JPS6323423Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自走式クレーンに関するものであつ
て、その目的は広範なクレーン作業に合理的に対
応することのできる新規な自走式クレーンを提供
しようとするものである。従来の自走式クレーン
は、第１図に示す如く、車輌１、車輌１上へ旋回
自在に搭載した旋回台２、旋回台２へその基端を
起伏自在に枢着連結された伸縮ブーム３、および
伸縮ブーム３と旋回台２の適所間に介装配設され
た伸縮ブーム３をその枢着連結部を中心に起伏駆
動する起伏用油圧シリンダ４から構成されてお
り、車輌１を作業現場に移動させた上で当該車輌
１に取り付けられたアウトリガ（図示せず）によ
り自走式クレーンを安定させ、旋回台を旋回動、
伸縮ブーム３をこれに内装した伸縮用油圧シリン
ダ（図示せず）により伸縮動、伸縮ブーム３を起
伏用油圧シリンダ４により起伏動、旋回台２に設
けたウインチ（図示せず）から伸縮ブーム３先端
を経たワイヤーロープ５で伸縮ブーム３先端から
吊下された吊具６を巻上巻下動させてクレーン作
業を行うようになつている。このような自走式ク
レーンは、その伸縮ブーム３の伸縮段数を増すこ
とにより、長いブーム長を必要とする軽荷重高揚
程作業と、短いブーム長で足りる重荷重低揚程作
業の何れにも対応できるようになつている。

ところが、このように多段に構成した単一の伸
縮ブーム３により、軽荷重高揚程作業と重荷重小
揚程作業との間の広範なクレーン作業に対処する
従前の自走式クレーンにあつては、特に重荷重低
揚程作業時のクレーン性能が大きく低下する欠点
を有している。すなわち、多段に構成した伸縮ブ
ーム３を縮小して重荷重低揚程作業を行う場合に
は、伸縮ブーム３のラツプ部分が多くなる。この
ことは、必要とする低揚程を達成するブーム長を
得るためには余分のブーム部材が存することを意
味し、この余分のブーム部材が、本来そのような
余分のブーム部材が無い場合のクレーン性能（吊
上能力）に比して実際のクレーン性能を大きく低
下させている。

本考案は、従来の自走式クレーンが、軽荷重高
揚程作業と重荷重低揚程作業との間の広範なクレ
ーン作業を単一の伸縮ブームでカバーしようとす
るために生じる上述の如き欠点を合理的に改善し
ようとするものであつて、次の如く構成する。

すなわち、本考案は、車輌、車輌上へ旋回自在
に搭載した旋回台、旋回台へその基端を起伏自在
に枢着連結された筒状のブームホルダ、ブームホ
ルダと旋回台の適所間に介装配設されブームホル
ダをその枢着連結部を中心に起伏駆動する起伏用
油圧シリンダおよびブームホルダの先端側から当
該ブームホルダ内へその基端を嵌挿することでブ
ームホルダの起伏駆動と共に起伏動される伸縮ブ
ームを備えた移動式クレーンであつて、前記伸縮
ブームとして、その最伸長時のブーム長が夫々異
る少なくとも二個の伸縮ブームを備えており、こ
れら複数の伸縮ブームをクレーン作業に応じて択
一的にブームホルダに嵌挿して使用するようにし
たことを特徴とする自走式クレーンに関するもの
である。

以下本考案の実施例を第２図に基づいて詳細に
説明する。本考案に係る自走式クレーンは、第２
図に示す如く、車輌１１、車輌１１上へ旋回自在
に搭載した旋回台１２、旋回台１２へその基端を
枢着連結された筒状のブームホルダ１３、ブーム
ホルダ１３と旋回台１２の適所間に介装配設され
ブームホルダ１３をその枢着連結部を中心に起伏
駆動する起伏用シリンダ１４、およびブームホル
ダ１３の先端側から当該ブームホルダ１３内へそ
の基端を嵌挿することでブームホルダ１３の起伏
動と共に起伏動される第１および第２の伸縮ブー
ム１５および１６から構成されている。前記第１
および第２の伸縮ブーム１５および１６は、択一
的に前記ブームホルダ１３にその基端を嵌挿して
使用されるものであつて、夫々その最伸長時のブ
ーム長を異にしている。第２図は、第１の伸縮ブ
ーム１５をブームホルダ１３に嵌挿配置し、第２
の伸縮ブーム１６をブームホルダ１３から取り外
した状態を示している。第１の伸縮ブーム１５は
４段伸縮ブームであり、一方第２の伸縮ブーム１
６は２段伸縮ブームである。そして、第１の伸縮
ブーム１５の方が第２の伸縮ブーム１６よりもそ
の最伸長状態におけるブーム長が大である。１７
は、旋回台１２に設けたウインチ（図示せず）か
ら、ブームホルダ１３に嵌挿して取り付けた第１
の伸縮ブーム１５の先端を経て吊具１８に至るワ
イヤーロープである。

次に作用を説明する。自走式クレーンにより主
として軽荷重高揚程作業を行う場合には、第２図
に示す如く第１の伸縮ブーム１５をブームホルダ
１３に嵌挿して取り付け、これにワイヤーロープ
１７をかけ廻してクレーン作業を行うものであ
る。自走式クレーンにより、重荷重低揚程作業を
行う場合には、第１の伸縮ブーム１５からワイヤ
ーロープ１７を外した上で第１の伸縮ブーム１５
をブームホルダ１３から外して、第２の伸縮ブー
ム１６をブームホルダ１３に嵌挿して取り付け、
更に第２の伸縮ブーム１６にワイヤーロープ１７
をかけ廻してクレーン作業を行うものである。第
２の伸縮ブーム１６は、当然のことながら第１の
伸縮ブーム１５よりも軽量であるので、第２の伸
縮ブーム１６を使用する重荷重低揚程のクレーン
作業時におけるクレーン性能は大巾に向上させる
ことができるものである。

本考案の自走式クレーンは、以上の如く構成し
作用するものであるから、低荷重高揚程作業と重
荷重低揚程作業とに応じて、伸縮ブームそのもの
をブームホルダに付け換えることにより、クレー
ン状態を大巾に向上させることができるので、そ
の実用上の効果極めて大である。

尚、上記実施例において、第１の伸縮ブーム１
５を４段伸縮ブームとし、第２の伸縮ブーム１６
を２段伸縮ブームとしたが、伸縮段数はこの実施
例のものに限定されるものではなく、二個の伸縮
ブームがその最伸状態において互に異るブーム長
を有するものであれば良い。また、二個の伸縮ブ
ームに限られるものではなく、三個の伸縮ブーム
あるいはそれ以上の伸縮ブームを備えても良いこ
と勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自走式クレーンの説明図、第２
図は本考案に係る自走式クレーンの説明図であ
る。 車輌；１１、旋回台；１２、ブームホルダ；１
３、起伏用油圧シリンダ；１４、伸縮ブーム；１
５，１６。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輌、車輌上へ旋回自在に搭載した旋回台、旋
   回台へその基端を起伏自在に枢着連結された筒状
   のブームホルダ、ブームホルダと旋回台の適所間
   に介装配設されブームホルダをその枢着連結部を
   中心に起伏駆動する起伏用油圧シリンダ、および
   ブームホルダの先端側から当該ブームホルダ内へ
   その基端を嵌挿することでブームホルダの起伏駆
   動と共に起伏動される伸縮ブームを備えた移動式
   クレーンであつて、前記伸縮ブームとして、その
   最伸長時のブーム長が夫々異る少なくとも二個の
   伸縮ブームを備えており、これら複数の伸縮ブー
   ムをクレーン作業に応じて択一的にブームホルダ
   に嵌挿して使用するようにしたことを特徴とする
   自走式クレーン。