓋片を備えた後下蓋と同形状の前下蓋を
   夫々連設し、各折線に従つて折曲して、後板に重
   合された後支持板に下固定板を、さらに該後支持
   板に重合された中仕切板に上固定板を夫々固着す
   ると共に、前・後下蓋の固着片を隣接した下内蓋
   に固着したのち、貼着片を左側板に固着して形成
   された箱本体に；前支持板と、上・下固定板で１
   個または複数個の仕切片を保持した前仕切と、誘
   導板を有する前中仕切板を折線介して連設した後
   仕切板と同形状で、各折線に従つて折り曲げて、
   前支持板に下固定板をまた前中仕切板に上固定板
   を夫々固着した前仕切板を；前板と中仕切板に間
   挿し、前板と前支持板また中仕切板と前中仕切板
   を夫々固着形成したものにおいて、箱状にしたと
   き前・後仕切板の仕切片により並列した区画を形
   成せしめると共に、前・後下蓋を内側に折曲して
   両誘導板に間挿せしめて偏平状に折畳み可能とし
   たことを特徴とする折畳可能な中仕切付包装箱。