JPH04105091U - 高 所 作 業 車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ブームの先端に一対のアームを介して一方にバ
ケット、他方にはマニピュレータ装置等の作業機を装備
して、配電線工事等の活線作業に当たり、作業機及びバ
ケットに搭乗した作業者により作業を行うものである。 【構成】車台に装備されたターンテーブルと、該ターン
テーブルに枢着された起伏自在なブームと、該ブームの
先端に平衡保持されたポストに水平面内でそれぞれ独立
して揺動自在に基端を取り付けた一対のアームと、該一
方のアームの先端に首振り自在に取り付けたバケット
と、他方のアームの先端に取り付けた作業機とを備えた
構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ブームの先端に一対のアームを介して一方にバケット、他方にはマ ニピュレータ装置等の作業機を装備して、配電線工事等の活線作業に当たり、作 業機及びバケットに搭乗した作業者により作業を達成できるようにした高所作業 車に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

従来の高所に於ける活線状態での電線の張り替え、増設作業或いはトランス等 の交換作業には、図３に示す如く、車台２１ａに起伏、伸縮および旋回自在にブ ーム２２を装備し、該ブーム２２先端に設けたバケット２３及び前記ブーム２２ 先端部は感電事故を防止する目的で絶縁性を有するＦＲＰ製の素材により形成さ れた高所作業車を使用している。

【０００３】 然るに、作業にあたっては作業者Ｍ₁ と作業者Ｍ₂ が搭乗するバケット２３を 高所の作業位置に移動し、作業者Ｍ₂ は同図中に示すように絶縁性を有するＦＲ Ｐ製の全長2 ｍ前後で先端に簡易な把持手段を設け、手元で該把持手段を操作で きるように構成された、活線用作業工具Ｈを用い、活線用作業工具Ｈを電柱等に 固定し把持手段により活線Ｗ等を一時的に支持したり、作業者Ｍ₂ が活線用作業 工具Ｈを持って把持手段によって活線Ｗを掴んでかわして他方の作業者Ｍ₁ が活 線Ｗに接触することなく安全に作業が行えるようにしたり、あるいは電線の表皮 をむき取る為の被覆剥離器具等の比較的軽量な工具を把持手段に把持させて所定 の各種高所作業を実施したり、碍子等を腕木に装着していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述したようにバケット２３に複数の作業者Ｍ₁ 、Ｍ₂ が同乗 して前記活線用作業工具Ｈを用いて行われる活線作業では作業箇所に対して主作 業と補助作業を略同方向から行わざるを得ず、また狭いバケット２３内での作業 であるため作業範囲が限られて作業性が悪く、従ってバケット２３から作業者Ｍ ₁ 、Ｍ₂ が無理に体を乗り出すような不自然な体勢を強いられ、長時間の作業で は疲労度も増し危険も伴う等の問題点があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の実施例に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは ブームの先端に一対のアームを介して一方にバケット、他方にはマニピュレータ 装置等の作業機を装備して、配電線工事等の活線作業に当たり、作業機及びバケ ットに搭乗した作業者により作業を達成できるようにした高所作業車を提供する ものであり、そのために車台に装備されたターンテーブルと、該ターンテーブル に枢着された起伏自在なブームと、該ブームの先端に平衡保持されたポストに水 平面内でそれぞれ独立して揺動自在に基端を取り付けた一対のアームと、該一方 のアームの先端に首振り自在に取り付けたバケットと、他方のアームの先端に取 り付けた作業機とを備えたものである。

【０００６】

【作用】

上記のような構成を採用したので、一旦或る作業位置に移動したブームを大き く移動することなくアーム及びバケットのみの移動により、ブームの先端に装備 したバケットを補助作業位置に誘導し、他方、作業機を主作業位置に配置可能で あるから作業を行う際にバケットに搭乗した作業者が活線作業工具等を用いて活 線を一時的に支持・保持し、前記作業機を用いて、例えば被覆剥離器具等をはじ め碍子等の装着品を把持させて作業を行うことが可能である。

【０００７】

【実施例】

図１及び図２に基づいて本考案に係る高所作業車の一実施例を詳細に説明する 。 同図中、１は本考案に係る高所作業車であり、２は車台１ａの左右前後に設け られ、該車台１ａの側方に張り出し及び下方に伸長可能に設けられたアウトリガ 、３は前記車台１ａ上の後方に架装されたターンテーブルであり、４は前記ター ンテーブル３に基端を枢支し、起伏及び伸縮自在に装備される伸縮ブーム（本実 施例では基端ブーム４ａ、中間ブーム４ｂ及び絶縁性を有するＦＲＰ製の先端ブ ーム４ｃが順次嵌挿される３段伸縮構造のブームを例示した）であり、該伸縮ブ ーム４の起伏作動は前記ターンテーブル３と基端ブーム４ａに両端を枢着した起 伏シリンダ５の伸縮により行われる様に構成されている。

【０００８】 又、前記伸縮ブーム４の中間ブーム４ｂ及び先端ブーム４ｃの伸縮は伸縮ブー ム４に内蔵した伸縮シリンダ６の伸縮作動によって行われる様に構成されている 。 前記先端ブーム４ｃの先端にはポスト７が取り付けられ、該ポスト７は平衡取 り機構（図では省略）により伸縮ブーム４の起伏作動に関係なく常に鉛直状態に 保持される。又、前記ポスト７には、揺動機構（図では省略）によりポスト７に 対して水平面内で各々独立して揺動自在に２つの第１アーム８ａ及び第２アーム ９ａの一端が水平に取り付けられ、前記第１アーム８ａの他端には揺動機構（図 では省略）を介して補助アーム８ｂを旋回自在に設け、該補助アーム８ｂ先端に は絶縁性を有するバケット８が装備され、他方、第２アーム９ａの他端には旋回 自在に多関節式のハンドアーム９（作業機）が取り付けられている。又、バケッ ト８とハンドアーム９とは水平旋回作動時に相互に干渉しないように前記第１ア ーム８ａと第２アーム９ａとを上下にオフセットさせて構成している。

【０００９】 ところで、前記多関節式のハンドアーム９は、所定箇所にて各々絶縁加工を施 した基端アーム１０と、該基端アーム１０先端に起伏自在に枢着される中間アー ム１１と、該中間アーム１１先端に起伏自在に枢着される先端アーム１２と、該 先端アーム１２に対して回動自在且つ工具等を挟持自在なハンド部１３を前記第 ２アーム９ａ先端にて旋回、起伏自在に装備し、かつ前記ハンドアーム９の各ア ーム１０、１１及び１２の各作動は各関節部に内蔵されたアクチュエータ（図で は省略）により駆動され、該アクチュエータの操作制御はバケット８側部に設け られた操作装置１４ａにて行われるように構成されている。

【００１０】 尚、１４ｂは伸縮ブーム４、ポスト７、第１アーム８ａ、補助アーム８ｂの操 作制御を行う為の操作装置、１５はポスト７上に装備された例えば機材や柱上ト ランス等を高所作業位置に吊り上げる際に用いるウインチである。 以下、上記の構成に基づいて本考案に係る高所作業車の作用を説明する。 即ち、本考案に係る高所作業車１を用いて架空線工事等の高所作業を実施する にあたっては、バケット８に作業者Ｍが搭乗し、操作装置１４ｂを操作して伸縮 ブーム４を起伏、及び伸長させつつ旋回が必要な場合はターンテーブル３を旋回 操作してバケット８及びハンドアーム９を目的とする作業位置Ｐの近傍に移動す る。

【００１１】 続いて、作業位置Ｐに対して作業者Ｍが補助作業を行い易い位置にバケット８ を第１アーム８ａ及び補助アーム８ｂの旋回によって移動し、更にハンドアーム ９をハンドアーム９を用いる主作業を行い易い位置に第２アーム９ａの回動によ り移動し、ハンドアーム９の各アーム１０、１１、１２を操作して作業者Ｍが触 れると危険である活線Ｗ間における、例えば同図に示したＤ型アーム等に対する 碍子Ｇの交換作業を行うべくハンドアーム９先端のハンド部１３を碍子Ｇに誘導 する。

【００１２】 即ち、高所作業車１の伸縮ブーム４先端に操作性に富んだバケット８とハンド アーム９を装備したので、作業の最中に一度セットした伸縮ブーム４を大きく移 動することなく伸縮ブーム４より上部側である各アーム８ａ、８ｂ、９ａの水平 方向への旋回及びハンドアーム９の各アーム１０、１１、１２の移動操作により 、バケット８及びハンドアーム９を任意な最適作業位置、例えば、電柱の裏側等 の従来は作業を行うのに非常に困難な位置に対してもハンドアーム９を容易に配 置できるので作業を中断することなく実施することができる。従って、危険な活 線Ｗに作業者Ｍが接近することなく高所作業を行ったり、あるいはハンドアーム ９先端のハンド部１３にケーブルの所定の工具、碍子Ｇ等を挟持させて作業を実 施したり、従来は作業台に搭乗した作業者により行なっていたような作業をハン ドアーム９により実施できるから、感電の危険性のある活線作業を極めて安全に 実施することができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は以上詳細に説明した如く、車台に装備されたターンテーブルと、該タ ーンテーブルに枢着された起伏自在なブームと、該ブームの先端に平衡保持され たポストに水平面内でそれぞれ独立して揺動自在に基端を取り付けた一対のアー ムと、該一方のアームの先端に首振り自在に取り付けたバケットと、他方のアー ムの先端に取り付けた作業機とを備えたので、作業者の代行作業を行うことがで き、省力化が図れ、且つ作業効率は向上し、作業範囲は拡大し、しかも作業者が 活線に直接触れることがないので活線作業を極めて安全に実施することができる 等種々の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る高所作業車の要部斜視図

【図２】本考案に係る高所作業車を用いた作業状態を示
す斜視図

【図３】従来の高所作業車を用いた作業状態を示す説明
図

【符号の説明】

１ 高所作業車 １ａ 車台 ２ アウトリガ ３ ターンテーブル ４ 伸縮ブーム ４ａ 基端ブーム ４ｂ 中間ブーム ４ｃ 先端ブーム ５ 起伏シリンダ ６ 伸縮シリンダ ７ ポスト ８ バケット ８ａ 第１アーム ８ｂ 補助アーム ９ ハンドアーム ９ａ 第２アーム １０ 基端アーム １１ 中間アーム １２ 先端アーム １３ ハンド部 １４ａ（ハンドアームの）操作装置 １４ｂ 操作装置 １５ ウインチ Ｇ 碍子 Ｍ 作業者 Ｐ 作業位置 Ｗ 活線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 佐 々 木 宏 埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の10 愛知車輛株式会社上尾工場内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車台に装備されたターンテーブルと、該
   ターンテーブルに枢着された起伏自在なブームと、該ブ
   ームの先端に平衡保持されたポストに水平面内でそれぞ
   れ独立して揺動自在に基端を取り付けた一対のアーム
   と、該一方のアームの先端に首振り自在に取り付けたバ
   ケットと、他方のアームの先端に取り付けた作業機とを
   備えたことを特徴とする高所作業車。