JPS597354Y2 - １本デリック型の荷役装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は船舶内、港湾、各種工場内、倉庫、作業場、工
事現場などにおいて使用されるｌ本デリック型の荷役装
置に関する。

まず従来の１本デリック型の荷役装置の一例（ガイレス
１本デリック型）を第１図に示す。

図において、基台１に対して２本のデリックポスト２，
３を間隔を開けて互いて平行に直立させて固定し、この
テ゛リツクポスト２，３の中央部分の基台１にデリック
ブーム４の下端をそのデリックブーム４が任意の傾斜方
向及び角度になり得るようにピボット支持する。

トツピングワイヤ５の一端をデリックブーム４の上端に
固定し、一方のデリツクポスト２に取り付けられた滑車
６，７を介してその他端をトツピングウインチ８に連結
し、同様にもう１本のトツピングワイヤ９の一端をデリ
ックブーム４の上端に固定し、他方のデリックポスト３
の滑車１０，１１を介してその他端をもう一方のトツピ
ングウインチ１２に連結する。

そしてデリックブーム４にはカーゴウインチ１３により
操作されるカーゴフオーノレ１４及び゛カーコ゛フツク
１５を取り付ける。

この荷役装置は、カーゴウインチ１３を操作して貨物を
カーゴフツク１５に吊り下げた状態で、トツピングウイ
ンチ８及び１２を操作し、トッピングワイヤ５及び９を
適宜展張あるいは巻き込むことにより、テ゛リツクブー
ム４をその下端を支点として俯仰若しくは振り廻しなが
ら荷役作業を行う。

しかしながら、従来のこのような１本デリック型荷役装
置は、テ゛リツクブーム４で貨物を吊り下げるので大荷
重の貨物の荷役には適している反面、ブーム４を振り廻
して荷役を行うために荷役速度が遅く、小荷重に対して
トツピングウインチ８及び１２の速度を一定以上に速く
できないので、小荷重に対する荷役速度が遅いという欠
点がある。

すなわち、従来の１本デリック型の荷役装置は、ｉ 振
り廻し荷役しか行えない、 ｉｉ 小荷重の貨物の場合の荷役速度が遅い、ｉｉｉ
振り廻しながらの荷役のため、カーゴスポット （
貨物の位置付け）が悪い、 などの欠点を有する。

本考案は従来の１本デリック型の荷役装置の振り廻し荷
役に加えて、カーゴフツクに固定した２本のカーゴフォ
ールの一方をデリックブームに設けた滑車を介してカー
ゴウインチにより、他方を少なくとも一方のデリックポ
ストに別途に設けたアウトリガーに取り付けた滑車を介
して別個のカーゴウインチにより、それぞれ操作するい
わゆるけんか巻き荷役を付加したことにより、従来の振
り廻し荷役の長所をそのまま生かし、その短所をけんか
巻き荷役を可能にすることにより補うものであり、小荷
重の貨物に対しても荷役速度が速く、荷役位置の設定（
カーゴスポツテイング）に優れている１本テ゛リツク型
の荷役装置を提供することを目白勺とする。

実施例につき、図面にしたがって以下に説明する。

第２図ないし第４図において、基台１に設けられるテ゛
リツクポスト２及び３、デリックブーム４、トツピング
ワイヤ５、一方のデリックポスト２に取り付けられる滑
車６，７、トツピングウインチ８、トツピングワイヤ９
、他方のデリックポスト３に取り付けられる滑車１０．
１１及びトツピングウインチ１２の構成は、従来のも
のと同様でよい。

２本のデリックポスト２，３のうち少なくとも一方、例
えばデリックポスト２の上部にアウトリガー１６をその
デリックポスＩ〜２に対して起倒自在に取り付け、操作
ワイヤ１７の一端をこのアウトリガー１６の先端に固定
し、テ゛リツクポスト２の頂部に設けた滑車１８を介し
て適宜展張あるいは巻き込み操作を行い、アウトリガー
１６をデリックポスト２に沿って垂れ下がった状態と、
水平な状態との間で起倒自在にする。

カーコ゛フツク１９に２本のカーコ゛フオーノレ２０，
２１の一端を固定し、一方のカーゴフォール２０はアウ
トリガー１６の先端及び根元部分の滑車２２，２３、デ
リックポスト２の下部の滑車２４を介して巻回され、そ
の他端はカーゴウインチ２５に連結される。

そして他方のカーゴフォール２１はデリックブーム４の
上端及び下端の滑車２６， ２７に巻回して別個のカー
ゴウインチ２８にその他端を連結する。

作用は次のとおりである。

トツピングウインチ８及び１２を操作し、トツピングワ
イヤ５及び９を適宜展張あるいは巻き込んで、デリック
ブーム４を振り廻し荷役を行うのは従来と同様である。

本考案はこれに加えて操作ワイヤ１７によりアウトリガ
ー１６をデリックポスト２に対して水平状態に起こしか
つそのまま保持しておき、２個のカーゴウインチ２５．
２８を操作し、それぞれのカーゴフォール２０． ２
１を適宜展張あるいは巻き込み操作することにより、カ
ーゴフツク１９はデリックブーム４の上端の滑車２６及
びアウトリガー１６の先端の滑車２２を含む鉛直面内の
両滑車２６， ２２間に亘り移動して荷役する、いわゆ
るけんか巻き荷役を行うことができる。

上述した実施例では一方のデリックポスト２にアウトリ
ガー１６その他のけんか巻き方式用の装置を設けたもの
を示したが、これに加えて第３図及び第４図において一
点鎖線で示すように、他方のデリックポスト３側にもア
ウトリガー２９及び関連する装置一式を設置することに
より、反対舷に対しても同様のけんか巻き荷役作業が行
える。

使用する側のアウ｝ ＩＪガーは水平状態に保持してお
き、使用しない方のアウトリガーはデリックポストに対
して垂れ下がった状態で格納しておく。

あるいは第４図に示すように、アウトリガー３０あるい
は３１をそれぞれの関連装置とともに設置すれば２本の
テ゛リツクポスト２，３を結ぶ中心線に対する両側にお
いても振り廻し荷役及びけんか巻き荷役を行うことがで
きる。

この場合アウトリガー１６． ２９， ３０． ３１を
適宜別個かつ独立して設けてもよいが、アウトリガー１
６及び２９をそれぞれのデリックポスト２あるいは３に
対して回転できるように取り付けてもよい。

またカーコ゛ウインチ２５はトツピングウインチ８及び
１２あるいはトツピングウインチ及びガイウインチと同
時に使用することはないので、これらのカーコ゛ウイン
チ２５はそれぞ゛れトツピングウインチ８及び１２ある
いは他の例によるトツピングウインチ及びガイウインチ
の駆動源を兼用し、その延長軸上にクラッチを介して設
けることが可能であり、こうすれば大巾なコスト低減が
図れる。

更に本荷役装置は、船舶の荷役作業に使用することが好
適であるが、この場合船内の貨物積付位置は船内側のデ
リックブームによって位置付けられるが、本荷役装置が
本来ｌ本テ゛リツク方式であるため荷役位置の設定はト
ツピングウインチあるいはガイウインチの操作によって
容易である。

なお、本実施例では、２本のデリックポストを有する場
合について説明したが、本考案はこれに限定されるもの
ではなく、例えば１本テ゛リツクポストを有する場合に
おいても同様の効果を得ることができる。

１本デリックポストを有する場合を第５図およひ゛第６
図に示す。

第５図および第６図において、デリックポストがＡであ
る以外は、第３図および第４図におけると同様である。

本考案のｌ本デリック型の荷役装置によれば、荷役速度
が遅くともよい大荷重の貨物に対しては従来と同様にデ
リックブームを振り廻すことにより荷役作業が行えると
ともに、小荷重貨物に対してはデリックポストに設けた
アウトリガーとデリックブームとの間でけんか巻き荷役
をも行うことができるから、速度の速い荷役作業を行う
ことができ、またこの場合船内ブーム位置の設定が機械
力により容易に行えるメリットがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の１本デリック型の荷役装置の斜視図であ
り、第２図ないし第４図は本考案による１本デリック型
の荷役装置の実施例を示し、第２図は同装置の斜視図、
第３図は第２図のＩＩＩ方向から見た正面図、第４図は
第３図の平面図である。 また、第５図は別の実施例であって、第３図と同様な正
面図、第６図は第５図の平面図である。 １・・・基台、２，３・・・デリックポスト、４・・・
テ゛リツクブーム、５，９・・・トツピングワイヤ、８
，１２・・・トツピングウインチ、１６， ２９， ３
０， ３１・・・アウトリガー、１７・・・操作ワイヤ
、１９・・・カーゴフック、２０，２１・・・カーコ゛
フオーノレ、２５， ２８・・・カーゴドラム、６，１
０， ２２， ２６・・・滑車、Ａ・・・デリックポス
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直立したデリックポストと、下端を支点として俯仰及び
   旋回するデリックブームと、該テ゛リツクブームの先端
   に設けられた滑車と、一端部にカーゴフツクを有し、前
   記滑車を介してカーゴウインチに導かれるカーゴフォー
   ルを有する１本テ゛リック型の荷役装置において、先端
   部に滑車を有するアウトリガーを前記デリックポストに
   取付け、前記カーゴフツクに一端を固定したカーゴフォ
   ールを前記アウトリガーに設けた滑車を介して別のカー
   ゴウインチに巻き取る如く構或したことを特徴とする１
   本デリック型の荷役装置。