JP2873967B2 - ポリアクリロニトリル系中空糸膜およびその製造法 - Google Patents

ポリアクリロニトリル系中空糸膜およびその製造法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、溶質透過性が高く、物質分離能に優れた高
性能ポリアクリロニトリル系中空糸膜及びその製造法に
関するものであり、該中空糸膜は医療用分野において透
析膜及び限外濾過膜として用いることができる。
(従来の技術) 従来、医療分野においては、血液中の老廃物を除去す
る目的で、キュプラアンモニウムレーヨン、セルロース
アセテート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロ
ニトリル等の透析膜及び限外濾過膜が用いられている。
特に、これらの膜を中空糸状に成型した中空糸膜は、膜
面積が大きくコンパクトな装置化が可能となるため、そ
の研究開発が広く進められている。一般に、これらの膜
に要求される特性は、溶質透過性が高いこと、溶質分離
能に優れていること、機械的強度及び化学的安定性に優
れていること等が挙げられる。ポリアクリロニトリル系
重合体(以下PAN系重合体と略する)は、機械的強度に
優れ、化学的安定性にも優れている。また、PAN系重合
体は、疎水性重合体でありながら水に濡れやすい特性を
有し、湿式紡糸法により中空糸膜を形成する際の凝固条
件を適当に選ぶことにより、比較的密な構造から疎な構
造を有する中空糸膜まで作成することが可能である。特
に、PAN系重合体は、血液に対する適合性が優れている
ため、人工腎臓用膜あるいは、血液濃縮用膜等として利
用されている。近年、人工腎臓分野においては、人工腎
臓の長期使用に伴なって発症する合併症を防止する目的
で、比較的分子量の大きな低分子量蛋白質を透過させる
ことのできる人工腎臓用膜の使用が試みられている。こ
れら医療分野において使用され得るPAN系中空糸膜とし
て、例えば、特開昭54-55623号、特開昭59-67964号及び
特開昭59-132904号が開示されている。これらの先行技
術で得られる膜の欠点は、いずれも孔径が100Å以下と
小さいため、近年その必要性が求められている低分子量
蛋白質の効率的な除去が困難な点にあった。又、これら
先行技術で得られる中空糸膜は、いずれも限外濾過速度
が小さく、限外濾過膜としては不適であった。更に、特
開昭54-55623号で開示されている中空糸膜は、溶質の透
過性が低かった。以上の如く、これらの先行技術で開示
されている中空糸膜は本願発明が解決しようとする課題
とはかけ離れたものであった。
本発明者らは、このような従来技術の欠点を克服する
ために鋭意検討した結果、本発明に到達したものであ
る。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、従来のPAN系中空糸膜に比較して、
比較的分子量の大きな低分子量蛋白質の透過性が高く、
有用な蛋白質であるアルブミンをほとんど透過させな
い、高溶質透過性、且つ、優れた分離能を有すると同時
に、限外濾過速度の大きなPAN系中空糸膜及びその製造
法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は次の構成を有する。
(1)中空糸の最内層部に、平均孔径が100Å〜200Åの
層を有し、内層部から最外層部にかけて、上記最内層部
よりも大きな孔からなり、巨大空孔が存在しない孔径が
5μm以下の空孔からなる微多孔質構造を有し、蛋白質
希薄溶液系における分画分子量が6万から15万であり、
且つ分子分画曲線で阻止率50%に対応する分子量M
50の、阻止率9%に対応する分子量M95に対する比θ=
95/M50が2.5以下であることを特徴とするポリアクリ
ロニトリル系中空糸膜。
(2)ポリアクリロニトリル系重合体溶液から鞘芯型中
空糸用口金を用いてポリアクリロニトリル系中空糸膜を
製造するに際し、芯部より濃度5〜50重量%のポリビニ
ルピロリドン水溶液又は水溶液系溶液を注入することを
特徴とするポリアクリロニトリル系中空糸膜の製造法。
本発明の特徴は従来技術では得られなかった100Å〜2
00Åの大きな平均孔径からなる層を最内層部に有し、内
層部から最外層部にかけて、上記最内層部よりも大きな
孔からなり、巨大空孔が存在しない孔径が5μm以下の
空孔からなる微多孔質構造を有する中空糸膜を提供する
ことにある。本発明で得られる中空糸膜は、高い溶質透
過性、優れた溶質分離能及び、高い限外濾過性能を有す
る。又、5μmよりも大きな巨大空孔が存在しないため
に、機械的強度に優れている。更には、巨大空孔が存在
すると、人工腎臓等に組み立てた場合、中空糸端面の巨
大空孔が血液と接触する際に、血液の滞留を生じたり血
球成分に対し損傷を与える等の問題があったが、本発明
によって得られる中空糸膜はそのような巨大空孔が存在
しないために、血液に与える損傷も少ない。
このような構造及び特性を有する中空糸膜は、芯部に
ポリビニルピロリドン溶液を注入する方法により得るこ
とができる。
本発明で得られる中空糸膜構造の模式図を第1図に、
走査型電子顕微鏡写真を第2図に例示するが、本発明は
これらの例に限定されるものではない。
本発明で得られる中空糸膜は、最内層部分に平均孔径
が100Å〜200Åの層を有するが、平均孔径が100Å未満
であると、比較的分子量の大きな低分子量蛋白質(例え
ば、β2−ミクログロブリン、分子量11800)の透過率が
低下し、平均孔径が200Åを越えると、有用な蛋白質で
あるアルブミンの透過量が大きくなり好ましくない。β
2−ミクログロブリンの透過率を大きくするには、分画
分子量は6万から15万の範囲が好ましい。(ここで、分
画分子量とは、例えば第3図に示す分子分画曲線で阻止
率95%に対応する分子量、M95を意味する。)又、本発
明で得られる中空糸膜は溶質の分離能にも優れている。
溶質分離能の指標は、例えば第3図に示す分子分画曲
線の勾配の大きさで示すことができ、勾配が大きい程分
離能に優れており好ましい。溶質分離能は、例えば次式
で表わすことができる。
θ=M95/M50 (ここで、M95は、分子分画曲線から求めた阻止率95%
に、M50は、分子分画曲線から求めた阻止率50%に各々
対応する分子量を意味する。又θは、その比であり、θ
が小さいほど勾配が大きく分離能に優れていることを意
味する。) θの値は、理想的には1に近い方が良く、実用的には
2.5以下が好ましい。
本発明で言う中空糸膜最内層部の平均孔径が100Å〜2
00Åの層1とは、中空糸膜の内表面から内層部にかけて
存在する緻密な部分であり、物質透過の律速となる部分
である。この部分と、内層部から最外層部3にかけて存
在する微多孔質構造2との間に明確な境界層を有するも
のではない。本願発明で得られる中空糸膜の構造を第2
図に例示するが、本発明はこの例に何ら限定されるもの
ではない。平均孔径が100Å〜200Åの層1の厚みは膜厚
の1/10以下が好ましく、更に好ましくは、1/20以下であ
る。又、本発明で言う微多孔質構造2とは、前述の平均
孔径が100Å〜200Åの層よりも大きな孔からなり、5μ
m以上の巨大空孔を含まないスポンジ上の疎な構造であ
る。
本発明に用いるPAN系重合体は、その素材特性を発揮
させるには、アクリロニトリル80重量%以上を含有して
いるのが好ましく、アクリロニトリルと共重合可能なビ
ニル単量体の少なくとも1種類を0〜20重量%含有する
ものである。ビニル単量体の例としては、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、メタリルスルホン酸ソーダ、アリルスルホン酸
ソーダ、スチレンスルホン酸ソーダ、ジメチルアミノエ
チルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレ
ート、ビニルピロリドン等の公知のビニル単量体を例示
することができる。
本発明の中空糸膜は、芯部にポリビニルピロリドン溶
液を注入する方法により製造することができる。その際
に、芯部に注入するポリビニルピロリドン溶液は、実用
上は水溶液が好ましい。濃度は、用いるポリビニルピロ
リドンの分子量により最適な範囲は左右されるが、分子
量1万(K−15、米国GAF社製)から120万(K−90、同
社製)のものであれば、5〜50重量%の範囲内で使用で
きる。この際、ポリビニルピロリドンの分子量が大きく
なると溶液粘度が高くなり、実用的な面からは分子量が
大きい程、低濃度に設定することが必要となる。上記範
囲の分子量のポリビニルピロリドンを使用する場合、分
子量1万のものでも濃度は50重量%以下が実用面からは
好ましい。一方、分子量120万のポリビニルピロリドン
を用いた場合でも5重量%以下になると巨大空孔を生成
しやすくなる。
又、中空糸膜最内層部の緻密な層の平均孔径をコント
ロールする目的で、ポリビニルピロリドン溶液中に、PA
N系重合体の溶媒又は、硝酸塩等の塩を添加することも
できる。その添加量は、重合体濃度、ポリビニルピロリ
ドンの分子量により異なるが、30重量%以下であれば、
紡糸性に問題はない。医療用途の場合には、比較的洗浄
除去の容易な硝酸あるいは硝酸塩のなかでも硝酸ナトリ
ウムが好ましい。
本発明で用いられるPAN系重合体溶液の重合体濃度
は、平均孔径を支配する1つの因子であり、5〜20重量
%の範囲が好ましい。
重合体溶液の作成に用いる溶媒は、公知のPAN系重合
体の溶媒、例えばN、N′−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等の有機溶
媒、硝酸、塩化亜鉛水溶液、ロダン塩水溶液等の無機溶
媒を挙げることができるが、医療用途の場合には、比較
的洗浄除去の容易な硝酸が好ましい。
PAN系重合体溶液を、鞘芯型中空糸方口金より吐出
し、芯部から中空形成剤を導入する。空中走行させた
後、水中へ導入し凝固せしめて中空糸状を形成させる。
然る後、洗浄工程、熱処理工程等を経た後、形態保持の
目的でグリセリン等を付着させる。乾燥工程を経て乾燥
状態の乾燥中空糸膜を得ることができる。
以下、実施例を示すが、本発明はこれらの例に限定さ
れるものではない。実施例中、分画分子量の測定、平均
孔径の算出、血漿系中での透過率の測定及び破裂強度の
測定は、下記の方法に従った。又、使用したポリビニル
ピロリドンは、すべて米国GAF社製(国内販売:五協産
業株式会社)であり、使用グレードは、K値で示した。
(1) 分画分子量の測定(蛋白質希薄溶液系) 膜面積120cm2の小モジュールを組み、各標識蛋白質20
0ppmを含有する生理食塩水を濾過し、阻止率を測定し
た。使用した蛋白質は、チトクロームC(分子量:1240
0)、トリプシン(分子量:23000)、卵アルブミン(分
子量:47000)、牛アルブミン(分子量:67000)、γ−グ
ロブリン(分子量:156000)である。これにより得られ
た分子分画曲線より95%阻止点の分子量を分画分子量と
した。
(2) 平均孔径の算出 前記(1)の分子分画曲線より、50%阻止点に相当す
る分子量を求め、下記式[D.M.Green等、アメリカン
ソサイエティオブアーティフィシャルインターナルオル
ガン第627頁以降、1976]より分子径を求めた。得られ
た分子径を、下記式で示される修正細孔理論の式[竹
沢他、人工臓器13巻6号1460頁以降、1984年]に代入し
て平均孔径(dp)を求めた。
ds=1.32×(分子量)1/3 sc=0.5={2(1−q)2−(1−q)4}{1−(2/
3)q2−0.202q5}/{1−0.759q5} (ここで、q=ds/dp,ds:式で得られた分子径、dp:
平均孔径、sc:ふるい係数) (3) 血漿系での透過率測定 120cm2の小モジュールを用い、ヒトβ2−ミクログロ
ブリン(シグマ社製)加牛血漿(β2−ミクログロブリ
ン濃度5mg/l)を2ml/分の流量設定で、濾過圧100mmHgの
条件下で4時間通液した。得られた濾液、入口側液、出
口側液各々のβ2−ミクログロブリン濃度を測定した。
4時間目の値を使用して、下記式より透過率を求め
た。
アルブミンの透過率も同様にして求めた。
(4) 限外濾過速度の測定 120cm2の小モジュールを用い、一方を閉鎖し他端から
生理食塩水を導入した。限外濾過圧力を200mmHgとし、1
5分間の限外濾過を行なった。中空糸膜を介して得られ
た濾過量を、膜面積及び濾過圧力で換算し、限外濾過速
度として表示した。
(5) 中空糸膜の破裂強度の測定 長さ25cmの中空糸膜100本よりなる小モジュールを組
み、一方は中空糸内部をエポキシ樹脂で目詰めをした、
開放になっている他端から窒素ガスで圧力をかけ、徐々
に昇圧した。中空糸膜が破裂した時点の圧力を破裂強度
とした。
(実施例) (実施例1) アクリロニトリル92重量%、アクリル酸メチル6重量
%、アクリル酸1.5重量%、メタリルスルホン酸ソーダ
0.5重量%からなる重合体を、水系懸濁重合で得た。該
重合体を70%硝酸に溶解し、重合体濃度13%の紡糸原液
を得た。該原液を、鞘芯型中空糸用口金の鞘部より吐出
し、芯部より20重量%のポリビニルピロリドン(K−1
5)水溶液を導入した。空中走行の後、50℃の水中へ導
入し中空糸状を形成させた。水洗工程を経て、40wt%の
グリセリン水溶液中で40℃×6時間浸漬した。然る後、
40℃の真空乾燥機内で乾燥して、内径230μm、膜厚30
μmの中空糸膜を得た。得られた中空糸膜を小モジュー
ルに組み、前述の方法で分画分子量及び平均孔径を求め
た。その結果、下記の結果が得られた。平均孔径120
Å、分画分子量90000、及びMW95/MW50=1.5であった。
又、血漿系でのβ2−ミクログロブリン及びアルブミン
の透過率は、各々、0.55及び0.002であり、限外濾過速
度は、480ml/m2・hr・mmHgであった。得られた中空糸膜
は最内層部に平均孔径が100Å〜200Åの孔を有し、外表
面にかけて微多孔質構造であった。破裂強度は8Kg/cm2
であった。
(実施例2) アクリロニトリル96重量%、アクリル酸3.5重量%、
メタリルスルホン酸ソーダ0.5重量%からなるPAN系重合
体を、ジメチルホルムアミドに溶解し重合体濃度17%の
紡糸原液を得た。該原液を、50℃に保ち、鞘芯型中空糸
用口金の鞘部より吐出し、芯部より15重量%のポリビニ
ルピロリドン(K−15)水溶液を導入した。吐出した糸
条を空中走行させ、40℃の水中へ導入し中空糸状を形成
させた。以下実施例−1と同様にして乾燥中空糸膜を得
た。得られた中空糸膜を実施例−1と同様にして測定し
た結果、次の値が得られた。分画分子量89000、平均孔
径110Å、MW95/MW50=2.1及び血漿系でのβ2−ミクログ
ロブリン及びアルブミンの透過率は、各々、0.51及び0.
002であり、限外濾過速度は、320ml/m2・hr・mmHgであ
った。又、得られた中空糸膜の構造は、最内層部に平均
孔径が100Å〜200Åの層を有し、外表面にかけて微多孔
質な構造であった。破裂強度は9.5Kg/cm2であった。
(実施例3) アクリロニトリル90重量%、アクリル酸メチル8重量
%、アクリル酸1.5重量%、メタリルスルホン酸ソーダ
0.5重量%からなるPAN系重合体を用い、10重量%の重合
体濃度となるよう70%硫酸に溶解した。該原液を、鞘芯
型中空糸用口金の鞘部より吐出し、芯部より20重量%の
ポリビニルピロリドン(K−30)水溶液を導入した。空
中走行の後、50℃の水中へ導入し、中空糸状を形成させ
た。実施例−1と同様の方法で乾燥中空糸膜を得た。内
径235μm、膜厚35μmであった。実施例−1と同様の
方法で、分画分子量及び平均孔径を求めた。その結果、
下記の値が得られた。平均孔径150Å、分画分子量11000
0、及びMW95/MW50=1.8であり、限外濾過速度は、643ml
/m2・hr・mmHgであった。得られた中空糸膜の最内層部
に平均孔径が100Å〜200Åの層を有し、外表面にかけて
多孔質構造であった。破裂強度は6Kg/cm2であった。
(実施例4) 実施例1で用いたポリビニルピロリドン水溶液を、表
1に示す種々のポリビニルピロリドン水溶液系に変更し
た以外は、実施例1に示す条件と同一条件で中空糸膜を
作成し、同様の測定を実施した。得られた結果を一括し
て表1に示す。
得られた中空糸膜は、いずれも最内層部に平均孔系が
100Å〜200Åの層を有し、外表面にかけて微多孔質構造
であった。
(比較例1) 実施例1で用いたポリビニルピロリドン水溶液のかわ
りに、水及び硝酸水溶液を用いた以外は実施例1と同一
条件で中空糸膜を作成し、測定した。その結果を一括し
て表2に示す。いずれも最外層にかけて5μm以上の巨
大空孔を有し、破裂強度が低かった。
(比較例2) 従来技術で得られた中空糸膜の水系の限外濾過速度を
表3に引用して示す。
(発明の効果) 本発明のPAN系中空糸膜は、溶質分離能及び溶質透過
性に優れ、高い限外濾過性能を有するとともに、巨大空
孔を有しないため機械的強度にも優れている。特に、医
療分野における血液透析膜及び血液濾過膜として好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で得られる中空糸膜の模式図を示す。
第2図は、本発明で得られた中空糸膜の繊維の形状を示
す走査型電子顕微鏡写真である。第3図は分子分画曲線
の1例を示す。 1……平均孔径が100Å〜200Åの層 2……微多孔質構造 3……最外層部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/38 D01F 6/38 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 71/42 B01D 69/08 D01F 6/18 D01F 6/38 A61M 69/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空糸の最内層部に、平均孔径が100Å〜2
    00Åの層を有し、内層部から最外層部にかけて、上記最
    内層部よりも大きな孔からなり、巨大空孔が存在しない
    孔径が5μm以下の空孔からなる微多孔質構造を有し、
    蛋白質希薄溶液系における分画分子量が6万から15万で
    あり、且つ分子分画曲線で阻止率50%に対応する分子量
    50の、阻止率95%に対応する分子量M95に対する比θ
    =M95/M50が2.5以下であることを特徴とするポリアク
    リロニトリル系中空糸膜。
  2. 【請求項2】ポリアクリロニトリル系重合体溶液から鞘
    芯型中空糸用口金を用いてポリアクリロニトリル系中空
    糸膜を製造するに際し、芯部より濃度5〜50重量%のポ
    リビニルピロリドン水溶液又は水溶液系溶液を注入する
    ことを特徴とするポリアクリロニトリル系中空糸膜の製
    造法。
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