JPH0360530B2 - - Google Patents

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JPH0360530B2
JPH0360530B2 JP56190490A JP19049081A JPH0360530B2 JP H0360530 B2 JPH0360530 B2 JP H0360530B2 JP 56190490 A JP56190490 A JP 56190490A JP 19049081 A JP19049081 A JP 19049081A JP H0360530 B2 JPH0360530 B2 JP H0360530B2
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water
spinning
hollow fiber
membrane
stock solution
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Tatsuo Nogi
Tomonori Iwami
Mutsumi Kimura
Tetsunosuke Kunitomo
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は限外過用、特に過型人工腎臓に適
する新規な中空糸膜に関するものである。
アイソタクチツク部分とシンジオタクチツク部
分を有する含水メタクリル酸メチル重合体から成
る膜はすでに提案された(特公昭53−6249)。こ
の膜は従来用いられている同じ目的の各種の他の
素材の膜に比較して高度の含水率のものが得られ
ること、含水率が高いにもかかわらず機械的性質
が優れており、セルローズ系などの他の素材の膜
にくらべて大きな透水性が得られるなどの特長を
持つている。しかし透水性を高くした場合、分画
分子量も大きくなり、例えば過型人工腎臓用膜
のように除水量はできるだけ大きく、かつ血漿ア
ルブミンは透過させてはならない場合には必ずし
も望ましいとはいえない。
一方、水中でイオンに解離可能な基を含むビニ
ルモノマーとメタクリル酸メチルとから成る共重
合体と、アイソタクチツクポリメタクリル酸メチ
ルとから成る半透膜も提案されている(特公昭56
−26443)。これらは透析型人工腎臓用として用い
る透水性の低い膜を得るために工夫され、低透水
性でも尿素のような溶質の透過性に優れているこ
とを特長としている。
従来、ポリメタクリル酸メチル系ポリマを用い
る限外過膜特に過型人工腎臓用の中空糸膜に
ついての検討で透水性を高める試みがいろいろ成
されたが、一般に透水性を高くするとアルブミン
の透過も著しくなり、高除水性の過型人工腎臓
を得るには限界があり、十分満足できる状態では
なかつた。
ところで、生体腎臓の中枢部である糸球体は、
その上皮細胞が形成する適当な間隙(20〜30nm)
を有し、また、糸球体基底膜が陰荷電状態に保た
れていることにより、陰荷電分子である血漿アル
ブミンの透過を実質的に阻止していると考えられ
ている。
本発明者らは、上述のような生体腎臓を参考に
して、膜を陰荷電状態に保ち、さらに適切なサイ
ズのミクロポアを形成させることにより、実質的
にアルブミンを透過させずに高い透水性を有する
中空糸膜を得る方法について鋭意検討し、本発明
に到達した。
本発明の目的は、限外過用、特に過型人工
腎臓用中空糸膜として要求される諸性能を実用上
満足する中空糸を提供するものである。
上記の要求される諸性能としては、除水性が大
きく、血漿アルブミンを実質的に透過させず、ま
た、血液を通した際に起こるめづまりが少ない等
があげられる。
本発明の方法では、膜素材として基本的には二
種のポリマすなわち、メタクリル酸メチルと水中
で陰イオンに解離可能な基を含むビニルモノマと
の共重合体とアイソタクチツクポリメタクリル酸
メチルから成る混合物を用いる。
アイソタクチツクポリメタクリル酸メチルはア
イソタクチツク構造(トライアド表示)50%以上
のものを用いる。とくにアイソタクチツク構造70
%以上を含むものが好ましい。ポリメタクリル酸
メチルの立体構造は核磁気共鳴吸収法によつて定
量的に求めることができる。アイソタクチツクポ
リメタクリル酸メチルは一般にグリニヤ試薬また
はアルキルリチウムなどの有機金属化合物を用い
る重合によつて得られることが知られており、こ
のような方法によれば、アイソタクチツク構造の
含量90%以上のポリマを得ることは困難ではな
い。本発明ではこのような方法で得られるアイソ
タクチツクポリメタクリル酸メチルが好適である
が他の方法で得られるアイソタクチツクポリメタ
クリル酸メチルも用いられる。
本発明ではアイソタクチツクポリメタクリル酸
メチルとしてメタクリル酸メチルの単独重合体の
ほか、少量の共重合成分たとえばアクリル酸アル
キルやメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸ア
ルキルを含む共重合体も用いることもできる。
混合する他の一種のポリマはメタクリル酸メチ
ルと水中で陰イオンに解離可能な基を含むビニル
モノマとの共重合体である。
この共重合体はアイソタクチツク構造よりもヘ
テロタクチツク構造またはシンジオタクチツク構
造を主体とする重合体であり、メタクリル酸メチ
ルと他のビニルモノマとのラジカル重合によつて
得られる。ここで陰イオンに解離可能な基の例と
してはカルボキシル基、スルフイン基、スルホン
酸基などのイオウの有機酸基、ホスフイン酸基、
ホスフオン酸基などのリンの有機酸基およびそれ
らの各種の塩たとえば金属塩、アンモニウム塩、
第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンの
塩、第四級アンモニウム塩などが挙げられる。本
発明では分子内にこれらの基を二種以上含むビニ
ルモノマもメタクリル酸メチルと共重合する成分
として用いることができる。
これらの陰イオンに解離可能な基を含むビニル
モノマの少数の具体例を示すと次のとおりであ
る。即ち、アクリル酸、メタクリル酸、a−クロ
ルアクリル酸、a−エチルアクリル酸、a−シア
ノアクリル酸、アリルカルボン酸、クロトン酸、
イタコン酸、マレイン酸およびそれらのナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ジエチルア
ミン塩、ピリジン塩、テトラメチルアンモニウム
塩、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタ
リルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、3−
メタクリロキシプロパンスルホン酸、3−アクリ
ロキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらの
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ピ
リジン塩、キノリン塩、テトラメチルアンモニウ
ム塩などである。
本発明で用いるメタクリル酸メチル共重合体は
メタクリル酸メチルと上記のようなビニルモノマ
が共重合した構造をもつものであるが、これらは
多くの場合メタクリル酸メチルと陰イオンに解離
可能な基をもつビニルモノマの共重合によつて得
ることができる。しかし、必要によつては高分子
反応の方法で重合後に、陰イオンに解離可能な基
を導入することができる。
上記のような陰イオンに解離可能な基はポリマ
中に二種以上混合して存在してもさしつかえな
い。また、メタクリル酸メチルと上記の陰イオン
に解離しうる基をもつビニルモノマのほかにその
ビニルモノマも含まれた多元共重合体もメタクリ
ル酸共重合体として本発明の膜素材の一成分とし
て用いることができる。
この場合には、メタクリル酸メチルと共重合可
能なすべてのビニルモノマが用いられる。それら
のビニルモノマの例を次に示す。
スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N
−ジメチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレ
ングリコールメタクリレート、メチルビニルケト
ン、メチルイソプロペニルケトン、N−ビニルピ
ロリドン、ダイアセトンアクリルアミド、無水マ
レイン酸、イタコン酸ジメチル、酢酸アリル。
なお、このほかに、エチレングリコールジメタ
クリレート、メチレンビスアクリルアミド、トリ
アリルシアヌレートなどの多官能性ビニルモノマ
を共重合成分を併用することは得られる溶媒に対
して可溶性を失わない限りにおいて差し支えな
い。
本発明においてメタクリル酸メチル共重合体中
における陰イオンに解離可能な基を含む共重合成
分の含量の下限は0.1モル%である。0.1モル%未
満では共重合成分の十分な効果が認められない。
また、共重合成分の含量の上限は20モル%であ
り、かつ共重合体が水に溶解しない範囲である。
共重合体が水に溶解しなくても共重合成分の含量
が20モル%を超えると一般に中空糸の紡糸性が低
下し、また、アイソタクチツクポリメタクリル酸
メチルとの相溶性が低下するため、本発明では用
いられない。共重合成分の含量は通常0.2〜15モ
ル%の範囲とすると良好な結果が得られる。共重
合体がメタクリル酸メチル単位と陰イオンに解離
可能な基を含むビニルモノマ単位のほかにその他
のビニルモノマ単位を含むときは全モノマ中に占
める陰イオンに解離可能なビニルモノマ単位の含
量を上記の範囲とする。
次に上記の二種のポリマすなわちアイソタクチ
ツクポリメタクリル酸メチルとメタクリル酸メチ
ル共重合体を混合する割合は重量比で1:9〜
9:1の範囲が好ましい。なお、場合によつては
第三のポリマ成分としてメタクリル酸メチルを主
成分とする重合体、たとえばアタクチツクポリメ
タクリル酸メチルを混合することは差し支えな
い。この場合には全重合体混合物の中のアタクチ
ツクポリメタクリル酸メチルの割合を10〜90%と
するのが望ましい。
これらの原料ポリマの平均分子量は中空糸の紡
糸方式および膜の使用目的によつて要求される機
械的性質などを考慮して変更することができる
が、一般には原料ポリマ全部の平均値として10万
以上であることが望ましい。原料ポリマの平均分
子量を大きくすることは膜の機械的性質の点から
は好ましい方向であるが、大きすぎるときは原液
粘度が高くなりすぎ、紡糸性の低下、膜の均一度
の低下などの原因となりうる。このため、必要な
透過特性から要求される原液濃度および中空糸膜
の紡糸プロセスからの制約がある。
次に紡糸原液を作成するための溶媒としては上
記の原料ポリマをいずれも溶解しうること、およ
び凝固浴と相溶可能なものであることが必要であ
る。好ましい溶媒の少数の例を挙げると、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラ
ヒドロフラン、p−ジオキサン、アセトニトリ
ル、アセトン、メチルエチルケトン、炭酸ジエチ
ル、炭酸ジメチル、酢酸エチルなどである。これ
らを混合して用いることも可能である。
紡糸原液の濃度は膜の含水率、用いる溶媒の種
類、紡糸の方法などによつて異なるが、通常5〜
35%の範囲である。これより濃度が高くなると、
膜が緻密化しすぎ、十分な水透過性を有しえな
い。また低すぎるとアルブミンが透過しやすくな
る傾向を示す。原液濃度を15〜30%の範囲とする
と良好な結果が得られる。このときの溶液の粘度
は紡糸方法に適合するように決めることが必要で
あり、このために原料ポリマの組成、平均分子
量、溶媒の種類などを適当な範囲にする。
このようにして得られた紡糸原液は、通常、乾
湿式紡糸により中空糸膜とされる。本発明に使用
される口金は、通常の中空糸を紡糸するのに用い
られる口金はすべて使用することができるが、本
発明の目的からすれば口金孔内に中空細管を有す
る環状オリフイスからなる口金が好ましく使用さ
れる。
このような口金を用いて中空糸を紡糸する方法
は種々提案されているが、本発明の目的とする人
工腎臓用中空糸膜としては断面の形状が均一かつ
真円に近いことが要求される。
本発明では、口金中央部に位置する中空管から
中空糸の内部に気体を定量的に注入して紡糸す
る。すなわち、本発明の紡糸原液は、ある温度以
下ではステレオコンプツクスの形成によるゲル化
が起こり、それにより中空糸の形状が固定化され
る傾向を示すので、通常の紡糸原液ではコントロ
ールが極めてむずかしいとされている気体注入を
可能ならしめる。ゲル化温度は、原液中のポリマ
ー組成、溶媒の種類などによつても大幅に変わる
のでいちがいに示すことはできないが、その系の
ゲル化温度の少なくとも5〜10℃高い温度で紡糸
することにより、スムーズに気体注入法による中
空繊維の形成が可能となる(注入気体としては特
に制限はないが空気または窒素などの不活性気体
が通常使用される)。
本発明では、条件により口金中央部に位置する
中空管から中空糸の内部に液体を注入することも
もちろん好ましい方法である。特に紡糸原液に使
用した溶媒あるいはその溶媒と水の混合物あるい
はその溶媒と多価アルコール類の混合物あるいは
多価アルコール類を定量的に注入して紡糸するこ
とは望ましい方法である。注入液は紡糸原液と接
触する際に中空糸の内壁構造の形成に関与するの
で重要である。紡糸原液の性状をよく調べ、また
目的に応じて適切に選択しなければならない。本
発明のおもな目的である過型人工腎臓用中空糸
として使用する場合には、あまり急激な凝固が進
むことのないように配慮し、内壁構造の均一化を
はかる必要がある。例えば溶媒と水の混合系では
通常水が約40%以下の範囲で選択される。また通
常使用される多価アルコールとしては、グリセリ
ン、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロパンジオールなどがあげられるが、これ
に限定されるものではない。これらの注入液の組
成は中空糸膜の分離性能をコントロールする一手
段としても使用することができる。
このようにして口金から紡出された中空糸状ゾ
ルは、空気中もしくは不活性気体中を通過しつつ
ゲル化され、しかる後に凝固浴に導かれる。
口金から押し出されたばかりのゾル状態の中空
糸条を充分にゲル化させ、しかるのちに凝固浴の
作用にかけることが本発明にとつて重要な工程で
あるが、かかるゲル化に要する雰囲気条件は紡糸
された糸条の太さ、紡糸速度および紡糸温度等に
よつて変わるものであり、一般的に規定すること
はできない。しかし、通常好ましく採用される条
件としては、口金面から凝固浴に導入されるまで
の距離は10cm以上200cm以下の範囲にある。10cm
以下の場合にはゲル化を充分に行うことが困難で
あり、また過大な距離を通過させることは実際的
でなく、かつ安定した紡糸を困難にする。さらの
雰囲気の温度は通常大気温度もしくは室内温度が
ゲル融点以下のことが多いので冷却をしなくても
よいが、冷却した好ましくは30℃以下の雰囲気中
を場合により強制的に冷却風を送りつつ通過させ
てゲル化を充分した方が好ましい結果を与え、か
つ紡糸口金と凝固浴の距離をより短くすることが
できる。
凝固浴としては、紡糸原液の溶媒と相溶性があ
り、かつポリマに対して非溶媒であるものを用い
る。一般には水、脂肪族の低級アルコール類また
はそれらの混合物を用いる。さらにその凝固能力
を調節するために上記の水やアルコール類に原液
に用いる溶媒や無機塩類などの混合物を用いるこ
ともできる。アルコール類としてはメタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール類、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、グリセリンなどである。通常は
水または水に原液作製に用いた溶媒または無機塩
類を添加して凝固能力を調節した混合物を用いる
ことが有利である。また、凝固浴の温度は膜の透
水性能を左右し、一般に高温ほど透水性を高くす
る傾向を示すので、目的に応じて適切に選択しな
ければならない。通常10〜98℃の範囲で設定され
る。一般にポリマ濃度が高い場合には高め、逆に
低い場合には低目の条件が選択される。
本発明によつて得られた中空糸膜は十分に水洗
した後、水をグリセリンあるいはエチレングリコ
ール等に置換し、乾燥されるが、場合によつては
加熱処理によつて膜の透過性能や機械的性質、寸
法安定性などを変えることも可能である。加熱処
理は張力下または無張力下で行ない、いずれの場
合も、水中、親水性の液体中または水か親水性の
液体で湿潤した状態で行う。温度は通常50〜110
℃の範囲である。
本発明で得られる中空糸膜は中空部断面が実質
的に円形であり、膜厚は約5〜500μの範囲内で
一定であり、内径は使用目的により異なるが70〜
1000μの範囲が好ましい。
本発明で得られる中空糸膜の好ましい用途は限
外過膜、特に過型人工腎臓用膜であり、通常
透水量が20ml/hr・m2・mmHg以上、さらに好ま
しくは30ml/hr・m2・mmHg以上で、実質的にア
ルブミンを透過させない性能を有する。例えば従
来ポリメタクリル酸メチル系膜で、透水量が50〜
100ml/hr・m2・mmHgとした場合、アルブミン不
透過膜とするのは困難であつたが、本発明の膜は
これを可能とし、場合によつてはさらに高い透水
性の膜でさえも、アルブミンをカツトできるので
ある。
なお、本発明における透水量(UFRSと略す)
とは、中空糸膜の中空部に純水を流し、その際中
空糸の膜を通して繊維の外部へ出た水量を膜の有
効面積、時間および圧力で単位換算したものであ
る。さらに、アルブミンの阻止率(Raと略す)
とは牛血清アルブミン(FractionV)の0.2%水
溶液を、中空糸膜の内部に流し膜を通過して得ら
れた溶液濃度(Cd)から次式により算出される
値である。場合によつては5%水溶液のデータも
測定し付記した。
Ra(%)=Ci−Cd/Ci×100 ここでCiは0.2%または5%アルブミン水溶液
の濃度を表わす。
本発明で製造された中空糸膜は透水性およびア
ルブミン阻止能がすぐれており、また、血液を通
した際に起こる膜のめづまりが少なく、高除水性
を保つので、過型人工腎臓用中空糸膜に利用す
るのに最適である。
以下実施例によつて説明する。
実施例 1 ラジカル重合で作製したメタクリル酸メチルと
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(p−SSS)
との共重合体(p−SSSの共重合率:2.8mol%、
重量平均分子量1.8×105)118gとラジカル重合
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)(重量平均分
子量1.5×106)155gおよびアイソタクチツク
PMMA(グリニヤ触媒による重合、重量平均分子
量6.6×105)55gをジメチルスルホキシド
(DMSO)1098gに加え原液濃度23%の紡糸原液
として、120℃で16時間撹拌溶解した後、静置脱
泡して紡糸原液を作製した。120℃のホツパーか
らギヤポンプで中空糸用口金を通して空気中に
1.2g/minの割合で吐出し、同時に口金直下の
糸条に冷風を吹きつけた。中空糸内部には窒素ガ
スを圧入した。この時の口金温度は107℃であつ
た。空中を570mm通した後53℃の水中へ導き凝固
させた。水洗の後、65%グリセリン水溶液を75℃
に保つて循環させた熱処理浴を通過させ、20m/
minの速度で巻取つた。得られた中空糸の内径は
240μ、膜厚は40μであつた。水UFRSは102(ml/
hr・m2・mmHg、0.2%アルブミン水溶液のUFRS
は65(ml/hr・m2・mmHg)で、アルブミン阻止率
(Ra)は100%であつた。また5%アルブミン水
溶液によるUFRS/Raは22/99.6であつた。
比較実施例 1 ラジカル重合PMMA(重量平均分子量8.3×
105)288gとアイソタクチツクPMMA(グリニヤ
触媒による重合、重量平均分子量6.6×105)58g
をDMSO1095gに加え原液濃度24%の紡糸原液
として、120℃で16時間撹拌溶解した後、静置脱
泡して紡糸原液を作製した。以下実施例1と同様
の製糸条件をとり、内径242μ、膜厚42μで水
UFRSが90(ml/hr・m2・mmHg)の中空糸を得
た。0.2%アルブミン水溶液のUFRSは33(ml/
hr・m2・mmHg)Raは88%と低かつた。
実施例 2 ラジカル重合で作製したメタクリル酸メチルと
p−SSSとの共重合体(p−SSSの共重合率:
2.8mol%、重量平均分子量1.8×105)142gとラ
ジカル重合PMMA(重量平均分子量1.5×106
187gおよびアイソタクチツクPMMA(グリニヤ
触媒による重合、重量平均分子量6.6×105)66g
をDMSO1095gに加え原液濃度26.5%の紡糸原液
として、120℃で16時間撹拌溶解した後、静置脱
泡して紡糸原液を作製した。以下凝固浴温度を
720℃、乾式長を550mmとした以外は実施例1と同
様の製糸条件をとり、内径252μ、膜厚42μで、水
UFRSが43(ml/hr・m2・mmHg)の中空糸を得
た。0.2%アルブミン水溶液のUFRSは20(ml/
hr・m2・mmHg)で、Raは100%であつた。また
5%アルブミン水溶液によるUFRS/Raは10/
99.9であつた。
実施例 3〜4 ラジカル重合で作製したメタクリル酸メチルと
p−SSSとの共重合体(p−SSSの共重合率:
2.8mol%、重量平均分子量4.9×105)110gとラ
ジカル重合PMMA(重量平均分子量1.5×106
137gおよびアイソタクチツクPMMA(グリニヤ
触媒による重合、重量平均分子量6.6×105)28g
をDMSO1095gに加え原液濃度20%の紡糸原液
として、120℃で16時間撹拌溶解した後、静置脱
泡して紡糸原液を作製した。凝固浴組成を10%
DMSO水溶液とし、浴温を40℃および50℃、
各々のときの乾式長を90mmおよび370mmとした以
外は実施例1と同様の製糸条件をとり、内径
230μ、膜厚38μで、水UFRSが35および60(ml/
hr・m2・mmHg)の中空糸を得た。0.2%アルブミ
ン水溶液のUFRSは19および27(ml/hr・m2・mm
Hg)で、Raは共に100%であつた。
実施例 5 ラジカル重合で作製したメタクリル酸メチルと
3−メタクリロキシプロパンスルホン酸ナトリウ
ムとの共重合体(共重合率:2.7mol%、重量平
均分子量1.7×105)118gとラジカル重合PMMA
(重量平均分子量1.5×106)155gおよびアイソタ
クチツクPMMA(グリニヤ触媒による重合、重量
平均分子量6.6×105)55gをDMSO1098gに加え
原液濃度23%の紡糸原液として、120℃で16時間
撹拌溶解した後、静置脱泡して紡糸原液を作製し
た。
凝固浴温度を67℃に変えた以外は実施例1とほ
ぼ同様の製糸条件で、内径280μ、膜厚45μの中空
糸を得た。水UFRSは134(ml/hr・m2・mmHg)
で0.2%アルブミン水溶液のUFRSは48(ml/hr・
m2・mmHg)Raは99.7%であつた。
実施例 6〜8 ラジカル重合で作製したメタクリル酸メチルと
p−SSSとの共重合体(p−SSSの共重合率:
2.8mol%、重量平均分子量1.8×105)48gとラジ
カル重合PMMA(重量平均分子量1.2×106)152
gおよびアイソタクチツクPMMA(グリニヤ触媒
による重合、重量平均分子量6.6×105)40gを
DMSO1095gに加え原液濃度18%の紡糸原液と
して、120℃で16時間撹拌溶解した後、静置脱泡
して紡糸原液を作製した。凝固浴組成を10%
DMSO水溶液とし、浴温を27、36、45℃、乾式
長を370mmとした以外は実施例1と同様の製糸条
件をとり、内径230、227、および199μ、膜厚39、
42および42μで水UFRSが62、92および124(ml/
hr・m2・mmHg)の中空糸を得た。0.2%アルブミ
ン水溶液のUFRSは各々25、36および43(ml/
hr・m2・mmHg)で、Raは100、99.6および96.8%
であつた。
比較実施例 2 ラジカル重合PMMA(重量平均分子量12.×
106)200gとアイソタクチツクPMMA(グリニヤ
触媒による重合、重量平均分子量6.6×105)40g
をDMSO1095gに加え原液濃度18%の紡糸原液
として、120℃で16時間撹拌溶解した後、静置脱
泡して紡糸原液を作製した。凝固浴組成を10%
DMSO水溶液とし、浴温を29℃、乾式長を365mm
とした以外は実施例1と同様の製糸条件をとり、
内径227μ、膜厚28μで、水UFRSが151(ml/hr・
m2・mmHg)の中空糸を得た。0.2%アルブミン水
溶液のUFRSは47(ml/hr・m2・mmHg)で、Ra
は53%と低く、過型人工腎臓用としては不適当
であつた。
実施例 9 ラジカル重合で作製したメタクリル酸メチルと
p−SSSとの共重合体(p−SSSの共重合率:
2.8mol%、重量平均分子量1.8×105)118gとラ
ジカル重合PMMA(重量平均分子量1.8×106
128gおよびアイソタクチツクPMMA(グリニヤ
触媒による重合、重量平均分子量6.6×105)82g
をDMSO1098gに加え原液濃度23%の紡糸原液
として、120℃で6時間撹拌溶解した後、静置脱
泡して紡糸原液を作製した。凝固浴温を71℃、乾
式長を520mmとした以外は実施例1と同様の製糸
条件をとり、内径262μ、膜厚42μで水UFRSが52
(ml/hr・m2・mmHg)の中空糸を得た。0.2%ア
ルブミン水溶液のUFRSは31(ml/hr・m2・mm
Hg)で、Raは99.8%であつた。
実施例 10 ラジカル重合で作製したメタクリル酸メチルと
p−SSSとの共重合体(p−SSSの共重合率:
2.8mol%、重量平均分子量1.8×105)118gとラ
ジカル重合PMMA(重量平均分子量1.5×106
155gおよびアイソタクチツクPMMA(グリニヤ
触媒による重合、重量平均分子量6.6×105)55g
をDMSO1098gに加え原液濃度23%の紡糸原液
として、120℃で16時間撹拌溶解した後、静置脱
泡して紡糸原液を作製した。以下、窒素ガスの代
りにDMSO/水=90/10(重量比)の液体を中空
糸内部に注入し凝固浴組成を10%DMSO水溶液、
凝固浴温度を35℃とし、実施例1と同様の方法で
製糸した。得られた中空糸は内径237μ、膜厚46μ
で、水UFRSが65(ml/hr・m2・mmHg)であつ
た。0.2%アルブミン水溶液のUFRSは19(ml/
hr・m2・mmHg)で、Raは95.5%であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水中で陰イオンに解離可能な基を含むビニル
    モノマ0.1〜20モル%とメタクリル酸メチル99.9
    〜80モル%とからなる共重合体とアイソタクチツ
    クメタクリル酸メチルを該ポリマの溶媒に溶解し
    てなる原液濃度5〜35%の紡糸原液を中空糸状ゾ
    ルとして口金から押し出し、不活性気体中で冷却
    ゲル化させた後27〜98℃の凝固浴を通して引き取
    ることを特徴とする、水透過性が20ml/hr・m2
    mmHg以上でかつ実質的にアルブミンを透過させ
    ない選択透過性中空糸膜の製造方法。
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