JPH0451216B2 - - Google Patents

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JPH0451216B2
JPH0451216B2 JP12216083A JP12216083A JPH0451216B2 JP H0451216 B2 JPH0451216 B2 JP H0451216B2 JP 12216083 A JP12216083 A JP 12216083A JP 12216083 A JP12216083 A JP 12216083A JP H0451216 B2 JPH0451216 B2 JP H0451216B2
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Japan
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membrane
spinning
copolymer
polyethylene oxide
water
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JP12216083A
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Kazusane Tanaka
Tatsuo Nogi
Shoji Nagaoka
Hidefumi Takiuchi
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明は耐汚染性および溶質透過性に優れた選
択透過性中空繊維に関するものである。 (従来技術とその欠点) 近年、高分子材料の産業・医療分野への応用が
すすみ、とりわけ物質の分離に関して、選択透過
性膜いわゆる半透膜の利用が関心を高めている。
たとえば逆浸透、透析、限外濾過、気体分離など
の分野において膜使用についての多くの技術報告
がなされている。しかしながら、これらの操作に
おいては処理物質により膜が汚染されて、処理能
力が低下することや、膜自体の分離性能が必ずし
も十分でないことが問題となつている。 このような選択透過性膜の素材としては従来か
ら再生セルロース、各種セルロース系誘導体、ア
クリロニトリル系重合体、ポリビニルアルコール
系重合体、ポリメチルメタクリレート系重合体な
どがとりあげられてきた。さらにな耐汚染性を高
める目的で、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、あ
るいは(メタ)アクリル酸などの親水性成分を含
有する合成高分子が検討されてきた。 しかし、これらの素材からなる膜は水や溶質な
どの物質透過性が不十分であつたり、あるいはこ
れを高めようとして多量の共重合成分を導入しそ
の目的は達しても一方で機械的強度が低下し、実
用上の膜としての機能が損われたりした。さらに
これらの膜を用いて、各種蛋白溶液の濃縮、液体
食品の無菌化あるいは排水処理工程において限外
濾過分離を行なうに際し、溶質成分の膜面への付
着、堆積によつて目づまり現象をおこし、目的の
操作が阻害されていた。あるいはこれらの膜を医
療用途に用いて血液や体液などに接触した場合に
は、蛋白質、脂質などの各種液性成分の吸着ある
いは血小板、白血球、赤血球、線維芽細胞などの
有形成分の付着が不可能であり、これらが膜表面
における血栓の生成や補体系の活性化による免疫
機能の低下などをもたらすと推定された。 (発明の目的) 本発明者らの一員はすでに親水性高分子材料と
してポリエチレンオキサイド単位を有する医療用
ハイドロゲルを提案した(特開昭57−164064)。
しかしながら、かかる提案においては、前述した
ような素材の耐汚染性は向上したものの、選択透
過性を備えた実用的な膜材料を提供するには不十
分なものであつた。我々はさらに該親水性高分子
材料に関して、鋭意研究を進めた結果、ポリエチ
レンオキサイド単位を有する共重合体を含む中空
繊維が良好な物質透過性と耐汚染性を有し、かつ
十分な機械的強度を備えた選択透過性膜として実
用に耐えることを見いだし、本発明に到達した。 (発明の構成) 本発明の高分子組成物からなる選択透過性膜は
次の構成を有する。 重合度5以上のポリエチレンオキサイド単位と
重合性炭素−炭素二重結合とを同一分子内に有す
る重合性単量体(成分)、および重合性炭素−
炭素二重結合を有する単量体(成分)からなる
共重合体を少なくとも一つの構成成分とする選択
透過性中空繊維。 本発明を構成する成分()とは、例えば一般
式(1) ここで (n≧5 R1はH、CH3 R2は水酸基、C1〜C4のアルコキシ基 またはOCHφ2で(φはフエニル基) であらわされるアクリル酸、又はメタクリル酸エ
ステル類あるいは一般式(2) (n≧5 R1はHまたはCH3) であらわされるビニル単量体等である。 これらの付加重合性化合物の製法は公知であ
り、その重合性炭素−炭素二重結合により特別な
装置、手法を用いなくとも、通常のラジカル開始
剤、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾ
ビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオ
キサイドなどを用いて、容易に重合でき、さらに
他の単量体あるいは重合体と共重合も可能であ
り、ポリエチレンオキサイド単位を有する高分子
組成物を効率よく、また再現性よく形成すること
ができる。 重合体中のポリエチレンオキサイド含有量は、
例えば元素分析、赤外線吸収スペクトル、該磁気
共鳴スペクトルなど通常の手法により確認するこ
とができる。 該重合体を構成する共重合成分()は成分
()と共重合可能な単量体あるいは重合体であ
れば本質的にはいずれでもよく、例えば単量体と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、スチレン、塩化ビニリデン、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニル
ピロピリドン、アクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、エチレン、プロピレン、ブタジエン
などの炭素−炭素二重結合を有する付加重合性化
合物およびこれらの混合物等がある。 ここで、成分()と()の共重合体は任意
の共重合形態をとりうる。これらの成分のうち特
に成分()がメトキシポリエチレングリコール
モノメタクリレートで、これと共重合する成分
()がアクリロニトリルあるいはメタクリル酸
メチルであるような共重合体が通常最も好ましく
用いられる。 本発明の選択透過性中空繊維を構成する重合体
中には、成分()中に含有されるn≧5のポリ
エチレンオキサイド単位が少なくとも1重量%以
上含まれることが必要である。これを達成するの
に必要な共重合体中の成分()の量は、()
中に含まれるポリエチレンオキサイドの重量分
率、即ちnに依存する。例えば、成分()がメ
チルメタクリレートであり、成分()が化合物
(1)でR1=CH3、R2=OCH3の場合、n=9では単
量体単位として(1)を0.255モル%以上含有するこ
ととが必要であるのに対し、n=100の場合には
0.023モル%以上でよい。 該中空繊維に対して目標の性能を達成するのに
必要なポリエチレンオキサイド単位含有率を与え
た場合、そのポリエチレンオキサイド単位の重合
度n<5では、紡糸安定性がわるい、得られた膜
の機械的強度が不十分、などの理由で使用できな
い。すなわち、ポリエチレンオキサイド単位の重
合度がn<5であり、またポリエチレンオキサイ
ド単位の含有率が1重量%未満の場合には得られ
る選択透過性中空繊維は本発明の目的とする性
質、すなわち各種成分の付着抑制、すぐれた物質
透過性などの特長を持ち得ない。好ましいポリエ
チレンオキサイド単位の重合度は9〜300特に好
ましくは20〜100であり、また好ましいポリエチ
レンオキサイド単位の含有率は3〜90重量%であ
る。 また本発明における他の共重合体成分として
は、本発明における成分()からなる付加重合
性化合物およびこれらの混合物などであり、これ
らは上記成分()と()の共重合体のポリエ
チレンオキサイド単位の重合割合として1重量%
(全ポリマ中)以上含有するように配合すること
ができる。 次に本発明で用いられる紡糸原液の溶媒として
は、前記共重合体等を同時に溶解しうる溶媒はす
べて使用可能であり、例えばジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセタミ
ド、N−メチルピロリドンなどが好ましく用いら
れる。またこれらの相互混合物等も好ましく用い
られる。 これらの溶媒に該共重合体およびその混合物を
溶解するにあたつては、要求される性能、機械的
強度、紡糸性を考慮する必要がある。すなわち、
紡糸原液の重合体濃度は膜の透過性および機械的
強度と密接に関連しており、濃度をあげすぎると
膜の物質透過性が失われ、逆に低すぎると機械的
強度が低下し、実用に耐えられなくなる。また紡
糸原液の粘度は紡糸性の重要な因子であり、良好
な中空繊維形態を形成するためにも重合体の濃度
は、5〜50重量%の範囲で使用されるべきであ
る。 紡糸原液を口金から吐出する場合は、なめらか
な糸条形成と同時に中空繊維形態保持についても
十分考慮しなければならない。安定に吐出するた
めには原液の粘度は重要な因子であり、このため
口金温度を調節して吐出時の原液粘度を制御する
ことも可能である。通常、工程中で延伸を行なわ
ない場合は凝固浴でほぼ中空繊維の寸法が決定さ
れる。目標寸法に比べて大きな孔径の中空口金を
使用する場合には、紡糸原液を一旦空中へ吐出
し、しかる後に凝固浴へ浸漬、凝固させる、いわ
ゆる乾湿式紡糸法は有効な手段である。 中空繊維形態保持のためには、中空繊維の内部
に液体を注入することが行なわれる。注入される
液体としては、例えば、該紡糸原液の溶媒および
水(多価)アルコールなどの凝固剤あるいはこれ
らの混合物、あるいは該共重合体やそれとの混合
物の非溶媒であるような疎水性の液体、例えばn
−オクタン、流動パラフインなどの脂肪族炭化水
素、ミリスチン酸イソプロピルのような脂肪酸エ
ステルなども使用できる。 また吐出糸条が空中での温度変化によつてゲル
化したり、凝固によつて速やかに強固な構造を形
成する場合には、自己吸引や圧入によつて窒素ガ
スや空気などの不活性気体を用いることができ
る。このような気体注入法は工程上からも非常に
有利な方法である。温度変化によつてゲル化をお
こすような原液系の場合には、乾式部分において
冷風をふきつけ、ゲル化を促進させることもでき
る。この場合空中部分いわゆる乾式部の長さは30
mm以上になる。また温度変化によつてゲル化した
り、あるいは急激な粘度上昇を伴なわない原液
で、凝固のみによつて中空繊維形態を保持しよう
とする場合には、乾式部の長さを短かくすること
が望ましい。乾式部の長さが長すぎる場合には、
中空比(外径に対する内径の場合)の小さな中空
繊維になり、注入圧をあげていくという目標の中
空比に達する前に局部的な膨らみが生じてしま
う。また短かすぎる場合には急激なドラフトがか
かることになり紡糸が不安定になるので、通常、
乾式部の長さは1mm以上100mm、好ましくは3mm
以上50mmの範囲に設定する。 凝固浴は通常、水や(多価)アルコールなどの
凝固剤、または紡糸原液を構成している溶媒との
混合物からなる。凝固浴の組成はその凝固性によ
つて、紡糸安定性や中空繊維の膜構造に大きく影
響する。紡糸原液に対して凝固性が高い場合に
は、中空繊維の膜部分に巨大ボイドが生成する。
また凝固性が低くなると中空繊維形態の保持が困
難になるため、原液特性ともあわせて適切な組成
にしなければならない。凝固浴の温度はその凝固
性を大きく支配し、膜の透過性にも重大な要因と
なつている。すなわち浴の温度が高くなると透過
性は大きくなる。このため目標の透過性能に対
し、前記の凝固浴組成と適切な条件で組みあわさ
れる。 凝固後、十分な水洗を行なつてから、含水状態
中空繊維が乾燥によつてその膜構造を破壊される
のを防ぐため、膜構造内部の水をグリセリンある
いはエチレングリコールなどに置換する。さらに
必要に応じてグリセリン水溶液などを用いて熱処
理を施し、寸法安定性を付与することもできる。 (発明の効果) かくして適切な条件下で紡糸したポリエチレン
オキサイド単位含有共重合体を含む中空繊維は機
械的強度にもすぐれ、処理膜面の耐汚染効果に加
えて、例えば尿素やビタミンB12などの透過性が
著しい向上を示すにも拘わらずアルブミンの阻止
率が高いなどその選択透過性についてもすぐれた
効果を発揮させることができる。したがつてその
選択透過性の特徴に応じて公知の方法により装置
化し、逆浸透、透析、限外濾過、気体分離等の目
標に利用できる。すなわち、かかる目的のために
前記のような共重合体のポリエチレンオキサイド
単位含有率や紡糸原液の重合体濃度などの原液条
件、紡糸条件、後処理条件等を適当に選び、選択
透過性を任意に調節することが可能である。 以下、実施例によつてさらに詳しく説明する
が、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。 実施例 1 メトキシポリエチレングリコールメタクリレー
ト、“M−23G”(エチレンオキサイド部分の重合
度23、分子量1112、新中村工業(株)製)21gをジメ
チルスルホキシド(以下DMSOと略記)3570g
に溶解した後、メタクリル酸メチル(以下MMA
と略記)375gと2,2′−アゾビス−2,4−ジ
メチルバレロニトリル(以下ADVNと略記)
1.19gを加えて通常のラジカル重合を行なつた。
得られた“M−23G”共重合ポリメタクリル酸メ
チル(以下PMMAと略記)共重合体の13C−
NMRで測定したポリエチレンオキサイド単位含
有率は3.2重量%で、GPO法による重量平均分子
量は22.8万であつた。 上記共重合体350gとグリニヤ触媒で重合した
重量平均分子量66万のアイソタクチシチの高いメ
タクリル酸メチル重合体(以下iso−PMMAと略
記)70gとをジメチルスルホキシド980gに加え
て120℃で12時間撹拌溶解して紡糸原液を調整し
た。この紡糸原液は透明であり、落球法粘度
(JIS−Z8803)は110℃において360ポイズであつ
た。 この紡糸原液を120℃に保温した紡糸装置の原
液貯槽に移した後、15時間静置して脱泡を行なつ
た。該紡糸装置は貯槽の他、ギアポンプ、吐出部
からなる。特に吐出部は他とは独立して温度制御
ができるようになつている。この紡糸装置に外径
1.8mm、内径1.5mmの環状オリフイスからなる口金
孔内に中空細管を有する口金を装着し、中空細管
から窒素ガスを注入しつつ、ギアポンプにより紡
糸原液を1.95g/minの割合で空中に吐出した。
保温した口金の温度は100℃であつた。口金面か
ら20cm下方に設置した凝固浴に到る間で該吐出糸
条を冷却した後、凝固浴を通過させた。凝固浴は
12℃の5%ジメチルスルホキシド水溶液からなり
浴中ガイドローラがとりつけられている。しかる
後通常の方法で水洗後、グリセリン水溶液で熱処
理を施してカセに巻き取つた後、切断してサンプ
ルとした。最終巻取速度は28m/minであつた。 このようにして得た“M−23G”共重合ポリメ
チルメタクリレートの中空繊維は完全に透明で、
内径240μ、膜厚40μであつた。又テンシロン=
(東洋ボールドウイン社製:UM−)を用いて
測定した中空繊維の強力は47g、伸度は22%で十
分な強さを備えていた。 両端に還流液用の孔を備えたガラス製のケース
に該中空繊維を挿入し、市販のポツテイング剤を
用いて有効膜面積46cm2の小型透析装置(ミニチア
モジユール)を作製した。この装置を、恒温槽
(37℃)中に浸して中空糸内側に水圧をかけ、膜
をとおして外側へ透過する一定時間の水を量と有
効膜面積および膜間圧力差から算出した水の透過
速度は5.4ml/hr.mmHg.m2であつた。又、該ミニ
チアモジユールを用いて、中空糸内側に尿素の水
溶液を流し、中空糸の外側には大流量の水を向流
で、しかも膜間圧力差をゼロにするように循環さ
せて、定常状態での内側および外側の入口、出口
での尿素濃度と流量とから算出した溶質透過性の
目安となる尿素の透過膜抵抗は24.0min/cmであ
り、半透膜として優れた性能を示した。 同様のミニチアモジユールを用いて中空繊維内
部に血小板懸濁液(PRP:血小板数20万個/μl)
を流速0.5ml/min(ずり速度200/sec)で37℃に
保温しながら3時間循環した。生理食塩水で洗浄
した後3%グルタルアルデヒド生理食塩水で固定
し、中空繊維内面に付着した蛋白質量をアミノ酸
分析により測定した。付着量は2μg/cm2であり、
中空繊維の内面は汚染されていないことがわかつ
た。 比較例 1 グリニヤ触媒で重合したiso−PMMA84gとラ
ジカル重合法で得たメタクリル酸メチル重合体
(以下syn−PMMAと略記)168g、およびパラ
スチレンスルホン酸ソーダ塩を2.5モル%共重合
したメタクリル酸メチル共重合体252gとを
DMSO1296gに120℃で溶解して得た紡糸原液
(110℃において1200ポイズ)から実施例1に示し
た紡糸方法により中空繊維を得た。ここで得られ
た中空繊維は内径240μ、膜厚40μで水の透過速度
は4.2ml/hr・mmHg・m2であつた。また実施例1
と同様の方法で血小板懸濁液循環実験の後に付着
した蛋白質の量は20μg/cm2であつた。 実施例 2 メトキシポリエチレングリコールメタクリレー
ト“M−100G”(エチレンオキサイド部分の重合
度100、分子量4500、東邦化学(株)/新中村工業(株)
製27.3gをDMSO1697gに溶解した後、
MMA163gと重合開始剤としてADVN567mgを
加え、公知の方法にしたがつて重合を行なつた。
かかる重合操作を3回くりかえて得られた共重合
体中のポリエチレンオキサイド単位含有率は11.4
重量%であつた。 上記共重合体175gとiso−PMMA35gとを490
gのDMSOに加え、120℃で14時間撹拌溶解し紡
糸原液を調製した。得られた紡糸原液の110℃に
おける粘度は1270ポイズであつた。この紡糸原液
を実施例1と同様に1.03g/minの割合で口金か
ら窒素ガスを注入しつつ吐出し、空中で冷却して
10℃の水から成る凝固浴に導き、凝固、水洗、熱
処理、グリセリン置換を施して、19m/minでド
ラムに巻取つた。得られた中空繊維の内径は
220μ、膜厚は32μであつた。実施例1と同様の方
法でミニチアモジユールを作製して、この中空繊
維の水の透過速度を測定したところ4.6ml/hr・
mmHg・m2であつた。このミニチアモジユールの
中空繊維内部に牛血清アルブミンの1%水溶液を
ずり速度115/secで15分間還流して蛋白質の付着
テストを行なつた。しかる後に該ミニチアモジユ
ールを用いて、再度測定した水の透過速度は4.1
ml/hr・mmHg・m2であり、該中空繊維の透水性
保持率は89%であつた。比較例1で示した中空繊
維の透水性保持率は60%であり、本実施例におけ
る中空繊維は蛋白質の付着による膜面での目づま
りが抑制されていることがわかつた。 実施例 3 アクリロニトリル182重量部とメトキシポリエ
チレングリコールメタクリレート“M100G”78
部をDMSO1474部に加え、重合開始剤として
ADVN1.4部を添加し、50℃で24時間重合した
後、水/メタノールで再沈、精製して“M−
100G”共重合ポリアクリニトリルを得た。該共
重合体中のポリエチレンオキサイド単位含有率は
29%であつた。 該共重合体105部をDMSO245部に加えて80℃
で8時間撹拌溶解した。このようにして調製され
た紡糸原液は、均一でかつ透明であり90℃におけ
る粘度は130ポイズであつた。実施例1と同様の
紡糸装置を用いて中空口から窒素ガスを注入しつ
つ該紡糸原液を0.83g/minの割合で、口金面か
ら6mm下方に配置した8℃26%DMSO水溶液か
らなる凝固浴に導いた。凝固、水洗、熱処理を施
して19.5m/minで巻取つた。 得られた中空繊維の内径は200μ、膜厚は35μで
あつた。水の透過速度は3.4ml/hr・mmHg・m2
尿素およびビタミンB12の透過膜抵抗は
10.2min/cmおよび113min/cmで非常に優れた溶
質透過性を示した。さらに5%牛血清アルブミン
水溶液を透過させて原液と濾液との濃度比から測
定した蛋白の阻止率は99.9%でこの時の水の透過
速度は3.0ml/hr・mmHg・m2であり、選択透過性
の高い半透膜であつた。また、実施例1と同様の
方法により測定した血小板懸濁液循環実験後の付
着蛋白質の量は0.1μg/cm2であり、非常に良好な
耐汚染性を示した。 実施例 4 実施例2と同様の方法で“M−100G”共重合
PMMAを調製した。共重合体中のポリエチレン
オキサイド単位の含有率は23.8重量%であつた。
上記共重合体100gをDMSO400gに110℃で15時
間撹拌溶解し、透明な紡糸原液を得た。該紡糸原
液の粘度は90℃で445ポイズであつた。実施例1
の紡糸装置を用いて、該紡糸原液を口金から1.06
g/minの割合で窒素ガスを18.5mmAqの注入圧を
かけながら同時に空中へ吐出した。乾式部の長さ
を27cmにして冷風をふきつけながら、16℃5%
DMSO水溶液からなる凝固浴へ導いた。凝固、
水洗の後60%グリセリン水溶液に置換し、さらに
80℃の78%グリセリン水溶液で5%の弛緩熱処理
を施した後、19m/minで巻取つた。得られた中
空繊維の内径は230μで膜厚は34μであつた。実施
例1と同様の方法で膜面積22cm2のミニチアモジユ
ールを作製して測定した水の透過速度は20.6ml/
hr・mmHg・m2であつた。その後実施例2と同じ
ように1%牛血清アルブミン水溶液を還流した後
の水の透過速度は15.0ml/hr・mmHg・m2で透水
性保持率は73%と高い値を示しこの場合も耐汚染
性が向上していることがわかつた。また5%アル
ブミン水溶液で測定したアルブミンの阻止率は91
%で実質的にアルブミンを透過しなかつた。 比較例 2 グリニヤ触媒で重合したiso−PMMA50gと通
常のラジカル重合法で得たsyn−PMMA250gを
DMSO1200gに溶解し、実施例1の紡糸装置を
用いて内径250μ、膜厚30μの中空繊維を得た。該
中空繊維をミニチアモジユールに組立て、測定し
た水の透過速度は22.8ml/hr・mmHg・m2であつ
た。その後実施例2の方法にしたがつて測定した
1%牛血清アルブミン水溶液還流後の水の透過速
度は8.2mm/hr・mmHg・m2でその保持率は36%で
あつた。 実施例 5 アクリロニトリル595gとメトキシポリエチレ
ングリコールメタクリレート“M−100G”105g
をDMSO3.5に加え、重合開始剤として
ADVN4.36gを添加し、実施例3と同様に“M
−100G”共重合ポリアクリロニトリルを得た。
該共重合体中のポリエチレンオキサイド単位含有
率は14%であつた。 該共重合体120gをDMSO480gに70℃で8時
間撹拌溶解して均一透明な紡糸原液を得た。原液
の粘度は70℃で163ポイズであつた。 実施例1と同様の紡糸装置を用いて、(a)中空口
金から窒素ガスを注入しつつ、該紡糸原液の吐出
速度を0.70g/minにして吐出した。乾式部分の
長さは5mmで52℃16%DMSO水溶液からなる凝
固浴を通過させた後、水洗、熱処理を施して19
m/minの速度で巻取つた。(b)また、注入流体と
してn−オクタンを用い、吐出速度を1.0g/
minにして同様の条件下でサンプリングを行なつ
た。 得られた中空繊維の品質ならびに性能は次のと
おりであつた。
【表】 またアルブミンの阻止率はいずれも99.8%以上
で非常に高い選択透過性を示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 重合度5以上のポリエチレンオキサイド単位
    と重合性炭素−炭素二重合結合とを同一分子内に
    有する単量体、および重合性炭素−炭素二重結合
    を有する単量体からなる共重合体を少なくとも一
    つの構成成分とする選択透過性中空繊維。
JP12216083A 1983-07-05 1983-07-05 選択透過性中空繊維 Granted JPS6022901A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12216083A JPS6022901A (ja) 1983-07-05 1983-07-05 選択透過性中空繊維

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