JPH0366397B2 - - Google Patents

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JPH0366397B2
JPH0366397B2 JP61178934A JP17893486A JPH0366397B2 JP H0366397 B2 JPH0366397 B2 JP H0366397B2 JP 61178934 A JP61178934 A JP 61178934A JP 17893486 A JP17893486 A JP 17893486A JP H0366397 B2 JPH0366397 B2 JP H0366397B2
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electrolytic chromate
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Hirohide Furuya
Hiroki Iwasa
Toyofumi Watanabe
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JFE Engineering Corp
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Nippon Kokan Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕 この発明は、電気抵抗シーム溶接により製缶さ
れる缶用材料として好適な溶接性に優れた電解ク
ロメート処理鋼板の製造方法に関するものであ
る。 〔従来技術とその問題点〕 鋼板の表面に、下層としての金属クロム層と、
上層としてのクロム酸化物を主体とするクロム水
和酸化物層とからなる皮膜が形成された電解クロ
メート処理鋼板は、優れた塗装性および耐食性を
有し、ブリキに比べて安価であることから、飲料
等の食缶、ペール缶、18缶、オイル缶等の缶用
材料として、広い分野において使用されている。
このような電解クロメート処理鋼板は、従来、絞
り加工による2ピース缶用、および、有機樹脂、
特殊セメント等により継目を接合した接着缶(3
ピース缶)用の材料として使用されているが、継
目を溶接により接合した溶接缶用の材料としては
あまり使用されていない。その理由は、電解クロ
メート処理鋼板の溶接性が極めて劣るためであ
る。 しかしながら、近時、強度および信頼性の高
い、溶接缶の需要が高まつていることから、電解
クロメート処理鋼板の溶接性の向上が要求されて
いる。 電解クロメート処理鋼板の溶接性が劣る原因
は、次の通りである。即ち、メツキ層を構成す
る、下層としての金属クロム層および上層として
のクロム水和酸化物層は、非導電性および非熱伝
導性を有している。従つて、電気抵抗シーム溶接
によつて、継目部である缶胴の縦縁部分の重ね合
せ部を溶接する場合に、上層としてのクロム水和
酸化物層が絶縁皮膜となるため、接触抵抗値(静
的抵抗値)が高い。 接触抵抗値は、溶接時に局部的な過大電流が流
れるかどうかを評価するための基準であつて、接
触抵抗値が高い場合には、溶接電流の通路が狭
く、従つて、局部的な過大電流が流れやすい。電
解クロメート処理鋼板の接触抵抗値は、102〜105
であつて他の溶接缶用表面処理鋼板に比べ極端に
高い。従つて、溶接開始直後の溶接電流値は低
く、一定時間経過後に、始めて所定の溶接電流値
となる。この結果、鋼板が局部的に発熱して、チ
リが発生したり、溶接部にブローホール等の溶接
欠陥が生ずる。 このため、電解クロメート処理鋼板を溶接する
場合には、従来、溶接部分のクロメート処理皮膜
を研摩等によつて除去しなければならず、このた
めに、多くの手数を必要としていた。 上述した問題を解決する方法として、特開昭57
−143492号において、下記からなる電解クロメー
ト処理鋼板の製造方法が開示されている。 「鋼板の溶接を必要とする部位に水ガラスを塗
布し乾燥した後、その表面にクロムメツキを施
し、水ガラスを剥離した後に溶接する。」 また、特開昭55−48406号において、下記から
なる電解クロメート処理鋼板の製造方法が開示さ
れている。 「クロムめつき鋼板に20%以下の調質圧延を施
して、めつき面に亀裂を生ぜしめ、その無数の亀
裂を介して溶接電流を鋼板に流すことによつて、
溶接性を向上させる。」 しかしながら、前者の方法は、クロメート処理
鋼板の溶接部位に水ガラスを塗布し乾燥する工程
が必要であり、後者の方法は、クロメート処理鋼
板に調質圧延を施す工程が必要であつて、このよ
うな前処理のために工程が複雑となり、製造コス
トが上昇する問題を有している。 〔発明の目的〕 従つて、この発明の目的は、接触抵抗値が低
く、優れた溶接性を有する、電気抵抗シーム溶接
により製缶される缶用材料として好適な電解クロ
メート処理鋼板を、特別な前処理を必要とするこ
となく、既存の設備によつて容易に製造するため
の方法を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明者等は、電解クロメート処理鋼板の溶接
性を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、先に、鋼
板を陰極電解処理する途中において少なくとも1
回陽極処理を施すことを提案(特願昭60−192614
号)した。 しかしながら上記提案では、溶接性の改善に不
十分な点があつたため、更に研究を重ねた結果、
鋼板に対し陰極電解クロメート処理を施す途中に
おいて、その一方の面に対し、少なくとも1回陽
極電解処理を施せば、接触抵抗値を2桁の値まで
低下させ得ること、そして、このように接触抵抗
値が低下すれば、溶接開始直後の溶接電流の低下
はほとんどなくなつて溶接開始と同時に所定の溶
接電流値となる結果、局部的な異常発熱も軽微に
なり、更に良好なシーム溶接が安定して得られる
ことを知見した。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であつて、電解クロメート処理浴中において、鋼
板に陰極電解クロメート処理を施して、前記鋼板
の表面上に、金属クロムの下層と、クロム水和酸
化物の上層とを形成することからなる電解クロメ
ート処理鋼板の製造方法において、 前記陰極電解クロメート処理の途中において、
前記電解クロメート処理浴と同じ処理浴によつ
て、前記鋼板の片面に少なくとも1回陽極電解処
理を施し、または、前記鋼板の両面に、一方の面
と他方の面とが異なる電流密度によつて、少なく
とも1回陽極電解処理を施すことに特徴を有する
ものである。 〔発明の構成〕 電解クロメート処理鋼板の製造方法には、大別
して次の2つの方法がある。 (a) 無水クロム酸、クロム酸塩及び重クロム酸塩
の少なくとも1つを主成分とし、且つ、F-
よびSO4 2-を含む処理浴中において、鋼板に陰
極電解クロメート処理を施して、鋼板の表面上
に下層としての金属クロム層と、上層としての
水和クロム酸化物層とを同時に形成することか
らなる、いわゆる1液法と呼ばれている方法。 (b) 上述のSO4 2-を含む第1処理浴中において、
鋼板に第1陰極電解クロメート処理を施して、
鋼板の表面上に下層としての金属クロム層のみ
を形成し、次いで、上述の処理浴中からSO4 2-
を除いた第2処理浴中において、金属クロム層
が形成された鋼板に第2陰極電解クロメート処
理を施して、前記金属クロム層の上にクロム水
和酸化物層を形成することからなる、いわゆる
2液法と呼ばれている方法。 電解クロメート処理において、金属クロムを十
分に析出させるためには、SO4 2-の存在が必要で
あるが、SO4 2-を含有する処理浴を使用してクロ
メート処理を行なつた場合、上層としてのクロム
水和酸化物層中にSO4 2-が混入するという問題が
ある。このSO4 2-は、水洗しても完全に除去する
ことが難しく、皮膜中に残留した場合には、腐食
または塗装密着性不良等の原因となりやすい。2
液法によれば、上述のようなクロム水和酸化物層
中へのSO4 2-の混入を防止することができる。 本発明においては、上述した陰極電解クロメー
ト処理により、1液法の場合にはその処理の途中
において、2液法の場合には第1陰極電解クロメ
ート処理の途中において、前記処理浴と同じ成分
組成の処理浴によつて、鋼板の片面に少なくとも
1回陽極電解処理を施し、または、鋼板の両面
に、一方の面と他方の面とが異なる電流密度によ
つて、少なくとも1回陽極電解処理を施すもので
ある。 第1図は、上述のようにして鋼板の表面上に形
成された皮膜の断面構造を模式的に示す説明図で
ある。第1図に示すように、鋼板1の両表面には
下層としての金属クロム層2が形成され、金属ク
ロム層2の表面には上層としてのクロム水和酸化
物層3が形成されている。陽極電解処理が施され
た面の金属クロム層2の表面には、多数の突起4
が形成されており、金属クロム層2の突起4のた
めにクロム水和酸化物層3も突起4に沿つた起伏
を呈している。 陽極電解処理が施されない方の面は、殆んど平
滑であるが、陽極処理時間、陰極処理電流密度ま
たは陽極処理電流密度によつては、突起状となる
場合もある。 この発明の方法によつて製造された電解クロメ
ート処理鋼板は、その片面に上述のような形状の
皮膜が形成されているので、良好な溶接性を有し
ている。このように、溶接性が良好になる理由
は、次のように推定される。 (1) 溶接のために皮膜同士が重ね合わされた際の
接触面積が大になるため導電性が向上する結
果、溶接電流が流れやすくなる。 (2) クロム水和酸化物層が、金属クロム層の突起
に沿つた起伏を呈しているため、外圧によつて
亀裂を生じやすい。この結果、皮膜面同士を圧
接させた際に、クロム水和酸化物層に亀裂が生
ずるため、溶接電流が流れやすくなる。 連続的に配置された複数の縦型めつき槽からな
るめつき装置を使用して鋼帯を連続的に電解クロ
メート処理する場合には、鋼帯が、各めつき槽の
シンクロールに断続的に接触することによつて、
陰極電解クロメート処理も必然的に断続的にな
る。この結果、金属クロム層の表面に前述したよ
うな突起の生成する傾向があり、クロメート処理
間の間隔が長くなると、突起は不可避的に生成す
る。 しかしながら、このような突起は、鋼帯の結晶
方位の影響を受け、特定の結晶面(例えば001面)
にのみ生成するので極めて不均一である。従つ
て、これによつて良好な溶接性を期待することは
できない。 これに対して、本発明においては陰極電解クロ
メート処理の途中で陽極電解処理を行うため突起
状の金属クロムが均一にしかも密な状態で形成さ
れるものであり、これは次のような理由によるも
のと考えられる。すなわち、陽極電解処理が行わ
れるまで、あるいは陰極電解クロメート処理が中
断されるまでの陰極電解クロメート処理により鋼
板の表面上には金属クロム層とその上にクロム水
和酸化物層が生成する。クロム水和酸化物層はコ
ロイド状であるため、陰極電解が中断すると酸化
性の電解液により金属クロム層の表面は酸化され
酸化クロムに変化する。酸化クロムと金属クロム
では格子定数が異なることから酸化クロム層中に
は原子配列の乱れた欠陥部が点在し、この部分は
酸化クロム膜厚が他より薄いか、金属クロム層が
露出しているため電気抵抗が低く、再陰極電解時
に金属クロムが優先析出するため突起状の金属ク
ロムが生成するものと考えられる。そして本発明
で行われる陰極電解クロメート処理の中断時の陽
極電解処理は、酸化クロム層中の原子配列の乱れ
た欠陥部を中断だけの場合よりも多く生成させる
効果があるために、あらゆる結晶方位面上に多数
の突起状の金属クロムが生成するものと考えられ
る。 金属クロムの突起を成長させるためには、陽極
電解処理を行つた後、さらに陰極電解処理を行う
必要があり、これを満たすような位置において陽
極電解処理を行なわなければならない。さらに、
陽極電解処理を一連の陰極電解クロメート処理の
できるだけ早い時期の処理途中で行うことにより
金属クロム突起の成長と分布の均一化を図ること
ができる。なお上記陽極電解処理は金属クロム突
起を広く形成させるため本発明において不可欠な
処理であるが、クロム電解効率を向上させる効果
も有している。 2液法の場合には、第1処理浴による処理の途
中において陽極電解処理を行なうが、これは、上
述したように、陽極電解処理を一連の陰極電解ク
ロメート処理の早い時期に行なうことが好ましい
という理由のほかに、本発明の目的とする金属ク
ロム層の突起を適切に形成させるためには、金属
クロム層の大部分が形成される時期(第1処理浴
による処理時)に陽極電解処理を行なうことが必
要とされるからである。 上述した陽極電解処理は、鋼板の片面に限ら
ず、鋼板の両面に施してもよい。但し、鋼板の両
面に施す場合には、鋼板の一方の面と他方の面と
を異なる電流密度によつて陽極電解処理し、金属
クロム層の表面に形成される突起の密度を、一方
の面と他方の面とで変えることが必要である。鋼
板の両面を同じ電流密度によつて陽極電解処理
し、各々金属クロム層の表面に形成される突起の
密度を同じにすると、次のような問題が生ずる。 即ち、第2図に示すように、缶状に成形された
電解クロメート処理鋼板5の重ね合せ部5aと5
bとを、上電極ロール6と下電極ロール7とから
なる抵抗シーム溶接機によつて溶接する場合、下
電極ロール7は缶内に位置するため、その径が上
電極ロール6の径よりも小さくなる。 電解クロメート処理鋼板5の両面の金属クロム
層の表面に形成された突起の密度が同じである場
合には、重ね合せ部における上側鋼板5aの皮膜
固有抵抗値Poを下側鋼板5bの皮膜固有抵抗値
Piとは等しい。上側鋼板5aの上電極ロール6と
の接触面積をSo、その接触抵抗値をRoとし、下
側鋼板5bの下電極ロール7との接触面積をSi、
その接触抵抗値をRiとすると、So>Siであるか
ら、Ro<Riとなる。このように、下側鋼板5b
の接触抵抗値Riが上側鋼板5aの接触抵抗値Ro
よりも大になる結果、下側鋼板5bの発熱が大き
くなり、下側鋼板5bにチリが発生しやすくな
る。接触抵抗値RoおよびRiは、下式によつて求
められる。 Ro=Po/So Ri=Pi/Si そこで、上側鋼板5aの接触抵抗値Roと下側
鋼板5bの接触抵抗値Riとを等しくするために
は、 Ri/Ro=Pi/Si/Po/So=Pi/Po×So/Si であるから、 So/Si>1より、Pi/Po<1即ちPi/Poにす
ればよく、これについて、Ri/Ro=1となる。 即ち、径の小さい下電極ロール7と接する側の
鋼板5の皮膜固有抵抗値Piを、径の大きい上電極
ロール6と接する側の鋼板5の皮膜固有抵抗値
Poよりも小さくすれば、上電極ロール6および
下電極ロール7と接する面に生ずる発熱量は均等
になり、これによつて一段と溶接性を向上させる
ことができる。 従つて、陽極電解処理を、鋼板の片面のみに施
すことによつて、金属クロム層の突起を鋼板の片
面のみに形成するか、または、陽極電解処理を、
鋼板の両面に異なる電流密度で施すことによつ
て、金属クロム層の異なる密度の突起を鋼板の両
面に形成することが必要であり、鋼板の両面を同
一電流密度で陽極電解処理しては、所望の効果が
得られない。 この発明において、鋼板の表面上に形成される
下層としての金属クロム層の量は5〜200mg/m2
とし、金属クロム層の上に形成されるクロム水和
酸化物層の量は、金属クロム換算で3〜30mg/m2
とすべきである。金属クロム層の量が5mg/m2
満では、皮膜の耐食性が不十分となり、一方、金
属クロム層の量が200mg/m2を超えると、金属ク
ロムが過多になつて、溶接性および耐食性のより
以上の向上が得られなくなる。クロム水和酸化物
層の量が金属クロム換算で3mg/m2未満では、皮
膜の耐食性が不十分となり、一方、クロム水和酸
化物層の量が金属クロム換算で30mg/m2を超える
と、溶接性が低下する。 陰極電解クロメート処理における電流密度は、
10A/dm2以下にならないようにすることが好ま
しい。即ち、電流密度が10A/dm2以下である
と、陽極電解処理浴を施しても、金属クロムの均
一な分布の突起が得られない。 陽極電解処理における電解量は、0.01〜5クー
ロン/dm2であることが好ましい。電気量が0.01
クーロン/dm2未満では陽極電解処理の効果が得
られず、一方、電気量が5クローン/dm2を超え
ると金属クロムが溶出する。 この発明の方法は、連続的に配置された複数の
縦型のめつき槽からなるめつき装置を使用する場
合には、陰極電解処理の途中の1つの縦型めつき
槽において陽極電解処理を施すことにより実施す
ることができる。また、水平型電気亜鉛めつき槽
からなるめつき装置を使用する場合には、陰極電
解中に供給電流を一時逆転して陽極電解処理を施
す等の方法により実施することができる。 〔発明の実施例〕 次に、この発明の実施例により、比較例と対比
しながら詳述する。 厚さ0.22mmの冷延鋼板の両面を脱脂、酸洗し次
いで水洗した後、前記冷延鋼板を、下記第1電解
クロメート処理浴を使用し、または、下記第1電
解クロメート処理浴および第2電解クロメート処
理浴を使用して陰極電解クロメート処理し、前記
陰極電解クロメート処理の途中において、下記第
1電解クロメート処理浴と同じ組成を有する処理
浴によつて陽極電解処理を施して、第1表に示す
クロム付着量を有するこの発明にかかる電解クロ
メート処理鋼板の供試体(以下、“本発明の供試
体”という)No.1〜10と、本発明の範囲外の方法
による比較用電解クロメート処理鋼板の供試体
(以下、“比較用供試体”という)No.1〜6とを調
製した。 (1) 第1電解クロメート処理浴の組成、浴温 CrO3: 175g/ Na2SiF6: 5g/ Na2SO4: 0.9g/ 浴温: 45℃ (2) 第2電解クロメート処理浴の組成、浴温 CrO3: 50g/ NH4F: 2g/ 浴温: 40℃ 以下に、本発明の供試体および比較用供試体の
調製条件について述べる。 本発明の供試体No.1: 第1電解クロメート処理浴によつて、 電流密度:25A/dm2 通電時間:0.3秒 陽極処理前通電時間:0.3秒 陽極処理後通電時間:1.2秒 全通電時間:1.5秒 の条件により、鋼板に断続的な陰極電解クロメー
ト処理を施し、その途中において、鋼板の片面の
みに、 電流密度:1A/dm2 通電時間:0.3秒 の条件により陽極電解処理を施した。 本発明の供試体No.2: 陽極電解処理の電流密度を2A/dm2としたほ
かは、本発明の供試体No.1と同じ条件で調製し
た。 本発明の供試体No.3: 本発明の供試体No.1と同じ条件で、第1電解ク
ロメート処理浴によつて第1陰極電解クロメート
処理を施し、その途中において、鋼板の片面のみ
に陽極電解処理を施した後、第2電解クロメート
処理浴によつて、下記条件により第2陰極電解ク
ロメート処理を施した。 電流密度:30A/dm2 通電時間:0.3秒 無通電時間:0.3秒 全通電時間:0.9秒 本発明の供試体No.4: 第1電解クロメート処理浴による処理条件のう
ち、陽極処理前通電時間を0.9秒とし、陽極処理
後通電時間を0.6秒としたほかは発明の供試体No.
1と同じ条件によつて調製した。 本発明の供試体No.5: 陽極電解処理の電流密度を2A/dm2としたほ
かは、本発明の供試体No.4と同じ条件で調製し
た。 本発明の供試体No.6: 本発明の供試体No.4と同じ条件で、第1電解ク
ロメート処理浴によつて第1陰極電解クロメート
処理を施し、その途中において、鋼板の片面のみ
に陽極電解処理を施した後、第2電解クロメート
処理浴によつて、下記条件により第2陰極電解ク
ロメート処理を施した。 電流密度:30A/dm2 通電時間:0.3秒 無通電時間:0.3秒 全通電時間:0.9秒 本発明の供試体No.7: 第1電解クロメート処理浴によつて、 電流密度:30A/dm2 通電時間:0.8秒 陽極処理前通電時間:0.8秒 陽極処理後通電時間:0.8秒 全通電時間:1.6秒 の条件により、鋼板に断続的な陰極電解クロメー
ト処理を施し、その途中において、鋼板の片面の
みに、 電流密度:0.6A/dm2 通電時間:0.8秒 の条件により陽極電解処理を施した。 本発明の供試体No.8: 第1電解クロメート処理浴による処理条件のう
ち、陽極処理前通電時間を1.2秒、陽極処理後通
電時間を0.4秒とし、そして、陽極電解処理の電
流密度を1.2A/dm2、その通電時間0.4秒とした
ほかは、本発明の供試体No.7と同じ条件で調製し
た。 本発明の供試体No.9: 鋼板の両面に、 一方の面の電流密度:1A/dm2 他方の面の電流密度:0.5A/dm2 通電時間:各0.3秒 の条件で陽極電解処理を施したほかは、本発明の
供試体No.1と同じ条件によつて調製した。 本発明の供試体No.10: 鋼板の両面に、 一方の面の電流密度:1A/dm2 他方の面の電流密度:0.5A/dm2 通電時間:各0.3秒 の条件で陽極電解処理を施したほかは、本発明の
供試体No.3と同じ条件によつて調製した。 比較用供試体No.1: 陽極電解処理を施さないほかは本発明の供試体
No.1と同じ条件で調製した。 比較用供試体No.2: 陽極電解処理を施さないほかは本発明の供試体
No.3と同じ条件で調製した。 比較用供試体No.3: 鋼板の両面に、各々、電流密度:1A/dm2
通電時間0.3秒の条件により陽極電解処理を施し
たほかは本発明の供試体No.3と同じ条件で調製し
た。 比較用供試体No.4: 鋼板の両面に、各々、電流密度:1A/dm2
通電時間0.3秒の条件により陽極電解処理を施し
たほかは本発明の供試体No.6と同じ条件で調製し
た。 比較用供試体No.5: 鋼板の両面に、各々、電流密度:0.6A/dm2
通電時間:0.8秒の条件により陽極電解処理浴を
施したほかは本発明の供試体No.7と同じ条件で調
製した。 比較用供試体No.6: 鋼板の両面に、各々、電流密度:12A/dm2
通電時間:0.4秒の条件により陽極電解処理を施
したほかは本発明の供試体No.8と同じ条件で調製
した。 上述のようにして調製した本発明の供試体No.1
〜10および比較用供試体No.1〜6について、接触
抵抗値および溶接性を、以下に述べる試験によつ
て調べ、その結果を第1表に併せて示した。 (1) 接触抵抗値 供試体を205℃の温度で23分間加熱し、この
ように加熱された1枚の供試体の両面に、#25
スズめつき鋼板を重ね、これを接触抵抗測定機
の上下の銅チツプ間に挾み、その抵抗を測定す
る。次に、上記の加熱された2枚の供試体をそ
の表面と裏面とが接するように重ね、そして、
重ね合わされた供試体の両面に、上記と同じよ
うに#25スズめつき鋼板を重ねてその抵抗を測
定する。このようにして測定された、2枚重ね
の供試体の値から1枚の供試体の値を差し引い
た値を接触抵抗値とした。 (2) 溶接性 スードロニツク溶接機を使用して、重ね合わ
された2枚の供試体を溶接し、溶接可能適性電
流範囲の広さ、溶接外観、溶接強度を総合的に
評価した。評価基準は次の通りである。 ◎:著しく良好 〇:比較的良好 △:やや劣る ×:著しく劣る
〔発明の効果〕
以上述べたように、この発明によれば、接触抵
抗値が低く、優れた溶接性を有する、電気抵抗シ
ーム溶接により製缶される缶用材料として好適な
電解クロメート処理鋼板を、特別な前処理を必要
とすることなく、既存の設備によつて容易に製造
することができる工業上優れた効果がもたらされ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法によつて製造された電
解クロメート処理鋼板の皮膜の断面構造を模式的
に示す説明図、第2図は電解クロメート処理鋼板
の接触抵抗値を求める説明図である。 図面において、1…鋼板、2…金属クロム層、
3…クロム水和酸化物層、4…突起、5…電解ク
ロメート処理鋼板、5a,5b…重ね合せ部、6
…上電極ロール、7…下電極ロール。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 電解クロメート処理浴中において、鋼板に陰
    極電解クロメート処理を施して、前記鋼板の表面
    上に、下層としての金属クロム層と上層としての
    クロム水和酸化物層とを形成することからなる電
    解クロメート処理鋼板の製造方法において、 前記陰極電解クロメート処理の途中において、
    前記電解クロメート処理浴と同じ処理浴によつ
    て、前記鋼板の片面に少なくとも1回陽極電解処
    理を施すことを特徴とする、溶接性の優れた電解
    クロメート処理鋼板の製造方法。 2 電解クロメート処理浴中において、鋼板に陰
    極電解クロメート処理を施して、前記鋼板の表面
    上に、下層としての金属クロム層と上層としての
    クロム水和酸化物層とを形成することからなる電
    解クロメート処理鋼板の製造方法において、 前記陰極電解クロメート処理の途中において、
    前記電解クロメート処理浴と同じ処理浴によつ
    て、前記鋼板の両面に、一方の面と他方の面とが
    異なる電流密度によつて、少なくとも1回陽極電
    解処理を施すことを特徴とする、溶接性の優れた
    電解クロメート処理鋼板の製造方法。 3 前記陽極電解処理を、1種類の電解クロメー
    ト処理浴を使用して、前記鋼板の表面上に、前記
    下層としての金属クロム層と、前記上層としての
    クロム水和酸化物層とを同時に形成することから
    なる前記陰極電解クロメート処理の途中において
    行なうことを特徴とする、特許請求の範囲第1項
    または第2項に記載の方法。 4 前記陽極電解処理を、第1電解クロメート処
    理浴によつて前記鋼板の表面上に前記下層として
    の金属クロム層のみを形成し、次いで、第2電解
    クロメート処理浴によつて前記金属クロム層の上
    に、上層としてのクロム水和酸化物層を形成する
    ことからなる前記陰極電解クロメート処理の、前
    記第1電解クロメート処理浴による処理の途中に
    おいて行なうことを特徴とする、特許請求の範囲
    第1項または第2項に記載の方法。
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