JPH0411660B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本発明は上下に重なるスライダ、制御バツトを
有する柄板及び柄板で支持され、編み針とヒンジ
連結されたジヤツクを具備し、スライダが柄板の
制御バツトと協働して編み針を任意にウエルト位
置、タツク位置またはニツト位置に設定するよう
に構成した３位置制御多重ユニツト編み機の選針
装置に係わる。

＜先行技術＞ 公知装置にあつては編み機のユニツトごとに上
下方向に重なる２列のスライダまたはダブルスラ
イダが採用されるが、これらは構成及び動作態様
が複雑かつコスト高であり、極めて広いスペース
を必要とするのが普通である。従つて公知の装置
はスペース需要が大きいため、個々のユニツトの
幅が比較的狭くてユニツト数の多い編み機に組み
込めないか、または上記の選針装置をも使用した
い場合、所与の大きさの編み機においてユニツト
数を増やすことができない。

〈発明の目的〉 本発明の目的は簡単な、従つて製造コストが低
く、確実に作用し、編み機に組み込むのに僅かな
スペースしか必要としないから特にユニツト数の
多い編み機に好適な頭書のような装置を提供する
ことにある。

＜発明の構成と効果＞ 本発明の前述の目的は、編み機のユニツトごと
に上下に重なるように、編み機の軸線に平行な共
通軸を中心に回転自在な１列の回転スライダを設
け、該回転スライダがその周縁に設けたカムを介
して柄板の制御バツトと咬合するようにし、且つ
この回転スライダを任意にウエルト位置、タツク
位置またはユニツト位置に対応する作用位置に設
定し、この位置に固定できるようにしたことを特
徴とする３位置制御多重ユニツト編機の選針装置
によつて達成される。

＜実施例＞ 以下添付図面を参照して本発明の好ましい実施
例を説明する。

第１図は多重ユニツト丸編み機の回転ニード
ル。シリンダ１に位置２においてヒンジ連結し、
フオーク形ヘツド４を具備する公知構成の柄板３
を略示する。バツト６を有するジヤツク５がヘツ
ド４で支持されている。バツト６は係合部７によ
つて構成される係合通路上を公知の態様で案内さ
れる。ヒンジ継手８を介してジヤツク５の上端に
編み針９が連結され、この編み針のバツト１１も
係合部７の係合通路上を公知の態様で案内され
る。ジヤツク５及び編み針９は柄板３と同様にニ
ードル・シリンダ１によつて支持され、案内され
る。第１図下方に示す、ジヤツク５のバツト６と
協働する係合部７は公知の態様で編み針９を駆動
し、第１図上方に示す、編み針９のバツト１１と
協働する係合部７はこれも公知の態様で駆動方向
とは逆に編み針９を引込める。

以下３位置制御多重ユニツト単一モード丸編み
機に基づいて本発明を説明するが、本発明は横編
み機及び横丸編み機にも好適であり、これらの編
み機は多重モードに、即ち、例えば丸編み機の場
合には補助ダイヤルを含むように構成することが
できる。丸編み機は大型でも小型でもよい。

多重ユニツトのニードル・シリンダに多数の第
１図構成物を有する丸編み機の作動中、編み針９
は固設の係合部７によつて形成される係合通路に
より、ニードル・シリンダ１の回転に伴なつて公
知の態様で上下運動を与えられ、針９が管状の編
成物を形成する。この場合、模様のある編成物を
作成したければ、ニードル・シリンダの回転中に
編み針を選択しなければならない。即ち、この回
転中に特定の針を選択してこれを制御することに
より、これらの針が全くエゼクトされないかまた
は一部だけエゼクトされるようにしなければなら
ない。編み針９のこのようなエゼクトを制御する
のが第１図に略示する、固設ロツク１２に連結し
たセレクタ１３である。編み機の各ユニツトにこ
のセレクタ１３を連携させてある。選針動作は各
柄板１３に１個ずつ設けた制御バツト１４によつ
て行なわれる。第１図最上段の制御バツト１４は
図示の柄板３に属する。その下方に位置する制御
バツト１４ａは第１図では見えないが、図示の柄
板３の後方に位置し、同様にシリンダ１で旋回自
在に支持された柄板に属する制御バツトである。
セレクタ１３からは調節自在な調整部材の端部１
５が突出している。この調整部材はニードルシリ
ンダ１の回転中特定の柄板３とそれぞれ連携する
制御バツト１４，１４ａの通路内に達するように
任意に調節することができる。端部１５には詳し
くは後述するように制御バツト１４の乗り上げ通
路をカム状に形成し、連携の調整部材端部１５を
正しく調節してあればバツト１４が乗り上げると
連携の柄板３がヒンジ２の軸を中心に（第１図右
方へ）旋回運動を与えられるようにする。これに
より下端が柄板３のヘツド４と咬合しているジヤ
ツク５も旋回し、そのバツト６が係合部７の作用
域から離脱する。その結果係合部７は作用しなく
なり、ジヤツク５と連結している編み針９はもは
やエゼクトされることはない。これとは反対に調
整部材の端部１５が第１図に示すように引込んだ
状態にあつて制御バツト１４ａの通路中に位置し
なければ、連携の柄板３は第１図図示の位置にと
どまり、編み針９は連携のジヤツク５のバツト６
と協働する係合部７によつてエゼクトされる。こ
のようにしてセレクタ１３により編み針９の選択
及び模様に応じた針の動作が可能になる。

本発明の選針装置は３位置制御編み機に採用さ
れる。３位置制御とは編み針３を３つの位置、即
ち、いわゆるウエルト位置、タツク位置、及びニ
ツト位置に運ぶことのできる方式であり、公知の
態様でタツク位置にタツクループが、ニツト位置
に編み目がそれぞれ形成される。第２図はこのよ
うな３位置制御方式に連携させてジヤツク５のバ
ツト６を制御する係合部７に形成した係合通路１
６を示す。ニードルシリンダ１の回転方向は矢印
Ｄで示してある。係合通路１６は針９のウエルト
位置、タツク位置及びニツト位置に対応する矢印
Ｄの方向に下から上へ３つのレベルＲ、Ｆ、Ｓを
有する。第２図では制御バツト６がレベルＳに位
置するから、編み針９は完全にエゼクトされ、従
つてニツト位置にある。

領域Ａにおいてバツト６は係合部７から離脱す
るから、ジヤツク５及びこれと連結している針９
はもはやエゼクトされることなく、従つて針９は
ウエルト位置Ｒにとどまる。領域Ｂにおいてバツ
ト６が連携の係合部７によつて支持され、編み針
９はタツク位置Ｆにとどまる。バツト６が係合部
７から離脱しなければ、係合部７は編み針９を編
成位置Ｓに運ぶ。この状態を示すのが第２図であ
る。即ち、この場合には上述のようにジヤツク５
のバツト６を係合部７との咬合から離脱させるセ
レクタ１３による柄板３の旋回運動は起こらな
い。従つて、編み針９は完全にエゼクトされて編
成位置Ｓに達する。

第３図はセレクタ１３の調整部材の好ましい実
施例を示す。調整部材は回転スライダまたは選択
レバー１７として構成する。複数のこのような選
択レバー１７を好ましくは垂直方向に１列に重ね
て共通軸１８を中心に回転自在に設け、カム１
９，２０として構成された端部をセレクタ１３か
ら突出させる（第１図の参照番号15）。選択レバ
ー１７は双腕レバーとして構成する。第１アーム
２１はカム１９，２０を具備し、柄板３の制御バ
ツト１４を協働する。第２アーム２２は上下方向
に重なるすべての選択レバー１７に作用する共通
の制止ブロツク２３により任意に衝合壁２４また
は２５に圧接させられる。前記衝合壁２４，２５
は選択レバー１７の種々の作用位置と連携するよ
うに配置されている。制止ブロツク２３は対応の
ガイド内を双頭矢印Ｐの方向に往復変位可能であ
り、その末端位置にピン止めまたはクランプなど
の手段で固定することができる。制止ブロツク２
３は制止位置においてそれぞれアーム２２に作用
してこれを連携の衝合壁２４または２５に圧接さ
せる衝合面２６，２７を具備する。制止ブロツク
２３が第３図図示の位置から矢印Ｐの方向に（第
３図で下方に）引かれると、選択レバー１７を他
の作用位置に移行させ、ブロツク２３をこの位置
まで案内することによつてこの位置にあらためて
固定することができる。

第３図ではニードル・ルシリンダ１で支持され
たジヤツク５のバツト６をも示してある。ニード
ル・シリンダ１は円弧だけで示した。

回転スライダとして作用する選択レバー１７が
第３図図示の位置に来ると、カム１９が係合通路
１６の領域Ａ（第２図）において柄板３のバツト
１４と咬合する。その結果、柄板３はこの領域Ａ
に対応する時間に亘つて旋回し、連携のジヤツク
５のバツト６を係合部７との咬合から解く。ジヤ
ツク５及びこれと連結している編み針９はもはや
係合部７によつてエゼクトされることはない。即
ち、編み針はウエルト位置Ｒにとどまる。

第４図は選択レバー１７の他の末端位置、即
ち、カム２０が作用状態となつて連携の柄板３の
制御バツト１４と咬合する位置を示す。カム１９
及び２０は空間的に離れているから、この位置は
係合通路１６の領域Ｂに対応する（第２図）。係
合通路のこの領域Ｂではすでにある程度針がエゼ
クトされている。領域Ｂにおいてジヤツク５のバ
ツト６が係合部７によつて支持されるから、ジヤ
ツク５及び６は到達した位置、即ち、タツク位置
Ｆにとどまる。

第５図はカム１９，２０がいずれも制御バツト
１４の通路内に存在しない中間位置を占める選択
レバー１７を示す。この場合、柄板３及び連携の
ジヤツク５及び編み針９の旋回は起こらず、ジヤ
ツク５のバツト６は係合部７上にとどまり、編み
針はニツト位置Ｓまで完全にエゼクトされる。従
つて、第３図及び第４図では“選択された”バツ
ト６が円弧の内側に位置するのに対して、第５図
ではジヤツク５のすべてのバツト６がニードル・
シリンダ１を表わす前記円弧の外側に位置する。

回転スライダとして作用する選択レバー１７は
比較的小さく構成でき、上下方向に重ねて共通軸
を中心に回転自在に配列されるから、構造全体の
スペース需要は極めて小さく、従つて本発明のセ
レクタ１３はユニツト数の多い編み機にも採用で
きる。

選択レバー１７を第５図のようにニツト位置Ｓ
に対応する中間位置に固定できるようにするた
め、第３図に示すように制止ブロツクに中央切欠
き２８を形成し、選択レバー１７がこの作用位置
に来ると前記切欠きが第２アーム２２を受けてこ
れを固定するように構成する。

第６図ないし第８図は原理的には第３図ないし
第５図の選択レバー１７と同じ態様でそれぞれ同
一の調整部材に編み針９を所望の作用位置に運ぶ
ためのカムを有する回転スライダの他の実施例を
示す。

第６図は互いに対向する２つの側にそれぞれ１
つのカム３２，３３を有するほぼ正方形の板とし
て構成された回転スライダ３１を示す。回転スラ
イダ３１は固設軸３４を中心に回転自在である。
ここでもセレクタ１３に複数の回転スライダ２１
を上下方向に重なるように共通軸３４に取り付け
てあり、この共通軸を中心に回転自在である。双
頭矢印Ｐの方向に変位自在な制止ブロツク３５が
回転スライダ３１全体をその調定作用位置におい
て固設の衝合壁３６に圧接させる。第６図に示す
調定位置において、カム３２は柄板３の制御バツ
ト１４と協働し、第２図に図示した係合通路の領
域Ｂに位置するから、カム３２により編み針９は
タツク位置に運ばれる。回転スライダ３１が第６
図で反時計方向に90°だけ回転すると、これと連
携する柄板３の制御バツト１４は影響を受けず、
編み針９はニツト位置に達する。回転スライダ３
１が反時計方向に180°回転した位置に来ると、カ
ム３３が制御バツト１４と咬合する位置、即ち、
第２図に示した係合通路の領域Ａに達し、編み針
はウエルト位置にとどまる。

第７図は長孔４２を介して上下１列に配列され
た他の同様の回転スライダと共に共通軸４３を中
心に回転自在かつ変位自在な回転スライダ４１を
示す。この回転スライダ４１は第１アーム４４
に、回転スライダ４１の旋回に応じて２つの作用
位置に調定される１つのカム面４５を具備する。
第７図左方の位置は編み針のタツク位置に対応
し、右方の位置はウエルト位置に対応する。軸４
３を囲む長孔４２により回転スライダ４１が引き
戻されともはやカム面４５と柄板のバツト１４と
は咬合しないから、針は完全にエゼクトされ、ニ
ツト位置に達する。

各回転スライダ４１はその第２アーム４６に３
つの穴４７，４８，４９を有し、回転スライダが
いかなる位置にあつても各回転スライダの１つの
穴が他のすべての回転スライダの１つの穴と整合
する。互いに整合する穴に制止ロツド５０を挿通
することにより、回転スライダ４１をそれぞれ選
択された作用位置に固定する。

第８図は第７図に示した回転スライダ４１と同
様の回転スライダ５１を示す。回転スライダ５１
は長孔５２を介して同様の他の回転スライダと共
に共通軸５３を中心に旋回自在である。第７図の
回転スライダ４１はカム面４５を有する唯１つの
カムを具備するだけであるが、回転スライダ５１
には２つのカム５４，５５が設けられている。第
８図に示す位置ではカム５５が作用する。この位
置は針のタツク位置に対応する。カム５４が作用
位置（第８図に鎖線で示す）に来ると、編み針は
ウエルト位置にとどまる。編み針をニツト位置に
運ぶには回転スライダ５１を長孔５２を介して軸
５３にむかつて引き戻さねばならない。第８図に
示した２つの位置において回転スライダ５１は２
つの衝合壁５６のそれぞれによつて制止される。
回転スライダ５１はほかに、第７図の回転スライ
ダ４１に設けた穴４７，４８，４９と同様の構成
及び作用を有する穴５７，５８，５９を具備す
る。ここでも制止ロツド６０により回転スライダ
５１を種々の作用位置に固定することができる。

第９図ないし第１１図は周縁に柄板３の制御バ
ツト１４と協働するカム６２，６３を具備し共通
軸６４を中心に回転可能な360°回転自在なデイス
クから成る回転スライダの他の実施例６１を示
す。回転スライダ６１は先ず第９図に示すように
製造する。この実施態様では第９図ないし第１１
図に示す位置を占める時、回転スライダ６１が編
み針をウエルト位置に運ぶ。カム６３が遠ざかる
と（第１０図）、編み針はタツク位置に達する。
第１１図のようにカム６２，６３が回転スライダ
６１から遠ざかると、針が完全にエゼクトされ、
ニツト位置に達する。

第９図ないし第１１図に示したカム構成は回転
スライダ６１を構成するデイスクの円周に複数組
設けることができる。この場合回転スライダ６１
はそれぞれ上下方向に重なつて共通軸を中心に回
転自在であり、全体としてスイツチングドラムを
構成し、編み機の作動中ステツプバイステツプ式
に回動し、３位置制御方式に従つて刻々と占める
位置に応じて編み針に作用する。

第１２図ないし第１４図は本発明の他の実施例
に係わる。第１２図中、第１図に示した実施例と
対応する部分には第１図と同じ参照番号を付し
た。セレクタ１３は調整部材として上述のような
回転スライダを含むことができる。柄板３の制御
バツト１４，１４ａと協働する突出したカム状端
部を第１２図では参照番号１５で示した。図示の
ように、それぞれが２つの上下方向に重なるよう
に配置された制御バツト７１，７２を有する柄板
３と協働する公知のパターンホイール７３はセレ
クタ１３と共に回転自在にロツク１２で支持され
ている。精密機会部品である場合、パターンホイ
ール７３は好ましくは２つの上下方向に重なるよ
うに配置され、互いに回転できないように結合さ
れたパターンデイスク７４，７５から成り、上方
のデイスク７４が制御バツト７１と、下方のデイ
スク７５が制御バツト７２とそれぞれ協働するこ
とで、柄板３がパターンホイール７３の作用下に
ピボツト２を中心に（第１２図において右方へ）
旋回できるようにする。このため、デイスク７
４，７５は互いに位置の食い違うカムとして作用
する歯を有し、これらの歯が制御バツト７１，７
２の通路内に達して、セレクタ１３のカム状スラ
イダ端１５によつて行なわれるのと同様に柄板３
を旋回させる。

パターンホイール７３またはセレクタ１３によ
つて旋回させられた柄板の復旧は公知のように柄
板ヘツド４のＵ字形先端７６と咬合する（図示し
ない）係合部によつて行なわれる。このことは第
１図の構成についても同様である。

パターンホイール７３を含む実施例では係合部
７に形成する係合通路７７を特に第１３図及び第
１４図のように構成する係合通路７７は点Ｘから
スペースのロスを伴なわないように２つの互いに
並置された段部７８，７９に分割されており、ジ
ヤツク５のバツト６が選択的にこの段部上を摺動
して編み針をニツト位置またはタツク位置に到達
させる。この選択はパターンホイール７３によつ
て行なわれる。柄板３及びジヤツク５がパターン
ホイール３の歯によつて余分に旋回したかどうか
に応じてジヤツク５のバツト６が係合通路の段部
７９または７８に、即ち、タツク位置またはニツ
ト位置に達する。パターンホイール７３が作用し
ないためバツト６が旋回しないままなら、バツト
６は第１４図に鎖線で示す通路を辿る。ジヤツク
５がパターンホイール７３によつて旋回させられ
ると、バツト６は第１４図に斜線で示す通路を辿
る。

第１２図ないし第４図の構成ではセレクタ１３
のスライダは２つだけの作用位置を取り、第１の
位置で編み針９のエゼクトが起動され、第２位置
で編み針がウエルト位置にとどまる。編み針９を
エゼクトしようとする時にパターンホイール７３
の歯がバツト７１，７２のいずれか一方と咬合し
て柄板３及びジヤツク５をさらに旋回させると、
ジヤツク５のバツト６が係合通路７７の段部７９
に達するから、編み針はタツク位置のままであ
る。即ち、タツク位置とニツト位置の選択は第１
２図ないし第１４図の構成ではパターンホイール
７３によつて行なわれ、セレクタ１３によつて決
定されるのはエゼクトするかしないかだけであ
る。第１２図に示すセレクタ１３のスライダは作
用位置を２つだけしか必要としないから、第３図
ないし第１１図に示す回転スライダよりもその分
だけ簡単な構造でよい。セレクタ１３は公知のパ
ターンドラム、パターンシリンダまたはパターン
デイスクセツトとして構成してもよい。

第１３図には編み針９に設けた別のバツト１１
及びこれと協働して針９を引込める上方の係合部
７を示す。

第１５図はスライダを回転スライダとして構成
せず、上下方向に重なる１列の簡単なスライダと
して編み機の各ユニツトに連携させた本発明の他
の実施例を示す。即ち、任意に挿入することので
きる３つのスライダ８１，８２，８３を設け、こ
れを公知の態様でセレクタ１３に取り付ける。ス
ライダ８１は適正時点に柄板３のバツト１４と咬
合して編み針をウエルト位置に維持するカム面８
４を具備する。スライダ８２に設けたカム面８５
は編み針をタツク位置に移行させる。スライダ８
３はカム面を持たず、従つて針を自由に編成位置
まで到達させる。“スライダ”と呼ばれる部材８
１，８２，８３はそれ自体は固設部材であり、選
択的にセレクタ１３に挿通され、固定される。ス
ライダ８１，８２の裏側に形成した切込み８０が
その機能を示している。

第１６図はカム面８７，８８を有する回転スラ
イダの実施例８６を示す。回転軸は鎖線Ｚで示し
た。編み針をウエルト位置へ移行させるかタツク
位置へ移行させるかに応じて、スライダ８６を、
柄板３の制御バツト１４とカム面８７が咬合する
かまたはカム面８８が咬合するようにセレクタ１
３に挿通し、固定する。一方の位置から他方の位
置へ移行させる前にスライダ８６をセレクタ１３
から抜き、軸Ｚを中心に回動させねばならない。
編針をニツト位置に運びたければ、該当の柄板３
に関して、セレクタ１３にスライダ８６ではなく
カムのないスペーサを挿入する。

スライダ８６は２つの穴８９を具備し、実施態
様に応じて異なるが第７，８図に示すロツド５
０，６０のようなロツドをいずれか一方の穴に挿
通してスライダ８６を固定する。

【図面の簡単な説明】

第１図は選針装置を含む３位置制御編み機にお
ける編み針及びその制御板を略示する概略図；第
２図は３位置制御に対応させた係合通路を略示す
る概略図；第３図ないし第５図は選択レバーとし
て形成された回転スライダを３つの異なる作用位
置で略示する概略図；第６図ないし第１１図は回
転スライダの種々の実施例を示す概略図；第１２
図はパターンホイールを補足設置した実施例を示
す第１図と同様の概略図；第１３図は第１２図の
構成に対応する係合通路を示す概略図；第１４図
は第１３図中の矢印Ｄの方向に見た図；第１５図
及び第１６図は本発明のスライダの他の実施例を
略示する概略図である。 ３……柄板、５……ジヤツク、６，１１……バ
ツト、１４，１４ａ……制御バツト、１７，３
１，４１，５１，６１，８１，８２，８３，８６
……スライダ、１８，３４，４３，５３，６４…
…共通軸、１９，２０，３２，３３，５４，５
５，６２，６３……カム、２１……第１アーム、
２２……第２アーム、２３……制止ブロツク、２
４，２５……衝合壁、２８……切欠き、４２，５
２……長孔、４７，４８，４９；５７，５８，５
９；８９……孔、５０，６０……制止ロツド、７
１，７２……補助制御バツト、７３……パターン
ホイール、７４，７５……パターンデイスク、７
７……係合通路、７８，７９……段部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上下に重なるスライダ、制御バツトを有する
   柄板及び柄板で支持され、編み針とヒンジ連結さ
   れたジヤツクを具備し、スライダが柄板の制御バ
   ツトと協働して編み針を任意にウエルト位置、タ
   ツク位置またはニツト位置に設定するように構成
   した３位置制御多重ユニツト編み機の選針装置に
   おいて、編み機のユニツトごとに上下に重なるよ
   うに、編み機の軸線に平行な共通軸１８，３４，
   ４３，５３，６４を中心に回転自在な１列の回転
   スライダ１７，３１，４１，５１，６１を設け、
   該回転スライダ１７，３１，４１，５１，６１が
   その周縁に設けたカム１９，２０；３２，３３；
   ５４，５５；６２，６３を介して柄板３の制御バ
   ツト１４，１４ａと咬合するようにし、且つこの
   回転スライダを任意にウエルト位置、タツク位置
   またはニツト位置に対応する作用位置に設定し、
   この位置に固定できるようにしたことを特徴とす
   る３位置制御多重ユニツト編機の選針装置。 ２ 回転スライダを共通軸１８を中心に旋回する
   選択レバー１７として構成し、該レバーの第１ア
   ーム２１が柄板３の制御バツト１４，１４ａと協
   働し、第２アーム２２が共通の制止ブロツク２３
   を介して任意に種種の作用位置に対応する衝合壁
   ２４，２５と当接するようにしたことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ３ 制止ブロツク２３が第２アーム２２と咬合し
   てこれを制止するための切欠き２８を有すること
   を特徴とする特許請求の範囲第２項に記載の装
   置。 ４ 回転スライダ４１，５１を、長孔４２，５２
   を介して共通軸４３，５３で回転自在かつ摺動自
   在に支持したことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項から第３項までの何れか１項に記載の装置。 ５ 回転スライダ４１，５１，８６が共通の制止
   ロツド５０，６０を嵌入させるための孔４７，４
   ８，４９；５７，５８，５９；８９を有すること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項から第４項ま
   での何れか１項に記載の装置。 ６ 回転スライダ６１を360°回転デイスクとして
   構成し、その周縁に柄板３の制御バツト１４，１
   ４ａと協働するカム６２，６３を設けたことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項から第５項までの
   何れか１項に記載の装置。 ７ 回転デイスクがスイツチングドラムの一部を
   構成し、編み機の作動中ステツプバイステツプに
   回動することを特徴とする特許請求の範囲第６項
   に記載の装置。 ８ スライダ１７，３１，４１，５１，６１，８
   １，８２，８３，８６のほかに、柄板３の補助制
   御バツト７１，７２と協働する少なくとも１つの
   パターンホイール７３を設け、ジヤツク５のバツ
   ト６を、タツク位置及びニツト位置にそれぞれ対
   応する２つの段部７８，７９を有する係合通路７
   ７によつて案内し、ジヤツク５のバツト６をパタ
   ーンホイール７３により任意にいずれか一方の段
   部７８，７９に設定できることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項から第７項までの何れか１項に
   記載の装置。 ９ パターンホイール７３が上下に重なるように
   配置され、互いに回転不能に結合され、ジヤツク
   の補助制御バツト７１，７２と協働する２枚のパ
   ターンデイスク７４，７５を含むことを特徴とす
   る特許請求の範囲第８項に記載の装置。