JPH04113709U - ロツカシヤフトキヤツプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロッカシャフトの上に斜めに置かれても、ボ
ルトに締め込まれることによって、自動的に正規の取付
状態になるロッカシャフトキャップを提供する。 【構成】 ロッカシャフトキャップ６の下面の四隅に、
前後方向に傾斜した面取り１１が形成されている。面取
り１１は前後左右共対称に形成されており、それぞれの
長さはロッカシャフトキャップ６の全長の略１／４であ
る。ロッカシャフト１の上部に斜めに置かれた場合、図
に示すように、ロッカシャフト１の円弧に面取り１１の
傾斜部が当接することとになる。その結果、ボルト７に
締め込まれることにより、ロッカシャフトキャップ６が
ロッカシャフト１上で滑って図中矢印で示す方向に回転
し、凹部９がロッカシャフト１に嵌合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用内燃機関等に用いられるロッカシャフトキャップに係り、詳 しくはその組付作業性を向上させる技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＳＯＨＣ型エンジン等の動弁機構では、ロッカアームを設けることにより、カ ムシャフトの回転運動をバルブの往復直線運動に変換している。そして、ロッカ アームを揺動自在に支持するためのロッカシャフトは、シリンダヘッドの上面に ボルト等の締結部材により固定されている。

【０００３】 図３にはロッカシャフトをシリンダヘッドに固定する方法の一例を側面視によ り示し、図４には図３中Ａ−Ａ断面を示してある。これらの図において、１は円 筒形状のロッカシャフトであり、シリンダヘッド２のホルダ部３の上面に形成さ れた円弧形状の凹部４に嵌合している。ロッカシャフト１には上下方向にボルト 穴５が形成されており、ロッカシャフトキャップ６を介してこのボルト穴５を貫 通したボルト７によって、ロッカシャフト１がホルダ部３に固定されている。ロ ッカシャフトキャップ６は、上面がボルト７用の平滑な座面８となっている一方 、下面にはロッカシャフト１が嵌合する円弧形状の凹部９が前後方向に形成され ている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来のロッカシャフトキャップには次に述べる問題点があった。一般 に、自動車用エンジン等の組立ラインにおいては、生産性の向上を図るべく、ラ インスピードが高く設定されている。そのため、ロッカシャフト１のシリンダヘ ッド２への組付等はインパクトレンチ等を用いた迅速な作業が要求され、時には 組付後の十分な確認が行なえないようなこともあった。その結果、図５に示すよ うにロッカシャフトキャップ６が斜めになった状態のままボルト７が締め込まれ てしまい、ロッカシャフトキャップ６下面側端の平坦部１０が食い込んでロッカ シャフト１の表面に傷を付けたり、ロッカシャフト１内部を圧油の通路としてい るようなものでは圧油漏れによる油圧低下の原因となる等の不具合があった。 本考案は上記状況に鑑みなされたもので、ロッカシャフトの上に斜めに置かれ ても、ボルトに締め込まれることによって、自動的に正規の取付状態になるロッ カシャフトキャップを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案では、上面には締結部材用の座面が形成される一方、下面にはロ ッカシャフトに嵌合する円弧形状の凹部が形成されたロッカシャフトキャップに おいて、当該下面の四隅に面取りを設けたことを特徴とするロッカシャフトキャ ップを提案するものである。

【０００６】

【作用】

ロッカシャフトの上に斜めに置かれた場合、ボルトに締め込まれることにより 、ロッカシャフトキャップがロッカシャフトの円弧に乗り上げた面取りの傾斜に 沿って正規の取付状態まで回転する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。尚、実施例の説明に 当たっては、前述した従来の部材と同一の部材に同一の符号を付し、重複する説 明を省略する。 図１には本考案に係るロッカシャフトキャップを三面視により示し、図２には 本考案の作用を示してある。

【０００８】 図１(a)，(b)，(c)にはロッカシャフトキャップ６の正面，側面，下面をそれ ぞれ示してある。同図に示すように、本実施例では、ロッカシャフトキャップ６ の下面の四隅に、前後方向に傾斜した面取り１１が形成されている。面取り１１ は前後左右共対称に形成されており、それぞれの長さはロッカシャフトキャップ ６の全長の略１／４である。したがって、面取りされていない部分すなわち平坦 部１０は全長の略半分となっている。

【０００９】 本実施例では、このようにロッカシャフトキャップ６に面取り１１を形成した ため、ロッカシャフト１の上部に斜めに置かれた場合、図２に示すように、ロッ カシャフト１の円弧に面取り１１の傾斜部が当接することとになる。その結果、 ボルト７に締め込まれることにより、ロッカシャフトキャップ６がロッカシャフ ト１上で滑って図中矢印で示す方向に回転し、凹部９がロッカシャフト１に嵌合 するのである。

【００１０】 以上で本考案の具体的実施例の説明を終えるが、本考案の態様はこの実施例に 限られるものではない。例えば、面取り１１の長さをロッカシャフトキャップ６ の全長の半分として考案の効果を更に高めるようにしてもよい。

【００１１】

【考案の効果】

本考案に係るロッカシャフトキャップによれば、ロッカシャフトの上に斜めに 置かれた場合にも、面取りの傾斜部がロッカシャフトの円弧に当接するため、ボ ルトに締め込まれることにより回転して正規の位置に嵌合するようになり、ロッ カシャフトの表面に傷を付けたり、圧油漏れによる油圧低下等の不具合が解消さ れるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るロッカシャフトキャップを示す三
面図である。

【図２】本考案の作用を示す説明図である。

【図３】ロッカシャフトのシリンダヘッドへの固定方法
の一例を示す側面図である。

【図４】図３中、Ａ−Ａ断面図である。

【図５】ロッカシャフトに対してロッカシャフトキャッ
プが斜めになった状態のままボルトが締め込まれた状態
を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ロッカシャフト ２ シリンダヘッド ３ ホルダ ６ ロッカシャフトキャップ ７ ボルト ８ 座面 ９ 凹部 １０ 平坦部 １１ 面取り

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面には締結部材用の座面が形成される
   一方、下面にはロッカシャフトに嵌合する円弧形状の凹
   部が形成されたロッカシャフトキャップにおいて、当該
   下面の四隅に面取りを設けたことを特徴とするロッカシ
   ャフトキャップ。