JPH0622708Y2 - 作業車のセンターポール支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電気工事や電柱の建て替え作業等を行う仮支持
工法車等の作業車に於いて、走行時に腕金や電線を支持
する装置を備えたセンターポールをブームの下方に屈折
可能に支持して車体の安定性を増した作業車のセンター
ポール支持装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、活線状態で電柱の建て替え作業を行うには電線を
支持する仮腕木を装備したセンターポールをブームの先
端に取り付け、作業時にはブームを工事対象の既設電柱
の方向に伸長させ、油圧シリンダ等のアクチュエータに
よってセンターポールを電柱に平行に起立させて前記仮
腕木によって電柱の建て替え等の所定の工事を行ってい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕 ところで、格納時においては、ブームを伸縮シリンダの
作動によって収縮させた後、センターポールをアクチュ
エータによって倒伏させブームの下方であって車体に平
行に格納するようにしている。この状態でのセンターポ
ールの格納はセンターポールがブームの先端に固設した
ブラケットに取り付けられているので、センターポール
はブームの直下に垂下した状態でセンターポールが位置
することとなる。従って、ブームの倒伏状態はその位置
が高くならざるを得ず、ために必然的に作業車全体が高
くなってしまい、作業車の走行時における安全性に欠け
る等の問題点があった。又この欠点を解消するものとし
て、センターポールをブームの軸線を中心とする周方向
回りに回動可能に取り付け、以て走行時にブームの側部
にセンターポールを支持、収納するようにしたものも知
られている。従って、この場合にはブームの側部にセン
ターポールが位置することとなるので、その分ブームの
倒伏状態は低くなってブームを含む全車高が低くなる利
点を有するが、一方センターポールはブームの側部に位
置する関係上センターポールの荷重が車体の側方に掛か
ってしまい、走行時における車体の安定性に欠ける問題
点は解消されていなかった。

〔考案の目的及び課題を解決するための手段〕

本考案は前記した問題点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところはセンターポールは作業時及び格
納時においてもブームに対して略平行状態で位置するこ
とが可能であり、然も格納時車体幅の中心にセンターポ
ールを抱き込むように屈折して格納出来るから、走行時
における車体の安定性を増すとともに、センターポール
の作動を容易にした作業車のセンターポール支持装置を
提供することにあり、そのために仮支持工法車等の作業
車に旋回及び起伏自在に設けたブームと、該ブームの先
端に取り付けられ、ブーム先端よりブーム上方に向けて
延出するブラケットと、該ブラケットの先端にブラケッ
トに対して起伏自在に基端が軸支され、ブーム上方より
ブーム両側を通ってブーム下方に延出するアームと、該
アームを前記ブラケットに対して起伏作動させる油圧シ
リンダ等のアクチュエータと、前記アームの先端に垂直
内面で起伏自在に軸支され、格納時に前記ブームの下方
にブームと平行に位置し、腕金把持具、電線支持具等を
装備したセンターポールと、該センターポールを前記ア
ームに対して起伏作動させる油圧シリンダ等のアクチュ
エータとで構成する。

〔実施例〕

以下、第１図(a)、(b)及び第２図に基づいて本考案に係
る作業車のセンターポール支持装置の一実施例を詳細に
説明する。

１は作業車であり、この作業車１の前部に旋回自在なタ
ーンテーブル２が設けられ、このターンテーブル２には
起伏シリンダ３と内蔵した伸縮シリンダによって旋回、
起伏、伸縮自在なブーム４が枢支されている。

前記ブーム４の先端にはブラケット６が取り付けられ、
ブラケット６はブーム４の先端よりブーム上方に向けて
先端が延出するよう、側面視（第１図(a)参照）略への
字状に形成されている。このブラケット６の先端にはア
ーム５の基端がブラケット６に対して起伏自在に軸支さ
れ、アーム５は、前記ブーム４の上方よりブーム４の両
側端を挟持する形で通され、先端がブーム４の下方に延
出するように側面視（第１図(a)参照）略Ｌ字状に形成
されている。

前記ブラケット６とアーム５の間には、ブラケット６に
対してアーム５を起伏作動させる油圧シリンダ７ａが備
えられ、油圧シリンダ７ａのシリンダチューブ基端が前
記ブラケット６の略中央部に軸支され、油圧シリンダ７
ａのロッド先端が前記アーム５に軸支されている。

前記アーム５の先端には、腕金把持具、電線支持具等の
作業機８ａを装備したセンターポール８がアーム５に対
して起伏自在に軸支され、格納時には前記ブーム４の下
面と略平行に位置するようになっている。

前記アーム５とセンターポール８の間には、アーム５に
対してセンターポール８を起伏作動させる油圧シリンダ
７ｂが備えられ、油圧シリンダ７ｂのシリンダチューブ
基端が前記アーム５に軸支され、油圧シリンダ７ｂのロ
ッド先端がセンターポール８側面に設けたブラケット８
ｂに軸支されている。図中、９はアウトリガを示すもの
である。

以下、前記の構成に基づいて本考案に係る作業車のセン
ターポール支持装置の作用を説明する。

先ず、電柱Ｄの建て替え等の作業時においては、起伏シ
リンダ３の作動によってブーム４を工事対象の既設電柱
の方向に伸長させ、電柱Ｄに対峙させる（第２図参
照）。そして、油圧シリンダ７ａを収縮させると、アー
ム５はブラケット４との軸支点を中心としてブーム４を
通り越して回動しブーム４の先端の上方に起立する（第
２図仮想線）。この状態ではセンターポール８は電柱Ｄ
に対して略直交状態（ブーム４に対しても同様）となる
ので、今度は油圧シリンダ７ｂを収縮させると、センタ
ーポール８はアーム５との軸支点を中心として回動す
る。そして、センターポール８を電柱Ｄに平行になるま
で起立させ、垂直状態になったセンターポール８を電柱
Ｄに対峙させ作業機８ａによって電柱Ｄの建て替え等所
定の工事を行うものである（第２図仮想線）。

次ぎに、所定の作業が終了した非作業時には、油圧シリ
ンダ７ａ、７ｂを伸長させてアーム５及びこれに連結し
たセンターポール８を元の位置に戻し、この状態で起伏
シリンダ３を作動してブーム４を収縮させてブーム４を
車体上に格納すれば、センターポール８はブーム４の下
方であって車体幅の略中心位置に格納されることになる
（第１図）。

〔考案の効果〕

本考案は、以上詳細に説明した如く、仮支持工法車等の
作業車に旋回及び起伏自在に設けたブームと、該ブーム
の先端に取り付けられ、ブーム先端よりブーム上方に向
けて延出するブラケットと、該ブラケットの先端にブラ
ケットに対して起伏自在に基端が軸支され、ブーム上方
よりブーム両側を通ってブーム下方に延出するアーム
と、該アームを前記ブラケットに対して起伏作動させる
油圧シリンダ等のアクチュエータと、前記アームの先端
に垂直内面で起伏自在に軸支され、格納時に前記ブーム
の下方にブームと平行に位置し、腕金把持具、電線支持
具等を設備したセンターポールと、該センターポールを
前記アームに対して起伏作動させる油圧シリンダ等のア
クチュエータとで構成したので、センターポールは作業
時及び非作業時においてもブームに対して略平行状態で
位置することが可能であり、然も非作業時車体幅の中心
にセンターポールを格納出来るから、走行時における車
体の安定性を増すとともに、センターポールの作動を極
めて容易にすることが出来る優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図(a)は本考案に
係るセンターポール支持装置を装備した作業車の側面
図、同(b)は同作業車の後部側面図、第２図は作動状態
を示す説明図である。 １……作業車、２……ターンテーブル、３……起伏シリ
ンダ、４……ブーム、５……アーム、６……ブラケッ
ト、７ａ、７ｂ……油圧シリンダ、８……センターポー
ル、８ａ……作業機、９……アウトリガ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】仮支持工法車等の作業車に旋回及び起伏自
   在に設けたブームと、該ブームの先端に取り付けられ、
   ブーム先端よりブーム上方に向けて延出するブラケット
   と、該ブラケットの先端にブラケットに対して起伏自在
   に基端が軸支され、ブーム上方よりブーム両側を通って
   ブーム下方に延出するアームと、該アームを前記ブラケ
   ットに対して起伏作動させる油圧シリンダ等のアクチュ
   エータと、前記アームの先端に垂直内面で起伏自在に軸
   支され、格納時に前記ブームの下方にブームと平行に位
   置し、腕金把持具、電線支持具等を装備したセンターポ
   ールと、該センターポールを前記アームに対して起伏作
   動させる油圧シリンダ等のアクチュエータとからなるこ
   とを特徴とする作業車のセンターポール支持装置。