JPH0370059B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内部に居住空間を有する箱形ユニツ
トを組合せて住宅を構築するユニツト住宅におけ
る勾配屋根小屋組み架構体に関する。

陸屋根タイプが大半を占めているユニツト住宅
にも方形屋根、寄せ棟屋根を構成する要望があ
る。

ところで、従来、ユニツト住宅で勾配屋根を構
成する手段として、トラス組された小屋組み架構
体が一般的であつた。

しかしながら、トラス組み小屋組み架構体で
は、屋根構成が画一的となり、各種パターンで箱
形ユニツトを配置したユニツト住宅にあつては、
各ユニツト住宅ごとのトラス組小屋組み架構体が
必要となり、生産性、コスト的な無駄があるばか
りか屋根勾配を構客の要望に合わせて変化させる
ことが困難であつた。

そこで、本件出願人は特開昭56−85048号（特
公昭58−24578号）公報にあつて、切妻、寄棟屋
根を構成する小屋組み架構方法を提案し、それな
りの実績をあげている。

ところが、この提案技術においても、各種配置
パターンに対応することが今ひとつであり、部
品、部材が必要以上に多くなつている。

本発明は、斯か実状に鑑みて案出されたもので
あり、複数の箱形ユニツトを所定間隔を有して並
設し、箱形ユニツト相互間の間隔内に小屋束を立
てると共に、該小屋束から隅木及び小屋梁を延設
することによつて基本単位となる屋根の小屋組み
架構要素を構成し、この小屋組み架構要素をモジ
ユールとして各出隅部に展開可能となし、もつ
て、部品、部材の共通化、共用化を図りて屋根勾
配を各種配置パターンに対応できるようにしたも
のであり、従つて本発明にあつては、梁と柱より
なる直方体状骨組により内部に居住空間を有する
箱形ユニツトが構成され、該箱形ユニツトの複数
を所定間隔を有して並設されてなるユニツト住宅
の勾配屋根において、前記勾配屋根は出隅部に隅
勾配と平勾配とを備え、小屋束、隅木および小屋
梁とで出隅部の小屋組み架構要素が構成され、前
記小屋束は並設されている箱形ユニツトの前記間
隔内であつて、ユニツト住宅の出隅部に位置され
る箱形ユニツトの出隅位置から梁間方向にａ＋
ｇ／２かつ桁行方向にａ＋ｇ／２の位置に立設さ
れ、前記隅木は前記小屋束の上部に連結されてい
て隅勾配を形成すべく出隅位置方向に延設され、
更に、前記小屋梁は、前記小屋束の上部に連結さ
れていて平勾配を形成すべく軒桁方向に延設され
ていることを特徴とするユニツト住宅に於ける勾
配屋根小屋組み架構体を提出するにある。

但し、前述において、ａは箱形ユニツトの基準
単位寸法、ｇは間隔の基準単位寸法である。

以下、図面を参照して本発明の第１実施例を詳
述する。

第１図はユニツト住宅の構成単位部材のひとつ
である箱形ユニツト４の骨組みのみを示してお
り、該骨組みは４本の柱１と、桁行および梁間方
向の梁２および３とで内部に居住空間を有するラ
ーメン構造の直方体状に組立てられ、この骨組み
に図示省略した壁パネルなどを取付けることによ
つて箱形ユニツト４が構成されている。

箱形ユニツト４は第２図、第３図に示す如くそ
の梁間方向の寸法を基準単位寸法ａとし、桁行方
向の寸法を2a＋ｇ（尚、ｇは間隔ｇ１の基準単位
寸法とする）とし、高さ寸法をｂとした場合、第
２図、第３図では２個の箱形ユニツト４がその桁
面を基準単位寸法ｇの所定間隔ｇ１を置いて向い
合うように配置されるとともに、１個の箱形ユニ
ツト４はその桁行梁３が前記配置の箱形ユニツト
４，４における梁間方向梁２に対して前記同様基
準単位寸法ｇの所定間隔ｇ１を置いて配置されて
ユニツト住宅を構成したものを示している。

また、第２図乃至第４図に示される如く、ユニ
ツト住宅の出隅部に位置される各箱形ユニツト４
の出隅位置から梁間方向にａ＋ｇ／２で、かつ桁行 方向にａ＋ｇ／２の間隔ｇ１内の位置に立設された 小屋束６と、該小屋束６より隅勾配を形成すべく
出隅位置方向に延設された隅木７と小屋束６より
平勾配を形成すべく軒桁方向に延設され、互いに
直交する小屋梁８，９とを備え、これら小屋束
６、隅木７及び小屋梁８，９で小屋組み架構要素
５を構成し、この小屋組み架構要素５をモジユー
ルとして４個所の各出隅部に展開されている。

尚、本実施例では、登梁が２本の隅木７のなす
角度を直交させて延設された構造とされ、各小屋
組み架構要素５の一方の小屋梁８，９が兼用され
た構造とされている。

また、各隅木７の中間から互いに直交して軒桁
方向に延設されて前記各小屋梁８，９と共に平勾
配を形成する小屋梁１０，１１を備えている。

而して、実際の施行に際しては、小屋束６は例
えば第６図に示す如く取付片６Ａがその本体より
突出されており、第５図に示す如くブラケツト１
２を介して間隔ｇ１内の中間位置に立設され、取
付片６Ａを利用して前記隅木７、小屋梁８，９が
締結、鋲着され、隅木７、各小屋梁８，９，１
０，１１は受具１３を介して箱形ユニツト４に取
付ければよい。

そして、第２図に示される如く、小屋組み架構
要素５をモジユールとして４個所の各出隅部に寄
せ棟屋根を構成するように予め配設された箱形ユ
ニツト上に架設され、両小屋束６同士は棟梁１４
で互いに連結され、該棟梁１４の中間には、平勾
配を構成すべく、別の小屋梁１５が適宜取付けら
れている。また第５図において、１６は軒桁、１
７は母屋、１８は野地板を示している。

第７図乃至第８図は、第１実施例における箱形
ユニツト４の配置パターンが変化されたユニツト
住宅に応じた寄せ棟屋根を構成した例であり、第
７図では２個の箱形ユニツト４に対して１個の箱
形ユニツト４を基準単位寸法の整数倍、例えば４
倍の4gとして配置した場合の例であり、このと
きは、小屋束６同士を前記グリツド4gを考慮し
た長さの棟梁１４で互いに連結し、該棟梁１４よ
り２本づつの小屋梁１５を取付けた構造とされて
いる。

また、第８図は３個の箱形ユニツト４を梁間方
向梁２を互いにｇ及び4gの間隔を介して対向配
置されたユニツト住宅であり、この場合でも、前
記小屋組み架構要素５を各出隅部に同様にそれぞ
れ利用して寄せ棟屋根が構成され、間隔内に立設
された小屋束６同士を棟梁１４で連結し、該棟梁
１４より２本づつの小屋梁１５を取付けた構造と
されている。

第９図乃至第１８図は、梁間方向の寸法及び桁
行方向の寸法の双方ともがａとされ、高さ寸法が
ｂとされた箱形ユニツト４Ｂをも利用した箱形ユ
ニツト４，４Ａ，４Ｂの各種組合せ、配置による
ユニツト住宅を示しており、第１実施例と共通す
る部分は共通符号で示している。

第９図乃至第１２図では第２図で示した配置の
箱形ユニツト４に、該箱形ユニツトと同寸形状の
箱形ユニツト４Ａを４ｇの間隔で配置するととも
に梁間方向及び桁行方向がａ寸法とされた箱形ユ
ニツト４Ｂを４ｇ及びｇ間隔において配置したユ
ニツト住宅を示している。

この第９図のユニツト住宅の寄せ棟屋根は、ユ
ニツト住宅の四隅の出隅部に小屋組み架構要素５
の各隅木７が対応するようにグリツド上に小屋束
６が立設されており、各隅木７はそれぞれ屋根頂
部間に延設され、棟梁１４によつて連結され、各
小屋組み架構要素５の小屋梁８，９はそれぞれ方
形状に枠組みされるように各小屋束６を介して別
の棟梁１９で連結され、該別の棟梁１９の中間よ
り平勾配を形成する別の小屋梁２０を補強用とし
て取付けた構造とされている。

なお、基本形となる小屋組み架構要素５は工場
生産される場合と、現場製作される場合とがあ
り、小屋束６の高さを調整固定自在にするか高さ
が異なるものを採用することによつて、屋根勾配
は調節可能とされる。

第１３図から第１８図はユニツト住宅の各種配
置パターンに応じて前述した小屋組み架構要素５
をモジユールとして勾配屋根を構成した例を示し
ている。

まず、第１３図は梁間方向の寸法がａ、桁行方
向の寸法が2a＋ｇとされた箱形ユニツト４の３
個と梁間方向、桁行方向の寸法がそれぞれａとさ
れた２個の箱形ユニツト４Ｂを図示の如く間隔ｇ
１を介して配置したユニツト住宅に、３個の小屋
組み架構要素５を３個所の出隅部に架設し、入り
隅21両側の出隅部に配置される小屋組み架構要素
５の入り隅２１側小屋梁８，９は省略され、入り
隅２１には谷木２２が取付けられ、谷木２２及び
各隅木２３，２４及び各小屋梁２５，２６を互い
に平行に取付けた構造とされている。

第１４図は箱形ユニツト４の４個と箱形ユニツ
ト４Ｂの１個を図示の配置パターンで設けたユニ
ツト住宅に、方形屋根を４個の小屋組み架構要素
５を各出隅部に用いて構成した例を示しており、
第１５図は第１３図における２個の箱形ユニツト
４Ｂを４ｇの間隔ｇ１を介して配置した構造とさ
れており、この第１５図のときは、前述した第１
３図のものに比べ、小屋梁２６Ａが補強用として
用いられる。

また、第１６図は箱形ユニツト４の３個を桁行
方向が対応するように間隔ｇ１を介して配置し、
これの梁間方向と対応させて２個の箱形ユニツト
４Ｂを４ｇの間隔ｇ１を介して配置させたユニツ
ト住宅に第１５図で示した勾配屋根を構成したも
のである。

第１７図は第１６図のものに更に、箱形ユニツ
ト４の１個を追加配置させて入り隅２１を２個所
に有する出隅を構成した例であり、又、第１８図
は第１４図の配置パターンに箱形ユニツト４の１
個を更に追加配置したユニツト住宅に勾配屋根を
小屋組み架構要素５を展開させて構成したもので
ある。

以上のように、本発明によれば、梁と柱よりな
る直方体状骨組により内部に居住空間を有する箱
形ユニツトが構成され、該箱形ユニツトの複数を
所定間隔を有して並設されてなるユニツト住宅の
勾配屋根において、前記勾配屋根は出隅部に隅勾
配と平勾配とを備え、小屋束、隅木および小屋梁
とで出隅部の小屋組み架構要素が構成され、前記
小屋束は並設されている箱形ユニツトの前記間隔
内であつて、ユニツト住宅の出隅部に位置される
箱形ユニツトの出隅位置から梁間方向にａ＋ｇ／
２かつ桁行方向にａ＋ｇ／２の位置に立設され、
前記隅木は前記小屋束の上部に連結されていて隅
勾配を形成すべく出隅位置方向に延設され、更
に、前記小屋梁は、前記小屋束の上部に連結され
ていて平勾配を形成すべく軒桁方向に延設されて
いる小屋組み架構体（但し、ａは箱形ユニツトの
基準単位寸法、ｇは間隔の基準単位寸法である）
であるから、箱形ユニツトの各種配置パターンに
応じて、各出隅部に小屋組み架構要素を基本形と
して展開する構造であり、小屋束、隅木、小屋梁
の寸法の共通化や共用化が図れ、しかもユニツト
住宅として画一的になり易い屋根を変化に富んだ
ものにすることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は箱形ユ
ニツト一例の骨組みを示す斜視図、第２図はユニ
ツト住宅の屋根構成一例を示す小屋伏せ図、第３
図はその立面図、第４図は基本形の小屋組み架構
要素を示す説明図、第５図は第３図の要部拡大
図、第６図は小屋束一例の平面図、第７図、第８
図は小屋組み架構要素の変形配置パターンのユニ
ツト住宅の小屋伏せ図、第９図は本発明の別の実
施例としての小屋伏せ図、第１０図はその立面
図、第１１図は第１０図の要部拡大図、第１２図
は同小屋組を示す斜視図、第１３図から第１８図
の各図は小屋組み架構要素の変形配置パターンの
ユニツト住宅の小屋伏せ図を示している。 １……柱、２，３……梁、４……箱形ユニツ
ト、５……小屋組み架構要素、７……隅木、８，
９，１０，１１……小屋梁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 梁と柱よりなる直方体状骨組により内部に居
   住空間を有する箱形ユニツトが構成され、該箱形
   ユニツトの複数を所定間隔を有して並設されてな
   るユニツト住宅の勾配屋根において、前記勾配屋
   根は出隅部に隅勾配と平勾配とを備え、小屋束、
   隅木および小屋梁とで出隅部の小屋組み架構要素
   が構成され、前記小屋束は並設されている箱形ユ
   ニツトの前記間隔内であつて、ユニツト住宅の出
   隅部に位置される箱形ユニツトの出隅位置から梁
   間方向にａ＋ｇ／２かつ桁行方向にａ＋ｇ／２の
   位置に立設され、前記隅木は前記小屋束の上部に
   連結されていて隅勾配を形成すべく出隅位置方向
   に延設され、更に、前記小屋梁は、前記小屋束の
   上部に連結されていて平勾配を形成すべく軒桁方
   向に延設されていることを特徴とするユニツト住
   宅に於ける勾配屋根小屋組み架構体。 但し、 ａは箱形ユニツトの基準単位寸法 ｇは間隔の基準単位寸法