JP3286206B2 - 組立て物品積載台車の順立て搬送還流装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】運転台のみが前方へ傾動可能
なトラックの運転台（以下トラックキャブという）を、
多種多様の組立てトラックの型式、形状、色彩等に応じ
て選択的に順立てしてトラック組立てラインへ供給する
に好適な装置に関し、エンジンその他の組立て物品を選
択的に順立てして組立て作業ラインに供給する技術分野
にも適用できる。

【０００２】

【従来の技術】トラックキャブの順立て搬出手段を図４
に例示すると、トラックキャブは多種・多様なトラック
に対応して型式、形状が多種類あり、さらに多様な色彩
に塗装されて順不同でトラックキャブ貯留ヤードに搬入
され、トラック組立ラインからの指示により、型式、形
状、色彩等が指定されたトラックキャブが該貯留ヤード
から選択されて、トラック組立てラインに供給されてい
る。

【０００３】すなわち、図４において、トラックキャブ
を積載した台車（以下キャブ台車という）Ｗが搬入ライ
ンＡに直交して配設された搬入トラバーサ軌道Ｂ上を矢
印方向に往復走行する搬入トラバース台Ｔ上に搭載され
て、キャブ台車貯留ヤードＳに敷設した複数のキャブ台
車貯留軌道ＳＡ〜ＳＥのいずれかの接続位置で停止し、
トラバース台Ｔ上のキャブ台車Ｗをキャブ台車貯留軌道
上にトラックキャブの型式、形状、色彩等により順次移
乗させる。そして、貯留ヤードＳの夫々のキャブ台車貯
留軌道ＳＡ〜ＳＥ上には、例えば、図示の如く複数のキ
ャブ台車ＷＡ１〜ＷＡ４，ＷＢ１〜ＷＢ２，ＷＣ１〜Ｗ
Ｃ４，ＷＤ１〜ＷＤ４，ＷＥ１〜ＷＥ４が貯留される。

【０００４】いま、例えばトラック組立てラインからの
指示により、貯留軌道ＳＤ上の最後尾キャブ台車ＷＤ４
をトラック組立てラインに供給すると仮定した場合に
は、キャブ台車貯留軌道ＳＡ〜ＳＥに直交して配設した
搬出トラバーサ軌道Ｃ上を矢印方向に往復走行する搬出
トラバース台Ｔ’上に先頭キャブ台車ＷＤ１を搭載し、
搬入トラバーサ軌道Ｂと搬出トラバーサ軌道Ｃとを接続
する回送軌道Ｄに前記先頭キャブ台車ＷＤ１を搬出トラ
バース台Ｔ’より移乗させ、該先頭キャブ台車ＷＤ１を
再び搬入トラバーサ軌道Ｂ上の搬入トラバース台Ｔに搭
載してキャブ台車貯留軌道ＳＤ上に移乗させ、該貯留軌
道ＳＤ上に貯留されている最後尾キャブ台車Ｄ４の後方
に走行させる。

【０００５】同様にして順次、次位のキャブ台車ＷＤ
２、次々位のキャブ台車ＷＤ３を貯留軌道ＳＤ上の最後
尾位置に回送することにより、指示されたキャブ台車Ｗ
Ｄ４を該貯留軌道ＳＤ上の先頭に位置させ、搬出トラバ
ーサ軌道Ｃ上の搬出トラバース台Ｔ’に搭載し、搬出ラ
インＥの接続位置においてキャブ台車ＷＤ４を搬出トラ
バース台Ｔ’から搬出ラインＥ上に走行移乗させ、キャ
ブ台車ＷＤ４は搬出ラインＥ上の所定位置において停止
し、積載しているキャブを吊上げクレーン等でキャブ台
車ＷＤ４より脱荷し、該キャブはトラック組立てライン
へ供給される。脱荷後のキャブ台車ＷＤ４は、キャブ載
荷および加工ラインに送られ、キャブを積載して再び搬
入ラインＡに還流される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術におい
ては、トラック組立てラインより指示されたキャブ台車
が貯留ヤードＳの夫々の貯留軌道ＳＡ〜ＳＥ上の先頭に
位置しない限り、先頭台車、次位台車等を順次回送して
指示台車を先頭に位置させて搬出可能にしなければなら
ないというきわめて手数のかかる順立て搬出作業をしな
ければならないので、多数の労力と時間とを要し、トラ
ック組立てラインからの指示に即応できないという問題
点を有していた。そしてまた、キャブ台車の回送軌道Ｄ
を格別に設ける必要があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、トラ
ックキャブ又はエンジンのような大形で重量大なる組立
て物品を積載する台車の昇降支持台を有し該組立て物品
積載台車の走行方向に直交して走行する移載台車と、該
移載台車を走行移乗可能に搭載し前記組立て物品積載台
車と同方向に走行する搬送台車と、該搬送台車の走行軌
道に直交して並設した複数の移載台車移載軌道と、該移
載台車移載軌道の夫々の終端に設けた組立て物品積載台
車貯留台と、前記搬送台車走行軌道の始端部および終端
部に夫々直交して設けた前記移載台車の組立て物品積載
台車搬入移載軌道および組立て物品積載台車順立て搬出
軌道と、該搬入移載軌道と順立て搬出軌道とに直交して
接続し組立て物品の載荷および加工作業ラインを経由す
る組立て物品積載台車還流軌道と、を配設することによ
り、前記課題を解決した。

【０００８】

【作用】組立て物品積載台車（以下単に積載台車とい
う）が該積載台車の還流軌道と移載台車の積載台車搬入
移載軌道との直交接続位置で停止すると、移載台車が積
載台車の側方より積載台車の下方に進入し移載台車の昇
降支持台が上昇して積載台車を浮上させて移載台車上に
積載台車を移載する。

【０００９】積載台車を搭載した移載台車は前記積載台
車搬入移載軌道上を後退走行し、該積載台車搬入移載軌
道に直交した走行軌道上に待機している搬送台車の側方
より搬送台車上に搭載されて停止し、移載台車の昇降支
持台を降下して積載台車を搬送台車上に着床させる。

【００１０】移載台車を搭載した搬送台車は走行軌道上
を前進又は後退し、積載台車が貯留されていない積載台
車貯留台に接続する移載軌道との直交接続位置で停止す
る。

【００１１】移載台車は昇降支持台を上昇させて積載台
車を搬送台車より浮上させて搬送台車より移載軌道上に
乗り移り、移載軌道終端の積載台車貯留台内に進入し昇
降支持台を降下して積載台車を前記貯留台上に載置し、
再び移載軌道上を後退動して搬送台車上に戻ることによ
り、積載台車の搬入貯留作業は終了し、以下、前記還流
軌道から還流されてくる積載台車を同様にして搬入貯留
する。

【００１２】次に、積載台車の順立て搬出について説明
する。物品組立てラインからの指示により、指定された
型式、形状、色彩等を有する組立て物品を積載した特定
の積載台車が貯留させている貯留台に接続する移載軌道
と搬送台車の走行軌道との直交接続位置に搬送台車を停
止させ、前述した搬入貯留手順と逆の手順で移載台車を
走行操作し、特定組立て物品を積載した特定積載台車を
貯留台より搬送台車上に移載する。

【００１３】特定積載台車を搭載した搬送台車は、搬送
台車の走行軌道と積載台車順立て搬出軌道との直交接続
位置で走行停止すると、搬送台車上の移載台車は昇降支
持台を上昇させて積載台車を搬送台車より浮上させて移
載台車上に移載し、該移載台車は積載台車を搭載して前
記積載台車順立て搬出軌道上を走行し、所定位置におい
て積載台車上の指定組立て物品は積載台車より脱荷され
て、物品組立てラインに順立て供給される。そして、空
になった積載台車は、還流軌道により組立て物品載荷加
工作業ラインを経て積載台車搬入軌道に還流される。

【００１４】

【実施例】本発明の実施例を組立て物品が例えばトラッ
クキャブであり、該キャブを積載した組立て物品積載台
車をキャブ台車として説明する。図１は、キャブ台車１
と移載台車２を搭載した搬送台車３の正面図であり、図
２は、移載台車２のみを搭載した搬送台車３の平面図で
あって、搬送台車３は、自走車輪３Ａと制御装置３Ｂと
動力源例えばエアコンプレッサ３Ｃと走行駆動モータ３
Ｄとを有し、搬送台車３の上面には搬送台車３の走行方
向に直交する移載台車搭載軌道３Ｅと前記移載台車２の
走行方向と直交して走行する、すなわち搬送台車と同方
向に走行するキャブ台車１の車輪１Ｂの受け台３Ｆとキ
ャブ台車の前後端部の下面に垂設した搬送台車急停止時
の飛出し脱線防止ストッパ１Ａのストッパ受３Ｇとが設
けられている。

【００１５】キャブ台車１にはキャブＭを搭載する複数
の支柱Ｐが立設されている。移載台車２は、搬送台車上
の移載台車搭載軌道３Ｅを走行する自走車輪２Ａ，２Ｂ
を有し、図２に示す如く、一側の前後車輪２Ａは前記軌
道３Ｅに走行案内されるフランジ付き車輪であり、他側
の前後車輪２Ｂにはフランジを有しない。

【００１６】また、移載台車２は、走行駆動用モータ２
Ｃとキャブ台車１の昇降支持台２Ｄを有し、昇降支持台
２Ｄはエアシリンダー駆動によるリンク機構リフタ、そ
の他公知の昇降駆動手段によって、キャブ台車１の底面
を支承してキャブ台車１を昇降動させる。

【００１７】そこで、前記キャブＭを積載したキャブ台
車１の順立て搬出ならびにキャブＭを積載しない空のキ
ャブ台車の還流搬送を図３について説明する。図３は、
一基の搬入トラバーサＴに対するキャブ台車貯留ヤード
Ｓの平面説明図であって、複数基の搬入トラバーサを増
設することにより、複数の貯留ヤードを配設してキャブ
台車貯留数を増大させることも可能である。キャブ台車
１の貯留ヤードＳには、搬送台車走行軌道Ｒ３の両側の
夫々に多数のキャブ台車貯留台Ｍ１〜ＭＸおよびＭ’１
〜Ｍ’Ｘが１列に配設され、夫々の前記貯留台Ｍ１〜Ｍ
ＸおよびＭ’１〜Ｍ’Ｘと搬送台車走行軌道Ｒ３との間
には、前記搬送台車走行軌道Ｒ３に直交する走行方向の
移載台車移載軌道Ｒ２が配設されている。

【００１８】キャブＭを積載したキャブ台車１は還流軌
道Ｒを経て第１搬入軌道Ｒ１に直交する搬入トラバーサ
Ｔに移乗して矢印方向に運ばれ、さらに該搬入トラバー
サＴに直交する第２搬入軌道Ｒ１を走行し、移載台車２
のキャブ台車搬入移載軌道ＲＡと直交する位置Ｈで停止
すると、移載台車２が該キャブ台車搬入移載軌道ＲＡを
前進自走してキャブ台車の底部に進入したのち、昇降支
持台２Ｄを上昇させてキャブ台車の底部を支承扛重して
キャブ台車１を浮上させる。

【００１９】キャブ台車１を支承扛重した移載台車２
は、前記搬入移載軌道ＲＡ上を自走後退して走行軌道Ｒ
３上の搬送台車３上に移乗搭載されると、昇降支持台２
Ｄを下降させ、キャブ台車１は図１に示す状態で搬送台
車３上に搭載される。

【００２０】そこで、搬送台車３は自走して、例えば、
空の状態にあるキャブ台車貯留台Ｍ３に接続する移載台
車の移載軌道Ｒ２と搬送台車の走行軌道Ｒ３と直交する
位置で停止し、移載台車２は昇降支持台２Ｄを上昇させ
てキャブ台車１を浮上させ移載台車２が搬送台車の搭載
軌道３Ｅより該移載軌道Ｒ２に移乗し、自走して前記空
のキャブ台車貯留台Ｍ３に進入したのち、昇降支持台２
Ｄを降下させてキャブ台車１を該貯留台Ｍ３上に貯留載
置し、移載台車２のみが再び自走後退して搬送台車３上
に戻り、搬送台車３は後続のキャブ台車１を搬入するた
めに走行軌道Ｒ３を後退自走し、移載台車はキャブ台車
搬入移載軌道ＲＡ上を自走して還流キャブ台車１を受取
る。このようにして、順次搬入されたキャブを積載した
キャブ台車１を空の貯留台に格納する。

【００２１】次に、トラック組立てラインから供給指示
された指定のキャブＭが貯留台Ｍ’Ｘに格納されている
場合の順立て搬出について説明すると、搬送台車３は、
前記供給指示に基づいて直ちに貯留台Ｍ’Ｘに接続する
移載軌道Ｒ２と直交する走行軌道Ｒ３の位置に自走し
て、搬送台車３上の移載台車２を前記移載軌道Ｒ２上に
移乗走行させて、昇降支持台２Ｄを上昇させ貯留台Ｍ’
Ｘの特定のキャブ台車１を受け取り、指定キャブＭを積
載した特定キャブ台車１を支承した移載台車２は自走後
退して搬送台車３に移乗搭載され、搬送台車３は走行軌
道Ｒ３と順立て搬出軌道ＲＢとの直交位置で停止し、特
定のキャブ台車１を昇降支持台２Ｄ上に支承した移載台
車２のみが前記順立て搬出軌道ＲＢ上を自走し、さら
に、該順立て搬出軌道ＲＢと第１キャブ台車搬出軌道
Ｒ’１との直交位置で特定のキャブ台車１のみを第１キ
ャブ台車搬出軌道Ｒ’１上に移乗走行させ、該第１キャ
ブ台車搬出軌道Ｒ’１に直交する搬出トラバーサＴ’
で、キャブ脱荷位置近傍に移送され、該搬出トラバーサ
Ｔ’に直交する第２キャブ台車搬出軌道Ｒ’１に移乗し
て、キャブ台車１は指定キャブＭの脱荷位置Ｈ’に停止
する。

【００２２】該脱荷位置には天井走行クレーン等の天井
搬送手段が設けられ、キャブ台車１上の特定のキャブＭ
は該天井走行手段によってトラック組立てラインに供給
される。脱荷後の特定キャブ台車１は、キャブ台車還流
軌道Ｒを走行して、前述した搬入トラバーサＴ上に移乗
し、夫々の貯留台Ｍ１〜ＭＸおよびＭ’１〜Ｍ’Ｘに格
納される。

【００２３】前記キャブ台車還流軌道Ｒに沿って、下塗
装したキャブのキャブ台車への載荷、キャブの表面研
磨、塗装、焼付および検査の各工程が配置されているか
ら、搬入トラバーサＴ上に移乗したキャブ台車上のキャ
ブは、各工程による加工作業の完了したキャブであっ
て、トラック組立てラインに供給されて直ちにトラック
に組付け可能のものである。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、組立て物品積載台車を搭載し
た移載台車に昇降支持台を設け、該移載台車を搬送台車
に搭載し、各台車の走行方向を交互に直交させたので、
組立て物品積載台車の貯留台を搬送台車の走行方向両側
の夫々に一列に多数並設しても、各貯留台に容易に組立
て物品積載台車を貯留できるとともに、特定の組立て物
品積載台車を他の貯留組立て物品積載台車に何等の移動
を強いることなく、直ちに特定組立て物品積載台車を物
品組立てラインの指示に即応して順立て搬出することが
可能であるので、組立て作業の効率を著しく向上させる
ことができる。

【００２５】そして、組立て物品積載台車は、組立て物
品を脱荷したのち、還流軌道上を走行する途中におい
て、組立て物品の載荷および加工を行なって貯留ヤード
への搬入ラインに還流されるから、組立て物品積載台車
を効率よく還流し、多種多様の組立て物品の格納貯留数
を最小台数の組立て物品積載台車によって増大させるも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 組立て物品積載台車および移載台車を搭載し
た搬送台車の正面図。

【図２】 移載台車を搭載した搬送台車の平面図。

【図３】 組立て物品の搬入、貯留、順立て搬出および
組立て物品積載台車還流の平面説明図。

【図４】 従来例の組立て物品搬入、貯留順立て搬出の
平面説明図。

【符号の説明】

１ 組立て物品積載台車（キャブ台車） ２ 移載台車 ２Ｄ 昇降支持台 ３ 搬送台車 Ｍ１〜ＭＸ，Ｍ’１〜Ｍ’Ｘ 組立て物品積載台車貯
留台 Ｒ 物品組立て台車還流軌道 ＲＡ 物品組立て台車搬入移載軌道 Ｒ’Ｂ 物品組立て台車順立て搬出軌道 Ｒ１ 搬入軌道 Ｒ’１ 搬出軌道 Ｒ２，Ｒ’２ 移載軌道 Ｒ３ 搬送台車走行軌道 Ｔ，Ｔ’ トラバーサ Ｍ 組立て物品

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 組立て物品積載台車の昇降支持台を有し
   該組立て物品積載台車の走行方向に直交して走行する移
   載台車と、該移載台車を走行移乗可能に搭載し前記組立
   て物品積載台車と同方向に走行する搬送台車と、該搬送
   台車の走行軌道に直交して並設した複数の移載台車移載
   軌道と、該移載台車移載軌道の夫々の終端に設けた組立
   て物品移載台車貯留台と、前記搬送台車走行軌道の始端
   部および終端部に夫々直交して設けた前記移載台車の組
   立て物品積載台車搬入移載軌道および組立て物品積載台
   車順立て搬出軌道と、該搬入移載軌道と順立て搬出軌道
   とに直交して接続し組立て物品の載荷および加工作業区
   間を経由する組立て物品積載台車還流軌道と、を配設し
   た組立て物品積載台車の順立て搬送還流装置。