JP2547425Y2 - 移動式クレーン - Google Patents

移動式クレーン

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JP2547425Y2
JP2547425Y2 JP8141491U JP8141491U JP2547425Y2 JP 2547425 Y2 JP2547425 Y2 JP 2547425Y2 JP 8141491 U JP8141491 U JP 8141491U JP 8141491 U JP8141491 U JP 8141491U JP 2547425 Y2 JP2547425 Y2 JP 2547425Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、移動式クレーンに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】移動式クレーンは図3および図4に示す
如く、下部走行体1上に旋回駆動自在に旋回台2を搭載
し、基端ブーム4に順次伸縮自在に嵌挿した中間ブーム
5,5(図3および図4では一本として図示)とこの中
間ブーム内に伸縮自在に嵌挿した先端ブーム6とからな
る伸縮ブーム3を前記旋回台2に起伏駆動自在に取り付
け、更に旋回台2に、前記伸縮ブーム3の左右一側に位
置して走行・クレーン作業兼用の運転室7を、前記伸縮
ブーム3の左右他側に位置して前後一対のウインチドラ
ム8a,8bを備えたウインチ装置8をそれぞれ取り付
け、前記ウインチ装置8の各ウインチドラム8a,8b
からの各ワイヤーロープ9a,9bを、伸縮ブーム3の
基端ブーム4の先端部に配置されフリートアングル支点
となる一対のフリートアングル支点滑車10a,10
b、および中間ブーム5先端部上側に配置した一対のガ
イド滑車11a,11bをそれぞれ経由した後、伸縮ブ
ーム3の先端ブーム6先端部上部に左右に離隔して配置
した一対の先端ガイド滑車12a,12bに導くよう構
成している。
【0003】前記一対の先端ガイド滑車12a,12b
をそれぞれ経由したワイヤーロープ9a,9bの一方の
ワイヤーロープ9aは、先端ブーム6の先端部下部に配
置した主フック吊下滑車13aを経て主フックブロック
14に懸け回されている。また、他方のワイヤーロープ
9bは、先端ブーム6先端部前面下部に配置したシング
ルトップ滑車13bを経てサブフックブロック15に懸
け回されている。
【0004】この種の移動式クレーンは、旋回台2を旋
回、伸縮ブーム3を起伏並びに伸縮、ウインチ装置8に
より主フックブロック14およびサブフックブロック1
5を巻き上げ巻き下げすることでクレーン作業をするも
のである。また、移動式クレーンの走行移動に際して
は、伸縮ブーム3を縮小しこれを下部走行体1の前方へ
倒伏した走行移動状態にするものである。尚、ウインチ
装置8を伸縮ブーム3の左右他側(運転室7と反対側)
に位置するよう旋回台2に配置しているのは、旋回台2
の後端部へのウインチ装置8の配置を避け、伸縮ブーム
3の起伏支点を旋回台2後端部へ配置できるようにして
長尺な伸縮ブームの装備を可能にするためである。
【0005】ところで、この種の従来の移動式クレーン
においては、前記一対のフリートアングル支点滑車10
a,10bが、基端ブーム4の先端部上側にその径方向
が上下となるようにして左右に離隔して配置されてい
た。また、前記一対のガイド滑車が、中間ブーム5の先
端部上側にその径方向が上下となるようにして左右に離
隔して配置されていた。そして各ワイヤーロープ9a,
9bが対応するフリートアングル滑車10a,10bお
よびガイド滑車11a,11bの上部外縁を経由して案
内されていた。
【0006】このように構成した従来の移動式クレーン
は、次の如き問題点を有していた。 フリートアングル滑車10a,10bおよびガイド
滑車11a,11bの伸縮ブーム3の上面からの突出量
が大きくなり、走行移動状態において運転室7内に着座
した運転者の目の高さよりも伸縮ブーム3の上面を低く
して走行移動時の視界を確保するようにした移動式クレ
ーンでは、伸縮ブーム3越しの視界が妨げられる。ま
た、走行移動状態において伸縮ブーム3の上面が最高位
置となる如き移動式クレーンにおいては、走行移動状態
の移動式クレーンの高さ寸法が大きくなるという問題が
あった。 一般にウインチドラムとフリートアングル支点滑車
は、フリートアングル支点滑車からウインチドラムの回
転中心線に下ろした垂線が、ウインチドラムの幅方向の
中央に来るような条件を満足するよう配置する必要があ
るのであるが、ウインチドラム8a,8bが伸縮ブーム
3の他側の旋回台2上に位置し且つフリートアングル支
点滑車10a,10bが伸縮ブーム3の基端ブーム4先
端部上側に位置している従来の移動式クレーンにあって
は、上記の条件を満足するためにウインチドラム8a,
8bを、当該ウインチドラム8a,8bの回転中心線を
伸縮ブーム3の起伏支点の中心線に対して大きく傾斜さ
せて配置する必要がある。このため従来の移動式クレー
ンにおいては、旋回台2へのウインチ装置8の取り付け
に手間取るという問題があった。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】この考案の目的は、フ
リートアングル滑車10a,10bおよびガイド滑車1
1a,11bの伸縮ブーム上面からの突出量が従来のも
のに比して小さな移動式クレーンを提供すること、およ
び、ウインチ装置8を旋回台2に取り付けるにあたり、
ウインチドラム8a,8bを、その回転中心線を伸縮ブ
ームの起伏支点の中心線に対して傾斜させることなくあ
るいは傾斜させるとしても少ない傾斜量で取り付けるこ
とのできる移動式クレーンを提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本考案の移動式クレーンは次の如く構成する。下部
走行体1上に旋回駆動自在に旋回台2を搭載し、基端ブ
ーム4に順次伸縮自在に嵌挿した中間ブーム5,5とこ
の中間ブーム5,5内に伸縮自在に嵌挿した先端ブーム
6とからなる伸縮ブーム3を前記旋回台2に起伏駆動自
在に取り付け、更に旋回台2に、前記伸縮ブーム3の左
右一側に位置して走行・クレーン作業兼用の運転室7
を、前記伸縮ブーム3の左右他側に位置して前後一対の
ウインチドラム8a,8bを備えたウインチ装置8をそ
れぞれ取り付け、前記ウインチ装置8の各ウインチドラ
ム8a,8bからの各ワイヤーロープ9a,9bを、伸
縮ブーム3の基端ブーム4の先端部に配置されフリート
アングル支点となる一対のフリートアングル支点滑車お
よび中間ブーム5先端部上側に配置した一対のガイド滑
車をそれぞれ経由した後、伸縮ブーム3の先端ブーム6
先端部上部に左右に離隔して配置した一対の先端ガイド
滑車12a,12bに導くようにしてなる移動式クレー
ンであって、前記一対のフリートアングル支点滑車を、
基端ブーム4の左右他側に偏寄して配置された鉛直軸に
同心的に回転自在に支持された上下一対の滑車であって
少なくともその左右方向他側外縁が基端ブームの他側に
延出した滑車で構成すると共に、前記一対のガイド滑車
を、中間ブーム5の先端部上側に立設した鉛直軸に同心
的に回転自在に支持された互いに径の異なる上下一対の
滑車で構成し、前記ウインチ装置8から前記一対の先端
ガイド滑車12a,12bのうち左右一側の先端ガイド
滑車12aへ到るワイヤーロープ9aを、一方のフリー
トアングル滑車の左右他側外縁、大径のガイド滑車の左
右一側外縁を経由させ、前記ウインチ装置8から前記一
対の先端ガイド滑車12a,12bのうち左右他側の先
端ガイド滑車12bへ到るワイヤーロープ9bを、他方
のフリートアングル滑車の左右他側外縁、小径のガイド
滑車の左右一側外縁を経由させてなる移動式クレーン。
【0009】
【作用】以上の如く構成した本考案の移動式クレーン
は、一対のフリートアングル支点滑車および一対のガイ
ド滑車が、その径方向が伸縮ブームの上面と平行に配置
されているので、これら滑車の伸縮ブーム3上面からの
突出量が極めて小さくなるのである。また、フリートア
ングル支点滑車の左右他側(ウインチ装置8と同一側)
外縁が、基端ブーム4の他側に延出して配置されている
ので、ウインチ装置8を旋回台2に取り付けるにあた
り、ウインチドラム8a,8bを、その回転中心線を伸
縮ブームの起伏支点の中心線に対して傾斜させることな
くあるいは傾斜させるとしても少ない傾斜量で取り付け
ることができるのである。更に、ガイド滑車を互いに径
の異なる一対の滑車で構成し、これらガイド滑車を経由
して先端ガイド滑車12a,12bに到る二条のワイヤ
ーロープ9a,9bが、平面視において互いに交差する
ことがないようにしたので、ワイヤーロープ9a,9b
の干渉を可及的に回避できるのである。
【0010】
【実施例】以下本考案の移動式クレーンの実施例を図1
および図2に基づいて説明する。本考案の移動式クレー
ンは、図3および図4に掲げ上述した従来の移動式クレ
ーンに比較すると、従来技術における一対のフリートア
ングル滑車10a,10bおよび一対のガイド滑車11
a,11bの構成を変更したこと、およびこれら各滑車
へのワイヤーロープ9a,9bの懸け回し方に特徴があ
るものであるから、この点を除き上述した符号およびそ
の説明についてはそのまま援用する。
【0011】図1および図2において、10a,10b
は、一対のフリートアングル支点滑車であって、このフ
リートアングル滑車10a,10bは、基端ブーム4の
先端部上の位置であって、当該先端部の左右方向他側
(運転室7と反対側;ウインチ装置8と同一側)に偏寄
した位置に配設した鉛直軸16に同心的に回転自在に支
持されている。そしてこの一対のフリートアングル支点
滑車10a,10bは、少なくともその左右方向他側
(運転室7と反対側;ウインチ装置8と同一側)外縁が
基端ブーム4の他側から延出するようになっている。こ
の実施例では前記鉛直軸16は、基端ブーム4の先端部
において基端ブーム4上側板から左右方向他側に延出し
たブラケット17に取り付けられている。
【0012】11a,11bは、一対のガイド滑車であ
って、このガイド滑車11a,11bは、中間ブーム5
の先端部の上側に立設した鉛直軸18に同心的に回転自
在に支持された互いに径の異なる滑車で構成している。
この実施例では、鉛直軸18に支持された上方のガイド
滑車11aが大径、下方のガイド滑車が小径となってい
る。
【0013】ウインチ装置8のウインチドラム8aか
ら、一対の先端ガイド滑車12a,12bのうち左右一
側(運転室7と同一側;ウインチ装置8と反対側)の先
端ガイド滑車12aに到るワイヤーロープ9aは、一方
のフリートアングル支点滑車10aの左右他側(運転室
7と反対側;ウインチ装置8と同一側)外縁、大径のガ
イド滑車12aの左右一側(運転室7と同一側;ウイン
チ装置8と反対側)外縁を順に経由している。また、ウ
インチ装置8のウインチドラム8bから、一対の先端ガ
イド滑車12a,12bのうち左右他側(運転室7と反
対側;ウインチ装置8と同一側)の先端ガイド滑車12
bに到るワイヤーロープ9bは、他方のフリートアング
ル支点滑車10bの左右他側(運転室7と反対側;ウイ
ンチ装置8と同一側)外縁、小径のガイド滑車12bの
左右一側(運転室7と同一側;ウインチ装置8と反対
側)外縁を順に経由している。
【0014】ワイヤーロープ9a,9bのこのような懸
け回しによれば、ガイド滑車11a,11bを経由して
先端ガイド滑車12a,12bに到る二条のワイヤーロ
ープ9a,9bが、平面視において互いに交差すること
がないのである。
【0015】以上の如く構成した本考案の移動式クレー
ンは、一対のフリートアングル支点滑車10a,10b
およびガイド滑車11a,11bが伸縮ブームに対して
水平に配置されるのでこれら滑車の伸縮ブーム3上面か
らの突出量を小さくできるのである。また、ウインチ装
置8とフリートアングル支点滑車10a,10b間のワ
イヤーロープ9a,9bは、基端ブーム4の他側を経由
することになり、このワイヤーロープ9a,9bが移動
式クレーンの走行移動時に揺れても基端ブーム4の上面
を叩くことがないのである。また、フリートアングル支
点滑車10a,10bの左右他側(ウインチ装置8と同
一側)外縁が、基端ブーム4の他側に延出して配置され
ているので、ウインチ装置8を旋回台2に取り付けるに
あたり、ウインチドラム8a,8bを、その回転中心線
を伸縮ブームの起伏支点の中心線に対して傾斜させるこ
となくあるいは傾斜させるとしても少ない傾斜量で取り
付けることができるのである。更に、ガイド滑車11
a,11bを互いに径の異なる一対の滑車で構成し、こ
れらガイド滑車11a,11bを経由して先端ガイド滑
車12a,12bに到る二条のワイヤーロープ9a,9
bが、平面視において互いに交差することがないように
したので、ワイヤーロープ9a,9bの干渉を可及的に
回避できるのである。
【0016】尚、図において19a,19bは、ウイン
チ装置8とフリートアングル支点滑車10a,10b間
のワイヤーロープ9a,9bを案内する案内滑車であっ
て、ワイヤーロープ9a,9bのフリートアングルの変
動(フリートアングル支点滑車10a,10bを中心と
する変動)に支障がないよう左右方向へ移動可能に旋回
台2に配置されている。この案内滑車19a,19b
は、基端ブーム4基端部他側に取り付けてもよいこと勿
論である。また、この案内滑車19a,19bは、各ワ
イヤーロープ9a,9bをウインチ装置8のウインチド
ラム8a,8bから直接フリートアングル支点滑車10
a,10bに到るようにした場合には、省略しても良い
こと勿論である。
【0017】また、前記シングルトップ滑車13bは、
主フックブロック14を用いてクレーン作業をする場合
には、ワイヤーロープ9bを外した上で先端ブーム6の
先端部から取り外すかあるいは先端ブーム6の側面に折
り畳むようにしてもよいこと勿論である。
【0018】
【考案の効果】以上の如く構成した本考案の移動式クレ
ーンは、簡単な構成でありながら、フリートアングル支
点滑車10a,10bおよびガイド滑車11a,11b
の伸縮ブーム3上面からの突出量を小さくでき、それだ
け伸縮ブーム3越しの視界が確保でき、又は走行移動状
態の移動式クレーンの全高を低くできるのである。ま
た、フリートアングル支点滑車10a,10bの左右他
側(ウインチ装置8と同一側)外縁が、基端ブーム4の
他側に延出して配置されているので、ウインチ装置8を
旋回台2に取り付けるにあたり、ウインチドラム8a,
8bを、その回転中心線を伸縮ブームの起伏支点の中心
線に対して傾斜させることなくあるいは傾斜させるとし
ても少ない傾斜量で取り付けることができるのである。
更に、ガイド滑車11a,11bを互いに径の異なる一
対の滑車で構成し、これらガイド滑車11a,11bを
経由して先端ガイド滑車12a,12bに到る二条のワ
イヤーロープ9a,9bが、平面視において互いに交差
することがないようにしたので、ワイヤーロープ9a,
9bの干渉を可及的に回避できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の移動式クレーンの側面図
【図2】本考案の移動式クレーンの要部平面図
【図3】従来の移動式クレーンの側面図
【図4】従来の移動式クレーンの要部平面図
【符号の説明】
1 下部走行体 2 旋回台 3 伸縮ブーム 4 基端ブーム 5 中間ブーム 6 先端ブーム 7 運転室 8 ウインチ装置 8a,8b ウインチドラム 9a,9b ワイヤーロープ 10a,10b フリートアングル支点滑車 11a,11b ガイド滑車 12a,12b 先端ガイド滑車 13a 主フック吊下滑車 13b シングルトップ滑車 14 主フックブロック 15 サブフックブロック 16 鉛直軸 17 ブラケット 18 鉛直軸 19a,19b 案内滑車

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部走行体上に旋回駆動自在に旋回台を
    搭載し、基端ブームに順次伸縮自在に嵌挿した中間ブー
    ムとこの中間ブーム内に伸縮自在に嵌挿した先端ブーム
    とからなる伸縮ブームを前記旋回台に起伏駆動自在に取
    り付け、更に旋回台に、前記伸縮ブームの左右一側に位
    置して走行・クレーン作業兼用の運転室を、前記伸縮ブ
    ームの左右他側に位置して前後一対のウインチドラムを
    備えたウインチ装置をそれぞれ取り付け、前記ウインチ
    装置の各ウインチドラムからの各ワイヤーロープを、伸
    縮ブームの基端ブームの先端部に配置されフリートアン
    グル支点となる一対のフリートアングル支点滑車、およ
    び中間ブーム先端部上側に配置した一対のガイド滑車を
    それぞれ経由した後、伸縮ブームの先端ブーム先端部上
    部に左右に離隔して配置した一対の先端ガイド滑車に導
    くようにしてなる移動式クレーンであって、 前記一対のフリートアングル支点滑車を、基端ブームの
    左右他側に偏寄して配置された鉛直軸に同心的に回転自
    在に支持された上下一対の滑車であって少なくともその
    左右方向他側外縁が基端ブームの他側に延出した滑車で
    構成すると共に、前記一対のガイド滑車を、中間ブーム
    の先端部上側に立設した鉛直軸に同心的に回転自在に支
    持された互いに径の異なる上下一対の滑車で構成し、前
    記ウインチ装置から前記一対の先端ガイド滑車のうち左
    右一側の先端ガイド滑車へ到るワイヤーロープを、一方
    のフリートアングル滑車の左右他側外縁、大径のガイド
    滑車の左右一側外縁を経由させ、前記ウインチ装置から
    前記一対の先端ガイド滑車のうち左右他側の先端ガイド
    滑車へ到るワイヤーロープを、他方のフリートアングル
    滑車の左右他側外縁、小径のガイド滑車の左右一側外縁
    を経由させてなる移動式クレーン。
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