JPH0376919B2 - - Google Patents

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JPH0376919B2
JPH0376919B2 JP58012597A JP1259783A JPH0376919B2 JP H0376919 B2 JPH0376919 B2 JP H0376919B2 JP 58012597 A JP58012597 A JP 58012597A JP 1259783 A JP1259783 A JP 1259783A JP H0376919 B2 JPH0376919 B2 JP H0376919B2
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JP
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enzyme
alanine
antibiotic
amount
alanyl
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JP58012597A
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JPS58138397A (ja
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Dogeraen Jatsuku
Rofue Arubeeru
Dorio Jannpieeru
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UCB SA
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UCB SA
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Publication of JPH0376919B2 publication Critical patent/JPH0376919B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/34Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving hydrolase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N11/00Carrier-bound or immobilised enzymes; Carrier-bound or immobilised microbial cells; Preparation thereof
    • C12N11/02Enzymes or microbial cells immobilised on or in an organic carrier
    • C12N11/08Enzymes or microbial cells immobilised on or in an organic carrier the carrier being a synthetic polymer
    • C12N11/082Enzymes or microbial cells immobilised on or in an organic carrier the carrier being a synthetic polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C12N11/087Acrylic polymers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2415/00Assays, e.g. immunoassays or enzyme assays, involving penicillins or cephalosporins

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ミルク、尿及び血清の様な生物学的
液体中のベーターラクタム抗生物質の迅速で高感
度の酵素的測定法に関する、更に本法を実施する
ために使用し得るテストセツトをも提供する。 現在、抗生物質は細菌によりひき起される感染
症の治療剤としてのみならず、食品の保存料、生
長促進のための動物飼料添加物としても広く使用
されている。従つて、ミルク、尿、血液、血清、
唾液、肉エキス及び醗酵液の様な複合生物学的液
体中の抗生物質の存在を検出し得る方法はそれ等
がたとえ極めて低濃度であつても益々必要となつ
て来ている。ミルクの生産の場合はこの例であ
る。事実、例えば乳腺炎の様なミルク生産家畜の
ある種の感染症の治療のためペニシリンを使うこ
とは良く知られている。然しながら、明らかな医
学的な理由から、人の消費用のミルクは原則とし
て抗生物質の痕跡をも含むものであつてはならな
い。更に、0.005I.U/ml又はそれ以下のペニシリ
ン濃度は、チーズ、ヨーグルト及び類似製品の様
なミルクから作る製品の製造中に阻害的効果をも
たらすのである。 従つて、家畜の生産するミルク中のペニシリン
の濃度を迅速かつ正確に測定し得る必要があり又
それが農場の現場で直接実施出来ることが望まし
い。生物学的液体中の比較的低濃度のベーターラ
クタムを定量し得る微生学的方法は大分以前から
存在していた。此等の方法は生物学的液体サンプ
ルの存在下で抗生物質感受性の微生物の生育阻害
を測ることに基づいている。然しながら、此等の
方法は可成りの長時間と高度の熟練を要する、一
番良い場合でも結果を得る迄の時間は2〜3時間
でこれは実用的に許容し難いものである。 もつと最近になつて、生物学的液体中、特にミ
ルク中の抗生物質の存在を検出する迅速な方法が
提案された(アメリカ特許明細書No.4239852)、此
の方法によれば、検査す可き液体のサンプルを一
方で抗生物質に非常に感受性のある微生物、特に
バシルス・ステアロサーモフイラスBacillus
stearothermophilus、の菌体又は菌体部と、又他
方で、放射性元素で標識した抗生物質又は、酵素
とインキユベートする、インキユベーシヨンの間
にもしサンプル中に抗生物質が存在すれば、抗生
物質と標識された抗生物質は競合して自身を菌体
又は菌体部分のレセプター部位に付着する。菌体
又は菌体部分に付着した標識した抗生物質の量を
定量する、これに付着した標識した抗生物質の量
がサンプル中の抗生物質の濃度に逆比例するの
で、抗生物質の存在(又は不存在)を指示するこ
とになる。 此のアメリカ特許明細書によれば、ミルク中の
抗生物質の濃度を0.01IU/ml又はもつと低く
0.001IU/ml迄、15分よりやゝ少い時間で検出す
ることが出来るとされている。 然しながら本法の主要な欠点は此の結果を得る
ため、放射性元素( 14C又は 125I)で標識した抗
生物質の使用が義務づけられて居り、これは例え
ばシンチレーシヨンカウンターの様な特殊な装置
の助けにより定量されなければならない。 更に放射性物質の取り扱いはたとえそれが極め
て少量であつても分析を行う人に対する危険が全
くないというわけにはゆかない。此のアメリカ特
許明細書の実施例2には酵素を標識とする抗生物
質を使用し、標識をつけた抗生物質を肉眼的比色
法で定量する方法の本法の具体例が記載されてい
るのは事実である。然しながら、此の変法はミル
クサンプル中のペニシリンが0.05IU/mlより以上
(又は以下)かどうかを検出することが可能であ
るだけである。従つて本法は明らかに低感受性で
つまり有用度が低い。 最近の文献はヒト血清とミルク中の低濃度のベ
ターラクタム抗生物質を定量し得る酵素法を記載
している(J−M FRERE、D.KLEIN and J
−M.GHUYSEN Antimicrobial Agents and
Chemotherapy、18(1980、No.4)、506−510。 此の方法(以下J−M.FRERE法と称する)は
複雑な測定機を要する放射性物質の使用を必要と
せず又同時に非常に迅速で極めて正確であるので
はるかに有用である。本法は特殊な酵素、即ちア
クチノマドウラ(Actinomadura)R39(以前はス
トレプトマイセス StreptomycesR39と称され
た)の生産する可溶性菌体外D−アラニル−D−
アラニン−カルボキシペプチダーゼ、を使用する
ことに基づいている。 本明細書では、本酵素を「酵素R39」と称す
る。 その名前の示す様に、「酵素R39」は種々のペ
プチドのD−アラニル−D−アラニン末端基の加
水分解の特異活性を持つている。実例をあげる
と、トリペプチドNアルフア,Nイプシロン−ジ
アセチル−L−リシル−D−アラニル−D−アラ
ニンは以下の式に従い酵素R39の触媒効果の下
で、加水分解を受ける。 AC2−L−Lys−D−Ala −D−Ala+H2O酵素 ――→ AC2−L−Lys−D−Ala+D−アラニン 酵素R39のもう一つの重要な性質はこれがベータ
ーラクタム抗生物質と反応して非常に迅速に、不
活性で本質的に不可逆な等分子酵素−抗生物質複
合体を生成する事実である。 J−M.FRERE方法では、此等の酵素R39の性
質が極めて低い濃度のベーターラクタム抗生物質
の測定するために使われている。 本法は、三つの基本的段階より成つている。第
一の段階で、試験すべき液体のサンプルの一定量
を一定量の酵素R39と共にインキユベートする。
インキユベーシヨンは、もしサンプル中にベータ
ーラクタム抗生物質が存在するならばこれが酵素
と反応して、不活性では本質的に不可逆の等分子
酵素−抗生物質複合体を生成せしめるような条件
で行われる。 第二段階では、一定量の基質、例えばNアルフ
ア,Nイプシロン−チアセチル−L−リシル−D
−アラニル−D−アラニンと第一段階の生成物
を、この基質が酵素により加水分解され、第一段
階では抗生物質と複合体を作らない酵素R39の残
存酵素活性に相当するD−アラニン量を生成する
様な条件でインキユベートする。 第三段階では、此の様にして生成したD−アラ
ニンの量を定量する。当業者は、サンプル中に存
在する抗生物質の量に従い、第一段階では酵素
R39の相当する量が失活し、第二段階では、生成
するD−アラニン量(これは明らかに酵素の残存
活性に依存する)が従つて、サンプル中に存在す
る、抗生物質の量に逆比例するということを容易
に理解するのである。もし例えば、サンプルが抗
生物質を含まないならば、酵素R39は失活せず、
認められるD−アラニン量は使用した酵素R39の
総活性に相当する。これに反し、もしサンプルが
使用した酵素R39のモル量に等しいか又はそれ以
上の抗生物質のモル量を含んでいれば、後者(酵
素)は完全に抗生物質により失活し、D−アラニ
ンは全く生成されない。此等二つの極端な状態の
間で、見出されたD−アラニン量は酵素R39の残
存活性のパーセンテージに相当する。換言すれ
ば、生成したD−アラニン量は、試験に供された
サンプル中に存在する抗生物質の濃度の正確な定
量的指標を提供するのである。 J−M.FRERE法では、此のD−アラニン量が
酵素法で定量されている。これは二つの組み合わ
せた酵素反応に基づいている。第一の反応では、
D−アラニンはD−アミノ酸オキシダーゼ(その
補酵素フラビン−アデニンヂヌクレオチド
FADと共に)の助けによりピルビン酸に酸化さ
れる;相当する量の過酸化水素が空気中酸素から
それと同時に生成する。第二の反応では、生成し
た過酸化水素が、パーオキシダーゼの助により
−チアニシヂンの酸化に使われる。 J−M.FRERE法の第三段階で、第二段階で得
られた混合物が、D−アミノ酸オキシダーゼ、そ
の補酵素(フラビン−アデニンヂヌクレオチド
(FAD))、パーオキシダーゼ及び−ヂアニシヂ
ンよりなる試薬セツトと共にインキユベートされ
るのはこの理由のためである。 −ヂアニシヂンの酸化された形は着色するの
で、このインキユベーシヨンの終りには褐色の呈
色がおこり、この呈色の強度がD−アラニン量の
函数となるのである。 従つてD−アラニン量を、肉眼的又は分光光度
計の光学濃度を測るかにより(λnax=460nm)、
比色法で定量することが出来る。 既知濃度の抗生物質の一連のサンプルの系列を
調製して、この方法を適用すれば従つて酵素R39
の残存酵素活性のパーセンテージと抗生物質の濃
度とを関連づける標準カーブをプロツトすること
が出来る。サンプル中の抗生物質の濃度の定量的
指示を得るため、全く同じ手順を行い、抗生物質
の濃度はこの標準カーブを参照してきめられる。
此の定量分析は明らかに分光光度計の使用を要す
る。 然しながら、抗生物質の量がある臨界値を越え
ているかどうかを決めるためには、分光光度計又
は類似の他の計測器を使用する必要はない。酵素
R39が完全に抑制される臨界抗生物質濃度、又言
い換えればD−アラニンが生成されない従つて最
終インキユベーシヨンの終りに呈色がおこらない
抗生物質濃度を事前に知ることで充分である。こ
の臨界濃度の知識により、与えられたサンプルが
該臨界濃度よりも低い又は高い濃度の抗生物質を
含んでいるかどうかを測定結果の簡単な、肉眼的
検査手段により判定し得ることは明らかである。
従つて方法によりミルク中の抗生物質濃度の指示
が迅速で正確に特殊な機器を使わずに得られるこ
とは明らかである。 更に、此の方法でミルクとヒト血清中の比較的
低濃度のベーターラクタム抗生物質濃度を測定す
ることが出来る。此の様にして、例えば約20μ
量のミルクサンプルから出発して、これを3ピコ
モルの酵素R39と共にインキユベートし、1時間
以下で0.02IU/ml迄のミルク中のペニシリン濃度
を定量的(分光光度計を使用して)に測定するこ
とが出来又、0.09IU/ml以上のミルク中のペニシ
リン濃度を上記の肉眼法で定性的に測定すること
が出来る。 然しながらJ−M.FRERE法にはいくつかの重
大な欠陥がある。まず第一にミルクや血清の様な
生物学的液体中の抗生物を測定するのに測定す可
きサンプル中から比色定量を妨害する物質を先ず
除去することが絶対に必要である。ミルクの場
合、例えばまず蛋白質をクエン酸又はレンネツト
で沈澱させ次いでこの様に処理したサンプルを
過して、比色定量をもはや妨害しない透明な液
を得る必要がある。この蛋白質を沈澱させる操作
は複雑でめんどうでありこのことは此の方法がミ
ルク生産現場で未熟練者が容易に行えないもので
あるということを意味する。 第二に、J−M.FRERE方の感度は特に生物学
的液体(ミルク、唾液、血清及びその類)に於て
は不充分である。此の感度は使用する酵素R39の
量を減少することによりあげることが出来るのは
事実である。事実、例えば3ピコモルの代りに
0.3ピコモルの酵素を使用すると、10倍低い抗生
物質濃度を測定することが理論的には可能であろ
う。然しながらもし酵素量をへらすと、これに比
例して一方抗生物質と酵素R39との反応時間又他
方、基質の加水分解時間を増加させることが必要
である。このことは、此の方法の第一及び第二段
階が共に約10倍長くかゝることを意味している。 J−M.FRERE法の主要な利点の一つ、即ちそ
の迅速性は従つて失われ、これは許容し難いこと
である。 更に、酵素R39とインキユベートす可きサンプ
ル量を増すことにより感度を増加させる様な試み
が出来る。事実、もし20μの代りに200μの量
のサンプルが使用されたら例えば10倍低い抗生物
質濃度を測定することが理論的に可能である。更
に此の場合、抗生物質と酵素R39の間の反応時間
を、即ち本法の第一段階の持続時間、を増すこと
が必要なだけである。 不幸にしてJ−M.FRERE法の感度を、特に生
物起源の複雑な液体の場合、此の方法で増加させ
ることは不可能である。事実サンプルの生物学的
液体の量がある限界量、これはその生物学的液体
の性質により変化するが、をこえた場合、好適な
測定を行うことは不可能であることが分つてい
る。この様に、ミルクの場合もしインキユベーシ
ヨンされるサンプル量が約20μをこえると、生
成する酸化0−ヂアニシジヂンの量が大巾に減少
することが見られる、血清の場合にももし酵素
R39とインキユベートするサンプル量が50μを
こえる場合は同じことが言える。 最後に、尿の場合、例え10μという低いサン
プル量を用いても酵素活性は全く検出されない。
従つて此の方法は尿中の抗生物質の測定には使用
出来ない。 此の方法に使用される酵素の活性を阻害する物
質が生物学的液体中に含まれていることが想像さ
れ、従つて大量のサンプルを使用することが不可
能なのである。 これが我々が生物学的液体中のベーターラクタ
ム抗生物質の測定のための新しい酵素法を開発し
た理由であり、この方法は先行技術の種々の欠点
を持たない点に於いて更に改良されている。 我々はJ−M.FRERE法の種々の欠陥を、酵素
R39を水に不溶性の支持体、特にポリ(N,N−
ヂメチルアクリルアミド)樹脂上に固定化するこ
とにより克服出来ることを見出した。 従つて、本発明は生物学的液体中のベーターラ
クタム抗生物質の測定のための酵素的方法を提供
し、本法は以下の段階よりなつている。 (1) アクチノマンドウラActinomanduraR39の
生産する可溶性D−アラニル−Dアラカン−カ
ルボキシペプチダーゼと生物学的液体をインキ
ユベートし、こゝでは該酵素は水に不溶性の支
持体に固定化され、該インキユベーシヨンは、
ベーターラクタム抗生物質がもし該液体中に存
在するならばこれを酵素と反応させ、不活性で
本質的に不可逆の等分子酵素−抗生物質複合体
を作るような条件下で行われる; (2) 固定化酵素を液体から分離し、洗滌する; (3) 段階(2)の固定化酵素を基質溶液と、基質が酵
素により加水分解され、残存酵素活性に相当す
るD−アラニン量を生成させる様な条件下でイ
ンキユベートする; (4) 段階(3)で生成したD−アラニン量を測定し;
及び (5) 段階(4)の測定を生物学的液体中の抗生物質濃
度を得るために標準と比較する。 J−M.FRERE法に反して、本発明の方法はそ
の様な生物学的液体の直接測定を可能にする、比
色定量を阻害し得る物質をあらかじめ測定す可き
サンプルから除去しておく必要はない。事実、酵
素R39は水に不溶性の支持体に固定化されている
のでそれが抗生物質(もし生物学的液体に存在す
るとすれば)と反応した後に、この固定化酵素は
容易に単純な過又は洗滌により生物学的液体か
ら分離出来るのである。従つて、これに引続く操
作の間、その生物学的液体は本法の段階(2)で既に
除去されているのでこれによる如何なる阻害の可
能性ももはや無いのである。この様にしてJ−
M.FRERE法の主要な欠点の一つは克服されてい
る。驚く可きことに、我々は本発明による方法を
適用して、200μから5mlの間の量の生物学的
液体サンプルのすぐれた測定が全く何の困難もな
く出来ることを見出した。 これは基本的に重要なことである。事実、上述
した通り、酵素R39とインキユベートする可きサ
ンプル量を増加させることにより、本法の感度を
上げることが可能である。前述の通り、J−M.
FRERE法の欠点は一つはある臨界量(ミルクの
場合20μオーダーで漿液の場合50μのオーダ
ー)をこえることが出来ないという事実である。
此の欠点は本発明による方法により除かれたの
で、J−M.FRERE法と対比して、本発明の方法
はミルク、血清及びこれに類する様な生物学的液
体の測定に於てはるかに大きい感度を得ることを
可能にしたのである。後述の実施例中に示される
様に、本発明による方法は、1mlのミルクのサン
プルから開始して、ミルク中の0.002I.U/ml
(1.2ng/ml)以上の濃度のペニシリンGを肉眼
的に確実に測定し、又分光光度計の助けによりミ
ルク中の0.0005I.U/ml(0.3ng/ml)というよ
うな低い濃度のペニシリンGを1時間以内に測定
することを可能にした。比較のため、米国特許第
4239852明細書に記載された方法はミルク中濃度
0.01から0.001I.U/mlをしかも放射性物質及びシ
ンチレーシヨンカウンターを使用して測定するこ
とが可能であるということを思いおこすのであ
る。 我々は本発明による方法はミルクと漿液中の抗
生物質測定のみならず、その他の複雑な生物学的
液体、例えば尿、血液、唾液、醗酵液、中の抗生
物質の測定にもうまく適用出来ることを見出し
た。これを考えると、本発明の方法は、J−M.
FRERE法に比して可成りの進歩を提供するもの
である。 本発明の方法の第一の利点は従つて、例えば
0.002I.U/mlというような極めて低い濃度のベー
ターラクタム抗生物質を最も広範囲の生物学的液
体中で、特別の分析機器を使用せずに迅速に検出
することが可能になることにある。本発明の方法
により濃度を測定する抗生物質は、分子中にベー
ターラクタム環が存在することにより特徴ずけら
れる抗生物質群に属している、即ち原則的にすべ
てのペニシリンとセフアロスポリである。あげう
るペニシリンの例としては、ペンチルペニシリン
(ペニシリンG)、アンピシリン、フエノキシメチ
ルペニシリン、カルベニシリン、メチシリン、オ
クサシリン、クロクサシリン及びこれ等に類する
ものを含み、セフアロスポリンとしてはセフアロ
スポリンC、セフアログリシン、セフアロチン、
セフアレキシン及びこれに類するものを含むペニ
シリンGについて特に好ましい結果が得られてい
る。 本発明による方法の段階(1)に於ては、生物学的
液体の一定量のサンプルが水に不溶性の支持体上
に固定化されている一定量の酵素R39と共にイン
キユベートされる。 上に説明した通り、酵素R39は水に不溶性の支
持体上に固定化されているので、非常に多量のサ
ンプルを扱うことが可能である。サンプル量をふ
やすことにより、方法の感度はそれに応じて高く
なる。例えばサンプル量を2倍にすることによ
り、感度は2倍になりサンプル量を3倍にすれ
ば、感度は3倍になる等々である。 従つて望ましい感度に応じてサンプル量を選ぶ
ことが可能であるミルクの場合、例えば方法の感
度はそれが使用されている国の法律により定めら
れた標準又はその乳製品産業の要求に従つて適用
することが出来る。 酵素R39の量を減らすことによつても同様な効
果が得られることは事実である。然しながらこの
場合、本法の段階(1)の持続時間のみならず、段階
(3)の持続時間をも比例してのばさなければならな
いのに反しサンプル量をふやすことによれば、本
法の段階(1)の持続時間のみが影響を受ける。従つ
て一定量の酵素R39、例えば約3ピコモル量、で
操作し、状況により望ましい感度に従つてサンプ
ル量を適用してゆく事が望ましい。実用上は、
200μと5mlの間のサンプル量が使われ、これ
は例えば0.002I.U/mlオーダーのペニシリン、と
いうような極めて低い抗生物質濃度を一時間又は
それ以下で測定せしめるサンプル量である。本発
明による方法のすぐれた感度、迅速性、正確度は
一方では酵素R39の特別の性質によるもので、又
他方では水に不溶性の支持体にこの酵素が固定化
されていることに由来するものである。 事実酵素R39は: −不活性の等分子酵素−抗生物質複合体の極めて
迅速な生成 −該複合体の異常に高い安定性、何故ならば、一
旦生成すると非常にゆつくりと分解するからで
ある(例をあげると、酵素R39とペニシリンG
との間に生成した複合体の半減期は37℃で約70
時間である)及び −すぐれた酵素活性はペプチド基質のD−アラニ
ル−D−アラニン末端基の非常に迅速な加水分
解をもたらす事 により特徴ずけられる。 此等三つの特徴の効果により、酵素R39は今日
迄に固定されたD−アラニル−D−アラニン−カ
ルボキシペプチダーゼに比較して特異な地位を占
めている。事実、酵素−抗生物質複合体の分解時
間が、複合体生成及び残存酵素活性測定に夫々必
要な合計時間よりも無限に長いので、測定の結果
が、酵素−抗生物質複合体の時期尚早の分解によ
る活性酵素の放出により、改変されてしまうおそ
れは無い。 もし現在知られているD−アラニル−D−アラ
ニン−カルボキシペプチダーゼを調べれば、酵素
R39が此等の条件を完全に満足させる唯一のもの
である、事実、複合体の生成速度が約10倍遅い
か、抗生物質−酵素複合体の安定性が全く不充分
であるか又はペプチド基質の加水分解速度があま
りに遅い(この事は特にすべての膜結合細胞内カ
ルボキシペプチダーゼに言えることである)かで
ある。 酵素R39は特異的で可溶性の菌体外D−アラニ
ル−D−アラニン−カルボキシペプチダーゼでア
クチノマドウラActinomadura R39が(1981年7
月10日パリのパストウール研究所にNo.−127号
として寄託されている)適当な培地で培養された
とき分泌される。本発明の方法を実施するには此
の酵素は明らかに本質的に純粋でなければならな
い。その調製と精製は文献に記載されている方法
により行われる(これに関して、J−M.FRERE
等.,Biochem.J.143(1974)、233−240標題、「ス
トレプトマイセスR39の菌体外DD−カルボキシ
ペプチダーゼ−トランスペプチターゼの分子量ア
ミノ酸組成及び物理化学的性質」参照)。然しな
がら、此の酵素は現在は純粋な形で市販されて居
り、UCB Bioproducts S.A(ベルギー)から入
手することが出来る。 本発明によれば、可溶性酵素R39は水に不溶性
の支持体上に固定化される。 此の固定化のための方法は限定的ではない。当
業者に知られている従来法が従つて此の目的のた
めに使用出来る;此等の方法の中でも、酵素の共
有結合による支持体えの付加、酵素の支持体えの
物理的吸着又はポリマーマトリツクス中えの取り
込みを含む方法が特記されるであろう。 支持体の本質も又限定的ではない。原則的に、
如何なる有機無機の水に不溶性の一般に酵素の固
定化に使用されている物質を使用することが可能
である。あげ得る適当な支持体物質は、セルロー
ズ及びその誘導体、アガローズ、澱粉及びその誘
導体、デキストラン、コラーゲン、ケラチン及び
これ等に類するものの様な天然ポリマー;ビーヅ
又はゲルの形の架橋ポリアクリルアミド、架橋ポ
リスチレン、エチレン−マレイン酸無水物コーポ
リマー、ポリアミド、架橋ポリ(2−ヒドロキシ
エチルメタアクリレート)、イオン交換樹脂及び
これ等に類するものの様な合成ポリマー及びガラ
ス、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、ヒドロ
キシアパタイト、粘度及びこれ等に類するものの
様な無機物質、を含む。 然しながら当業者は、酵素R39のすべての性質
を手つかずで残し、いかなる意味でも、例え長期
間の貯蔵の後でさえ、その酵素活性に影響を与え
ない様な固定化法を選ぶことが必要であることが
分るであろう。 本発明による方法を実施するのに特に好ましい
支持体物質は架橋ポリ(N,N−ヂメチル−アク
リルアミド)樹脂であり、その使用は固体相中の
ポリペプチド合成に既に提案されている。R.
ARSHADY等、J.Chem.Soc.Chem Commun.
1979、No.9、423−425参照)。此の樹脂は広範囲
の有機及び水溶性溶媒(水、メタノール、N,N
−ヂメチルホルムアミド、N,N−ヂメチルアセ
トアミド、ピリヂン又はヂクロロメタン)中で容
易に膨濶化し又取り扱いが容易であるという利点
を有する。これはN,N−ヂメチルアクリルアミ
ド、N,N′−エチレン−ビス−アクリルアミド
及びN−アクリロイル−サルコシンのメチルエス
テルの混合物の乳化重合により好適に調製され
る。此等の条件下で、得られる樹脂は例えば球体
又はビーヅの様な固体粒子の形であり、そのサイ
ズは好ましくは0.1mmと2mmの間で、従つて容易
に化出来る。 此の樹脂はポリーマー鎖がお互いにN,N−エ
チレン−ビス−アクリルアミド(これは架橋化剤
として働く)により結合しているので三次元架橋
構造を持つて居り又N−アクリルロイルサルコシ
ン(CH2=CH−CO−N(CH3)−CH2−COOH3
のメチールエステルのポリマー鎖えの導入により
エステル基を持つている。 此の樹脂の重合が終つた時、この樹脂の持つて
いるエステル基も又下記の式に従う反応により官
能アミノ基に変換される 此の方法で改変したポリ(N,N−ヂメチルア
クリルアミド)は一般に樹脂1グラム当り0.2か
ら1ミリモルのエチレンヂアミンを含有してい
る。この形で酵素R39の固定のための理想的な支
持体物質を構成する。 この固定化は共有結合で酵素R39を樹脂に付加
することにより好適に実施される。事実、他の固
定化法に比して、此の方法は酵素が支持体からこ
し出されるのを防ぐことが出来る。 酵素R39の上に今説明した方法でエチレンジア
ミンで修飾されたポリ(N,N−ヂメチル−アク
リルアミド)えの共有結合は例えば、ポリ(N,
N−ヂメチルアクリルアミド)の樹脂の官能アミ
ノ基と反応出来る官能基と酵素R39の遊離アミノ
基と反応出来るもう一つの官能基を含む適当な結
合剤を作つて実施出来る。 水系媒体中で充分長い半減期を持つエステル基
を含む結合剤例えばグルタール酸、スベール酸、
これに類するものの様な4から9つの炭素原子を
含む脂肪族2カルボキシル酸のN−ヒドロキシサ
クシンイミドヂエステルが好適に用いられる。実
際酵素R39の遊離アミノ基との結合反応は水系媒
体中で行われるので、結合剤の官能基はその媒体
中で充分に安定でなければならない。 エチレンヂアミンで修飾したポリ(N,N−ヂ
メチルアクリルアミド)樹脂へ酵素R39を付加す
るため、この樹脂を最初にエステル基の加水分解
を防ぐために適当な溶媒(例えばN,N−ヂメチ
ルアセトアミド)中でN−ヒドロキシサクシンヂ
エステルと反応させる。この反応により、樹脂の
官能アミノ基は下記の式に従い官能エステル基に
変換される (n=2から7迄の整数) 酵素R39と樹脂の間の結合は次いで次の式に従
うN−ヒドロキシサクシンイミドエステルにより
この樹脂に導入された官能エステル基と酵素R39
の遊離アミノ基との反応により行われる。 (n=2から7迄の整数) 酵素R39と樹脂の間の結合反応は0℃から20℃
の温度で、PHを7から8.5、好ましくは7.7のオー
ダーに調節するための適当な緩衝液中で数時間で
行われる。この緩衝液は樹脂の官能エステル基と
反応し得る1級アミンを含んでいてはいけないこ
とは明らがである。 結合反応が終ると、未反応のエステル基はエタ
ノールアミン又はグリシンのメチルエステルの様
な化合物のアミノ基によりブロツクされる。この
様にして得られた固定化酵素は適当な緩衝液で洗
滌し本発明による方法を実施する様な時の固定化
酵素として使い得る。 本法を用いて、固定化の収率はすぐれている;
使用する緩衝液のPHと結合反応の持続時間と温度
により収率は15から95%の間で変化し得る。酵素
R39をポリ(N,N−ヂメチルアクリルアミド)
樹脂上に固定化する此の方法を説明する詳細な例
を以下に示す; 酵素R39のポリ(N,N−ヂメチルアミン)樹脂
上えの固定化 (a) エチレンヂアミンから誘導された官能アミノ
基を持つポリ(N,Nヂメチルアクリルアミ
ド)樹脂の調製 支持体として使用するポリ(N,N−ヂメチ
ルアクリルアミド)はR.ARSHADY等(J.
Chem.Soc.Chem.Commun.1979、No.9、423−
425)により記載された方法に従い、N,N−
ヂメチルアクリルアミド(12g)、N,N′−エ
チレンビスアクリルアミド(1g)及びN−ア
クリルロイルサルコシン(1.4g)のメチール
エステルの混合物の乳化重合により調製され
る。これは約12から13gの樹脂を0.1mmから2
mm位のサイズのビーズの形で生ずる。 此の樹脂10gを320mlのエチレンジアミンに
加え、得られた混合物を室温で一夜撹拌する。
次いで樹脂を別しN,N−ヂメチルフオルム
アミド及び水で濾液が中性PHになる迄洗滌す
る。最後に樹脂をメタノールで洗い膨濶をもど
すためヂエチルエーテル中に残す。 これにより1g当り0.3ミリモルのエチレン
ヂアミンを含む樹脂10gを得る。 (b) グルタール酸のN−ヒドロキシサクシンイミ
ドヂエステルから誘導多された官能エステル基
を持つポリ(N,N−ヂメチルアクリルアミ
ド)樹脂の調製 (b.1) グルタール酸のN−ヒドロキシサクシ
ンイミドの調製 グルタール酸6.7gとN−ヒドロキシサク
シンイミド12.7gを0℃で50mlのN,N−ヂ
メチルアセトアミドに溶かす。これに23.7g
のヂサイクロヘキシルカーボヂイミドを50ml
のメチレンクロライドに溶かした溶液を滴下
して加える。この反応混合物を室温に戻し、
一夜放置した後、過し、液を蒸発させ
る。残渣をヂエチルエーテルから再結する。
これにより、グルタール酸のN−ヒドロキシ
サクシンイミドヂエチルを実質的に定量的収
率で得る。 (b.2) 官能エステル基を持つポリ(N,N−
ヂメチルアクリルアミド)の調製 (a)で記載された通り調製された、エチレン
ヂアミンから誘導された官能基を持つポリ
(N,N−ヂメチルアクリルアミド)樹脂500
mgを50mlのN,N−ヂメチルアセトアミドに
懸濁する。グルタール酸のN−ヒドロキシサ
クシンイミドヂエチル(b.1)に記載された
通り調製された)2gをこれに加える。得ら
れた混合物を室温で24時間撹拌する。反応の
完了はE.KAZSER(Anal,Biochem34、No.
2、595−8、1970)のテストにより確認す
る。樹脂を濾別し、100mlのN,N−ヂメチ
ルアセトアミドで5回、100mlのメタノール
で5回洗い、次に洗つた樹脂を膨潤をもどす
ためヂエチルエーテル中にのこす。 c グルタール酸のN−ヒドロキシサクシンイミ
ドから誘導された官能エステル基を持つポリ
(N,N−ヂメチルアクリルアミド)樹脂上え
の酵素R39の固定化 (c.1) 酵素R39の調製 使用する酵素R39はJ−M.FRERE等
(Biochem.J.143、233−240、1974)の論文
に記載された方法に従い調製され精製され
た。 此の方法で精製した酵素R39は19.8umts/
mg蛋白質の比活性を有する。酵素R39 1単
位は37℃で1分間当り、1μモルのNアルフ
ア,Nイプシロン−ヂアセチル−L−リシル
−D−アラニル−D−アラニンの加水分解
を、この酵素が3mMMgCl2を加えた0.03M
トリス−HCl緩衝液(PH7.5)中で8mMの
此の基質とインキユベートした時、触媒す
る。0.2MNaClと0.05MMgCl2を含む0.1Mトリ
ス−HCl緩衝液(PH7.7)1ml中に溶解した
600μgの精製酵素R39を、0.1MNaClと
0.05MMgCl2を含む0.1Mヒープス(Hepes)
緩衝液200mlに対して6時間透析にかけるこ
の操作を4回繰返す。 トリス(Tris)−HCl=2−アミノ−2−
ヒドロキシメチル−1,3−プロペンヂオー
ル−塩酸塩 ヒープス(Hepes)=4−ヒドロキシエチ
ル−1−ピペラジンエタンスルフオン酸 M=リツター当りモル (c.2) 樹脂の調製 b.2)に記載された通り調製したグルター
ル酸のN−ヒドロキシサクシンイミドヂエス
テルから誘導された官能エステル基を持つポ
リ(N,N−ヂメチルアクリルアミド)樹脂
100mgを50mlのN,N−ヂメチルアセトアミ
ド中で膨潤させる。 ビーズが最高膨潤点(約3時間後)に達し
た時、樹脂を別し、0.1Mヒープス緩衝液
(PH7.7)100mlで5回、0.1M NaCl及び
0.05M MgCl2を含む0.1Mヒープス緩衝液100
mlで5回洗滌する。 (c.3) 酵素R39と樹脂間の結合 (c.2)記載の通り調製した湿潤樹脂を10
mlのガラスピン中に入れる。c.1)記載の通
り調製し、0.1M NaClと0.05M MgCl2を含
む0.1Mヒープス緩衝液(PH7.7)1.75ml中に
溶解された70μg(1320ピコモル)の酵素
R39をこれに加える。次でこのガラスビンを
室温で16時間100rpmで回転させる。 樹脂を濾別し、0.1M NaClと0.05M
MgCl2を含む0.1Mヒープス緩衝液(PH7.7)
10mlで5回洗滌する。この操作の後、この樹
脂に水ポンプの真空を30分間かける。 此の様にして得た樹脂の重量は503mgであ
る。この樹脂に固定化された酵素R39の酵素
活性は15μg(283ピコモル)に相当する。
従つて固体化の収率は21%である。 固体支持体上に固定化された酵素R39はす
ぐれた安定性を有し、従つて70℃迄の範囲の
高温に耐える。この理由で、固定化酵素R39
と生物学的液体とのインキユベーシヨンは20
℃から50℃の温度範囲で行うことが出来るの
である。好ましくは、使用する温度は37℃の
オーダーである。実際、此等の条件下で、不
活性等分子酵素−抗生物質複合体の生成に要
する時間と密接に関連するインキユベーシヨ
ン時間は約20分である。インキユベーシヨン
温度の上昇はインキユベーシヨン時間を減少
させる効果があり又その逆も云える。従つて
温度を上昇させることにより方法の持続時間
を更に短縮することが可能である。 本発明によれば、方法の段階(1)の終りにつまり
段階(2)で固定化酵素R39は生物学的液体から分離
される。この分離は如何なる適当な方法、例えば
デカンテシヨーン、過又は遠沈によつても行わ
れるが、単純な過が好ましい。固定化酵素は次
いで未だその中に残つている生物学的液体の痕跡
を除去するため適当な緩衝液で1回以上洗滌され
る。 本発明による方法の第3段階においては固定化
酵素(生物学的液体を除去した)は溶液中で一定
量の基質とインキユベートされる。此の段階中、
本方法の段階(1)での酵素−抗生物質複合体の生成
に消費されない酵素画分は酵素R39に特異的な基
質を加水分解するのに使われる。此の加水分解反
応を従つて酵素R39を残存活性に相当する量のD
−アラニンを生産する。 酵素R39の本質に関して、基質として単に非限
定的な例としてあげるD−アラニル−D−アラニ
ン末端基、Nアルフア,Nイプシロン−ヂアセチ
ル−L−リシル−D−アラニル−D−アラニン、
Nアルフア−アセチル−L−リシル−D−アラニ
ル−D−アラニン及びこれに類するものを持つて
いかなるペプチドも使用し得ることは明らかであ
る。 使用する基質の量は使用する酵素R39の量に比
して充分過剰でありさえすれば限定的ではない。
事実、基質による酵素の飽和条件下で操作するこ
とが常に必要である。 此の段階中で観察される可き操作条件は段階(1)
のために前述したものと本質的に同じである。イ
ンキユベーシヨンは20℃から50℃迄の温度、好ま
しくは37℃オーダーで行い得る。インキユベーシ
ヨンの時間は少くとも不活性化されない酵素R39
により測り得る。D−アラニン量を得るに充分で
なければならない。この時間はインキユベーシヨ
ン温度を上げることにより短縮することも出来る
し又反対にインキユベーシヨン温度を下げること
により延長することも出来る。従つて、測定の迅
速性が重要な要素である。すべての場合此のイン
キユベーシヨン温度を上げることは有利である。 最適な酵素活性を保つために、インキユベーシ
ヨンの培地は好ましくは7から8.5のPHである可
きである。通常、適当な緩衝液中でインキユベー
シヨンを行うことにより7.7オーダーのPHが保持
される。 本発明による方法の段階(4)では段階(3)で生成し
たD−アラニンの量を測定する。 このD−アラニンの測定は当業者によく知られ
ている化学的又は酵素的方法により実施出来る。
たヾこの方法は迅速で高価でないものでなければ
ならないし又検査すべき液体中に存在するすべて
の他の物質を含まず特異的にD−アラニンを測定
出来るものでなくてはならない。 この理由で、D−アラニンの比色定量が出来る
酵素法が好適な方法である。 特に好ましい方法はJ−M.FRERE等により
「Methods in Enzymology、Vol XLV、part
B(1976)610−636頁、特に612及び613頁に記載
された酵素法である。 此の方法ではD−アラニンはD−アミノ酸オキ
シダーゼ(補酵素フラビン−アデニンヂヌクレオ
チドFADと共に)の働きによりピルビン酸へと
酸化され、D−アラニンの量に相当する過酸化水
素が同時に生成するこの過酸化水素は、次いで、
パーオキシダーゼの働きにより0−ヂアニシヂン
を酸化するのに使われる。このようにして生じた
酸化0−ヂアニシヂンの量はD−アラニン量の密
接に依存し又酸化0−ヂアニシヂンは発色するの
でこのように生じた色の強度を測定することが比
色定量によるD−アラニン量の測定に利用出来
る。 此のシステムは基本的に酸化型と還元型が異な
つた色を持つ物質、此の場合は0−ヂアニシヂ
ン、の使用に基づくことは明らかであるこの型の
物質は酸化還元指示薬として知られている。 上記の方法に於て0−ヂアニシヂンの代りに使
える多数の酸化還元指示薬がある。あげられる例
としては2,2′−アジノビス(3−エチル−2,
3−ヂヒドロ−6−ベンゾチアゾールスルフオ
ン)酸のアンモニア塩、フエノール又はN,N−
ヂメチルアニリン及びこれに類似するものの存在
下での4−アミノ−アンチピリンを含む。 好ましい具体例によると、段階(3)の混合液を、
一方ではD−アラニンのピルビン酸への酸化(過
酸化水素の同時生成)を触媒するD−アミノ酸酸
化酵素と又他方ではパーオキシダーゼ及び酸化還
元指示薬(後者は生成する過酸化水素により酸化
され、パーオキシダーゼによりその強度がDアラ
ニン量の函数である色を生ずる)とインキユベー
トすることによりD−アラニン量を測定するのは
この理由による。 D−アミノ酸オキシダーゼの補酵素、フラビン
−アデニンヂヌクレオチド(FAD)は勿論常に
D−アミノ酸オキシダーゼと組合せて使われる。 この好ましい具体例では、原則的には触媒とし
てのパーオキシダーゼの存在下で過酸化水素によ
り酸化し得る如何なる酸化還元指示薬も使うこと
が可能である。特に好ましい酸化還元指示薬は、
酸化型が褐色の呈色(最大吸収値はλ=460nm
にある)をする0−ヂアニシヂン及び酸化型が緑
色の呈色(最大吸収値はλ=420nmにある)を
する2,2′−アジノビス(3−エチル−2,3−
ヂヒドロ−6−ベンゾチアゾールスルフオン)酸
のアンモニア塩を含む。 酸化型0−ヂアニシヂンの褐色の呈色は硫酸を
加えることにより明るいピンクの呈色に有利に変
るということは注目されるであろう。此のピンク
の呈色は非常に安定でもし測定結果を時間保持し
ておき度ければこのことは非常に重要である。 更に、迅速な測定を保証するために、段階(3)と
(4)を同時に行うことが可能である。この具体例で
はD−アラニンの測定を可能にする試薬を方法の
段階(3)で固定化酵素と基質溶液の混合物に直接加
え全体を段階(3)のために示されたものと実質的に
同一の条件下で一回のインキユベーシヨンで行
う。方法の段階(5)では、段階(4)の測定を生物学的
液体中の抗生物質濃度を得るため標準と比較す
る。 抗生物質濃度の定量は以下の方法で行う。 第一に既知濃度のベーターラクタム抗生物質を
含む一連の生物学的液体のサンプルを調製する。 増加する濃度の抗生物質を含むある数のサンプ
ルに加えて、この一連のサンプルには二つの抗生
物質を含まない生物学的液体のサンプルを含む。 此等サンプルをすべて、本発明の方法の段階
(1)、(2)、(3)および(4)に従い厳密に同じ方法で処理
する。 然しながら、抗生物質を含まないサンプルの一
つについては段階(3)に使用する基質溶液を全く同
量の水で置き換える。此の特別の場合、基質以外
のすべての試薬を含む溶液はしたがつて段階(4)の
終に得られる。基質を含まないので、D−アラニ
ンは生成せず結果的に0−ヂアニシヂンは酸化さ
れない。得られる溶液は薄い黄色である。此のサ
ンプルを以下「ブランクサンプル」と称すること
にする。 これに比して、抗生物質を含まない他のサンプ
ルは褐色に呈色する。実際、このサンプルは抗生
物質を含まないので、酵素R39は段階(1)で失活せ
ず最高値のD−アラニン(使用した酵素R39の全
活性に相当する)、従つて最高値の酸化0−ヂア
ニシヂンが生成され、結果として、褐色に呈色す
る。このサンプルを以下「コントロールサンプ
ル」と称する。 もしサンプルが使用した酵素R39のモル量より
少いモル量の抗生物質を含んでいる場合は、段階
(1)でごく僅かのこの酵素のみが抗生物質により失
活され、この場合、抗生物質により失活しなかつ
た酸素部分の(残存)活性に相当するD−アラニ
ン及び結果的に相当する量の酸化0−ヂアニシヂ
ンが生成する。 此の場合も従つて褐色の呈色を生ずるが、その
強度はコントロールサンプルに見られるよりも小
さい。 最後に、もしサンプルが使用した酵素Rのモル
量と同じ又はそれよりも大きいモル量の抗生物質
を含む場合は、段階(1)でこの酵素は抗生物質によ
り完全に失活させられ、従つてD−アラニンは生
成せず又0−ヂアニシヂンも酸化されない。此の
場合はブランクサンプルに見られるものと同一の
黄色の呈色が得られる。正確な測定値を得るため
に、ブランク及びコントロールサンプルを含むす
べてのサンプルについて呈色の光学濃度は分光光
度計で測定する。 ブランクサンプルについてもある光学濃度がみ
られるから、コントロールサンプル及びその他の
サンプルについて得られる値からこのブランクサ
ンプルの値を差し引く必要がある。 この様にして得られた光学濃度から出発して、
それぞれのサンプルについて残存活性(酵素R39
の)のパーセントを計算する。このパーセンテー
ジは、100倍すると、コントロールサンプルの光
学濃度値に対する問題になつているサンプルにつ
いての光学濃度値の比に等しい。 次いで抗生物質の濃度を横軸に又酵素R39の残
存活性のパーセンテージを縦軸にとる図表を描
く。 コントロールサンプル(残存酵素活性100%)
に相当する点で縦軸を又使用した酵素R39のモル
量に等しい量の抗生物質量(残存酵素活性0%)
を含むサンプルに相当する点で横軸を切る直線が
得られる。 この様にして得られた図表は、此の図表を描く
のに使用したその生物学的液体のサンプル中の未
知のベーターラクタム抗生物質濃度の測定を可能
にする「標準曲線」を構成する。 此の目的のために、サンプルは本発明の方法の
段階(1)、(2)、(3)及び(4)に従い厳密に同様な方法で
処理され;得られた光学濃度は分光光度計で測定
し;ブラツクサンプルについて得られた光学濃度
値はこれから差引き、残存酵素活性のパーセンテ
ージは上記の方法で計算しそしてサンプルの抗生
物質濃度は標準曲線を参照して得られる。 この様にして、生物学的液体の抗生物質濃は
(0.0005)IU/ml迄1時間よりやゝ短い時間で定
量的に測定することが可能である。此の方法は分
光光度計の使用を要し、従つて原則的には実験室
で行わなければならない。然しながらもし抗生物
質濃度がある域値(例えば乳製品工業で決められ
た最高濃度)を越えているかどうかをきめること
のみを意図しているならば、分光光度計を使用す
る必要はない。此の方法は少し事前の説明を要す
る。 上記の通り、標準曲線は、使用した酵素R39の
モル量に等しい量の抗生物質を含むサンプルに相
当する点で横軸を切るこの臨界濃度で、残存酵素
活性のパーセンテージは0%である何故ならば本
発明の方法の段階(4)の終りでブランクサンプルに
ついて得られたものと全く同じ淡黄色の呈色が得
られるからである。淡黄色の呈色は臨界濃度以上
についても得られる。何故ならば残存酵素活性の
パーセンテージも未だ0%であるからである。こ
れと反対に、この臨界濃度以下ではある残存酵素
活性のパーセンテージが残つているから褐色の呈
色が得られる。 結果として、単純に方法の段階(4)の終りにみら
れる呈色に基づいて、サンプル中の抗生物質濃度
が臨界値を越えているかどうかを直接に評価する
ことが可能である。 従つて臨界濃度を知れば充分でありそれにより
分光光度計を使用せずサンプルがこの臨界濃度を
越えて(又は越えない)ベーターラクタム抗生物
質濃度を含んでいるかどうかを迅速に判定するこ
とが可能である。 此の目的のために、このサンプルは本発明の段
階(1)、(2)、(3)及び(4)に従つて全く同じ方法で処理
され、又得られた呈色を単に観察する;もし此の
呈色が淡黄色であれば、抗生物質濃度は少くとも
臨界濃度に等しく又もし呈色が褐色であれば抗生
物質濃度は臨界濃度より低い。 この様にして、生物学的液体のミリリツター当
りの抗生物質が0.002IUより多いか少いかを肉眼
的に正確度をもつてそしてこれを1時間以内の時
間で、判定することが可能である。 従つて此の方法は一連のミルクサンプルを実験
室外例えば農場で未熟練な人により検査するのに
完全に適している。 本発明による抗生物質濃度の定量的及び定性的
測定について特に0−ヂアニシヂンによる色の変
化を参考に詳細に説明した。然しながら当業者は
他の酸化還元指示薬をこの方法で使用した時みら
れる色だけが異るということを容易に理解し得る
であろう。 本発明の更に目的とするところは本発明による
方法を実施するために使い得るテストセツト、即
ち生物学的液体中のベーターラクタム抗生物質の
測定に使い得る、テストセツトを提供するところ
にある。 此のセツトは特に以下のものから成つている。 (1) アクチノマドウーラ(Atinomadura R39)
の生産する一定量の可溶性D−アラニル−D−
アラニン−カルボキシペプチダーゼでこの酵素
は水に不溶性の支持体に固定化されている; (2) 一定量の基質、 (3) D−アラニン測定に使う試薬 (4) 適当であれば、段階(1)、(2)及び(3)の試薬で実
施したテスト結果を比較し得る標準 好ましい具体例によれば、酵素R39は架橋型ポ
リ(N,N−ヂメチルアクリルアミド)樹脂上に
固定化され、基質はトリペプチドNアルフア、N
イプシロン−ヂアセチル−L−リシル−D−アラ
ニル−D−アラニン又はNアルフア−アセチル−
L−リシル−D−アラニル−D−アラニンであり
又試薬は(a)D−アミノ酸オキシターゼ(その補酵
素フラピン−アヂニン、ヂヌクレオチドと組み合
せて)、(b)パーオキシダーゼ及び(c)酸化還元指示
薬例えば−ヂアニシヂン又は2,2′−アジノビ
ス(3−エチル−2,3−ヂヒドロ−6−ベンゾ
ールスルフオン)酸である。 標準として適当であれば、酵素R39の残存活性
のパーセンテージに対する抗生物質濃度の標準曲
線がテスト中に含まれ得るものであり、この様に
して、上に説明した様に定量測定を行うことが可
能である。 然しながら、此の図表は不可欠ではない。事
実、もしこのテストセツトを抗生物質濃度がある
臨界値を越えているかどうかの判定するためにの
み使用するのならば、使用説明書の中に、本発明
による方法によりサンプルを処理した後呈色の変
化がみられる抗生物質濃度を指示しておけば充分
である。 特に有利な具体例によれば、固定化酵素は一枚
の濾材、例えばガラス濾過器で底にはめこまれた
注射器中に置かれている。此の器具は生物学的液
体から過による固定化酵素R39の分離とを本発
明による方法の段階(2)に於ける酵素の洗滌を容易
にする。 以下の実施例は本発明を説明する目的で示され
るものである。 実施例 1 本実施例は本発明による方法のミルク中の低濃
度のペニシリンGの測定への応用を説明するもの
である。 (a) 試薬の調製 (1) 固定化酵素R39 酵素R39は明細書中に既に述べた実例に記
載された方法に従い、ポリ(N,N−ヂメチ
ルアクリルアミド)樹脂に固定化された。 (2) 基質溶液 6mgのNアルフア,Nイプシロン−ヂアセ
チル−L−リシル−D−アラニル−D−アラ
ニンを1mlの水中に含む溶液を調製する。 (3) D−アミノ酸オキシダーゼ懸濁液 3モル硫酸アンモニウム水溶液1ミリリツ
トル当り5mgのD−アミノ酸オキシダーゼ
(比活性:15U/mg)を含む懸濁液を調製す
る。 (4) フラビン−アデニンヂヌクレオチド
(FAD)溶液 6mlの0.1Mトリス−HCl緩衝液(PH8.0)
中に500μgのFADを含む溶液を調製する
(M=リツター当りのモル) (5) パーオキシダーゼ溶液 水1ミリリツター当り50μgのパーオキシ
ダーゼを含む溶液を調製する。 (6) 0−ヂアニシヂン溶液 水500μ当り2.6mgの0−ヂアニシヂンを
含む溶液を調製する。 (b) 方法 それぞれ既知濃度のペニシリンGを含む1ml
の一連のミルクサンプルとペニシリンGを含ま
ない2つの1mlのミルクサンプル(ブランクと
コントロール)を調製する。 それぞれのサンプルに5.5mgの固定化酵素
R39)(=酵素3ピコモル)を加え、混合物を
37℃で20分間インキユベートする。 次いでミルクを過により固定化酵素から分
離し、固定化酵素を0.1M NaClと0.05M
MgCl2を含む0.1MのHepes(ヒープス)緩衝液
(PH=7.7)で3回洗滌する。 0.1M NaClと0.05M MgCl2及び10μの基質
溶液(コントロールサンプルとペニシリンGを
含むサンプルの場合)又はヒープス緩衝液20μ
と水10μ(ブランクサンプルの場合)を次い
でこの分離、洗滌された酵素に加える。この混
合物を、37℃で30分間インキユベートする。此
のインキユベーシヨンの終りに、2μのD−
アミノ酸オキシダーゼ懸濁液、60μのFAD溶
液、10μのパーオキシダーゼ溶液及び5μの
0−ヂアニシヂン溶液をそれぞれ生成物に加
え、この混合物を再び37℃で10分間インキユベ
ートする。 次いで得られた呈色液の光学濃度を分光光度
計で測る此の目的のためメタノール/水溶液
(比=1:1)1mlをセルに加え、光学濃度を
460nmで測定する。 ブランクサンプルについて得られた光学濃度
値をそれぞれ、コントロールサンプル及びその
他のサンプルについて得られた光学濃度値より
差し引く。 最後に、此の様にして得られた光学濃度値か
らそれぞれのサンプルについて残存酵素活性を
計算する。 種々の異なつた濃度のペニシリンGを含む二
系列の1mlのミルクサンプルについて得られた
結果を次の第1表に示す。 【表】 此の様にして得られた結果は図表の形に再現さ
れ、これは付随する図で説明される。この図表に
ついて、ペニシリンGの濃度I.U./mlは横軸に、
残存酵素活性(%シンボル)は縦軸にプロツトさ
れている。 此の図表は他の1mlのミルクサンプル中のペニ
シリンGの濃度を測定し得る標準曲線より成つて
いる。此の目的のために、此等のサンプルは此の
実施例中に記載されたと同じ方法で処理され、そ
の中のそれぞれのペニシリンGの濃度は標準曲線
を参照して測定される。 第一表は、ミルク1ミリリツター当り0.002IU
又はそれ以上のペニシリンを含むサンプルについ
て、残存酵素活性が0%のオーダであることが分
り又ブランクサンプルと同じ淡黄色の呈色がみら
れることを示している。一方、ミルク1ml当り
0.002IU以下の量のペニシリンを含むサンプルで
は、あるパーセンテージの残存酵素活性がみら
れ、黄褐色又は褐色の呈色がみられる。 結果として、最終インキユベーシヨンの終りに
みられる呈色に単純に基づいて、ミルクサンプル
がミルク1ml当り少くとも0.002IUのペニシリン
に等しい濃度、即ち1.2ng/mlミルク、を含んで
いるかどうかを肉眼的にそして正確に判定するこ
とが出来る。事実、此の濃度又はそれより高い濃
度に於いては、ブランクサンプルと全く同じ淡黄
色の呈色が得られる。これと反対に、これより低
い濃度(例えば、もしサンプルがペニシリンを含
まなければ)では呈色は淡黄色から褐色に変わ
る。 従つて、本発明による方法はミルク中の非常に
低いペニシリン濃度を分光光度計又は同様な分析
機器を使うことなく非常に迅速に測定を行うこと
を可能にすることは明らかである。 このことは本方法の大きな有用性を示すもので
これは一連のミルクサンプルをミルクが集荷され
る現場、例えば農場で未熟練な人により迅速な測
定を行うことを可能にする。 更に本方法は実験室に於て定量測定のためにも
使えることは明らかである。付随する図に示され
ている図表は分光光度計を使用して、ミルク1ml
当り0.0005IUのペニシリン濃度即ち0.3ng/mlミ
ルク、の測定が可能であることを明確に示してい
る。 実施例 2 本実施例は本発明による方法を血清及び尿中の
低濃度のペニシリンGの測定への応用を説明す
る。 実施例1の本法に従い同じ試薬を使うが1mlの
ミルクサンプルを1mlの血清又は尿サンプルでお
き換える: 【表】 ク
【表】 ク
第2表、第3表は本発明の方法は血清又は尿の
サンプルが1ml当り少くとも0.003IU濃度のペニ
シリンを含むのかどうかを肉眼的に測定するのに
うまく使い得ることを明確に示している。 実際、此の濃度又はそれより高い濃度で、みら
れる呈色は淡黄色になるであろう。 尿の場合、可溶性であるが固定化されていない
酵素R39を使い尿の場合でさえ10μという量で
あるI−M FRERE法によりその様な測定を行
うことは不可能である。 実施例 3 本実施例は本発明による方法の血清中のセフア
ロスポリンcの投与量への応用を説明するもので
ある。 得られた結果は次の第4表に示す。 【表】 実施例 4 本実施例は本発明による方法を高温度で行う、
血清中のセフアロスポリンCの投与量への応用を
説明するものである。 実施例3の方法に従うが各々のインキユベーシ
ヨンを47℃で半分の時間で行う。 更に、血清サンプルのそれぞれのミリリツター
当り、0.5M NaClと0.25MMgCl2を含む0.5Mの
ヒープス(Hepes)緩衝液(PH7.7)100μをあ
らかじめ加えてある。 得られた結果を次の第5表に示す。 【表】 本実施例はインキユベーシヨン温度を上昇させ
ると方法の実施に要する時間を可成り短縮するこ
とが出来ることを明確に示している。 要 旨 (1) 水に不溶性の支持体に固定化されている、ア
クチノマドウラ(Actimomadura)R39の生産
する可溶性D−アラニル−D−アラカン−カル
ボキシペプチダーゼと生物学的液体とをインキ
ユベートし、ベーターラクタム抗生物質が固定
化酵素と反応して不活性な等分子酵素−抗生物
質複合体を生成する。 (2) 液体から固定化酵素を分離して洗滌し、 (3) 固定化酵素を基質溶液とインキユベートして
これを加水分解し、残存酵素活性に相当するD
−アラニン量を生成せしめ、 (4) 生成したD−アラニン量を測定し、及び (5) 段階(4)の測定値を生物学的液体中の抗生物質
濃度を得るための標準と比較する段階より成る
生物学的液体中のベーターラクタム抗生物質の
酵素的測定法及び本法を使用し必要な試薬より
成るテストセツト。
【図面の簡単な説明】
図はペニシリンGの濃度と酵素活性との関係を
示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 生物学的液体中のベーターラクタム抗生物質
    の酵素による測定方法であつて、 () 生物学的液体を、水に不溶性の支持体に固
    定化されている、アクチノマドウラ
    (Actinomadura)R39の産生する可溶性酵素、
    D−アラニル−D−アラニン−カルボキシペプ
    チダーゼと、上記液体中にベーターラクタム抗
    生物質が存在するとして、これを上記酵素と反
    応させて不活性で実質的に不可逆の等分子酵素
    −抗生物質複合体を生成するような条件下でイ
    ンキユベートし、 () 固定化酵素を上記液体より分離し、洗滌
    し、 () 工程()の固定化酵素を基質溶液と、基
    質が上記酵素により加水分解され、残存酵素活
    性に相当するD−アラニン量を生成せしめるよ
    うな条件下でインキユベートし、 () 工程()で生じたD−アラニンの量を測
    定し、 () 工程()の測定データを標準データと比
    較して生物学的液体中の抗生物質の濃度を得る
    ことからなる測定方法。 2 水に不溶性の支持体が架橋ポリ(N,N−ジ
    メチルアクリルアミド)樹脂である、特許請求の
    範囲第1項記載の方法。 3 酵素を共有結合によりポリ(N,N−ジメチ
    ルアクリルアミド)樹脂に付着させることにより
    固定化を行う、特許請求の範囲第2項記載の方
    法。 4 工程()および()を同時に行う特許請
    求の範囲第1項記載の方法。 5 生物学的液体がミルク、血清、尿、血液、唾
    液、肉エキス及び醗酵液から成る群から選ばれ
    る、特許請求の範囲第1項記載の方法。 6 測定すべき抗生物質がベンジルペニシリン、
    アンピシリン、フノキシメチルペニシリン、カル
    ベニシリン、メチシリン、オキサシリン、クロキ
    サシリン、セフアロスポリンC、セフアログリシ
    ン、セフアロチンおよびセフアレキシンより成る
    群より選ばれる、特許請求の範囲第1項記載の方
    法。 7 基質がNアルフア,Nイプシロン−ジアセチ
    ル−L−リシル−D−アラニル−D−アラニン又
    はNアルフア−アセチル−L−リシル−D−アラ
    ニル−D−アラニンである特許請求の範囲第1項
    記載の方法。 8 工程()の混合物を、一方では、同時に過
    酸化水素の生成を伴うD−アラニンのピルビン酸
    への酸化を触媒するD−アミノ酸オキシダーゼと
    インキユベートし、他方では、パーオキシダーゼ
    と酸化還元指示薬(後者は、パーオキシダーゼに
    より生じた過酸化水素により酸化されて、その強
    度がD−アラニン量の関数である色を生ずる)と
    インキユベートすることによりD−アラニン量を
    測定する、特許請求の範囲第1項記載の方法。 9 酸化還元指示薬がo−ジアニシジン又は2,
    2−アジノビス(3−エチル−2,3−ジビドロ
    −6−ベンゾチアゾール−スルフオン)酸のアン
    モニウム塩である、特許請求の範囲第8項記載の
    方法。 10 上記標準データが残存酵素活性のパーセン
    テージに対する抗生物質濃度の標準曲線である、
    特許請求の範囲第1項記載の方法。 11 生物学的液体中のベーターラクタム抗生物
    質の測定用試験セツトであつて、 () 水に不溶性の支持体に固定化されている、
    アクチノマドウラ(Actinomadura)R39の産
    生する一定量の可溶性酵素、D−アラニル−D
    −アラニン−カルボキシペプチダーゼ、 () 一定量の基質、 () D−アラニン測定用試薬、および () ()、()および()項の試薬で行わ
    れた試験結果を比較しうる標準データからなる
    試験セツト。 12 水に不溶性の支持体が架橋ポリ(N,N−
    ジメチルアクリルアミド)樹脂である、特許請求
    の範囲第11項記載のセツト。 13 基質がNアルフア,Nイプシロン−ジアセ
    チル−L−リシル−D−アラニル−D−アラニン
    又はNアルフア−アセチル−L−リシル−D−ア
    ラニル−D−アラニンである特許請求の範囲第1
    1項記載のセツト。 14 ()の試薬が(a)D−アミノ酸オキシダー
    ゼ、(b)パーオキシダーゼ及び(c)酸化還元指示薬か
    らなる、特許請求の範囲第11項記載のセツト。 15 酸化還元指示薬がo−ジアニシジン又は
    2,2′−アジノビス(3−エチル−2,3−ジヒ
    ドロ−6−ベンゾチアゾール−スルフオン)酸の
    アンモニウム塩である、特許請求の範囲第14項
    記載のセツト。 16 上記標準データが残存酵素活性のパーセン
    テージに対する抗生物質濃度の標準曲線である、
    特許請求の範囲第11項記載のセツト。
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