JPH0366402B2 - - Google Patents

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JPH0366402B2
JPH0366402B2 JP59235027A JP23502784A JPH0366402B2 JP H0366402 B2 JPH0366402 B2 JP H0366402B2 JP 59235027 A JP59235027 A JP 59235027A JP 23502784 A JP23502784 A JP 23502784A JP H0366402 B2 JPH0366402 B2 JP H0366402B2
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Tadayoshi Okamura
Juichi Aso
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は改良された塩化ビニリデン系樹脂延伸
糸に関し、さらに詳しくいえば、透明性に優れ、
無臭性でベタツキ感がなくてさらつとした風合を
有し、かつ糸条同士がバラケやすく、その上外観
品質、加工適性などの改良された塩化ビニリデン
系樹脂延伸糸に関するものである。 従来の技術 従来、塩化ビニリデン系樹脂延伸糸は耐薬品性
に優れかつ難燃性であることから、これをカール
加工して人形頭髪用に、あるいは織成、編成加工
してインソール、サマーベツド用ベルト、ろ過
布、漁網などの用途に広く用いられている。 この塩化ビニリデン系樹脂延伸糸は、周知のよ
うに可塑剤、安定剤を含む塩化ビニリデン系共重
合体組成物を溶融押出成形し、急冷後、3〜5倍
に延伸することによつて得られている。該可塑剤
としては、通常ジブチルセバケート、アセチルト
リブチルシトレート、ジオクチルアジペートなど
が用いられている。 しかしながら、これらの可塑剤を添加して得ら
れた塩化ビニリデン系樹脂延伸糸においては、長
期関保存中に添加した可塑剤が糸表面に浸出して
糸にベタツキが生じるなどの問題がある。 このように糸のベタツキが著しいと、例えばこ
の延伸糸を織成、編成加工を要するインソール、
サマーベツド用ベルトなどに用いる場合、織り
傷、織り斑、編み斑などの欠陥を生じ、またベタ
ツキ感などにより著しく商品価値を損なうなどの
欠点を伴う。 一方、人形頭髪用分野においても、このような
糸のベタツキは致命的な欠陥を与える。例えば人
形頭髪用に用いられるカール糸は、添付図面に示
されるようなカールヤーン形成装置(特公昭48−
40584号公報)を用い、カール加工し、次いで熱
固定して作成されており、糸のベタツキが著しい
と、このカール糸の形成過程において種々の問題
を生じる。 例えば、図はカールヤーン形成装置の1例を示
す概略図であり、その形成装置を用いて、塩化ビ
ニリデン系樹脂延伸糸からカール糸を製造する場
合において、加熱装置5における熱固定のための
雰囲気温度は糸条の走行速度にもよるが、通常
170〜200℃の範囲の高温度であるため、用いられ
る塩化ビニリデン系樹脂延伸糸のベタツキが著し
いと、カール形成具3に連結された糸送り出し芯
棒4上で、カール形成後加熱されたコイル状糸束
の糸もつれなどが生じてカール加工性が著しく低
下する。また、得られたカール糸を人形頭に植毛
したときに、糸のベタツキによる粘着性のため
に、1本1本の糸条が集束して人形頭の被覆性が
著しく低下するとともに、油ぎつた感じになり外
観品質が大きく損なわれる。このような欠点を改
良するため、可塑剤の添加量を減少させることが
考えられるが、この場合、塩化ビニリデン系樹脂
組成物の溶融紡糸性が困難になるという問題があ
る。 したがつて、このような問題点を解決するため
に、種々の研究がなされ、例えば、これまで糸の
ベタツキ感及び溶融紡糸性の双方の満足する塩化
ビニリデン系共重合体組成物(特公昭44−16218
号公報)や塩化ビニリデン系樹脂延伸糸(特公昭
57−23005号公報)が提案されている。しかしな
がら、前者においてはフタル酸ジアルキルエステ
ルの衛生問題やジ(α−フエニルエチル)エーテ
ルの臭気の問題がある。また後者においては、透
明性が低下するため、光沢のある透明な糸や鮮明
な着色糸が要求される用途においては不向きであ
り、さらには、溶融紡糸工程において、ポリスチ
レン系樹脂の分散不良が生じ、その結果スラブ及
び糸切れが発生して、高度化した現状の品質水準
を満たせないなどの問題がある。 このように、従来の塩化ビニリデン系樹脂延伸
糸においては、ベタツキ感、透明性、無臭性、外
観品質、加工適性及び製造時における溶融紡糸性
などすべてを満足しうるものは見出されていない
のが実状である。 発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、このような事情に鑑み、ベタ
ツキ感がなく、透明性に優れ、かつ無臭性で、そ
の上カール加工において、糸もつれ発生回数、カ
ール径の均一性、カール弾性回復率などが良好で
あり、さらに織成や編成に際しても織り傷、織り
斑、編み斑などの問題がないなど、加工適性にも
優れ、しかも製造時における溶融紡糸性の良好な
塩化ビニリデン系樹脂延伸糸を提供することにあ
る。 問題点を解決するための手段 本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の可
塑剤及び熱安定剤を所定量含有した塩化ビニリデ
ン系樹脂延伸糸であつて、その融解ピーク温度が
特定の範囲にあるものが、前記の目的に適合しう
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至つた。 すなわち、本発明は、塩化ビニリデン系共重合
体に可塑剤及び熱安定剤を含有させて成る樹脂組
成物を溶融押出成形し、次いでこれを延伸して得
られた塩化ビニリデン系樹脂延伸糸において、(イ)
該可塑剤がジイソブチルアジペート及びジブチル
アジペートの中から選ばれた少なくとも1種であ
り、かつ該熱安定剤がエポキシ系安定剤であつ
て、該可塑剤及び熱安定剤の含有量が延伸糸の重
量に基づき、それぞれ2〜5重量%及び1〜2重
量%の範囲にあり、さらにこれらの合計含有量が
延伸糸の重量に基づき、4〜6重量%の範囲にあ
ること、及び(ロ)該延伸糸を構成する樹脂の融解ピ
ーク温度が差動走差熱量計で測定して163〜172℃
の範囲にあることを特徴とする塩化ビニリデン系
樹脂延伸糸を提供するものである。 本発明においては、可塑剤としてジイソビチル
アジペート又はジブチルアジペート若しくはその
両方を、熱安定剤としてエポキシ系安定剤をそれ
ぞれ組み合わせて用いることが必要である。本発
明に用いられるエポキシ系安定剤としては、例え
ばエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ジ
(2−エチルヘキシル)4,5−エポキシシクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボキシレートなどが好
適である。前記以外の可塑剤、例えばジブチルセ
バケート、アセチルトリブチルシトレート、ジオ
クチルアジペートなどを用い、また前記以外の熱
安定剤、例えばエポキシ化ステアリン酸オクチ
ル、ジオクチルマレートなどを用いた場合、これ
ら添加剤の糸表面への浸出が生じてベタツキが著
しく、かつ臭気が生じ、また添加量を減らすと可
紡性が低下するなど、このように、可紡性、ベタ
ツキ性、臭のいずれかに欠点を生じて、すべてを
満足しうる延伸糸は得られない。 さらに、熱安定剤として無機系のテトラソジウ
ムピロフオスフエートを使用した場合、溶融紡糸
時の熱安定性効果に劣り、可紡性が悪く、かつ透
明性も著しく低下する。一方、特公昭44−16218
号公報に示されるようなジブチルスズマレート、
ジ(α−フエニルエチル)エーテルを用いた場
合、ベタツキ感や臭などに問題があり、またポリ
スチレン系樹脂の添加は、ベタツキ性を改善しう
るものの、透明性及び可紡性が著しく低下する。 本発明においては、前記可塑剤の含有量は延伸
糸の重量に基づき2〜5重量%の範囲で選ばれ
る。この含有量が2重量%未満では可紡性が低下
して、経済的に安定した溶融紡糸ができず、また
5重量%を超えると、可塑剤の糸表面への浸出量
が多くなつてベタツキが著しくなる。 一方、エポキシ系安定剤の含有量は、延伸糸の
重量に基づき1〜2重量%の範囲で選ばれる。こ
の含有量が1重量%未満では可紡性が低下して経
済的に安定した溶融紡糸ができず、また2重量%
を超えると、ベタツキ感や臭気に問題が生じる。 さらに、前記可塑剤及び熱安定剤の合計含有量
は、延伸糸の重量に基づき4〜6重量%の範囲に
あることが必要である。この合計量が4重量%未
満では可紡性が著しく低下し、また6重量%を超
えるとベタツキが著しくなる。 本発明の延伸糸においては、差動走差熱量計で
測定した延伸糸の融解ピーク温度が163〜172℃の
範囲にあることが必要である。融解ピーク温度が
この範囲を逸脱すると、カール加工時の糸もつれ
発生回数、カール径の均一性、カールの弾性回復
率のいずれかに問題が生じる。これらの作用機構
については明確ではないが、おそらく延伸糸にお
いて、糸表面の可塑剤、樹脂の硬さ、分子の配向
性、結晶性、熱収縮性などが総合して複雑に作用
するものと推定される。 本発明において用いる塩化ビニリデン系共重合
体は、塩化ビニリデン単量体成分75〜95重量%
と、塩化ビニル、酢酸ビニルなどの塩化ビニリデ
ンと共重合可能な他の単量体成分25〜5重量%と
を共重合させたものが好ましく、また必要に応じ
て炭酸カルシウム、クレイ、二酸化ケイ素、タル
クなどの無機充てん剤、顔料、滑剤などを添加し
たものも用いることができる。 さらに、本発明においては、前記の可塑剤及び
熱安定剤に加えて、必要に応じ目的の性能を損な
わない範囲で、他の可塑剤、例えばアセチルトリ
ブチルシトレート、ジブチルセバケートなどを、
また他の熱安定剤、例えばエポキシ化ステアリン
酸オクチル、ジオクチルマレートなどを添加する
ことができる。 なお、本発明でいう延伸糸を構成する樹脂の融
解ピーク温度とは、延伸糸を約1mm程度の長さに
細断し、これを秤量して約20mgの試料を作成し、
この試料について、差動走差熱量計を用いて通常
の操作方法により、10℃/分の昇温速度の吸熱量
を測定し、このときの吸熱ピーク時の温度をい
う。 本発明の延伸糸は、まず塩化ビニリデン系共重
合体に、ジイソブチルアジペート及びジブチルア
ジペートの中から選ばれた少なくとも1種の可塑
剤及びエポキシ系安定剤を所定量含有させて樹脂
組成物を調製し、この組成物を通常の塩化ビニリ
デン系共重合体用スクリユー式押出機に供給し、
溶融押出成形して糸条物となし、次いでこのもの
を過冷却したのち、2〜10倍程度に延伸すること
により得られる。 発明の効果 本発明の塩化ビリニデン系樹脂延伸糸は、透明
性及び光沢に優れ、無臭性でかつ従来の塩化ビニ
リデン系樹脂延伸糸では得られなかつたベタツキ
感が大幅に改善されて、さらつとした風合を有
し、さらに糸条同志がバラケ易く、外観品質に優
れたものである。そのカール加工において、糸も
つれ発生回数、カール径の均一性、カール弾性回
復率などが良好であり、また織成や編成に際して
も織り傷、織り斑、編み斑などの問題がないな
ど、極めて加工適性にも優れている。 本発明の塩化ビニリデン系樹脂延伸糸はこのよ
うな特徴を有しているので、特に人形頭髪用に有
用であり、その他インソールやサマーベツド用ベ
ルトなど糸のベタツキを嫌う用途にも有用であ
る。 また、不透明性、艶消しが要求される分野にお
いては、所要量の艶消し剤を添加し、透明の度合
を調整して提供することもできる。 実施例 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 なお、可紡性及び延伸糸の各物性は次のように
して測定し、評価した。 (1) 可紡性 通常の塩化ビニリデン系共重合体用スクリユ
ー式押出機を用い、押出量20Kg/hrで単糸60デ
ニール10本構成(600D/10F)のマルチフイラ
メントを連続長時間溶融紡糸を行い、分解物な
どが流出又は糸切れが多発して生産不能になる
までの安定的な時間をもつて評価した。 評価基準 分解又は糸切れ多発までの時間 A:6時間以上 B:4時間以上6時間未満 C:4時間未満 なお、この評価は、延伸糸の安定供給性を示
す1つの指標であり、Aは経済的な生産を続け
るための最低限度である。 (2) ベタツキ性 糸量約20g、長さ約200mmの房状試料を作成
し、この試料を50℃の恒温槽中に3日間保管し
たのち、とり出し、手触りによるベタツキの程
度を20人のモニターで評価した。 評価基準 A:ベタツキなくさらつとしている B:少しベタツク C:ベタベタする なお、この評価は、延伸糸の表面の可塑剤及
び熱安定剤の浸出量を示す1つの指標である。 (3) 臭 糸量約20g、長さ約200mmの房状試料を作成
し、この試料を50℃の恒温槽中に3日間保管し
たのち、とり出した直後の房状試料の臭気を20
人のモニターで官能感知して評価した。 評価基準 A:全く臭が感じられない B:やや臭が感じられる C:異臭が感じられる (4) 樹脂本来の色調での延伸糸の透明性を20人の
モニター評価した。 評価基準 A:澄んでいる B:やや濁つている C:濁りが著しい (5) 延伸糸のカール加工性 添付図面に示したカールヤーン形成装置を用
いて、回転体2の回転速度は4000rpm、加熱装
置5の雰囲気温度は170〜180℃の範囲でそれぞ
れの試料のカール加工の最適温度条件を選んで
設定した。このカール糸の製造条件において
600D/10Fのマルチフイラメントの3Kg捲/ボ
ビン製品を2本取りしてカール径13mmの袋詰め
されたカール糸30Kgを連続的に製造した。この
際のカール加工時の糸もつれ発生回数及び得ら
れたカール糸のカール径の均一性、カールの弾
性回復率について下記方法で評価した。 (a) カール加工時の糸もつれ発生回数 この評価はカール加工時の作業能率を示す
もので、カール糸製造時において、添付図面
の芯棒4上における、カール形成後加熱され
たコイル状糸束の糸もつれ発生回数(回/
本)をもつて評価した。 評価基準 A:0.5回未満 B:0.5回以上1回未満 C:1回以上 (b) カール径の均一性 この評価は、カール糸のカール径のできば
えを示すもので、前記で製造されたカール糸
を20℃の恒温槽に2日間保管したのち、ラン
ダムに50個のリング状試料を採取し、この試
料のカール径をノギスで測定して標準偏差値
を算出し、次のような基準で評価した。 ただし、σ:標準偏差値 x:個々の測定値 :個々の測定値の算術平均値 N:試料数 評価基準 A:標準偏差値 0.55未満 B: 〃 0.55以上0.85未満 C: 〃 0.85以上 (c) カールの弾性回復率 この評価はカール糸のカールの持続性を示
すものである。 前記で製造されたカール糸を20℃の恒温槽
に2日間保管したのち、JIS−L−1015
7.12.2及び7.12.3に準じてカールの弾性回復
率を測定及び評価した。 カールの弾性回復率(%)=b−c/b−a×100 ただし、 a:初荷重(W0g)をかけたときの長さ(mm) b:全荷重(W1g)をかけたときの長さ(mm) c:全荷重を除き2分間放置後、初荷重をかけ
たときの長さ(mm) なお、a、W0、W1の値はそれぞれ300mm、糸
の自重、60gに設定した。 評価基準 A:カールの弾性回復率 80%以上 B: 〃 75%以上80%未満 C: 〃 75%未満 また、実験に供した塩化ビニリデン系共重合体
については、通常の重合方法により、塩化ビニリ
デンモノマー80〜85重量%及び塩化ビニルモノマ
ー20〜15重量%の範囲で反応容器に仕込み、重合
温度40〜70℃、重合率85〜90%の範囲で共重合さ
せて、6種類の共重合体を製造し、これらを基材
樹脂として用いた。 さらに、延伸糸の可塑剤及び熱安定剤の含有量
は、加工工程におけるこれらの揮散、変質などの
ために、押出加工前の樹脂組成物中の含有量に比
べて若干低くなるので、予備実験によつて減量分
を把握しておき、この分を補正して塩化ビニリデ
ン共重合体に可塑剤及び熱安定剤を添加し、目的
の組成を有する延伸糸を作成した。 実施例1、比較例1 塩化ビニリデン系共重合体の基材樹脂Cに、得
られる延伸糸の添加剤組成が第1表に示すような
割合になるように、可塑剤、熱安定剤、ポリスチ
レン系樹脂(商品名スタイロン679タイプ、旭化
成社製)の粉末を添加して樹脂組成物を調製し、
この組成物を通常の塩化ビニリデン系共重合体用
スクリユー式押出機に供給し、溶融押出成形して
糸状物となし、次いで過冷却後約4倍に延伸して
単糸60デニール10本構成(600D/10F)の延伸糸
を得た。 前記延伸糸製造時における可紡性及び得られた
延伸糸の各物性を評価した。その結果を延伸糸の
添加材組成とともに第1表に示す。 なお、延伸糸中の可塑剤及び安定剤の含有量は
ガスクロマトグラフ又は高速液体クロマトグラフ
分析により求めた。ただし、テトラソジウムピロ
フオスフエート及びポリエチレン樹脂の含有量に
ついては、樹脂組成物中の含有量で示した。 この表から、可塑剤としてDIBA又はDBAを、
エポキシ系安定剤としてエポキシ化大豆油、エポ
キシ化アマニ油、ジ(2−エチルヘキシル)−4,
5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボ
キシレートを用いる組合せ以外のもの及びこのよ
うな組合せであつてもポリスチレン系樹脂を添加
したものは、可紡性、ベタツキ性、臭、透明性の
いずれかに欠点があり、これに対し本発明のもの
は、可紡性、ベタツキ性、臭、透明性のいずれも
優れていることが分る。
【表】
【表】 実施例2、比較例2 塩化ビニリデン系共重合体の基材樹脂Cに、得
られる延伸糸の添加剤組成が第2表に示すような
割合になるように、可塑剤及び熱安定剤を添加し
て樹脂組成物を調製し、この組成物を実施例1と
同様な方法で溶融紡糸を行い、単糸60デニール10
本構成(600D/10F)の延伸糸を得た。 延伸糸製造時における可紡性及び得られた延伸
糸の各物性を評価し、その結果を延伸糸の添加剤
組成とともに第2表に示す。 なお、延伸糸中の可塑剤及び熱安定剤の含有量
は実施例1と同様にして求めた。 この表から、可塑剤の含有量が2〜5重量%、
エポキシ系安定剤の含有量が1〜2重量%及び可
塑剤とエポキシ系安定剤の合計含有量が4〜6重
量%の範囲にないものは、可紡性、ベタツキ性、
臭、透明性のいずれかに問題があり、これに対し
本発明の延伸糸は可紡性、ベタツキ性、臭、透明
性のいずれも優れていることが分かる。
【表】 実施例3、比較例3 塩化ビニリデン系共重合体の基材樹脂A,B,
C,D,E,Fのそれぞれに、得られる延伸糸の
添加剤組成が第3表の注記欄に示すような割合に
なるように、可塑剤及び熱安定剤を添加して樹脂
組成物を調製し、この組成物を実施例1と同様な
方法で溶融紡糸を行い、単糸60デニール10本構成
(600D/10F)の延伸糸を得た。 このようにして得られた6種類の延伸糸の融解
ピーク温度を、差動走差熱量系(パーキンエルマ
ー社製、MODEL DSC−1B)を用いて本分記載
の方法で測定した。また、これらの延伸糸につい
てカール加工性を評価した。その結果を延伸糸の
融解ピーク温度及び添加剤組成とともに第3表に
示す。 なお、延伸糸における可塑剤及び熱安定剤を含
有量は実施例1と同様にして求めた。 この表から、延伸糸の融解ピーク温度が163〜
172℃の範囲内にないものは、カール加工時の糸
もつれ発生回数、カール径の均一性、カールの弾
性回復率のいずれかに問題があり、これに対し本
発明の延伸糸はこれらのカール加工性すべてに優
れていることが分る。特に融解ピーク温度が165
〜170℃の範囲にあるものが優れている。 なお、これら6種類の延伸糸は、いずれも可紡
性、ベタツキ性、臭、透明性に関して満足しうる
ものであつた。
【表】 【図面の簡単な説明】
図はカールヤーン形成装置の1例を示す概略図
であり、図中符号1は繊維集合体、2は回転体、
3はカール形成具、4は芯棒、5は加熱装置、6
はシユート、7は袋である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 塩化ビニリデン系共重合体に可塑剤及び熱安
    定剤を含有させて成る樹脂組成物を溶融押出成形
    し、次いでこれを延伸して得られた塩化ビニリデ
    ン系樹脂延伸糸において、(イ)該可塑剤がジイソブ
    チルアジペート及びジブチルアジペートの中から
    選ばれた少なくとも1種であり、かつ該熱安定剤
    がエポキシ系安定剤であつて、該可塑剤及び熱安
    定剤の含有量が延伸糸の重量に基づき、それぞれ
    2〜5重量%及び1〜2重量%の範囲にあり、さ
    らにこれらの合計含有量が延伸糸の重量に基づ
    き、4〜6重量%の範囲にあること、及び(ロ)該延
    伸糸を構成する樹脂の融解ピーク温度が差動走差
    熱量計で測定して163〜172℃の範囲にあることを
    特徴とする塩化ビニリデン系樹脂延伸糸。
JP23502784A 1984-11-09 1984-11-09 塩化ビニリデン系樹脂延伸糸 Granted JPS61113814A (ja)

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