JPH0377894B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、シートの側方からの乗降が困難又は
不可能なローダの改良に関する。ここでローダと
はスキツドステアローダなどのように荷役装置を
もつ産業車輌をいう。

［従来の技術］ ローダは、前部に運転操作部を後部に機構部を
もつボデイと、ボデイの両側部に装着され前端部
に荷役装置をもつリフトアームとで構成されてい
る。ここでリフトアームがあるため、運転操作部
に設置されたシートへボデイの側方から乗降する
ことは、事実上不可能であつた。

そのため、従来より、やむなく、ボデイの前方
からつまり荷役装置側から運転操作部のシートへ
乗降するように改良したローダが提供されてい
る。

上記したようにボデイの前方から乗降する構成
のローダでは、荷役装置をまたがなければならず
面倒であつた。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明は上記した問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、作業者の乗降を容
易ならしめたローダを提供するにある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明に係るローダは、前部に運転操作部を後
部に機構部をもつボデイと、該ボデイの両側部に
それぞれ装着され前端部に荷役装置が配設された
リフトアームと、該ボデイの運転操作部に設置さ
れ背もたれ部が座部側へ転倒自在なシートと、該
ボデイの該機構部の外側面に設けられた乗降階段
部とで構成され、該座部側へ転倒させた該シート
の該背もたれ部、該機構部の上面、該乗降階段部
を乗降用通路とし、該運転操作部への出入を、該
座部側へ転倒させた該シートの背もたれ部を踏み
台にして行なうことを特徴とするものである。

本発明に係るローダではボデイ、運転操作部、
機構部、リフトアーム、荷役装置は従来と同一の
構造とすることができる。なおボデイには一般に
走行用の車輪、キヤタピラなどが設けられてい
る。運転操作部とは、ボデイ走行用の操作部、荷
役装置駆動用の操作部をもつ部位をいう。機構部
とは機械類をもつ部位をいい、通常、エンジンを
もつ部位をいう。機構部の高さは、内部構造に特
に支障をきたさない範囲で、できるだけ低い方が
望ましい。乗降がそれだけ容易となるからであ
る。荷役装置としては土砂などをすくい取るバケ
ツトが代表的なものである。

本発明に係るローダでは、シートは、背もたれ
部が座部側へ転倒自在である。転倒自在とする構
成は、通常、背もたれ部の下端部を座部へ回転自
在に枢支する構成をとる。背もたれ部の背面部は
滑り止め構造であることが好ましい。乗降通路の
一部を構成するからである。滑り止め構造は、例
えば、背もたれ部の背面部に摩擦係数の大きなゴ
ム部材を取着する構造、背もたれ部の背面部に凹
凸を形成する構造などがある。又背もたれ部の背
面部に、特に背もたれ部の背面部の周辺に、土砂
等を受けとめる樋部を設けることも好ましい。こ
のように樋部を形成すれば、背もたれ部の背面部
に付着した土砂の飛散を抑えるのに効果的であ
る。なお、シートは高さ位置調整可能又は水平位
置調整可能とすることができる。

乗降階段部は、地面と機構部の上面との間を昇
降するための部材であり、ボデイの機構部の外側
面に設けられている。ボデイの機構部の外側面
は、機構部の後端面とすることができる。乗降階
段部のステツプ数は、必要に応じて、例えば機構
部の高さに応じて適宜選択することができる。乗
降階段部の付近には把手、手すりなどを設けるこ
とが好ましい。乗降を容易にし得るからである。
乗降階段部のステツプ部は、パンチングメタルな
どの多孔板で形成することが好ましい。土砂の推
積防止に有効だからである。

本発明に係るローダでは、座部側へ転倒させた
シートの背もたれ部、機構部の上面、乗降階段部
の乗降用通路としている。ここで機構部の上面も
滑り止め構造となつていることが好ましい。例え
ばシートの背もたれ部の背面部の滑り止め構造と
ほぼ同様の構成とすることができる。

ボデイには、シートの上方を覆うヘツドガード
を設けることが好ましい。ヘツドガードは、後部
に開閉可能なハツチ部を有することが好ましい。
又シートと荷役装置との間を透明プロテクタ又は
ネット部材で遮断することも好ましい。

なお、場合によつては、運転操作部のペダル等
をロツクするロツク装置を設けることもできる。

［作 用］ 本発明に係るローダから作業者が降りる場合に
は、まず、作業者はシートから立ち、シートの背
もたれ部を座部側へ転倒させる。そして転倒した
シートの背もたれ部の背面部に乗り、この背もた
れ部の背面部を踏み台にして機構部の上面へ移動
する。更に機構部の上面から乗降階段部へ移動
し、この乗降階段部を降りる。なお、シートが高
さ位置調整自在、水平位置調整自在であるときに
は、乗降の降に適宜調整するとよい。

一方、ローダに作業者が乗る場合には、乗降階
段部を昇つてボデイの機構部の上面に移動する。
そして機構部の上面からシートへ移動する。ここ
でシートの背もたれ部は、作業者がローダから降
りる際に座部側へ転倒されている。そのため、シ
ートの背もたれ部の背面部を踏み台にして運転操
作部へ移動することができる。そして運転操作部
へ移動したらシートの背もたれ部を座部に対して
立設させ、通常通りシートの座部に座れば、運転
操作部の操作が容易となる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明に係るローダは、座
部側へ転倒させたシートの背もたれ部、機構部の
上面、乗降階段部を乗降用通路とし、運転操作部
への出入を、座部側へ転倒させたシートの背もた
れ部を踏み台にして行なう構成である。そのため
ボデイの前方つまり荷役装置側から、シートへの
乗降を行なわずともよい。故に従来と異なり、乗
降の際に、作業者が荷役装置、リフトアームに触
れるおそれがなく乗降が容易である。更に、シー
トの背もたれ部の背面部を踏み台にするため、作
業者が座わる座部の汚損も極力抑え得る。又シー
トがクツシヨン材を含む構成の場合には、シート
の背もたれ部の背面部を踏み台にする際の衝撃緩
衝に有利である。

更にボデイにヘツドガードが設けられている場
合においても、このヘツドガードの後部に開閉可
能なハツチ部を設けると、乗降の際にハツチ部を
開放することによつて、通路が更に広くなり、本
発明の通路を介する作業者の乗降は一層容易であ
る。

又上記透明プロテクタ又はネツト部材をシート
と荷役装置との間に設けた場合には、ボデイの前
方つまり荷役装置側から乗降することを防止する
ことができ、安全上有利であり、勿論、運転操作
部から前方が見えなくなることもなく荷役装置の
操作に支障をきたさない。

［実施例］ 本発明のローダの１実施例を第１図及び第２図
に示す。

（構 成） 本実施例に係るローダは、走行車輪１ａをもつ
ボデイ１と、リフトアーム２と、シート３と、乗
降階段部４とで構成されている。

ボデイ１の前部は運転操作部１０とされ、又ボ
デイ１の後部は機構部としてのエンジン部１１と
されている。運転操作部１０に荷役用ペダル１
２、ステアリングレバー１３が設けられている。
エンジン部１１の上面を形成するエンジンフード
１１ａは、平坦状とされている。エンジンフード
１１ａの高さは、できるだけ低く設定されてい
る。エンジン部１１の両側部には、第２図に示す
ように、フレーム１００が互いに対向するように
立設されている。そしてフレーム１００とフレー
ム１００との間のエンジンフード１１ａの上面が
通路とされている。フレーム１００には把手１０
１が設けられている。エンジン部１１にはエンジ
ン１５が内蔵されている。エンジン１５には送風
フアン１５ａが取着されている。送風フアン１５
ａはボデイ１外の空気をエンジン部１１側へ吸い
込むためのものである。ボデイ１のエンジン部１
１には、通風口として機能するグリル１６が設け
られている。なおグリル１６と送風フアン１５ａ
との間にはラジエータが設けられている。エンジ
ン部１１にはマフラー１７、エアクリーナ１８が
設けられている。このマフラー１７、エアクリー
ナ１８はカバー１９によつて覆われている。な
お、ボデイ１の側方には、ガード部１ｃが設けら
れている。

リフトアーム２は、ガード部１ｃの外方に位置
するように、ボデイ１の両側部にそれぞれ装着さ
れている。そのためボデイ１の側方からシート３
への乗降は、従来例と同様に不可能となつてい
る。このリフトアーム２は、図示はしないが、ボ
デイ１に装着されたシリンダに連結され、荷役駆
動しうるようになつている。リフトアーム２の前
端部としてのカウンタアーム２０には、シリンダ
２０ａなどを介して、荷役装置としてのバケツト
２１が回転自在に装着されている。

シート３は、ボデイ１の運転操作部１０の段部
１０ａに設置されており、座部３０と背もたれ部
３１とで構成されている。ここで背もたれ部３１
の下端部は、座部３０の後端部にピン部３２によ
り回転自在に枢支されている。よつて背もたれ部
３１を矢印３３方向へ回転させれば、背もたれ部
３１を転倒し得る。

シート３とバケツト２１との間には、透明プロ
テクタ５が設けられている。この透明プロテクタ
５は、透明ガラス板５０と枠体５１とからなり、
ボデイ１の前端部に取着されている。なお、５ａ
はワイパーである。又シート３の上方には、透明
プロテクタ５を介して、ヘツドガード６が取着さ
れている。ヘツドガード６は、積荷の落下などの
危険から作業者を保護するためのものである。こ
のヘツドガード６の後部には、上方へ開放自在な
ハツチ部６０がピン部６１を介して枢支されてい
る。

乗降階段部４は、ボデイ１のエンジン部１１の
外側面の一部を形成する壁部１１ｃにパンチング
メタル製のステツプ部４０，４１を形成すること
によつて、構成されている。

（作 用） 本実施例に係るローダから作業者が降りる場合
には、まず座部３０に対して立設状態にあるシー
ト３の背もたれ部３１を、第１図に示す矢印３３
方向へ回動させ、これにより第１図に２点鎖線で
示すように座部３０側へ転倒させる。そしてシー
ト３の背もたれ部３１の背面部３１ａに乗り、更
にヘツドガード６のハツチ部６０を手で押圧して
上方へ開放し、これにより通路を広くして背面部
３１ａを踏み台にしてエンジン部１１のエンジン
フード１１ａの上面に移動する。更にエンジン部
１１のエンジンフード１１ａから乗降階段部４へ
移動し、乗降階段部４のステツプ部４０，４１を
降りる。このとき把手１０１を用いると乗降が容
易となる。

一方、ローダに作業者が乗る場合には、乗降階
段部４のステツプ部４０，４１を昇つて、ボデイ
１のエンジン部１１のエンジンフード１１ａの上
面に移動する。そしてヘツドガード６のハツチ部
６０を上方へ開放して通路を広くし、エンジン部
１１のエンジンフード１１ａからシート３へ移動
する。この場合、シート３の背もたれ部３１は、
作業者がローダから降りる時に座部３０側へ転倒
されている。そのため、シート３の背もたれ部３
１の背面部３１ａを踏み台にして運転操作部１０
へ移動することができる。そして運転操作部１０
へ移動したら、シート３の背もたれ部３１を矢印
３３方向と反対方向へ回動して座部３０に対して
立設させ、通常通りシート３の座部３０に座る。

（効 果） 本実施例に係るローダでは、ボデイ１の前方つ
まりバケツト２１側から、シート３の乗降を行な
わずともよい。故に従来とは異なり、バケツト２
１、リフトアーム２に触れるおそれがない。更に
ヘツドガード６の後部に、上方へ開閉自在なハツ
チ部６０を設けている本実施例では、乗降の際に
ハツチ部６０を上方へ開放すれば、通路が広くな
り、乗降は一層容易である。又透明プロテクタ５
をバケツト２１とシート３との間に設けた本実施
例では、ボデイ１の前方つまりバケツト２１側か
ら乗降することを確実に防止することができる。
また、エンジン部１１の両側部にはフレーム１０
０，１００が設けられている本実施例では、フレ
ーム１００が手すりも兼用するためエンジン部１
１のエンジンフード１１ａの高さがかなり高い場
合であつても、作業者は容易に歩行できる。

又、乗降階段部４のステツプ部４０，４１をパ
ンチングメタルで形成してる本実施例では、乗降
の際にステツプ４１，４１に土砂がたまることを
少なくすることができる。よつて送風フアン１５
ａを作動させたときであつても、土砂の吸引を抑
制できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の１実施例に係るロ
ーダを示し、第１図は要部を切断して示すハツチ
部を開放したローダの側面図であり、第２図ハツ
チ部を閉じたはローダを後方から見た状態の背面
図である。 図中、１はボデイ、１０は運転操作部、１１は
エンジン部（機構部）、１５はエンジン、１６は
グリル、２はリフトアーム、２０はカウンタアー
ム（リフトアームの前端部）、２１はバケツト
（荷役装置）、３はシート、３０は座部、３１は背
もたれ部、４は乗降階段部、４０及び４１はステ
ツプ部、５は透明プロテクタ、６はヘツドガー
ド、６０はハツチ部をそれぞれ示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前部に運転操作部を後部に機構部をもつボデ
   イと、 該ボデイの両側部にそれぞれ装着され前端部に
   荷役装置が配設されたリフトアームと、 該ボデイの運転操作部に設置され、背もたれ部
   が座部側へ転倒自在なシートと、 該ボデイの該機構部の外側面に設けられた乗降
   階段部とで構成され、 該座部側へ転倒させた該シートの該背もたれ
   部、該機構部の上面、該乗降階段部を乗降用通路
   とし、該運転操作部への出入を、該座部側へ転倒
   させた該シートの背もたれ部を踏み台にして行な
   うことを特徴とするローダ。 ２ ボデイは、該シートと荷役装置との間を遮断
   する透明プロテクタ、又は、ネツト部材を有して
   いる特許請求の範囲第１項記載のローダ。 ３ ボデイは、シートの上方を覆うヘツドガード
   を有し、該ヘツドガードは、後部に開閉自在なハ
   ツチ部を有する特許請求の範囲第１項記載のロー
   ダ。