JPS63293171A - 溶接性と塗装後耐食性に優れた容器用クロメ−ト処理鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、溶接性と塗料塗装後の耐食性に優れた容器用
クロメート処理鋼板に関するものである。

従来の技術 近年、製缶方式の多様化１発展は著しく、特に３ピ一ス
缶製缶分野における溶接缶の実用化は急速に進展してい
る。

３ピ一ス缶には半田缶、接着缶、溶接缶があるが、これ
らの中で溶接缶は、接合部の強度が高く、接合不良に基
づく漏洩缶発生率が非常に低いこと、また接合部のラッ
プ代が小さく、外観が美麗であることおよび製缶設備投
資額が少ないことなどの利点があるので好ましい技術で
ある。

−・方、イージーオープン缶蓋は、缶切りを必要とせず
、何時、何処でも容易に開缶が可能である所から飲料缶
ではほぼ１００％使用されており、今後全ての食缶に採
用されると考えられる。

従来溶接缶用素材としては、錫（Ｓｎ）めっき鋼板（ブ
リキ）、電解クロムめっき鋼板（ＴＦＳ−ＣＴ）などが
ある。

しかし、ブリキのＳｎめっき量は溶接缶用で２８００ｍ
ｇ／ｍ”、あるいは５８００ｍｇ／ｍ２、またイージー
オープン缶用で２８００〜８４００ｍｇ／ゴとＳｎの使
用駿が多く、Ｓｎ価格の高論などにより、製缶のコスト
ダウンのためＱＳｎめっＳ　（ＬＴＳ）化が指向されて
いるが、Ｓｎ付着量の減少により溶接性や耐食性などが
低下する。

一方、　ＴＦＳ−ＣＴは、ブリキに比べて安価であり。

また抜群の塗装性能（塗料密着性、塗装後の耐食性）を
有しているのでブリキに代る缶用素材として優れたもの
である。しかし、これは鋼板表面に金属クロム層及び水
和酸化クロム層を被覆したものから構成され、その水和
酸化クロム層は絶縁体であり、金属クロム層は高融点の
ためシーム溶接性は不良である。

従って溶接方式による型缶方式の場合は、溶接部の強度
不足がしばしば生じる欠点があるので、ＴＦＳを溶接缶
用素材として使用するには溶接部に相当するＴＦＳ表面
を機械的に研削除去する方法が採用されている。しかし
この方法ではＴＦＳは片面当り約７０〜１５０■ｇ／ｒ
ｒｙ’の金属クロム層とこの表面に約ｌＯ〜３０ｍｇ／
ｍ″の醸化クロム層で形成されているため、その研削、
除去は困難であるとともに、その研削された酸化クロム
、金属クロム或いは鉄粉などが溶接部の近傍にピックア
ップされ、缶内・外面を汚すなどの問題を生じるなどい
ろいろ問題が残されている。

発明が解決しようとする問題点 本発明者らはＴＦＳの耐食性や塗装性能を維持しながら
溶接性を大巾に向上させることについて検討したところ
、クロム被覆層中に伝導性、低融点、耐食性金属（たと
えばＳｎ、　Ｎｉ、　Ｚｎなど）、これらの酸化物及び
炭化物などの粒子を分散させれば、これらの粒子はめっ
き層の厚みに比べて大きく、溶接時にこれらの粒子が互
に接触することになり、接触抵抗が下り溶接性が向丘す
るという知見を得、本発明に到達したものである。

問題点を解決するための手段 すなわち本発明は鋼板表面に５〜３００ｍｇ／ｍ２の金
属クロム層と３〜５０ｍｇ／ｍ２の水和酸化クロム層か
らなるクロム被覆層中に耐食性金属またはこれらの酸化
物、炭化物の粒子から選ばれた一種あるいは二種以とを
該クロム被覆層量に対し０．１〜５０重量％を分散して
なる事を特徴とする溶接性と塗装後嗣食性に優れた容器
用クロメート処理鋼板である。

作用 鋼板表面のクロム被覆層中に耐食性、溶接性の良好な物
質粒子を分散させることによって、溶接時に分散粒子同
志が互に接触すると、その接触抵抗が低下し、その溶接
性を向上させることができる。

以下さらに本発明の詳細な説明する。

本発明において用いられる基板となる鋼板は、従来のブ
リキなど溶接缶用素材に基板として用いられた冷延鋼板
を使用できる０例えば冷間圧延。

焼鈍調質圧延等を施され、表面処理鋼板原板として調整
された各種の冷延鋼板が好都合に用いられる。

次にこのような冷延鋼板を通常めっき無理において用い
られているめっき前処理、すなわち電解脱脂及び電解酸
洗が施される。これらのめっき前処理の浴組成、処理条
件は特に限定するものではない。

電解脱脂及び電解酸洗処理された鋼板は耐食性、塗装性
能特に塗装後の耐食性向上を目的としてクロメート処理
が施されるが、単に鋼板表面をクロメート処理を施し、
鋼板表面に金属クロム層とその表面に水和酸化クロム層
を形成させたものでは電気抵抗による溶接性が悪いこと
から、本発明においては電気抵抗溶接によっても充分な
溶接性が得られるクロム被覆層を形成させることが重要
である。

そこで本発明では鋼板表面に５〜３００ｍｇ／ｍ２の金
属クロム層と３〜５０ｓ＋ｇ／ｍ２の水和酸化クロム層
からなるクロム被覆層中に伝導性、低融点、耐食性の物
質たとえば金属、酸化物、炭化物などをクロム被覆層量
に対し０．１〜５０重晴％分散させることによって溶接
性と塗装後の耐食性を向上させるようにしたものである
。

鋼板表面のクロム被覆層の被覆シを限定した理由は、金
属クロム層が５−ｇ／ｍ２未満では鋼板表面を均一に被
覆することはできず、また耐食性向Ｆ効果が認められな
いからであり、３００量ｇ／ｍ２では耐食性向ヒ効果が
飽和し経済的に有利ではないからである。

また、水利酸化クロム層が３ＩＩｇ／ｒｎ″未満では良
好な塗料密着性を確保することが難しく、５０５ｇ／ｍ
２を越えると塗装性の効果が飽和するとともに外観が劣
化し商品価４ｍが失われるからである。

クロム被覆層中に分散される物質（導電性粒子とも云う
）としては、伝導性、低融点、耐食性を有する物質であ
ればよく、シかしながら１食品容器用素材として使用さ
れるので、人体に悪′＃響を及ぼすような物質は適当で
はない、このよう゛な物質の例としてはＳｎ、　Ｎｉ、
　Ｚｎ、　Ｃｒ、　Ａｇ、などの金属やこれらの酸化物
、炭化物などが挙げられ、これらを一種あるいは二種以
Ｆ用いることができる。

これらの物質は粒状のものが好ましいが、その粒イーの
粒径はクロム被階層の被膜量によって変り特定すること
はできないが、余り大きい粒子であると、平滑なりロメ
ート被ｒｎ層が得られず、余り小さい粒子であると凝集
するので目的とする溶接性は得られない。

本発明においてクロメート処理は、公知の方法を用いる
ことができる。

このクロメート処理は、クロム酸、各種のクロム酸のＨ
ａ、に、あるいはアンモニア塩の水溶液による浸漬、ス
プレィ処理、陰極電解処理等、何れの方法で行なっても
良いが、陰極電解処理が優れている。就中、ＣｒＯ３に
ＳＯ４イオン、Ｆイオン（錯イオンを含む）あるいはそ
れ等の混合物を添加した水溶液中で陰極電解処理する方
法が最も優れている。　ＣｒＯ３の濃度は２０−１００
８／　Ｊｌの範囲で充分であるが特に規制する必要はな
い、添加する陰イオンのＪｌ（は、６価のクロムイオン
濃度の１／３００〜１／２５好ましくは１／２００〜１
１５０の濃度の時、最良のクロム被膜が得られる。陰イ
オン濃度がＣｒの１／３００以下では、均質かつ均一で
、塗装性能に大きく影響する所の良質のクロム被膜が得
難くなる。１／２５以七では、生成するクロム被膜中に
取り込まれる陰イオンの騒が多くなり被膜の性能が劣化
する。

浴温は特に規制する必要がないが、３０〜７０℃の範囲
が作業性の面から適当である。陰極電解電流密度は５〜
１００Ａ／ｄｍ″の範囲で充分である。処理時間は、前
記処理条件の任意の組合せにおいて、金属クロム付Ｉｔ
が前記に示した様に、５〜３００ｓ＋ｇ／ｍ’の範囲に
なる様に設定する。

特に１本発明においては、ＣｒＯ３溶液に５Ｏ１２−又
はＦ−イオンをＥ記範囲で添加し、電流密度５０Ａ　／
ｄｎｆ　〜１００　Ａ　／ｄｍ’で０．２秒以下の短時
間処理を行なうのが好ましい。

この処理により、金属Ｃｒ層が鋼板上に５〜３００ｍｇ
／ｍ″析出し、その−ヒ層に水和酸化クロムからなる二
層クロムが生成される。この水和酸化クロム層は、７１
！解処理後の溶液中での浸漬時間の調整或いは別に設け
られた処理タンクでの濃度の異なるＣｒ０３−陰イオン
系浴での溶解処理等によってその被膜量が調整される。

次に、本発明の容器用クロメート処理鋼板の製法につい
て説明する。

その製法としては、（１）前記クロメート処理液に前記
導電性粒子の分散させた溶液を電解する方法、（２）ク
ロメート処理した後に導電性粒子を塗布する方法がある
。

（１）の導電性粒子の分散した溶液を電解する方法は、
前記クロメート処理溶液にクロム被覆層酸に対して導電
性粒子を０．１〜５０重量％分散させ、これを前記した
クロメート処理条件によって処理するもので、この方法
によれば目的とするクロメート処理鋼板が簡単でしかも
経済的に得られる。

また（２）の導電性粒子を塗布する方法は、前記クロメ
ート処理した鋼板に、クロム被覆層量に対して導電性粒
子を０．１〜５０重看％となるように塗膜性を有する物
質に分散させたものを浸漬或いはコーティングなどの塗
布方法によって塗布するもので、（１）の方法と同様の
性能を有するクロメート処理鋼板が得られる。

以ｒ実施例をあげてさらに本発明を説明する。

実施例　比較例 ブリキ用冷延鋼板（テンパーグレードＴ４）に通常実施
されているめっき前処理（電解脱脂、電解酸洗）を行っ
た後、クロメート処理液に導電性粒子を分散させた溶液
を電気めっきにより処理し、導電性粒子が分散したクロ
メート処理鋼板を得た。

なお実施例及び比較例に用いたクロメート処理液とその
処理条件は次のように行った。

浴組１＆　　：　　１００ｇ／　ｌ　ＣｒＯ３−０，８
ｇ／　ｌ　ＳＯ４２−浴温：４５℃ 電流密度：　　８０〜１００Ａ／ｄｒｎ’処理時間：０
．２秒以下 これらの条件及び性能評価試験結果を表に示した。

・入）　シーム溶接性 ラップ代０．５＋ｕ＋、溶接圧力４５ｎｇ、溶接スピー
ド４２０缶／ｓｉｎの条件で、溶接電流を変化させて、
充分な溶接強度が得られる最小溶接電流とスプラッシュ
等の溶接欠陥の発生が目立ち始める溶接電流の範囲の広
さ、及び溶接欠陥の発生状況を総合的に判断して評価し
た。

■　鉄溶出テスト テストピースを■エリクセンカロエ（５腸層）、■その
ままにしたものを（１，５％食塩水＋１．５％クエン酸
）水溶液中で２７℃Ｎガス雰囲気４８時間後のＦｅ溶出
ｊ、ｉ−を分析により求めた。

■　Ｕ、Ｃ，Ｃ＝（アンダーカットフィルムコワージョ
ン）テスト 製缶用エポキシフェノール（フェノールリッチ）塗料を
片面当りの乾燥重縫として５０ｍｇ／ｄｍ’となるよう
サンプルの試験面に塗布し、　２０５℃ＸＩＯ分焼付を
行いさらに１８０″０Ｘ２０分の空位を行った。そして
塗装面にナイフでスクラッチを入れ、腐食液（１，５％
クエン酸−１，５％食塩）中に浸清し、大気開放下で５
５℃で４日間保定した後、スクラッチ部及び平面部をテ
ープ′Ａ離してスクラッチ部の塗膜剥離状態、スクラッ
チ部穿孔腐食状！Ｅ（ピッティング）及び平面部の塗膜
剥離状態を判定した。

、Ｂ　　Ｔビールテスト テストピースの片面にエポキシフェノール系塗料を６０
１ｇ／ｄｒｒｆ塗布し、２１０℃で１０分間乾燥硬化し
た。更に裏面に同じ塗料を塗布し、同様の条件で乾燥硬
化した。この試料を幅２０ｍｍ、長さ１００ｍ膳に切り
出し前述の表衷面を改ね合わせ、その２枚の試ネ、ｌの
間にナイロン系接着剤のテープをはさみ、ホットプレス
を用いて２００℃で１００秒のｐ熱を行なった後３　ｋ
ｇ／ｃｒｎ’の加圧下に２００℃で３０秒間圧着を行な
った。この接着試片を引っ張り試験機で剥離し、その接
着強度をｋｇ／２０ｓ層で表わした。

■　塗料二次密着性 ◎と同様の塗装をしたものをｉｔ曲げ加りを施し、へ留
水中　１１５℃で９０分間浸漬し、速やかにテーピング
を行った後折り曲げ部とモ板部の塗１漠２１１＃状況を
評価した。

■　外観 １１視により評価した。

（以ド余白） 表（１） 表（３） 発明の効果 本発明は、クロメート被覆層に導電性粒子を分散させた
鋼板であるので、溶接性と塗料塗装後の耐食性に優れた
ものであり、溶接缶や蓋材などの容器用素材として好適
なものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 鋼板表面に５〜３００ｍｇ／ｍ＾２の金属クロム層と３
   〜５０ｍｇ／ｍ＾２の水和酸化クロム層からなるクロム
   被覆層中に耐食性金属またはこれらの酸化物、炭化物の
   粒子から選ばれた一種あるいは二種以上を該クロム被覆
   層量に対し０．１〜５０重量％を分散してなる事をを特
   徴とする溶接性と塗装後耐食性に優れた容器用クロメー
   ト処理鋼板。