JPH0380269B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、船舶から海中に超音波を発射し、海
底又は海中から反射する反射波に生じるドツプラ
効果に基づいて、水中移動物体等の水中速度を測
定表示するドツプラ水中速度測定装置に関する。

（従来の技術） 従来、巻網魚船等において魚群を探索する場
合、魚群探知機及び水中速度測定装置を備え、前
者で魚群探知、後者で流向、流速を別々に測定
し、これらの測定結果にもとづいて魚群を捕獲す
る方法をとつていた。

（発明が解決しようとする問題点） 上述した従来の水中速度測定装置では、船速、
水深、水中速度（流向、流速）の表示機能しかな
かつたので、特に巻綱魚船にとつては、魚群の探
索は魚群探知機で行ない、投綱前に水中速度測定
装置から流向、流速を読み取り瞬時に投網位置を
決定する為、魚群密度と水中速度との関係を過去
にさかのぼつて把握できず、又魚群探知機と水中
速度測定装置を別々に装備しなければならないと
いう欠点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこれらの欠点を除去するため、同時に
測定された複数層の流向、流速を、測定深度を縦
軸にとり測定深度に対応する位置を中心として、
楕円の中心から楕円周までの長軸上の距離で流速
を、楕円の中心からのベクトルの斜視図で流向を
各々表示すると共に、魚群等からの反射を表わす
魚探映像を同一の画面上に同時にそれぞれ表示す
るようにしたドツプラ水中速度測定装置を提供す
るものである。以下図面により説明する。

第１図は本発明装置の一実施例にかかるブロツ
ク回路図で、は水中速度計で１はその信号処理
器、２は送受波器である。または水中速度表示
装置で３は流向、流速インターフエース回路、４
は中央処理装置（以下CPUと呼ぶ）、５は第１記
憶回路（以下ROMと呼ぶ）、６は第２記憶回路
（以下RAMと呼ぶ）、７はパネル入力インターフ
エース回路、８はパネルスイツチ、９は表示変換
回路、１０はブラウン管表示器、および１１は魚
探映像インターフエース回路である。

次に動作につき第２図及び第３図の表示例を参
照して説明する。まず信号処理器１からのパルス
を送受波器２に供給し、該送受波器２から海底に
向けて斜め下方に４本の超音波信号が発射され
る。海底および海中の移動物体、例えば魚群、プ
ランクトン等で反射された反射波は再び送受波器
２に到来し、電気信号に変換されて、信号処理器
１に入力される。この電気信号をもとに、魚群等
の前記移動物体の海底に対する速度（速さと方
向）が計測、演算される。

一般に小魚群、プランクトン等の反射物体は、
それ自体は動いていないか動いていても、微少速
度であるため、潮海流と共に移動していると考え
られる。又海中の上層から下層に亘り、広く分布
していると考えられる為、任意深度の移動物体の
水中速度を測定することにより、任意深度の流
向、流速を知ることができる。さてパネルスイツ
チ８で設定された任意３層の測定深度はパネル入
力インターフエース回路７を介してCPU４に入
力され、RAM６に記憶されると同時に流向、流
速インターフエース回路３を介して信号処理器１
に出力される。

任意３層は例えば上層10ｍ、中層50ｍ、下層
100ｍのように設定される。

信号処理器１では前述したように海底および海
中で反射された反射波と絶対方位系での流速を表
示する為に入力するジヤイロ信号とから、前記３
層の流向、流速値が演算され、流向流速インター
フエース回路３に出力される。

CPU４は流向、流速インターフエース回路３
から３層の流向、流速値を入力し、RAM６に記
憶すると同時に、表示変換回路９に出力する。こ
の表示変換回路９ではこれらの値をCRT表示可
能な信号に変換し、ブラウン管表示器１０に出力
する。これにより、ブラウン管表示器１０には、
第２図ａのような「深度」「流速」「流向」が表示
される。またこれら「深度」などの数値を囲む枠
は、ROM５に記憶されたデータをもとにして表
示される。又前記以外のデータ「真速度」「真進
路」「ジヤイロ」「前後船速」「左右船速」「偏角」
「航程」「トリツプ」「水深」「モード」「アラーム」
「平均」の値がスペース６に同様にして表示され
る。このうち水深及び真船速の値はRAM６に記
憶される。画面ｇには、時間軸が表示され、２時
間毎に数値が表示され、１画面最大15時間の表示
範囲を持つ。この時間軸に対応して、３層の流
向、流速が楕円の中心から楕円周までの長軸上の
距離で流速を表わし、ベクトルの斜視図で流向を
表わす形式で画面Ｃのように２時間おきに表示さ
れる。

これら楕円、ベクトルの左側には測定深度が画
面ｄのように10ｍ、50ｍ、100ｍと表示される。
これにより流向流速の時間経過を把握することが
できる。又途中のデータを詳細に知りたければカ
ーソルｅの移動により、画面ｆ及びｈに円ベクト
ルと数値とで、３層流向、流速及び水深船速を表
示することができる。次に魚探映像インターフエ
ース回路１１は信号処理器１から４方向の受信信
号のエンベロープ検波したアナログ信号を入力し
Ａ／Ｄ変換したあと内蔵のメモリに記憶する。こ
のデータは送信直後から１ｍおきに500ｍまでサ
ンプリングされる。又その振幅に応じて８段階に
分類され、記憶される。この魚探映像信号は経過
時間軸に対応表示するようCPU４の指令のもと
に適時読み出され、表示変換回路９を介して画面
ｉのようにブラウン管表示器１０に表示される。
画面ｉのうち海底線ｋは振幅が大きいので赤で表
示され、魚群ｌ又はｍは振幅が小さいので例えば
赤、橙、黄等で表示される。パネルスイツチ８の
設定により、４方向の受信信号のうち、どの方向
からの信号を表示するかを選択することもでき
る。又画面下部には、画面ｊのように船速のグラ
フ表示をすることもできる。この部分には外部水
温計を接続することにより、水温のグラフ表示に
することもできる。

第２図は流向、流速の経過と魚探映像との並記
例であるが、パネルスイツチ８の設定によつて
は、第３図のように流向、流速及び船速の現在値
と４方向の魚探映像並記表示とすることも可能で
ある。又、同時に装備されている魚群探知機１２
があれば、この魚群探知機１２からのエンベロー
プ検波した信号を入力することにより、この魚群
探知機１２の魚探映像を表示させることも可能で
ある。

（発明の効果） 以上説明したように本発明装置においては水中
移動物体の水中速度と共に本装置の超音波信号を
利用して魚探映像を表示することにより同じ時間
軸で流向、流速と魚群との関係をとらえることが
できるので、巻綱船においては、より適格な投綱
タイミングを指示できる利点を有する。又多面式
魚探としても使用できるため、他に魚探を装備す
る必要がなくなるので利用者の経済的負担を著し
く軽減できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロツク回路
図、第２図、第３図はCRT表面上に表示された
図形、情報を示すCRT表示面の平面図である。 １……信号処理器、２……送受波器、３……流
向、流速インターフエース回路、４……中央処理
装置、５……第１記憶回路（ROM）、６……第
２記憶回路（RAM）、７……パネル入力インタ
ーフエース回路、８……パネルスイツチ、９……
表示変換回路、１０……ブラウン管表示器、１１
……魚探映像インターフエース回路、１２……魚
群探知機。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水中に超音波信号を放射し海底及び海中から
   の反射波とジヤイロコンパス信号とから水中移動
   物体等の水中速度を測定する装置において、任意
   の複数層の測定深度を設定する手段、該設定値を
   記憶し水中速度計の信号処理器に指定する手段、
   該信号処理器により絶対方位系での流向、流速値
   を演算する手段、該演算出力を入力し記憶し、同
   時に測定された複数層の流向、流速を、測定深度
   を縦軸にとり測定深度に対応する位置を中心とし
   て、楕円の中心から楕円周までの長軸上の距離で
   流速を、楕円の中心からのベクトルの斜視図で流
   向を各々表示するように表示変換する手段、一方
   前記信号処理器から得られた魚探映像信号を振幅
   に応じて数段階に分類記憶し、これを経過時間軸
   に対応した前記流速、流向等の表示と同一画面上
   に数段階の色別で表示するように表示変換する手
   段とを備えたことを特徴とするドツプラ水中速度
   測定表示装置。 ２ 特許請求の範囲第１項において、前記魚探映
   像は海底に向けて斜め下方に発射した超音波ビー
   ムの本数だけ画面を分割して同一画面上に同時に
   表示することを特徴とするドツプラ水中速度測定
   表示装置。