JPH0644948Y2 - 高所作業車の吊り上げ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばブームの先端にマニピュレータ操縦用
キャビンとマニピュレータを搭載し、かつ前記マニピュ
レータ操縦用キャビンの後方よりマニピュレータの上方
に臨む吊り上げ装置を設けた高所作業車に係り、特に前
記吊り上げ装置をマニピュレータ操縦用キャビンの背部
に設けた凹部内にコンパクトに格納できるように構成し
た高所作業車の吊り上げ装置に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

現在の高所作業車は、作業能率を向上させるためにブー
ムの先端に前方にマニピュレータを装備したマニピュレ
ータ操縦用キャビンを搭載すると共に、該マニピュレー
タ操縦用キャビンの近傍に吊り上げ装置を装備したもの
が開発されているが、従来のこうした高所作業車に装備
された吊り上げ装置は、使用にのみ着目して開発された
ものであるため、該吊り上げ装置は使用の有無に関わり
無く常にマニピュレータ操縦用キャビンの近傍に展開し
たままの状態で置かれているのが実情である。従って、
係る構成の吊り上げ装置は、不使用時にはマニピュレー
タの操作乃至マニピュレータ操縦用キャビンの旋回移動
等の操作に差し障ることがしばしばあり、殊に全作業を
終了しブームを格納して走行に入る場合に於いては、吊
り上げ装置がマニピュレータ操縦用キャビンの上方等に
装備されているタイプのものに有っては、格納状態に於
ける車両全高が相当高くなり、重心位置が高くなってし
まうために走行がしにくく安定性に欠ける等の問題を有
していた。

〔考案の目的及び課題を解決するための手段〕

本考案は、前述した問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、ブームの先端にマニピュ
レータ操縦用キャビンとマニピュレータを搭載し、かつ
前記マニピュレータ操縦用キャビンの後方よりマニピュ
レータの上方に臨む吊り上げ装置を設けた高所作業車に
係り、特に前記吊り上げ装置をマニピュレータ操縦用キ
ャビンの背部に設けた凹部内にコンパクトに格納できる
ように構成した高所作業車の吊り上げ装置を提供するこ
とにあり、その目的を達成するために、ブームの先端に
前方にマニピュレータを装備したマニピュレータ操縦用
キャビンを搭載した高所作業車において、マニピュレー
タ操縦用キャビンの後部に備えられた吊り上げ装置であ
って、吊り上げ装置は、前記マニピュレータ操縦用キャ
ビンの背部に縦方向に形成された凹部内に位置してマニ
ピュレータ操縦用キャビンの背部に垂直軸を中心に旋回
可能に立設されたフレームと、該フレームの上端に回動
可能に枢着され、フレーム内に重なって、前記凹部内に
格納された位置と、マニピュレータ操縦用キャビンの上
方の作業位置との間で回動するサブブームと、該サブブ
ームの先端に屈伸可能に枢着され、格納時にサブブーム
の下面に重なるように折り畳まれるアームとより構成す
る。

〔作用〕

上記のような構成を採用したので、本考案に係る高所作
業車の吊り上げ装置は、使用時はマニピュレータ操縦用
キャビンの後部より前方のマニピュレータの上方に臨ま
せて使用することができ、不使用時、即ち吊り上げ装置
を利用する作業が無い場合とか或いは作業終了後はマニ
ピュレータ操縦用キャビンの背部に設けた凹部内に吊り
上げ装置を折り畳んでコンパクトに格納することができ
るから、マニピュレータのみの操作による作業時或いは
マニピュレータ操縦用キャビンを旋回させる様な場合に
吊り上げ装置が周囲の電線等に接触すると言った障害も
無く、また車高を低く設定できるから走行時の安全性も
著しく向上する。

〔実施例〕 以下、第１図乃至第４図に基づいて本考案に係る高所作
業車の吊り上げ装置の一実施例を詳細に説明する。

同図中、１は高所作業車、２は運転キャビン1aの直後に
搭載したターンテーブル、３はターンテーブル２に起
伏、伸縮、旋回可能に装備したブーム、４はブーム３の
先端に装備したマニピュレータ操縦用キャビン、５はマ
ニピュレータ操縦用キャビン４の前方に装備したマニピ
ュレータ、６は前記マニピュレータ操縦用キャビン４の
背部4aの略中央縦方向に沿って設けた凹部4b内に折り畳
み可能に装備された吊り上げ装置である。

前記吊り上げ装置６は、前記凹部内に収納されるように
前記マニピュレータ操縦用キャビン４の背部に旋回可能
に立設されたフレーム７と、該フレーム７の上端に回動
可能に枢着され格納時にはフレーム７内に収納され作業
時にはマニピュレータ操縦用キャビン４の上方に位置す
るサブブーム6aと、サブブーム6aを回動させる回動装置
８と、サブブーム6aの先端に屈伸可能に枢着され格納時
にサブブーム6aの下面に折り畳まれるアーム6bと、サブ
ブーム6aとアーム6bに両端が枢着されアーム6bを屈伸さ
せる屈伸シリンダ6cとにより構成されている。

回動装置８は、フレーム７にサブブーム6aを枢着しサブ
ブーム6aの回動に伴って回転するように枢軸8aの片端に
取付けたスプロケット8bと、このスプロケット8bに巻回
したチェーン8cと、チェーン8cの端部とフレーム７とに
それぞれ両端が枢支され同時に逆作動する起伏シリンダ
9aおよび9bとにより構成され、起伏シリンダ9aおよび9b
を伸縮させることによりサブブーム6aを矢印方向に回転
させる。

フレーム７はフレーム７の下端とマニピュレータ操縦用
キャビン４とに両端を枢着したシリンダ10の伸縮により
矢印Ｂ方向に旋回する。

同図中、11は吊り上げ装置６に装備したウインチ装置、
12はロープ、13はシーブ、14は吊りフックである。

以下、上記の構成に基づき本考案に係る高所作業車の吊
り上げ装置の作用を説明する。

即ち、本考案に係る高所作業車１の吊り上げ装置６は、
マニピュレータ操縦用キャビン４の背部4aに設けた凹部
4b内に立設したフレーム７の上部に配置した回動装置８
に吊り上げ装置６を構成するサブブーム6aの基端を枢着
し、回動装置８の駆動により吊り上げ装置６を前記凹部
4b内より出没するように構成すると共に、前記サブブー
ム6aの先端に連結するアーム6b間に併設する屈伸シリン
ダー6cの伸縮動でもってアーム6bをサブブーム6aの片側
に折り畳むことができる様に構成したので、吊り上げ装
置６を使用する場合は、回動装置８の起伏シリンダー9a
を伸長させると共に起伏シリンダー9bを縮小させ、チェ
ーン8cを左側へ移動させてチェーン8cを巻回したスプロ
ケット8bを左に回転させ、サブブーム6aを回動させてサ
ブブーム6aをマニピュレータ操縦用キャビン４の上方へ
回動させつつ、同時にサブブーム6aとアーム6b間に併設
した屈伸シリンダー6cを伸長させてサブブーム6a側に折
り畳んでいたアーム6bを伸長させてアーム6bの先端をマ
ニピュレータ５の前方へ臨ませて使用状態に入る。

一方、吊り上げ装置６の凹部4b内への格納は前記起伏シ
リンダー9aを縮小させると共に起伏シリンダー9bを伸長
させ、チェーン8cを右側へ移動させてチェーン８を巻回
したスプロケット8bを右に回転させ、サブブーム6aを右
方向へ回転させ、サブブーム6aをマニピュレータ操縦用
キャビン４の背部4a側へ回動させつつ、同時にサブブー
ム6aとアーム6b間に併設した屈伸シリンダー6cを縮小さ
せてアーム6bをサブブーム6a側に折り畳み吊り上げ装置
６を前記凹部4bに格納する。

〔考案の効果〕

本考案は、以上詳細に説明した如く、ブームの先端に前
方にマニピュレータを装備したマニピュレータ操縦用キ
ャビンを搭載した高所作業車において、マニピュレータ
操縦用キャビンの後部に備えられた吊り上げ装置であっ
て、吊り上げ装置は、前記マニピュレータ操縦用キャビ
ンの背部に縦方向に形成された凹部内に位置してマニピ
ュレータ操縦用キャビンの背部に垂直軸を中心に旋回可
能に立設されたフレームと、該フレームの上端に回動可
能に枢着され、フレーム内に重なって、前記凹部内に格
納された位置と、マニピュレータ操縦用キャビンの上方
の作業位置との間で回動するサブブームと、該サブブー
ムの先端に屈伸可能に枢着され、格納時にサブブームの
下面に重なるように折り畳まれるアームとより構成した
ので、本考案に係る高所作業車の吊り上げ装置は、使用
時はマニピュレータ操縦用キャビンの後部より前方のマ
ニピュレータの上方に臨ませて使用することができ、不
使用時、即ち吊り上げ装置を利用する作業が無い場合と
か或いは作業終了後はマニピュレータ操縦用キャビンの
背部に設けた凹部内に折り畳んでコンパクトに格納する
ことができるから、マニピュレータのみの操作による作
業時或いはマニピュレータ操縦用キャビンを旋回させる
様な場合に吊り上げ装置が障害になることも無く、また
走行時に於いても車高を低く設定でき、従って走行の安
全性も向上する等の種々の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る高所作業車の吊り上げ装置の使用
状態を説明するための側面図、第２図は吊り上げ装置の
展開及び格納状態の説明図、第３図は高所作業車の平面
図、第４図は高所作業車の背面図である。 １……高所作業車、1a……運転キャビン、２……ターン
テーブル、３……ブーム、４……マニピュレータ操縦用
キャビン、4a……背部、4b……凹部、５……マニピュレ
ータ、６……吊り上げ装置、6a……サブブーム、6b……
アーム、6c……屈伸シリンダー、７……フレーム、８…
…回動装置、8a……枢軸、8b……スプロケット、8c……
チェーン、9a、9b……起伏シリンダー、10……旋回シリ
ンダー、11……ウインチ装置、12……ロープ、13……シ
ーブ、14……吊りフック。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６６Ｃ 1/68 Ｂ 8709−3Ｆ 23/68 Ｈ０２Ｇ 1/02 Ｎ 7161−5Ｇ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ブームの先端に前方にマニピュレータを装
   備したマニピュレータ操縦用キャビンを搭載した高所作
   業車において、マニピュレータ操縦用キャビンの後部に
   備えられた吊り上げ装置であって、吊り上げ装置は、前
   記マニピュレータ操縦用キャビンの背部に縦方向に形成
   された凹部内に位置してマニピュレータ操縦用キャビン
   の背部に垂直軸を中心に旋回可能に立設されたフレーム
   と、該フレームの上端に回動可能に枢着され、フレーム
   内に重なって、前記凹部内に格納された位置と、マニピ
   ュレータ操縦用キャビンの上方の作業位置との間で回動
   するサブブームと、該サブブームの先端に屈伸可能に枢
   着され、格納時にサブブームの下面に重なるように折り
   畳まれるアームとより構成されたことを特徴とする高所
   作業車の吊り上げ装置。