JPH0369612A - 複合繊維及びその製造方法 - Google Patents

複合繊維及びその製造方法

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JPH0369612A
JPH0369612A JP20314089A JP20314089A JPH0369612A JP H0369612 A JPH0369612 A JP H0369612A JP 20314089 A JP20314089 A JP 20314089A JP 20314089 A JP20314089 A JP 20314089A JP H0369612 A JPH0369612 A JP H0369612A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業の利用分野) 本発明は、ポリアミドとポリエステルの2種のポリマー
の複合形状が、IIIの長さ方向には実質的に同一形状
でありながら、単繊維間でランダムに異なり、該単繊維
は、一方の成分が層状分割層を形成している複合形状の
ものと、一方の成分が独立島状成分を形成している複合
形状のものと更に二成分が偏在化して貼り合せ構造を形
成した複合形状のものが混在化した状態であることを特
徴とする天然繊維に似た自然な斑と柔らかいソフト風合
を有する新規な複合フィラメント及び複合ステープルな
らびにその製造方法に関するものである。(従来の技術
) 従来、合成繊維、例えばポリエステル、ポリアミドのフ
ィラメントからなる織物、編物、不織布等の繊維構造物
は、その構成フィラメントの単糸デニールや断面形状が
単調であるために綿、麻等の天然繊維に比較して、風合
、光沢が単調で冷たく、繊維構造物としての品位は低い
ものであった。
近年、これらの欠点を改良するために、繊維横断面の異
形化、巻縮加工、複合繊維等が種々試みられているが、
いまだに十分には目的を達成していないのが現状である
。例えば、特開昭56−165015号、特開昭57−
5921号、特開昭58−98425号、特開昭61−
239010号などに示されているような易溶解性ポリ
マーとポリエステルの複合繊維を形成し、その後、後加
工によりドライタッチでキシミ感のある風合や独得の光
沢を織編物に付与させたり、あるいは特公昭51−72
07号、特開昭58−70711号、特開昭62−13
3118号などに示されているように繊維長さ方向に斑
を付与させて風合を改良させる方法、あるいは特公昭5
3−35633号、特公昭56−16231号などに示
されているように合成繊維をフィブリル化させて風合を
改良させる方法、特公昭45−18072号で提案され
ているごとく仮撚、融着糸を作成し、解機のシャリ感を
付与させる方法、あるいは特開昭63−6123号のよ
うに混繊融着加工糸を作成する方法、あるいは特開昭6
3−6161号のようにフィブリル化させる方法など種
々のものが提案されている。しかしながら合成繊維へ天
然繊維に似た風合を付与させるという点においては十分
と言えず、特に天然麻繊維や天然木綿繊維に似た風合を
付与させるということでは不十分であった。
しかも、最近では、種々の用途に不織布が多く用いられ
るようになり、それと同時に本来の取りあっかい性など
の機能性ともに、やわらかさや感触などの風合に対する
要求も大きくなってきた。
特に最近では、不織布分野でのポリエチレンテレフタレ
ートを代表とするポリエステル繊維の役割が大きくなり
、広く使用されるようになってきた。しかしむがら、生
産効率及び種々の消費性能に対する耐久性等の点ではあ
る程度満足できるレベルにきているが、風合という点で
はまだまだ不十分であり、使用している過程でのある程
度の柔らかい、人間の肌になじみやすい風合というもの
が要求されるようになってきた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、従来のポリエステル繊維やポリアミド繊維に
対して木綿やシルクのような天然viA椎に似たソフト
感を有する風合と単繊維間にランダムな自然な斑を付与
させることを目的として鋭意検討した結果、本発明に到
達したものである。すなわち本発明は、上記繊維を得る
ためにはいかなる物を用い、いかなる構成、条件とした
らよいかという点を究明したものである。
(課題を解決すめための手段) 本発明は、適切な溶融粘度の条件を満たす熱可塑性ポリ
アミド(A)と熱可塑性ポリエステル(B)の2種の重
合体成分からなり、Al11E分とB成分の複合形状が
繊維の長さ方向には実質的に同一形状でありながら単繊
維間でランダムに異なり、該単繊維は、一方の成分が層
状分割層を形成している複合形状のものと、一方の成分
が独立島状成分を形成している複合形状のものと、更に
二成分が偏在化して貼り合せ構造を形成した複合形状の
ものが混在化した状態であり、しかもA成分とB成分の
界面での接触長が一定条件を満たすことを特徴とする複
合繊維である。
本発明で言うポリエステルとしては、例えばテレフター
ル酸、イソフタール酸、ナフタリン2.6−ジカルボン
酸、フタール酸、α、β−(4−カルボキシフェノキシ
)エタン、4.4−ジカルボキシジフェニール、5ナト
リウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸も
しくはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸又はこれらのエステル類と、エチレングリコール、ジ
エチレンゲルコール、1.4ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、l、6−ヘキサンジオール、シクロヘ
キサン1.4−ジメタノール、ポリエチレングリコール
、ポリテトラメチレングリコールなどのジオール化合物
とから合成される繊維形成性ポリエステルであり、構成
単位の80モル%以上が、特には90モル%以上がポリ
エチレンテレフタレト単位又はポリブチレンテレフタレ
ート単位であるポリエステルが好ましい。又、ポリエス
テル中には、少量の添加剤、螢光増白剤、安定剤あるい
は紫外線吸収剤などを含んでいても良い。
またポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、
メタキシレンジアミンナイロン、ナイロン12を主成分
とするポリアミドであり、少量の第3成分を含むポリア
ミドでもよい。これらに少量の添加剤、螢光増白剤、安
定剤等を含んでいても良い。
次に本発明の繊維の特徴を、実際の写真を示しながら説
明する。第1図に本発明繊維の断面写真の一例を示す。
第2図は典型的な断面形状の代表的なもののモデル図を
一例として示した。
第1図に示したものは、A成分としてナイロン6、B成
分としてポリエチレンテレフタレートを用い重量比30
対70で紡糸して得た複合繊維の断面構造を示す。A成
分とB成分の複合形状が単繊維間でランダムに異なり、
A成分が層状分割層を形成している場合もあれば、独立
の島状成分を形成している場合があり、また第2図(イ
)の如く、A成分とB成分が極端に偏在化して貼り合せ
構造に似た複合形状を形成している場合もあり、それら
が混在化した状態でマルチフィラメントを形成している
ことがわかる。この各種の複合形状が混在化しているた
めに、あるものはA成分とB成分の歪差により収縮歪差
を生じ、例えば第2図(イ)の場合潜在捲縮性を有し、
最終繊維製品にした場合他の単繊維と位相の異なる集団
化しないコイルクリンプが発現し嵩高性をもたらし、第
2図(11)の場合は、A成分とB成分との界面で一部
剥離が生じ、最終繊維製品で単繊維表面層よりランダム
にフィブリル状極wi繊維が枝状に発生し、接触した時
に柔らかい感触風合を与えるポイントとなる。
また、第2図(ハ)の形状を形成している繊維の場合は
一方の成分がやや大きい島状独立層を数個有しているた
めに、完全芯鞘繊維には得ることのできない繊維として
の自然な柔らかさをもたらす。
このように、単繊維間の複合形状がランダムに異なり、
しかも、その形状が第2図、(イ)、(0、(ハ)のモ
デル形状で代表されるもので混在化していることが、天
然繊維に似た自然な斑と風合、特に、嵩高さと触った時
の柔わらかさと繊維集合体としての全体の柔らかさを初
めて発現させうろことが可能となった。このような複合
形状を有する繊維を得る方法については、後で詳細に説
明するが、上記説明した複合形状を有する繊維集合体を
つくることに上り、初めて従来にない自然な天然繊維ラ
イクな感触を発現させることが可能となった。
また、繊維断面におけるA成分とB成分の界面での接触
長の平均値Xが、繊維断面の平均周長yに対して下記式
(1)又は(2)に示される関係で表わされることが大
きな特長である。
(a、bはそれぞれAポリマー、Bポリマーの重量パー
セント)単繊維断面の平均周長yと、A成分とB成分の
界面での平均接触長Xの比がt、OX−又は1.0×0
0 布が大きく複合状態が広範囲に分布している繊維の混合
物で存在していることが大きな特徴である。
例えば、A成分と日成分の重量比率がtitの場合、モ
デル的なもので説明すると、第6図(ニ)のような貼り
合せ断面では、x/yが0.3〜0.4<らいであり、
第6図(ネ)のようなA成分と日成分が5層を形成して
いる断面では、x / y h41.08〜1.10く
らいであり、第6図(へ)のようなAlff1分と日成
分が10層を形成している断面ではx/yが1.8〜2
、l<らいである。これに対して本発明繊維は、x/y
が小さいものは0.50のものら存在し、x/yが大き
いものは4.0くらいのものも存在し、二成分の接触界
面が小さいものから大きなものまで非常に広い範囲で種
々の複合形状を有した繊維が混在化していることがわか
った。x / yが小さいものから、大きいものまで広
い範囲で分布していることが、大きな特徴であり、本発
明繊維が自然な斑と天然繊維に似た感触が発現されるた
めの大きな要因となっていると考えられる。
繊維断面におけるAtc分とB成分の接触長の測定は、
単繊維100本をランダムに採取しAとBの繊維長を測
定し、その平均値で示した。具体的な接触長の測定は、
正確に測定するにはコンピューターによる画像解析によ
って求めることができるが、簡便的には、繊維断面写真
を高倍率に拡大し、方眼を乗せて、2成分境界線のその
目の数を読みとることによっても可能であるし、マツプ
メジャーを用い2成分境界線の曲線上を走行ギヤーを回
転走査させろことによっても可能である。本発明で述べ
ている実施例中での数値は、マツプメジャーを用いて測
定した数値で説明している。
次に、本発明のIk維の製造例について説明する。
本発明の複合形状の繊維構造を発現させるためには、紡
糸時にポリアミドとポリエステルの2成分のポリマーが
一定条件で不均一混合され、かつ各ノズル孔へ異なった
状態で不均一混合ポリマー流が分配されることが重要で
あるがそれの紡糸方法の一例を第3図、第4図に示す。
第3図、第4図に示したように複合紡糸口金装置を使用
して紡糸すればよい。別々の溶融押出機によりそれぞれ
押出されたポリアミド(A)及びポリエステル(B)ポ
リマー溶融流は、別々に計11機により所定量計量され
た後、サンドボックスlの濾過部8で濾過された後、フ
ィルター6をそれぞれ経た後、ミキシングプレート2に
設けられた静止混合器5で所定条件下で混合され、分配
板3の分配路7を経て放射線状に分配した後、円周溝9
ヘボリマーが流れ満たされた後口金板lOから紡出され
る。
ここで2成分のポリマーが不均一混合状態とするために
静止型混合器5の混合素子の敗を適切に選ぶことが非常
に重要である。現在実用化されている静止型混合器は数
種類あるが、例えばKenics社の180゛左右にね
じった羽根を90°ずらして配列したnエレメント通過
させろと2’li分割するタイプのスタチックミキサー
を用いた場合は、エレメント数が3〜8の範囲にする必
要がある。口金板が一周孔配列の場合更に好ましくは、
4〜6の範囲が最適である。8工レメント以上にすると
、ポリエステルとポリアミドの混合性が良くなりすぎて
均一混合に近くなり、繊維化して目的とする繊維構造が
発現しにくくなる。
またエレメント数が多くなりすぎると、ポリエステルと
ナイロンが均一混合しすぎて、溶融混合時にポリエステ
ルのエステル結合とポリアミドのアミド基との間で化学
反応が一部進み、分解物が急激に発生してき、紡糸性が
極端に低下してくることがわかった。また、繊維の着色
も発生し、商品価値が著しく低下する。
適切なエレメント数に設定しても、白成分ポリマーが接
触を開始してから、ノズル孔より吐出するもので滞留時
間が長ずざると、ポリエステルとポリアミドの反応が進
みやすく紡糸時の粘度低下繊維の着色が進み好ましくな
い。白成分ポリマーが接触を開始してから、5分以内に
吐出することが好ましく、更に好ましくは3分以内に吐
出することが好ましい。滞留時間を少なくするために、
分配板3のポリマー流路は適切な空間にする必要がある
本発明の繊維を得るためにもう一つの重要なことは、分
配板3の構造が非常に重要である。第3図x−x’面か
ら見た分配板の詳細図面が第4図であるが、この分配板
で重要なことは、静止混合器を経て2成分ポリマーが多
層状態で流出してきた不均一混合流を放射線状の分配路
の数だけ分割して放射線状に不均一混合流を分割するこ
とである。この分配路の数はノズル孔数より少なくする
ことが必要である。好ましくは、分配路の数とノズル孔
数の比率はl:L、5〜L:5の範囲にする必要がある
。第4図の例は、24ホールノズルに対して12の分配
路を設定した例である。
静止混合器から分配路を経てノズル孔より吐出される時
の2成分ポリマーの不均一混合状態の流れをモデル的に
更に詳しく説明すると、例えば4エレメントの静止混合
器を経た2成分のポリマー流は第5図に示す如く、A成
分8層、B成分8層のトータル16層の層状ポリマー流
となり、該ポリマー流を例えば第4図の如き12分配路
を有する分配板を通過させると各分配路へは(1)〜(
12)のポリマー流の状態で分配され、(1)、(12
)、(6)、(7)ブロックは層数が極端に少なく、(
3)、(4)、(lO)、(9)は層数が一番多い状態
で、(2)、(5)、(8)、(11)は中間の状態で
ノズル上部円周溝へ至る。その後浴ブロックへ、ノズル
孔が2個以上配置されている場合ブロックの境界に存在
するノズル孔へは両方のブロックからポリマー流が流れ
こみ、(1)、(12)、(6)、(7)と(3)、(
4)、(9)、(IQ)との混合状態の差が更に拡大さ
れて吐出されるために、結果として、第2図(イ)、(
0、(ハ)の単繊維間で複雑に異なった複合形状が混在
化した繊維が得られるわけである。
(1)、(6)、(7)、(12)ブロックからは主に
(イ)hるいは(0に類似の複合形状を形成した繊維が
発現し、(3)、(4)、(9)、(10)ブロックか
らは主に(ハ)を中心とした複合形状を有した繊維が発
現し、(2)、(5)、(8)、(lO)ブロックから
は主に(0を中心とした複合形状のものと(イ)又は(
ハ)に似た複合形状のものが若干混在化した繊維が得ら
れることになる。
しかしながら、ポリマー流の時間方向の流れは同じ混合
状態で定常的に流れるため、繊維の長さ方向には、実質
的に同一形状の複合形状を保っている。
ケニツクス社以外の静止型混合器を用いる場合も、2″
層分割以上に相当するエレメトン数に設定した混合器を
使用する必要があることは言うまでもない。東し社製ハ
イミキサー(Hi−旧にer)やチャールス・アンド・
ロス(Charless& Ross)社製のロスIS
Gミキサーなどは、nエレメント通過すする時の層分割
数は4fi層分割であるので、エレメント数2工レメン
ト以上、4エレメント以下にすることが好ましい。
ポリアミドとポリエステルの複合比率は15対85〜8
5対15の範囲にする必要がある。どちらか一方の成分
が15重量%未満になると、比率の少ない成分の集合状
態が小さくなり、目的の複合形状に近くなったとしても
あまり特徴が発現されない繊維となってしまい好ましく
ない。A対Bh415対85〜85対15の範囲で、目
的とする風合及び工程性及び糸物性等で総合的に判断し
、最適の混合比率を選択することが望ましい。
また、目的とする複合形状を形成させるためには、ポリ
マーの溶融粘度も適切な範囲に入るものを用いる必要が
ある。すなわち、ポリアミドとポリエステルのそれぞれ
が290℃に於けるゼロ剪断応力下の溶融粘度が500
から7000ポイズであり、ポリアミドの溶融粘度ηい
とポリエステルの溶融粘度η、がηえくη♂の場合ηb
≦IO×η、又はηBくη4の場合、η、≦ioxηB
の範囲に入る必要がある。
ηいとη、がηいくηbの場合、η・はηいの10倍以
上、η3くηいの場合η、はη、の10倍以上になると
複合紡糸時のηいとη、の溶融粘度差が大きくなりすぎ
バランスがくずれ易くなり、紡糸時の斜向、ビス等に起
因する単糸切れ、断糸が多くなり好ましくないと同時に
、目的とする複合形状が得られにくくなる。特にモデル
断面図第2図(III)で示したような層状分割形状が
形成されにくくなり、比率が少ないポリマーが島状を形
成しやすくなり好ましくない。また、A、Bともに50
0ボイズ以下になると紡糸性が極端に低下し好ましくな
い。逆にASBともに5000ポイズ以上になっても紡
糸時の圧損等が大きくなりすぎたりして、AとBポリマ
ーの混合流が不安定になり好ましくない。
ここで述べているゼロ剪断応力下での溶融粘度η(ボイ
ズ)の測定は、東洋精器(株)キャビログラフを用いて
行なった。290℃に加熱されたセル中のポリマーに対
してずり速度を変化させた時のずり応力を求め、これに
より見かけの溶融粘度を求め、すり速度と見かけの溶融
粘度の関係からゼロ剪断応力下の溶融粘度を外挿した。
ゼロ剪断応力下での溶融粘度の外挿法としては種々の方
法があるが、ここでは見かけの溶融粘度(η、)の逆数
(1/η、)とずり速度(す、)の関係をグラフにプロ
ットし、得られた直線関係からす、−〇の所のt/η、
値と1/ηと仮定してゼロ剪断応力下のηを値出した。
また測定操作上の容易さから、ポリマーはベレット状の
ものを測定サンプルに用いた関係上、繊維化時の実際紡
糸時の溶融粘度は、繊維化後の該繊維の[η]を測定し
、同じ[η]のポリマーペレットによるη測定データー
を参考に判断した。
本発明で得られる繊維は、長繊維でも短繊維で同じ効果
が期待できることは言うまでもない。
またさらに本発明で得られる繊維は、仮撚捲縮加工等の
高次加工により、5角、6角に類似した形状になったり
、紡糸時の異形断面ノズルにより3葉形、T形、4葉形
、6葉形、8葉形等多葉形や各種の断面形状となっても
要は、今迄説明してきた要件を満たした繊維であれば、
本発明の良好な風合を保持した繊維構造物を得ることが
できる。
本発明で得られた繊維の主な用途としては、短繊維では
、衣料用ステーブル、乾式不織布及び湿式不織布等があ
る。もちろん本発明′a維を100%用いても良いし、
本発明繊維を一部用いて、池の繊維へ混綿し不織布等を
作成しても本発明繊維の効果が得られる。しかしながら
、ある程度の比率以上本発明ta維を混合させなければ
本発明で述べている効果が十分に得られないことは言う
までもないことである。また、本発明I&維は長繊維で
も良好な風合のものが得られ、織物又は編物にして外衣
等には最適である。
以上、本発明を実施例により説明するが、これに限定さ
れるものではない。尚、実施例中の不織布の柔らかさに
ついては、次に述べるJISL1085−5−7剛軟度
A法45°カンチレバー法によった。即ち、2cax 
15csの試験片を、たて、よこ方向にそれぞれ5枚採
取し、カンチレバ形試験装置で一端が45°の斜面をも
つ表面に滑らかな水平台の上に、短辺をスケールの基線
に合わせて置いたのち、試験片を斜面の方向にゆるやか
に滑らせて、試験片の一端の中央が斜面と接したとき、
試験片の他端の位置をスケールによって読む。剛軟度は
試験片の押し出された長さ(1m)で示され、おのおの
5枚の表裏をはかり、たて、よ二方向それぞれの平均値
で表す。
測定サンプルの作成は、測定試料2デニール51−の原
綿と、(株)クラレ製熱融着繊維ソフットN−710タ
イプ2デニ一ル51m5の原綿を80対20の比率で混
綿し目付30g/m”のウェッブを作成し、その後15
0℃で熱風処理をして不織布を作成し測定した。通常の
ポリエチレンテレフタレート繊維の場合はカンチレバー
値120問位であった。カンチレバー値が小さい程、柔
らかい不織布と判断できる。
また、不織のふくらみ性については、次に述べるJ I
 S  L  1085−5−1法による厚さ測定法に
よった。
即ち、試料の異なる5箇所について、厚さ測定機を用い
て20gf/ca”の圧力のもとて一定時間(10秒)
放置して厚さ(IIIl1)をはかり、その平均値で表
す。上記で述べた方法により不織布を作成し、測定した
が、通常のポリエチレンテレフタレート繊維の場合は厚
さ0.15mm <らいであった。厚さが深い程ふくら
みの大きい、本発明の目的に合った不織布であると言え
る。
[実施例1] Aポリマーとしてナイロン6(宇部興産(社)製−1o
13B K ’)を用い、Bポリマーとして固有粘度[
η1G、6gフェノール/テトラクロルエタンt:t。
30℃での測定のポリエチレンテレフタレートを用いた
。それぞれを別々の押出機にて溶融押出し、A対Bの比
率が50対50重量%となるようにそれぞれギアポンプ
で計量した後、紡糸バックへ供給し、その後第3図に示
した装置により紡糸パック内でケニツクス社製の4エレ
メントスタチツクミキサーでA成分と日成分の層状分割
ポリマー流を形成させ、分割路を121[1有する分配
板を通過させた後、24ホールの丸孔ノズルより口金温
度290℃で吐出し、捲取速度1000m/sinで溶
融紡糸した。得られた紡糸原糸を75℃の水浴で3.5
倍延伸し、ついで95℃の水浴で5%の収縮をへれたの
ち、機械捲縮をかけ、ついで一般的な糊剤を0.1vt
%になるように付与し、130℃で10分間弛緩熱処理
し、その後51m5の長さに切断して単糸デニール2の
原綿とした。その後、(株)クラレ製ソフィットN −
710タイプのバインダー繊維(鞘成分がポリエチレン
、芯成分がポリエチレンテレフタレートの熱融着繊11
)2デニールX 51mmの綿を20%混綿した後、目
付30g/s”のウェッブを作成し、その後、150℃
で熱風処理をして不織布を作成した。紡糸から最終の不
織布作成まで工程性は良好で問題なかった。
不織布の風合は、自然な柔らかさとタッチがあり良好で
あった。
[実施例2〜7つ 実施例1と同一のポリマーを用い、実施例2は複合比率
がA/Bが50/ 50、実施例3はA/B15/ i
!15で行ない、他は実施例1と同一条件で実施した。
実施例4.5はそれぞれスタチックミキサーエレメント
数を3と7に変更し、他は実施例1と同一条件で実施し
た。実施例6は分配板の分配数を8にし24ホールの一
部ノズルで行ない、実施例7は分配板の分配数を8にし
36ホールの一部ノズルで行ない、他は実施例1は同一
の条件で実施した。いずれら工程性良好でかつ良好な不
織布が得られた。
[実施例8.9] 実施例8はAポリマーとしてナイロン6の溶融粘度が8
00ボイズのものを用い、Bポリマーとしてポリエチレ
ンテレフタレートの溶融粘度1500ボイズのものを用
い池は実施例1と同一方法で行ない、実施例9はAポリ
マーとしてナイロン6の溶融粘度11000ボイズのも
のを用い、Bポリマーとしてポリエチレンテレフタレー
トの溶融粘度1000ボイズのものを用い他は実施例1
と同一の方法で行なった。いずれも工程性良好でかつ良
好な不織布が得られた。
[実施例1O1!lコ 実施例1Oは、Aポリマーにナイロン6溶融粘度110
0ボイズのもの、Bポリマーにポリブチ、レンテレフタ
レート溶融粘度toooボイズのものを用い、実施例1
1は、Aポリマーにナイロン12溶融粘度800ボイズ
のもの、Bポリマーにポリエチレンテレフタレート溶融
粘度1800ポイズのものを用い、他は実施例1と同一
の方法により実施した。いずれも工程性良好でかつ良好
な不織布が得られた。
[比較例1.2] 実施例1と同一のポリマーを用い、比較例1はA/Hの
複合比率を10/ 9Gとし、比較例2はA/Bの複合
比率を90/ toとし他は実施例1と同一の条件で実
施したが、いずれも紡糸時にノズル吐出時に斜向、ビス
落ちが多く紡糸性が不良であった。
得られた繊維の複合形状は、海島構造に近いもので平凡
な複合形状であった。また、得られた不織布ら特徴のな
いものであった。
[比較例3] 実施例1と同じポリマーを用い、スタチックミキサーエ
レメントを2で実施した。紡糸性及び後工程性は良好で
あったが、複合形状が本発明の目的とする単繊維間でラ
ンダムに異なり、一方の成分が独立島状成分を形成して
いるものと、層状分割層を形成しているものと、二成分
が偏在化した貼り合せ構造をしているものの繊維が混在
化した状態でランダムに形成されろ状態には十分になっ
ていなかった。また、得られた不織布も、あまり特徴の
ないものであった。
[比較例4] 実施例1と同じポリマーを用い、スタチックミキサーエ
レメントを12で実施した。繊維化工程性は良好であっ
たが、複合形状は海島構造に近いものが大部分であった
。また得られた繊維は、ポリエステルとナイロンが一部
反応を起こしている二とに起因していると考えられる黄
褐色の着色が発生し、繊維製品としては好ましいもので
はなかった。
[比較例5] Aポリマーとして、溶融粘度400ボイズのナイロン6
を用いて実施したが、紡糸時の斜向、ビス落ち及びノズ
ル汚れが激しく、紡糸性が著しく悪かった。
[比較例6コ Aポリマーとして、溶融粘度1100ボイズのナイロン
6を用いBポリマーとして溶融粘度12.Gooボイズ
のポリエチレンテレフタレートを用いて実施した。紡糸
時の斜向、ビス落ち等が激しく、紡糸性が著しく悪かっ
た。
[比較例7コ 実施例1と同様のポリマーを用いサイドバイサイドの貼
り合せ構造の複合紡糸を実施したが、延伸後、捲縮工程
でA成分とB成分の界面の剥離が発生し、その後のカー
ド工程性が極端に不良となり不織布作成ができなかった
[比較例8] 実施例1と同様のポリマーを用い、AポリマーとBポリ
マーの比率が5Q:50で、鞘成分にナイロン6、芯成
分にポリエチレンテレフタレートの芯鞘複合形状の繊維
化を実施した。通常の方法で2デニ一ル51ml11の
原綿を作成し、その後実施例1と同様の方法により不織
布を作成した。柔らかさはまずまずの評価が得られたが
、ふくらみが不十分のレベルであった。
[実施例12コ Aポリマーとしてナイロン6(宇部興産(社)製品−I
Q13B K )を用い、Bポリマーとして固有粘度[
η]0.68フェノール/テトラクロルエタンl:11
30℃での測定のポリエチレンテレフタレートを用いた
。それぞれを別々の押出機にて溶融押出し、A対Bの比
率が50対50重量%となるようにそれぞれギアポンプ
で計量した後、紡糸パックへ供給し、その後第3図に示
した装置により紡糸パック内でケニツク社製の4エレメ
ントスタチツクミキサーでAItc分とB成分層状分割
ポリマー流を形成させ、分配路を12個有する分配板を
通過させた後、24ホールの丸孔ノズルより口金温度2
90℃で吐出し、捲縮速度1000a/sinで溶融紡
糸した。得られた紡糸原糸をホットローラー75℃、プ
レート温度120℃でローラープレート方法により3.
2倍に延伸し、50デニール−24フイラメントのマル
チフィラメントを得た。紡糸性、延伸性は良好で全く問
題なかった。得られたマルチフィラメントを経糸及び緯
糸として使いl/1の平織物を製織した。
製織工程も特に問題な〈実施できた。該生機平織物を通
常の方法により処理した後、以下の条件で染色した。そ
の後常法により乾燥仕上げセットした。
得られた平織物は、ソフト感と嵩高性を有した良好な風
合を有する織物であった。
以上各実施例および比較例の条件並びに結果をまとめて
第1表に示す。       、よ千余白(本発明の効
果) 以上、本発明は、特定条件を満たすポリアミドとポリエ
ステルの2種のポリマーを、所定の条件を満足する方法
で複合紡糸し、複合形状が繊維の長さ方向には実質的に
同一形状でありながら、単繊維間でランダムに異なる特
殊複合繊維を得、天然繊維に似た自然な斑と柔らかいソ
フト風合を有する新規な複合フィラメント及び複合ステ
ープルをtli@することにある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明繊維の断面構造を示す写真の一例であ
る。第2図は、本発明繊維の典型的な複合形状の一例の
モデル的スケッチ図である。第3図は本発明繊維の紡糸
口金装置の一例を示す断面図で、第4図紡糸口金装置の
一例の分配板をX−X′面から見た図である。第5図は
分配板へ至った2威分ポリマー複合流が放射状に分配さ
れていく時の各ブロックのポリマー複合流をモデル的に
示したものである。第6図は複合繊維の一般的なものの
一例として示したものである。 図面の浄書 第  1  図 (イ) (ニ) (ロ) (ホ) (ハ) (へ) 平成 l午12月14日 2、発明の名称 複合繊維及びその製造方法 3、補正をする者 事件との関係 倉敷市酒津 (108)株式会社 代表取締役

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)熱可塑性ポリアミド(A)と熱可塑性ポリエステル
    (B)からなる複合繊維であり、AポリマーとBポリマ
    ーの重量比率が15:85〜85:15の範囲で、しか
    もA成分とB成分の複合形状が繊維の長さ方向には実質
    的に同一形状でありながら単繊維間でランダムに異なり
    、該単繊維は、一方の成分が層状分割層を形成している
    複合形状のものと、一方の成分が独立島状成分を形成し
    ている複合形状のものと、更に、二成分が偏在化して貼
    り合せ構造を形成した複合形状のものが混在化した状態
    であり、かつ単繊維の繊維断面におけるA成分とB成分
    の界面での接触長の平均値xが繊維断面の平均の周長y
    に対して下記式(1)又は(2)に示される関係で表わ
    されることを特徴とする複合繊維。 1.0×a/100≦x/y≦10.0×a/100但
    しa≦bの時……(1)1.0×b/100≦x/y≦
    10.0×b/100但しb≦aの時……(2)a,b
    はそれぞれAポリマー、Bポリマーの重量パーセント2
    )熱可塑性ポリアミド(A)と熱可塑性ポリエステル(
    B)のそれぞれが290℃に於けるゼロ剪断応力下の溶
    融粘度が500ポイズから7000ポイズの範囲にあり
    、しかもAポリマーの溶融粘度η_AとBポリマーの溶
    融粘度η_Bが下記式(3)又は(4)を満足する該A
    ポリマーとBポリマーを別々に溶融押出し、 η_A≦10×η_B但しη_A>η_Bの時……(3
    )η_B≦10×η_A但しη_B>η_Aの時……(
    4)次いでこれら両ポリマーが接触を開始してから5分
    以内に、A:Bの重量比率が15:85〜85:15の
    範囲で、紡糸直前で3〜8個のエレメントを有するスタ
    チツクミキサーを通して層状複合形態となし、しかる後
    、該層状ポリマー流を放射線状にノズル孔数より少ない
    分割数で分割分配しなおし、その後多孔紡糸ノズルより
    紡糸することを特徴とする複合繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008180434A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 熱貯蔵器
CN104769172A (zh) * 2012-11-08 2015-07-08 3M创新有限公司 非织造织物和可拉伸层合物

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JP2008180434A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 熱貯蔵器
CN104769172A (zh) * 2012-11-08 2015-07-08 3M创新有限公司 非织造织物和可拉伸层合物

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