JPH0644949Y2 - マニピュレータを装備した高所作業車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、マニピュレータを装備した高所作業車の改良
に係り、特にブームの先端に装備する操作キャビンをス
ライド機構を介して支承することにより操作キャビンの
みが前後に移動できるようにしたマニピュレータを装備
した高所作業車に関するものである。

〔従来技術〕

従来のマニピュレータを装備した高所作業車11は、第３
図に示す如く、ブーム12の先端に垂直軸12aを立設し、
該垂直軸12aに対して前方にマニピュレータ装置13及び
上方にサブブーム14を配置した操作キャビン15を揺動可
能に装備しているのが実情である。

〔考案の解決すべき課題〕

従って、従来のマニピュレータを装備した高所作業車11
に於ける操作キャビン15の操作範囲は、ブーム12の起伏
・伸縮・旋回と、垂直軸12aを中心とする揺動の範囲に
限定されているから、例えば従来の高所作業車11でもっ
て第４図に示す様な架空線Ｗの装柱作業を行う場合、同
図に示す如く、高所作業車11を可能な限り路肩に寄せ、
かつブーム12を最良の作業状態にセットし操作キャビン
15を旋回・揺動してマニピュレータ装置13或いはサブブ
ーム14等を操作して架空線Ｗ等の装柱作業を行うのであ
るが、従来の操作キャビン15乃至マニピュレータ装置13
の作業範囲は、垂直軸12aを中心とする一定の範囲の揺
動しか行うことができないため、同図中実線にて示した
位置に操作キャビン15を静止してマニピュレータ装置13
を作動させて行う架空線Ｗに対する装柱作業は、マニピ
ュレータ装置13を可能な限り前方へ移動させて行って
も、手前の１相目と２相目の架空線Ｗに対する装柱作業
が漸くできる程度であり、最も遠い位置に在る３相目の
架空線Ｗに対する装柱作業を行うには、再度、高所作業
車11の停止位置を変更したり、ブーム12の起伏、伸縮、
旋回等の操作をし直して、例えば操作キャビン15を同図
中仮想線で示す位置に移動させてからでないと行うこと
ができず、従って高所作業車11の移動を行う様な場合
は、アウトリガ等の格納乃至操作キャビン15を安全な位
置乃至高さ等に移動させなければならず、又仮に高所作
業車11をそのままの位置にセットしたままでブーム12の
起伏、伸縮、旋回等により操作キャビン15を仮想線にて
示した位置にセットできる場合でもオペレータは複数種
の操作レバー等を操作しなければならず非常に煩わし
く、しかも作業能率が著しく悪い等種々の問題を有して
いた。

〔考案の目的及び課題を解決するための手段〕

本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところはマニピュレータを装備した高所
作業車の改良に係り、特にブームの先端に装備する操作
キャビンをスライド機構を介して支承することにより操
作キャビンのみが前後に移動できるようにしたマニピュ
レータを装備した高所作業車を提供することにあり、そ
のためにブームの先端に平衡保持された垂直軸を中心に
揺動自在な操作キャビンと、該操作キャビンの前方に位
置するマニピュレータを装備した高所作業車に於いて、
前記垂直軸にはガイドベースが垂直軸を中心に揺動自在
に取付けられ、該ガイドベースには前記マニピュレータ
が前記操作キャビンの前方に位置するように取付られ、
該ガイドベースの上面には操作キャビンを前後方向にス
ライドさせるスライド機構を介して前記操作キャビンが
取付けられるべく構成する。

〔作用〕

上記のような構成を採用したので、ブームの先端に装備
する操作キャビンの操作範囲は、ブームの起伏・伸縮・
旋回による操作範囲と、垂直軸、即ちキャビン支持軸を
中心とする旋回・揺動の範囲に、更に操作キャビンを支
持するスライド機構による操作キャビンのみの移動範囲
が加わるから、例えば高所作業車を道路の路肩に寄せて
停車させ、ブームの起伏・伸縮・旋回及び操作キャビン
旋回・揺動により操作キャビン及びマニピュレータを所
定の作業域に可能な限り接近させてもなおかつマニピュ
レータ、即ちスレーブアーム先端のグリッパが所定の作
業位置に届かない様な場合に於いて、本考案では操作キ
ャビンのみを後方へ移動させて操作キャビンとマニピュ
レータ間の相対距離を広げることが可能であるから、路
肩の略直上に操作キャビン（スライド機構を操作して操
作キャビンを後方へ移動した状態）を静止させた後、ブ
ームの起伏、伸縮を行って路肩より相当離れた位置、即
ち歩道上空乃至家屋等に接近した作業域の架空線等にグ
リッパを移動させて所定の作業を実施することができ
る。

〔実施例〕

以下、第１図および第２図に基づいて本考案に係るマニ
ピュレータを装備した高所作業車の一実施例を詳細に説
明する。

同図中、１は本考案に係るマニピュレータを装備した高
所作業車であり、該高所作業車１のブーム２の先端に取
り付けられた垂直軸（キャビン支持軸）2aにはマニピュ
レータ装置３のスレーブアーム3aとガイドベース４が旋
回・揺動自在に取り付けられ、かつ前記ガイドベース４
上にはスライド機構５を介して操作キャビン６が搭載さ
れている。

ところで、前記スライド機構５は前記ガイドベース４上
にローラ5aを装備したスライダー5bを配置し、該スライ
ダー5b上に前記操作キャビン６を搭載して構成され、か
つ前記スライダー5bは前記ガイドベース４に一端を枢支
し、他端を前記スライダー5bに枢着して配置したシリン
ダー７により前後にスライドすることができる様に構成
されている。

同図中８は前記操作キャビン６の上方に配置したサブブ
ームである。

以下、上記の構成に基づいて本考案に係るマニピュレー
タを装備した高所作業車の作用及び作業要領を説明す
る。

即ち、本考案に係るマニピュレータを装備した高所作業
車１に装備した操作キャビン６の移動範囲は、ブーム２
の起伏・伸縮・旋回と、垂直軸2aを中心とする旋回・揺
動の範囲に、更に操作キャビン６を支持するスライド機
構５による操作キャビン６の前後への移動範囲が加わる
から、例えば第２図に実線で示した如く、道路側に近い
架空線Ｗの１相目乃至２相目の装柱作業を行う場合は、
従来と同様に高所作業車１を可能な限り路肩に寄せ、か
つブーム２を最良の作業状態にセットし、かつ操作キャ
ビン６及びスレーブアーム3a或いはサブブーム８等のみ
を旋回・揺動操作して所定の装柱作業等を行うことがで
き、又、上記の装柱作業時と全く同じ位置にブーム２を
セットしたまま最も遠い位置に在る３相目の架空線Ｗに
対する装柱作業を行う場合は、スライド機構５に組み込
んだシリンダー７に所定の作動油を供給して操作キャビ
ン６のみを後方、即ち同図仮想線にて示す位置まで移動
させ、操作キャビン６とスレーブアーム3aの先端に装着
したグリッパ間の相対距離を広げて操作キャビン６が手
前に位置する１相目の架空線Ｗに接触することが無い様
にし、ブーム２を仮想線に示す位置に移動して操作キャ
ビン６を１相目の架空線Ｗに近づけることにより前方に
位置するグリッパを最も遠い位置に在る３相目の架空線
Ｗ等に当接して所定の装柱作業等を行う。

以上の如く、本考案に係るマニピュレータを装備した高
所作業車１はガイドベース４上にスライド機構５を介し
て搭載した操作キャビン６をシリンダー７の伸縮により
前後にスライドさせて操作キャビン６とスレーブアーム
3aの先端に装着したグリッパ間の相対距離を広げ遠い位
置に在る架空線Ｗ等に対する装柱作業を行う様に構成し
たので、従来の様に高所作業車１の停止位置を変更した
り、又ブーム２の伸縮、旋回等の操作をし直す必要が無
くなるので操作キャビン６の操作が簡単となり、作業性
が著しく向上する。

〔考案の効果〕

本考案は、以上詳細に説明した如く、ブームの先端に平
衡保持された垂直軸を中心に揺動自在な操作キャビン
と、該操作キャビンの前方に位置するマニピュレータを
装備した高所作業車に於いて、前記垂直軸にはガイドベ
ースが垂直軸を中心に揺動自在に取付けられ、該ガイド
ベースには前記マニピュレータが前記操作キャビンの前
方に位置するように取付られ、該ガイドベースの上面に
は操作キャビンを前後方向にスライドさせるスライド機
構を介して前記操作キャビンが取付けられるべく構成し
たので、ブームの先端に装備する操作キャビンの操作範
囲は、ブームの起伏・伸縮・旋回による操作範囲と、キ
ャビン支持軸（垂直軸）を中心とする旋回・揺動の範囲
に、更に操作キャビンを支持するスライド機構による操
作キャビンのみの移動範囲が加わるから、例えば高所作
業車を道路の路肩に寄せて停車させ、ブームの起伏・伸
縮・旋回及び操作キャビンの旋回・揺動により操作キャ
ビン及びマニピュレータを所定の作業域に可能な限り接
近させてもなおかつマニピュレータ、即ちスレーブアー
ム先端のグリッパが所定の作業位置に届かない様な場合
に於いて、本考案では操作キャビンのみを後方へ移動さ
せて操作キャビンとマニピュレータ間の相対距離を広げ
ることが可能であるから、路肩の略直上に操作キャビン
（スライド機構を操作して操作キャビンを後方へ移動し
た状態）を静止させて路肩より相当離れた位置、即ち歩
道上空乃至家屋等に接近した作業域の架空線等にグリッ
パを接近させて所定の作業を実施することができるか
ら、作業能率が著しく向上すると共に作業が極めて安全
に行える等種々の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案に係るマニピュレータを装
備した高所作業車の一実施例を示すものであり、第１図
は高所作業車の全体側面図、第２図は操作キャビンの操
作説明図、第３図は従来のマニピュレータを装備した高
所作業車を示す側面図、第４図は従来の操作キャビンの
操作説明図である。 １……高所作業車、２……ブーム、2a……垂直軸、３…
…マニピュレータ装置、3a……スレーブアーム、４……
ガイドベース、５……スライド機構、5a……ローラ、5b
……スライダー、６……操作キャビン、７……シリンダ
ー、８……サブブーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ブームの先端に平衡保持された垂直軸を中
   心に揺動自在な操作キャビンと、該操作キャビンの前方
   に位置するマニピュレータを装備した高所作業車に於い
   て、前記垂直軸にはガイドベースが垂直軸を中心に揺動
   自在に取付けられ、該ガイドベースには前記マニピュレ
   ータが前記操作キャビンの前方に位置するように取付ら
   れ、該ガイドベースの上面には操作キャビンを前後方向
   にスライドさせるスライド機構を介して前記操作キャビ
   ンが取付けられたことを特徴とするマニピュレータを装
   備した高所作業車。