JPH041074B2 - - Google Patents

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JPH041074B2
JPH041074B2 JP61138127A JP13812786A JPH041074B2 JP H041074 B2 JPH041074 B2 JP H041074B2 JP 61138127 A JP61138127 A JP 61138127A JP 13812786 A JP13812786 A JP 13812786A JP H041074 B2 JPH041074 B2 JP H041074B2
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JP
Japan
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layer
coating layer
alloy
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JP61138127A
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JPS62297473A (ja
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Yukinobu Higuchi
Tomoya Ooga
Hirobumi Nakano
Hiroichi Yokoya
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH041074B2 publication Critical patent/JPH041074B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/06Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
    • C23C22/24Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing hexavalent chromium compounds

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  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は耐食性、電気抵抗溶接法による溶接
性、塗装性能にもすぐれ飲料缶、一般缶など各種
の容器用素材として使用される多層Ni系合金メ
ツキ鋼板に関するものである。 (従来の技術) 近年、飲料缶、食品缶の製缶方式や缶デザイン
等は著しく進歩かつ多様化し、これらに適応する
容器用素材は低価格で高性能なものが要求されて
いる。 就中、電気抵抗溶接法の製缶方式、例えばスー
ドロニツク溶接製缶法は、材料歩留りが高く、接
合時の強度が高く接合不良に基づく漏洩缶発生率
が極めて少なく、各種形状のデザイン缶に適用さ
れる等多くの利点があり広く使用され始めてい
る。この溶接製缶素材には、従来からSn付着量
が#10以上(Sn付着量1.12g/m2)、好ましくは
#25以上(Sn付着量0.28g/m2)のSnメツキ鋼
板が使用されてきた。 しかしながら、Snメツキ鋼板は溶接性、耐食
性等にすぐれている反面次の様な欠点も見られ、
その対策が要望されてきている。 すなわち、Snメツキ鋼板を塗装して使用する
場合、塗料密着性、特に塗装後腐食環境に長期間
曝された場合の塗料密着性(所謂、二次塗料密着
性)或いは塗装後の耐食性が必ずしも充分でない
などの欠点が見られた。 また、Snメツキ鋼板の溶接部は、Snメツキ層
が溶融−溢出されるか或いは酸化Sn層が極く一
部存在する程度で、殆んどSnメツキ層が存在せ
ず、従つて塗装処理が施されても必ずしも耐食性
は充分とはいい難い。 さらには、近年塗装技術の発達により、高温短
時間焼付け塗装法が採用される傾向にあるが、
250℃〜350℃の高温塗装焼付け処理が行なわれた
場合、Snメツキ層(Snの溶融点231℃)が溶融さ
れ、塗装性能のすぐれた塗膜が得られない欠点も
ある。 最近では、Snメツキ鋼板に代る容器用素材、
特に電気抵抗シーム溶接法製缶方式が可能な素材
としてNiメツキ層にクロメート被膜処理を施し
た各種の鋼板が開発されている。例えば特開昭55
−138096号公報の「鋼板表面にNi拡散処理層と
クロムメート被膜層を施した鋼板」特開昭56−
169788号公報の「Niメツキ層とクロメート被膜
層を施した鋼板、特開昭59−232296号公報のNi
拡散層とNiメツキ層を設けた後にクロメート被
膜層を施した鋼板等がある。 これらの鋼板は、広い溶接適正範囲を有し、さ
らには塗装性能もすぐれた溶接缶用素材を主体と
した容器用素材として使用されている。 (発明の解決しようとする問題点) しかしながら、これらの容器用鋼板を詳細に検
討してみるに、Niメツキ層、Ni−Fe拡散層はそ
の融点が鋼板よりも低いが相当高温であり、しか
も接触抵抗値も大きいことから、充分な溶接強度
と溶接欠陥(散りの発生)のない溶接範囲が必ず
しも広いと云い難い問題があつた。 また、Ni金属はその耐食性が非常にすぐれて
いるが、鋼板に比較して、その電位がカソード
(貴)なるため、缶内容物の種類によつてはメツ
キ欠陥部から穿孔腐食を起すため、缶内容物を限
定しなければならない問題がある。 一方、イージーオープン缶蓋は、缶切りを必要
とせず、何時、何処でも容易に開缶可能である所
から、飲料缶ではほぼ100%使用されており、今
後は全ての食缶に採用されると考えられる。 現在、Al板は開缶性に優れている所からイー
ジーオープン缶蓋用素材に多く用いられ、また表
面処理鋼板(ブリキ)は、耐食性の問題からAl
が使用出来ない食品(例えばトマトジユース等、
食塩を含む食品)に使われている。しかし、最近
鋼板材質及び缶蓋デザインの面から検討された結
果、Al板に劣らない開缶性を持つブリキ板のイ
ージーオープン缶蓋が製造可能となり、更に缶価
格を低減する新素材が要求される様になつた。 イージーオープン缶蓋では開缶を容易にし、中
味を取り出すのに充分な大きさの口を開けるた
め、表面にV型ノツチを入れる即ちスコア加工
し、その開口部を引きちぎる起点となるタブの張
り出しや、絞り加工、その部分にタブを固定する
カシメ、いわゆるリベツト加工等、厳しい加工が
施される。従つて、イージーオープン缶蓋材に
は、鋼板そのものの加工性は勿論、その表面被覆
層にも、次の様な性能も要求されている。 (a) リベツト加工及びスコアー加工によつて、被
覆層にクラツクが生じない事、生じたとしても
地鉄に達しない事。 (b) 加工部の塗装性能を劣化させない事。 この他、全体として、塗装性及び塗装後耐食性
に優れている事も要求されている。又、イージー
オープン缶蓋以外の缶蓋、缶胴に対しても、まき
しめ等の苛酷な加工が行なわれるので、折り曲げ
加工部等に対しても上記と同様な特性が要求され
ている。 従来から#25〜#75ブリキ(Snメツキ量2800
〜8400mg/m2)等が用いられて来たが、錫価格が
高価であり、より安価で各性能に優れた素材が強
く要求されるようになつた。 (問題点を解決するための手段) かかる状況から、本発明者等は、溶接缶用素材
のより一層の性能向上、及びイージーオープン缶
蓋或いは通常の缶蓋としても使用可能なSn付着
量が多いブリキに代る安価で溶接性、耐食性、塗
装密着性など各性能に優れた素材の開発を目的
に、種々検討した結果、高性能なNi合金系多層
メツキ鋼板を開発したのである。その要旨は、鋼
板表面に、Ni、Ni−Co合金、Ni−Fe合金の1
層又は2層以上で構成される片面当りの付着量が
100〜2000mg/m2の下地被覆層を有し、該表面に
片面当りの付着量で10〜300mg/m2のNi−P系合
金被覆層、さらに最表面層に金属Cr量換算で片
面当りの付着量が3〜50mg/m2のクロメート被覆
層を有する耐食性、溶接性及び塗装性能にすぐれ
たNi合金系多層メツキ鋼板である。 (作用) 以下に本発明について詳細に説明する。 本発明において薄鋼板には現在鉄鋼業界で広く
一般に行なわれているブリキ、テインフリースチ
ール(T.F.S.)等の表面処理鋼板用として製造さ
れている例えば冷間圧延、焼鈍調質圧延又は2回
目冷間圧延等を施され、表面処理鋼板用原板とし
て調整された各種の冷延鋼板を用いる。 鋼板は、現在表面処理鋼板製造の前処理即ちア
ルカリ洗滌、酸洗を施して表面活性化した後、
Niメツキ、Ni−Co合金メツキ、Ni−Fe合金メ
ツキの1層又は2層以上の重ねメツキ或いはNi
−Fe合金メツキの一形態として、Niメツキ後拡
散処理を施したNi−Fe拡散合金層及び該拡散層
に上記のNi、Ni−Co、Ni−Feの1層又は2層
以上の重ねメツキが施される。 これらの下地被覆層を施すメツキ浴及びその方
法については、特に規定されるものではなく、硫
酸ニツケル−塩化ニツケル−ホウ酸系浴、硫酸
(ニツケル+コバルト)−塩化(ニツケル+コバル
ト)−ホウ酸系浴、硫酸(ニツケル+鉄)−塩化
(ニツケル+鉄)−ホウ酸系浴、或いは塩化(ニツ
ケル+鉄)−ホウ酸系浴等を用いるとよい。 例えば、 (a) Niメツキ メツキ浴;硫酸ニツケル 240g/ 塩化ニツケル 60g/ ホウ酸 20g/ 電流密度;10〜50A/dm2 メツキ温度;常温〜80℃ (b) Ni−Co合金メツキ(Ni−50%Co合金) メツキ浴;硫酸ニツケル 180g/ 硫酸コバルト 180g/ 塩化ニツケル 25g/ 塩化コバルト 25g/ ホウ酸 30g/ 電流密度;10〜50A/dm2 メツキ温度;常温〜80℃ (c) Ni−Fe合金メツキ(Ni−40%Fe合金) メツキ浴硫酸ニツケル 75g/ 塩化ニツケル 140g/ 硫酸第一鉄 50g/ ホウ酸 30g/ 電流密度;5〜50A/dm2 メツキ温度;常温〜80℃ (d) 拡散処理法によるNi−Fe合金メツキ Ni電気法或いは(さく酸Ni−添加剤系水溶
液塗布法により、鋼板表面にNi処理層を設け、
加熱拡散処理を施してNi−Fe合金拡散被覆層
を設ける、 例えば、冷間圧延のままの鋼板表面を表面清
浄化処理後に、Ni処理層を設け、焼鈍を兼ね
て非酸化性雰囲気或いは還元性雰囲気中で600
〜800℃の加熱温度で拡散処理を行なう方法 等が採用される。 而して、これらの下地被覆層は、片面当りの付
着量として100〜2000mg/m2の範囲で施される。 これらの下地被覆層が100mg/m2未満では、メ
ツキ原板に対する均一被覆性が充分でなく、これ
らの上層に設けられるNi−P合金被覆層を所定
量設けても、複合被覆層の均一被覆性が不充分で
耐食性能が得られない。 また、被覆層の量が2000mg/m2をこえる場合に
は、均一被覆性向上効果が飽和するとともに、こ
れら下地被覆層はその処理時に水素を吸蔵し易く
しかも比較的硬質なために、巻き締め加工或いは
リベツト加工等の如き缶容器の製造過程での加工
によりクラツクの発生或いは被覆層の剥離等が生
じるので好ましくない。 従つて、これらの下地被覆層は、片面当りの被
膜量として100〜2000mg/m2、好ましくは150〜
1000mg/m2の範囲である。次いで、これらのNi
系の下地被覆層の1層又は2層以上を施してか
ら、水洗後にそのまま或いは酸洗による活性化後
にNi−P合金被覆層の上層被覆処理を行なう。 このNi−P合金被覆層を設ける方法は、めつ
き浴組成、電解処理条件等何ら規定するものでは
ない。 例えば 硫酸ニツケル 240g/ 塩化ニツケル 45g/ 亜リン酸 20g/ ホウ酸 30g/ 等のメツキ浴を用いて、メツキ温度;常温〜80
℃、電流密度;1〜50A/dm2の電解条件で被覆
処理が施される。 而して、本発明の目的を達成するためには、そ
の被膜量が重要であり、片面付着量として10〜
300mg/m2の被覆層が設けられる。 この被覆層量が10g/m2未満では、均一な被覆
層が生成され難く下地Ni系被覆層に対する防食
効果が得られず、またNi−P合金被覆層による
溶接性向上効果も得られない。 また、その被覆層量が300mg/m2をこえる場合
には、耐食性向上効果及び溶接性向上効果が飽和
するとともに、Ni−P合金層を得るための電解
効率が極めて低い(約15〜20%)ため、300mg/
m2をこえる被膜量の被覆層を得るためには多量の
電気量を要し、経済的でない。 Ni−P合金被覆層は、10〜300mg/m2、好まし
くは30〜100mg/m2である。 また、Ni−P合金被覆層の合金組成は、溶接
性の点から低融点である事が望ましく、P含有率
は重量比率で3〜30%、好ましくは、7.5〜15%
のP含有率のNi−P合金組成の被覆層であると
よい。本発明はさらにNi−P合金被覆層を施し
た後、水洗し、続いて塗装性及び塗装性能を向上
させるために、クロメート系処理を行なう。 「クロメート被膜は、缶用塗料の密着性向上及
び缶内面において、水溶液状の内容物が塗膜を透
過し、鋼板と塗膜界面で腐食が進行するいわゆる
アンダーカツテイングコロジオンを防止するのに
大きな効果がある。而して、長期にわたり、塗膜
の密着性が劣化せず、良好な耐食性が保持され
る。クロメート被膜は又、S化合物を含む食品、
例えば魚肉、蓄産物等の場合にみられる鋼板表面
の黒変、即ち硫化黒変を防止する効果が大きい。
かくの如く、クロメート被膜は、特に塗装して用
いられる場合には性能向上に有効であるが、溶接
にとつては有害である。ここでいうクロメート被
膜は、水和酸化クロム単一の被膜即ち本来のクロ
メート被膜と、今一つは下層に金属Cr、その上
に水和酸化クロムの2層より成る被膜の2つの場
合を指している。水和酸化クロム被膜は電気的に
は絶縁体であり電気抵抗も高く、金属クロムは電
気抵抗及び融点が高いので、いづれも溶接性を劣
化せしめる傾向にある。 而して、本発明においては耐食性、溶接性など
の特性から、金属クロム換算でCr付着量が片面
当り3〜50mg/m2、好ましくは5〜35mg/m2
Cr付着量が選定される。 即ち、Cr付着量が3mg/m2未満では、塗料密
着性の向上、アンダーカツテイングコロジオン等
の塗膜下腐食の防止等に効果が得られないので3
mg/m2以上のCr付着量が、好ましくは5mg/m2
以上の付着量がよい。 又、Cr付着量が50mg/m2をこえると接触抵抗
の増加が著しくなるので、溶接電流を増加する必
要があり、散りの発生が生じ易くなるなど溶接範
囲がせまくなるので溶接性が劣化する。またCr
付着量が50mg/m2をこえると外観を劣化する。特
に、本発明の該処理材の用途を電気抵抗シーム溶
接法による溶接缶用途を対象とした場合には、ク
ロメート被膜量及びその被膜構成を以下の如くに
規制するのが好ましい。 すなわち、金属Cr量換算で片面当りの付着量
で金属Cr層が2mg/m2以下、水和酸化Cr層が18
mg/m2以下でクロメート被膜量の総和が3〜20
mg/m2からなるクロメート被膜層で構成される。
この被膜構成のクロメート被膜は、溶接作業に最
も悪影響を及ぼす金属Cr層を極く微量に限定す
るとともに、溶接性を損なわない範囲での水和酸
化Cr層との総和で構成されたものである。 クロメート処理は、クロム酸、各種のクロム酸
のNa、K、あるいはアンモニア塩の水溶液によ
る浸漬、スプレイ処理、陰極電解処理等、何れの
方法で行なつても良いが、陰極電解処理が優れて
いる。就中、CrO3にSO4イオン、Fイオン(錯
イオンを含む)あるいはそれ等の混合物を添加し
た水溶液中で陰極電解処理する方法が最も優れて
いる。CrO3の濃度は20〜100g/の範囲で充分
であるが特に規制する必要はない。添加する陰イ
オンの量は、6価のクロムイオン濃度の1/300〜
1/25好ましくは1/200〜1/50の濃度の時、最良の
クロメート被膜が得られる。陰イオン濃度がCr
の1/300以下では、均質かつ均一で、塗装性能に
大きく影響する所の良質のクロメート被膜が得難
くなる。1/25以上では、生成するクロメート被膜
中に取り込まれる陰イオンの量が多くなり被膜の
性能が劣化する。浴温は特に規制する必要がない
が、30〜70℃の範囲が作業性の面から適当であ
る。陰極電解電流密度は5〜100A/dm2の範囲
で充分である。処理時間は、前記処理条件の任意
の組合せにおいて、クロメート付着量が前記に示
した様に、その用途に対応して3〜20mg/m2或い
は3〜50mg/m2の範囲になる様に設定される。 尚、本発明において、Ni系下地処理層、Ni−
P合金メツキ層を設ける処理工程において、使用
薬品、電極等から不可避的不純物として、S等が
含有されるが何ら本発明の支障となるものではな
い。また、使用されるメツキ原板としては、通常
の容器用材料に使用される原板、すなわちブリキ
原板、TFS用の原板以外に耐食性を向上する目
的で、Cuを0.05〜0.30含有されるCu含有鋼板或い
は0.2〜10%のCrを含有する鋼板、CrにNiを0.1〜
1%含有せしめた鋼板等をメツキ原板として使用
してもよい。 以下に、本発明の実施例について述べる。 表面清浄化処理を施した冷延鋼板(As Cold材
或いはフルフイニツシユ仕上げを行なつた鋼板)
表面に対して、第1表に示すNi、Ni−Co、Ni−
Fe下地被覆処理層を各々1層又は2層設けた。 次いで、該表面にNi−P合金メツキ層とクロ
メート被膜処理層を設けて、さらに塗油を行なつ
た評価材について、各種の評価テストを実施し
た。 A 塗装性能及び耐食性 製缶用エポキシフエノール(フエノールリツ
チ)塗料を片面当りの乾燥重量として50mg/d
m2・評価材の試験面に塗布し、250℃で10分間
焼付けを行ない、さらに180℃×20分間の空焼
き(外面塗装をシユミレート)を行なつた、こ
の評価材に対して、塗装面にナイフでスクラツ
チ疵を入れ、各々以下の評価試験を行なつた。 経時塗料密着性 腐食液として(1.5%クエン酸+1.5%
NaCl)系水溶液を用い、大気開放下で55℃
で7日間・浸漬試験を行ない、スクラツチ部
及び平面部をテープ剥離して、スクラツチ部
及び平面の塗膜剥離状況を以下の評価基準で
評価した。 ◎……スクラツチ部からの塗膜剥離巾が0.25
mm未満で、平面部の塗膜剥離なし、 ○……スクラツチ部からの塗膜剥離巾が0.25
mm以上〜0.40mm未満で、平面部の塗膜剥離
なし、 △……スクラツチ部からの塗膜剥離巾が0.40
mm以上〜0.60mm未満或いは平面部からの塗
膜剥離部分10点以下 ×……スクラツチ部からの塗膜剥離巾が0.60
mm以上或いは平面部からの塗膜剥離部分11
点以上 塗装後耐食性 上記評価材を0.5%クエン酸水溶液中に、
N2雰囲気下で50℃で12日間浸漬して、スク
ラツチ部からの穿孔腐食深さを測定して、そ
の耐食性を以下の評価基準で評価した。 ◎……最大穿孔腐食深さ0.10mm未満 ○…… 〃 0.10mm以上〜0.15mm
未満 △……最大穿孔腐食深さ0.15mm以上〜0.20mm
未満 ×…… 〃 0.20mm以上 B 電気抵抗シーム溶接法による溶接性及び溶接
性能 スードロニツクタイプの溶接機を用いて、
0.5mm巾の溶接ラツプ代で、加圧力42Kg、溶
接スピード30m/minで、溶接テストを行な
い、その適正溶接範囲を求めた。すなわち、
溶接缶として充分な溶接強度が得られる溶接
電流(a)とスプラツシユ等の溶接欠陥が目立ち
始める溶接電流(b)を各々測定して、(b)−(a)の
電流値を溶接範囲とした。尚、評価基準は以
下の方法によつた。 ◎……溶接電流範囲(b)−(a)が3A以上 ○…… 〃 2A以上〜3A未
満 △…… 〃 1A以上〜2A未
満 ×…… 〃 1A未満 溶接缶内面のデント部の塗装性能 上記の適正溶接範囲で、缶内面にエポキシ
フエノール系塗料を65mg/dm2塗装した溶接
缶を作成した、該溶接缶に0.1%リン酸水溶
液を充填し、外面から缶胴部に重さ1Kgの重
錘を高さ100cmから落下せしめて、缶内面が
凸部になるデント部を生成せしめ、55℃で3
ヶ月間放置後にこのデント部の状況を観察し
て、その塗膜の剥離状況及び塗膜下の腐食状
況を調査して評価を行なつた。尚、評価基準
は以下の方法によつた。 ◎……テープ剥離によつて塗膜の剥離及び塗
膜下に腐食の発生なし、 ○……テープ剥離によつて塗膜剥離若干発生
するも塗膜下の腐食の発生なし、 △……テープ剥離によつて塗膜剥離可成り発
生し、塗膜下に赤錆の発生若干認められ
る。 ×……テープ剥離によつて塗膜大部分剥離す
るか或いは塗膜下にピツテイング状の腐食
可成り発生 溶接部の耐食性 溶接部に塩ビゾル系の補修塗料を50μ厚さ
塗装後、スクラツチ疵を入れ、N2雰囲気下
で市販のリングジユース中に50℃で1.5ヶ月
間浸漬し、そのスクラツチ部の穿孔腐食の状
態を測定して耐食性を評価した、尚、評価基
準は以下の方法によつた。 ◎……最大穿孔腐食深さが0.075mm未満 ○…… 〃 0.075mm以上〜0.10mm未満 △…… 〃 0.10mm以上〜0.15mm未満 ×…… 〃 0.15mm以上 C EOE加工後の性能 イージーオープンエンド(EOE)加工後の
耐食性能評価を目的として、EOE用エポキ
シ・フエノール系塗料を50mg/dm2になる様
に、塗装後、EOE加工を行ない、シビアーな
加工を受けるリベツト加工部、スコア加工部
(スコア残厚75μ)等を主体にして、そのEOE
加工後の性能を各々缶内面及び缶外面を対象と
した評価テストを行なつた。 内面を対象とした耐食性 各評価材の性能間の優位差を明確に判定す
るために、補修塗装を行なわないで、(1.5%
クエン酸+1.5%NaCl水)系溶液中に、N2
囲気下で27℃で3ヶ月間の浸漬試験を行な
い、この塗膜の密着性及び塗膜下の腐食状況
を観察して、その評価を行なつた、尚、評価
はリベツト加工、スコア加工等の加工部に相
当する内面部を中心に行なうと共に、評価基
準は以下の方法によつた。 ◎……加工による被覆層に対するクラツク発
生等のダメージ等の影響による塗膜剥離が
なく(セロテープ剥離)、また塗膜下の腐
食発生認められない、 ○……上記と同様被覆層のダメージによる影
響は少ないが、塗膜密着性の経時劣化によ
つて塗膜がセロテープ剥離によつて若干発
生するも、塗膜下での腐食明瞭に認められ
ない。 △……被覆層のダメージの影響に基因して、
塗膜剥離可成り発生するも、上記ダメージ
の発生は少なく塗膜下腐食の発生が明瞭に
認められるも軽微。 ×……被覆層のダメージ大きく、塗膜剥離著
しく発生、また塗膜下での腐食が残り著し
く認められる。 外面を対象とした耐錆性 EOE外面の耐錆性の評価のため次の条件
のサイクルテストを20サイクル行なつた。 塩水噴霧試験(5%NaCl、35℃×1時間)
→湿気槽保管(49℃、RH98%以上×1時
間)→室内放置(22時間) リベツト加工部等EOE加工を受けた部分
の発錆状況を観察評価した。 尚、評価基準は以下の方法によつた。 ◎……加工による被膜層に対するクラツク発
生等のダメージの影響による錆の発生が全
くない。(EOE加工部での錆発生率0%) ○……被膜のダメージに基因する錆の発生が
僅かに認められる(EOE加工部での錆発
生率10%未満) △……被膜のダメージに基因する錆の発生が
可成り認められる。(EOE加工部での錆発
生率10〜30%未満) ×……被膜のダメージに基因する錆の発生が
著しい(EOE加工部での錆発生率30%以
上)
【表】
【表】 (発明の効果) 而して、本発明の鋼板は、塗装して使用される
電気抵抗シーム溶接缶或いは厳しい加工を受ける
イージーオープン缶蓋等に使用される場合に、次
の様な効果を有する。 (a) Ni金属(融点;1452℃)の融点に比して、
低融点のNi−P合金(17.4重量%P;1175℃、
11重量部;880℃)被膜層をNi、Ni−Co、Ni
−Fe被膜層の1層又は2層以上で構成される
下地被膜層の表面層として施すため、溶接時の
接触抵抗値が減少する事により、適正な溶接範
囲が拡大される。 (b) Ni−P系合金被覆層は非晶質層であるため、
リベツト加工或いは巻き締め加工等の苛酷な加
工に対しても、クラツクの発生を防止する。ま
た、各被覆層は結晶形態及び硬度が異なるた
め、クラツクが発生しても、各層の境界部で伝
幡停止し、鋼表面までの到達が著しく軽減され
る。 (c) Ni−P合金単独被覆層或いは下地被覆層の
Ni、Ni−Co、Ni−Feの1層又は2層以上だ
けの被覆層と比較して、これらその重畳被覆層
は、被覆層欠陥(ピンホール)が極めて軽減さ
れる。例えピンホールが生成されても、Ni−
P被覆層の下地被覆層に対する防食効果が極め
て大きく、下地被覆層に形成される欠陥部から
発生する穿孔腐食を防止する効果が極めて大き
い。 従つて、缶内容物の種類が多様化される。 (d) 本発明における被覆層は、Snメツキ層より
も、高融点であるため、Snメツキ鋼板に比較
して広範囲な塗装焼付け条件の採用が可能であ
り、Snメツキ鋼板で問題となる250℃以上の高
温塗装処理が可能である、 また、これら被覆層の最表面に施されるクロ
メート被膜層との相剰効果による塗装性能の向
上が、理由は定かではないが極めて著しく、塗
料密着性、塗装後耐食性向上効果が極めて著し
い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 鋼板表面に、Ni、Ni−Co合金、Ni−Fe合
    金の1層又は2層以上で構成される片面当りの付
    着量が100〜2000mg/m2の下地被覆層を有し、該
    表面に片面当りの付着量で10〜300mg/m2のNi−
    P系合金被覆層、さらに最表面層に金属Cr量換
    算で片面当りの付着量が3〜50mg/m2のクロメー
    ト被膜層を有する事を特徴とする耐食性、溶接性
    及び塗装性能にすぐれたNi合金系多層メツキ鋼
    板。
JP13812786A 1986-06-16 1986-06-16 耐食性、溶接性及び塗装性能にすぐれたNi合金系多層メツキ鋼板 Granted JPS62297473A (ja)

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JPS56169788A (en) * 1980-06-03 1981-12-26 Nippon Steel Corp Steel sheet useful as welded can
JPS599198A (ja) * 1982-07-07 1984-01-18 Nippon Steel Corp 溶接缶用めつき鋼板

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