JPH0379206B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、貨物を前後方向に移動自在に載置す
るための昇降自在の荷台を備え、この荷台上の前
端部付近で貨物の姿勢を左右方向から前後方向へ
方向変換して、航空機に対して貨物を積み卸しす
るためのカーゴローダーに係るものである。従来
のカーゴローダーにおいては、荷台の左右両側に
設けたガイドレールの間隔内の一定幅の貨物を対
象として、荷台上に貨物を積み込む際および貨物
を荷台上から航空機に積み込む際にローラコンベ
ヤ等の搬送装置上を前後方向に貨物を移送させる
だけで十分であつたが、近時輸送機の大型化によ
り幅の大きい貨物の取り扱いが多くなつたので、
これに対応するため、カーゴローダーの荷台上
で、幅の大きい貨物を90度方向変換して幅をカー
ゴローダーの幅に合わせて移送積載する方法がと
られている。

すなわち、矩形の貨物の大きい方の幅は大型の
輸送機の積み込み幅に合わせ、小さい方の幅は小
型の輸送機の積み込み幅に合わせて形成し、カー
ゴローダーには、大きい幅、小さい幅のいずれの
幅に合わせて積み込んだ場合でも、必要により貨
物を90度方向変換すれば、幅の大小のいずれの輸
送機にも積み卸しができるように設けられてい
る。

この貨物を方向変換するための回転装置は、従
来、多数のボール等の自由回転体の上に直接軽合
金製のパレツトに収容された貨物を載置して回転
せしめていたので、パレツトの底面が自由回転体
の頂部に押圧されて集中荷重により変形し、特に
不均等の荷重をのせて回転する場合には、部分的
に変形が大きくなり、底面の損傷を生じて回転を
不円滑とし、自由回転体の寿命を短くし、しかも
作業能率の障害となつていた。

また、貨物の片寄り等にカーゴローダーの片側
車輪がへこみ、荷台に傾斜を生じると、ターンテ
ーブルの円滑な回転が困難になる等の問題があ
る。

この発明は、上述のごとき従来の問題に鑑みて
なされたもので、貨物を上下動することなく一定
の高さ位置で回転することができると共に、仮り
に荷台が傾斜したような場合であつてもターンテ
ーブルの回転を円滑に行なうことができ、さら
に、走行時には貨物の左右両側面を保持しターン
テーブルの回転を阻止して安全を図ることのでき
る新規なカーゴローダーを提供するものである。

以下、図面を用いて本発明の１実施例について
詳細な説明を行なう。

なお、本実施例における前、後とはすべてカー
ゴローダーの走行方向の前、後方向を基準とする
ものである。

図において、１はカーゴローダーを示し、つぎ
のように構成されている。すなわち、３は車輪
５，５を備えたフレーム７上に、油圧によつて作
動するリンク状の昇降装置９，９によつて水平姿
勢を保持した状態で昇降自在に設けられた荷台で
ある。この荷台３の左右両側には、貨物１５を支
持する複数のローラ１１，１１を前後方向に適宜
間隔に備えた搬送装置１３が設けられている。１
５，１５はローラ１１，１１上に載置されて前後
方向に移動される貨物である。１７はフレーム７
の前側側部に装着された運転台である。１９，２
１は荷台３の左右両側の側枠２３（第３図参照）
上に設けた前後のガイドレールで、前記ローラ１
１列より左右の外側方に設けられており、左右方
向の互の間隔を調節自在に設けられている。この
前後のガイドレール１９，２１は、カーゴローダ
ーの走行時に、貨物１５が動かないように、貨物
１５の左右両側を規制保持するものである。２４
は荷台３に内装した油圧シリンダ等によつて左右
方向に摺動されるスライダ（第５図、第６図参
照）で、荷台３の左右両側部の複数箇所に設けら
れており、各スライダ２４の先端部には前後方向
に延伸した前側枠２３，２３が固着してある。２
５は前記複数のローラ１１を保持すべく前後方向
に延伸して設けられた左右の枠体である。この枠
体２５は、詳細な図示は省略するが、前側ガイド
レール１９，１９に対応して、前側ガイドレール
１９，１９より中側に設けられた前側枠体と、後
側ガイドレール２１，２１に対応して、後側ガイ
ドレール２１，２１より内側に設けられた後側枠
体に分割して設けられており、前側枠体２５は、
昇降作動装置の１列としての複数の油圧シリンダ
ー２７によつて荷台３上に上下動自在に支持され
ている。２９は昇降作動装置の１列としての複数
の油圧シリンダー３１，３１を介して荷台３上に
昇降自在に支持された水平な平板状の架台で、前
記左右の前側枠体２５，２５の間に配置されてい
る。３３は架台２９の中央部に直立する支軸３５
に、ベアリング３７，３９およびスラストベアリ
ング４１を介して水平に回転自在に支持された水
平な平板状の支持台である。４３，４３，…は架
台２９上に配設された多数の自由回転体で、支持
台３３の下面を支持して、支持台３３の湾曲を防
いでいる。自由回転体４３は球体で、架台２９上
に固着された保持体４５の多数の球４７，４７，
…を介して、自由方向に回転自在に保持されてい
る。

以上のごとき構成において、矩形の貨物１５，
１５，１５は貨物１５の長手方向を左右方向に向
けて搬送装置１３上に載置され、左右両側面は、
第３図に示されるように、前後のガイドレール１
９，１９および２１，２１によつて保持されるよ
う前後のガイドレール１９，１９および２１，２
１のそれぞれの間隔を調節されている。この姿勢
で搬送された貨物を小型の航空機に積み込むにあ
たつては、貨物１５の長手方向が前後方向となる
ように、貨物１５を90゜旋回する必要がある。

そこで、貨物を小型の航空機に積み込むには、
先ずカーゴローダー１の前部を航空機の貨物室の
入口に向けて停止せしめると共に、貨物１５の旋
回時に貨物と前側ガイドレール１９，１９とが干
渉しないように、前側ガイドレール１９，１９の
間隔を、第５図のごとく拡げる。つぎに昇降装置
９，９を上昇させて荷台３の高さを、貨物室の床
面高さに一致せしめてのち、荷台３の前部の支持
台３３を油圧シリンダー３１を上昇させてローラ
１１に支持されている貨物１５の底面に当接支持
させ油圧シリンダー３１をロツク状態にする。

次に油圧シリンダー２７によつてローラ１１，
１１を下降させて第６図に示す姿勢とし、つぎ
に、貨物を支持台３３とともに支軸３５を中心と
して水平に90度回転させ、貨物の長手方向を前後
方向に向ける。その後、油圧シリンダ２７を作動
して、ローラ１１が貨物１５の底面に当接するま
で上昇せしめ、ローラ１１が底面に当接した状態
において油圧シリンダー２７をロツク状態に保持
する。その後、油圧シリンダ３１を作動して架台
２９を下降せしめて、第５図に示したごとき状態
（貨物１５の長手方向は前後方向になつている）
にした後に、貨物１５を貨物室に移動させる。

なお、大型の航空機に積み込む場合には、貨物
室の横幅寸法は貨物１５の長手寸法に予め一致し
てあるので、貨物１５を90度回転する必要がな
く、そのまま積み込むものである。

なお、前述の実施例では航空機への積み込み作
業について説明したが、航空機からカーゴローダ
ーに貨物を荷卸しする際にも同様に利用して効果
を有するものである。

また本実施例は、球体よりなる自由回転体４３
に替えて、支軸３５を中心とする円上に、円周方
向に回転自在のローラを用いても良い。この場
合、ローラの軸心は支軸３５を中心として放射方
向に設けられる。したがつて、回転体としてロー
ラを用いることにより、支持台３３に偏心荷重が
作用し、回転時に不均一な遠心力が作用した場合
であつても、支持台３３が偏心運動する傾向が阻
止される。また、戦車等の重量の大きな貨物が荷
台３上に片寄つて載置され、車輪５のへこみによ
り架台３が傾斜したようなときに、支持台３３が
傾斜下方向への力を受けて、支軸３５を曲げる傾
向となるのを阻止する機能を奏する。したがつ
て、回転体としては、球体よりもローラであるこ
とが望ましいものである。

なお、搬送装置１３上の貨物１５の移動あるい
は支持台３３の回転作動を作業者が手動で操作し
てもよく、あるいは油圧モーター等を介して動力
で駆動するチエンに係止して貨物を移動せしめて
もよく、また、油圧モーター等を介しての動力の
駆動で支持台を回転せしめても良い。さらに支持
台は動力で駆動するチエンに連動して回転するよ
うに設けてもよい。

以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本発明の要旨は特許請求の範囲に記
載のとおりであるから、その記載より明らかなよ
うに、本発明は、荷台３の前側の左右両側付近に
前後方向に延伸した前側ローラ枠体２５を上下動
自在に設けると共に、左右の前側ローラ枠体２５
の間において荷台３に支持台３３を回転自在に支
承した架台２９を上下動自在に設けてなるカーゴ
ローダーであつて、架台２９を上下動する第１の
昇降作動装置３１は、左右の前側ローラ枠体２５
に左右両側下面を支持された貨物１５の下面に支
持台３３が当接する高さ位置まで架台２９を上昇
せしめるものであり、また左右の前側ローラ枠体
２５を上下動する第２の昇降作動装置２７は、支
持台３３が貨物１５の下面に当接した状態にある
ときに支持台３３よりローラ前側枠体２５を下降
せしめるものである。

したがつて本発明によれば、前側ローラ枠体２
５用の第２の昇降作動装置２７および架台２９用
の第１の昇降作動装置３１は、重量の大きな貨物
１５を持ち上げるほどの大きな力を必要とするも
のではなく、単に貨物１５を支持できる程度のも
のであれば良いものである。よつて、実施例の場
合には、各昇降作動装置のシリンダへ作動流体を
供給するための流体圧ポンプは前側ローラ枠体２
５、荷台２９を昇降できる程度の小型のものでよ
いこととなり（シリンダから作動流体が流出しな
いように弁を切換えてロツク状態とすることによ
り、貨物１５を支持できるから）、カーゴローダ
ーの小型軽量化をはかることができるものであ
る。

また、既に理解されるように、左右の前側ロー
ラ枠体２５で貨物１５を支持する場合と、支持台
３３で貨物を支持する場合の高さ位置は常に一定
であつて、貨物１５を格別に上下動するものでは
ないから、例えば貨物１５の上方位置に障害物が
あるような場合であつても、貨物１５の旋回を容
易に行い得るものである。

さらに本発明においては、架台２９に対する支
持台３の支持は複数のローラによつて行われてい
るから、例えば戦車のごとき貨物１５の片寄りに
より片側の車輪５がへこみ、荷台３が傾斜したよ
うな場合には、支持台３３が傾斜下方向へ下る傾
向にあつても、ボールとは異なり、支持台３３が
下がる傾向を阻止するものである。換言すれば、
支持台３３の支軸３５が曲げられるようなことが
なく、支持台３３の回転を円滑に行なうことがで
きるものである。

また、さらに、カーゴローダの走行時には、貨
物１５は長手方向を左右方向としてカーゴローダ
ー上に載置されるので、カーゴローダーの前後方
向の長さを比較的短くできるものである。また、
カーゴローダーに積載された後側ローラ枠体上の
貨物１５は後側ガイドレール２１，２１でもつて
左右両側面を保持し、支持台３３、前側ローラ枠
体２５上の貨物１５は前側ガイドレール１９，１
９でもつて左右両側面を保持するものであるか
ら、カーゴローダーの走行時に、貨物１５が落下
するようなことがなく、また、前側ガイドレール
１９，１９が貨物１５を保持することにより支持
台３３の回転が阻止され、走行時の安全が確保で
きるものである。

なお、本発明は前述の実施例のみに限定される
ものではなく、他の態様においても実施しうるも
のである。また、請求の範囲に示す符号は本発明
の技術的範囲を限定するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ本発明の１実施例の
側面図、平面図、第３図は要部の正断面図、第４
図は要部の拡大正断面図、第５図、第６図は他の
姿勢における要部の正断面図である。 （図面の主要な部分を表わす符号の説明）３…
荷台、５…車輪、７…フレーム、１３…搬送装
置、１５…貨物、１９，２１…ガイドレール、２
５…ローラ枠体、２７，３１…昇降作動装置、２
９…架台、３３…支持台。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車輪５を備えて走行自在なカーゴローダー１
   におけるフレーム７上に荷台３を上下動自在に設
   け、この荷台３の前側の左右両側付近に前後方向
   に延伸した前側ローラ枠体２５を上下動自在に設
   け、上記左右の前側ローラ枠体２５の間において
   上記荷台３に上下動自動に設けられた架台２９
   に、支持台３３を回転自在に支承してなるカーゴ
   ローダーにして、 前記前側ローラ枠体２５に左右両側部下面を支
   持された貨物１５の下面に前記支持台３３が当接
   する高さ位置まで前記架台２９を上昇する第１の
   昇降作動装置３１と、 前記支持台３３が貨物１５の下面に当接した状
   態にあるときに前記前側ローラ枠体２５を支持台
   ３３より下方位置へ下降する第２の昇降作動装置
   ２７と、 前記架台２９に対して支持台３３を回転自在に
   支承する複数の回転体としてのローラと、 カーゴローダ１の走行時に、前記支持台３３に
   対応する前側の貨物１５の左右両側面を保持すべ
   く、前記前側ローラ枠体２５の左右両側の外側に
   おいて前記荷台３に、カーゴローダー１の走行方
   向に対して直交する左右方向へ移動自在に設けら
   れた前側ガイドレール１９，１９と、 前記前側ローラ枠２５の後方においてローラ１
   １を支持した後側ローラ枠体に支持されている貨
   物１５の左右両側面を保持すべく前記前側ガイド
   レール１９，１９の後側において荷台３の左右両
   側部に設けられた後側ガイドレール２１，２１
   と、 を備えてなることを特徴とするカーゴローダー。