JPS6139978B2 - - Google Patents
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- JPS6139978B2 JPS6139978B2 JP54107455A JP10745579A JPS6139978B2 JP S6139978 B2 JPS6139978 B2 JP S6139978B2 JP 54107455 A JP54107455 A JP 54107455A JP 10745579 A JP10745579 A JP 10745579A JP S6139978 B2 JPS6139978 B2 JP S6139978B2
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Description
本発明は新規な微多孔質膜の製法に関する。更
に詳しくは特定の重合体ブレンド物から成膜した
のち、一方の重合体成分を選択的に溶剤抽出する
ことよりなる微多孔質膜の製法に関するものであ
る。 従来微多孔質膜としては平膜、中空糸を対象に
多数の製造法とその使用例が提案されている。こ
れらの微多孔質膜は海水から真水を得たり、血液
の透析あるいは人工肺等に実用化されつつある。
例えばセルロースアセテートに溶媒の存在下無機
塩を均一に混合して湿式製膜后、該無機塩を溶剤
抽出する方法、ポリエチレンに高級エステルを混
合して溶融方式で製膜しついで高級エステルを抽
出する方法、あるいはポリプロピレンを溶融方式
で中空繊維となし冷延伸することにより微細な孔
を有する多孔質膜となす方法等がその代表的な製
造法である。 さらに特公昭53−9632号には2種類の重合体の
共通溶媒に溶解し、流延、乾燥して成膜した後一
方の重合体を溶媒を用いて選択的に抽出し微多孔
膜を得る方法が開示されている。2種類の重合体
(A)と(B)を混合した場合、溶媒の有無にかかわらず
一般に均一に溶解せず相分離を起す。即ち2種の
重合体(A)および(B)は、その組成が異なれば一般に
相溶しない。その場合混合系の粘度が比較的に高
ければ、(A)、(B)どちらか一方の成分がマトリツク
スとなりもう一方の成分がマトリツクス内へある
粒径を持つて分散する。即ちいわゆる海島構造を
形成する。しかしながらこのような系では分散粒
子の径が不均一であつたり、経時的に粒子が会合
して粒子径が増大し、混合系の粘度が変化し、場
合によつてはゲル化を起す。 即ち(A)、(B)2種類の重合体の混合では安定な賦
形用溶液及び融液の調整が困難であると同時に、
それより得られたフイルム状賦形物から一方の重
合体を選択抽出し多孔膜を形成させても、その膜
の強度はもろく、孔径も不均一で実用的な膜とは
ならない。 本発明はこれらの欠点を解決し、工業的に有用
な微多孔膜の製法を提供するものである。又本発
明はその製造条件の範囲内に於て新規な構造を有
する膜、とりわけ孔の周辺が膜を形成するマトリ
ツクスと異なる重合体にとり囲まれた特異な構造
をもつ膜をつくり得ることも大きな特徴である。 本発明の要旨とするところは、互に相溶しない
重合体(A)および(B)と、該重合体に対し0.05〜20wt
%の重合体からなる分散剤(C)を溶剤の存在下又は
溶剤の存在なしに均一に混合したのち製膜し、つ
いで重合体(A)に対しては貧溶媒であるが重合体(B)
に対しては良溶媒である溶剤により、重合体(B)を
溶解抽出することにより得られる微多孔質膜の製
法に関する。 本発明の多孔性は混合比率の大な重合体(A)から
なるマトリツクスに均一に分散した重合体(B)を部
分的にあるいはそのほとんどを溶出することによ
つて発現するものであり、この際孔の径およびそ
の分布の均一性を達成すべく、元来相溶性の乏し
い重合体(A)と(B)の相溶性を向上しかつ重合体(B)が
安定な島成分としてマトリツクス(海)の重合体
(A)に微細に均一に分散せしめるべく分散剤(C)を必
須成分とするものである。 以下本発明を詳しく説明する。 重合体(A)及び(B)は互に相溶しない重合体であつ
て、実質的に組成の異なるホモ重合体又は共重合
体であり、広く公知の重合体から任意に設定する
ことが出来る。しかも本発明において重合体(A)と
(B)は又同時にそれぞれ(B)と(A)に置換できる。1例
を挙げるとポリ塩化ビニルとアクリロニトリル系
重合体を(A)及び(B)として選択する場合もあり、又
別の目的によつて逆に重合体(A)としてアクリロニ
トリル系重合体を(B)としてポリ塩化ビニルを使用
することもできる。 ここにおいて、得られる膜の実用性からマトリ
ツクスを形成する重合体(A)は、好ましくは、より
疎水性の大な重合体が選択される。このことによ
つて膜の機械的性質、形態安定性が保持されとり
わけ湿潤雰囲気での有用性が主張できる。重合体
(A)又は(B)として具体的には、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリフツ化ビニリデン、ポリ(メタ)アク
リレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリア
クリロニトリル等の疎水性の重合体あるいは共重
合体やセルロース系誘導体、ポリビニルアルコー
ル、ポリアミド、ポリアミノ酸及びそれらの誘導
体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミ
ド又はそれらの誘導体、その他親水性の大なる単
量体ユニツトを多量含む水に親和性の高い又は水
溶性の重合体が挙げられるが、必ずしもこれらに
限定されるものでなく、広く天然又は合成された
高分子が自由に適用される。ここで重合体(B)は特
定の溶剤に溶解し、しかもその溶剤で重合体(A)は
実質的に作用を受けないことが必要である。又、
重合体(A)又は(B)のいずれか一方が溶融性を示さな
い組み合せの場合、通常は共通溶剤により溶解し
て成膜することが行なわれる。以上の条件を満た
す重合体の範囲において(A)と(B)の選択は自由であ
る。 (A)、(B)の混合割合いは重合体(A)を膜のマトリツ
クスを形成する成分とする場合、重量比で(A):(B)
は55〜97:45〜3とするのが良い。ここで(B)が3
より少ないと最終的に得られる製品の空孔率が不
足し好ましくない。(A):(B)はより好ましくは60〜
85:40〜15の範囲である。 分散剤(C)は重合体(A)のマトリツクスに重合体(B)
を均一な分散粒子として安定に存在せしめる作用
を有する。この場合成型后においても該分散剤が
膜中に安定に存在するものが好ましく、そのため
相溶効果の有する重合体であることが必要であ
る。ここで重合体とはオリゴマー程度から高分子
量の広い範囲に亘るが、一般に重合度が数十以上
のものが好ましく、より好ましくは数百以上の重
合体である。 分散剤(C)として有効な重合体としては、重合体
(A)と親和性の高いあるいは同一の単量体からなる
セグメント(a)と、同様に重合体(B)に親和性の大な
セグメント(b)を、同一重合体鎖中にそれぞれ含む
ものが用いられる。このような重合体としてはブ
ロツク重合体あるいはaとbを主要成分とするグ
ラフト重合体が有効である。親和性の予測手段と
しては溶解性パラメーターが1つの目安として用
いることが出来る。即ち重合体(A)およびブロツク
成分(a)の溶解性パラメーターをそれぞれδA、δ
aとすると|δA−δa|が小さい程重合体(A)と
ブロツク成分(a)は親和性が良いと判断出来る。分
散剤(C)が有効に作用するためには|δA−δa|
が3より小さく、より好ましくは2より小さくす
ることが望ましい。この関係は重合体(B)およびブ
ロツク成分(b)についても同じである。かかる重合
体は公知の種々の方法で製造することができる。
例えば、イオン重合技術、重縮合技術、ラジカル
重合技術などが挙げられる。イオン重合技術では
リビングポリマー重合法によりab型、aba型等a
およびbブロツク成分の長さを変えたブロツクポ
リマーを重合することが出来る。又ラジカル重合
技術によつてもビニル系モノマーの組み合わせか
らなるab型ブロツク重合体を得ることが出来
る。1例としてラジカル重合法によるブロツク重
合体からなる分散剤の製法を以下に述べる。 重合触媒として次式(1)で示される少くとも1個
のハイドロパーオキサイド基を有するアルキル置
換又は無置換のジシクロヘキサンパーオキシド
と、この触媒のハイドロパーオキシ基のラジカル
分解だけを促進するが、ケトンパーオキシ基の分
解は促進しにくい還元性化合物とよりなるレドツ
クス触媒を用いて、モノマーaを重合せしめた
后、aセグメントの末端又は中間に結合するケト
ンパーオキシ基の開始活性を利用して、重合温度
を70〜80℃以上の高温に上げることにより、第2
段目としてモノマーbを添加し重合せしめてab
型ブロツク重合体をつくる。この際モノマーa又
はbは任意に選択される。 (式(1)において、Rは水素又はアルキル基、R′は
水素又はヒドロキシル基を示す) 又、別の方法として溶融物の重合体(A)又は(B)、
例えばポリエステルやポリアミド等のブレンド系
に効果的でかつ溶融成型に好都合な分散剤の合成
として典型的なものとして次のような方法があ
る。即ちポリエステルセグメントの末端に存在す
るOH基又はポリアミドではアミノ基又は分子内
のアミド基を活性点として、Cl塩を開始剤とし
て溶融性のビニル重合体(セグメントb)をブロ
ツク的にあるいはグラフトの構造に結合せしめう
ることが知られている。 かくして得られる重合体は、ブロツク型あるい
はグラフト型いづれにおいても純粋なものでない
ので、適切な分別手段を用いて目的とする重合体
を取出す必要がある。しかしながら工業的にはそ
れらを含む全重合体を本発明の目的、即ち分散剤
として使用することができ有効である。 分散剤(C)の必要量はブロツク又はグラフトの分
子構造等に影響されると同時に、目的とする相溶
効果、即ち重合体(B)の分散粒子の平均径及びその
経時的安定性を支配するので必ずしも一義的に決
められないが、重合体(A)と(B)の総量に対し0.05〜
20wt%、好ましくは0.5〜5wt%必要である。こ
こで重合体(B)の平均粒径は、重合体(A)と(B)の比
率、分散剤の添加量等で決まる平衡値であるが、
本発明者等の多くの実験によつて約0.01〜10μの
範囲で変えうることを確認した。 重合体(A)、(B)及び(C)は溶融混合する場合もある
が、又共通溶媒に溶解して均一な混合物を得る。
従つて本発明は上記分散剤の設計と共に共通溶媒
の選択が重要である。 かくして得られる重合体溶液又は融液は海島状
原液となり、一般に両重合体の屈折率の相違によ
り見掛上濁つているが、成型操作上特に問題はな
い。この原液からT−ダイもしくはインフレーシ
ヨンによる平膜化、チユーブ化もしくは中空糸用
ノズルを用いて押出し中空繊維を得る。凝固は乾
式、湿式又は乾湿式法等の公知の方法で行なうこ
とが出来る。 膜厚は用途に応じて選択されるがチユーブ膜や
平膜の場合好ましくは25〜1000μ位である。特に
膜の強度を必要とする用途に対しては織布や不織
布等の適切な多孔質支持体上に原液を流延し成膜
することが好ましい。中空糸の場合は外径が100
〜1000μで、膜厚がほぼ10〜500μとする。 本発明によつて得られる膜は原液の海島状態と
ほぼ相似する均一な海島状態を形成する。しかし
ながら成膜時、押出し又は延伸等により配向効果
が与えられるので、マトリツクスのみならず島成
分(重合体B)も押出し方向に変形する。更にこ
の際島と島の間にクレーズもしくはクラツクが発
生しそれを介して島間に微少な通路が形成される
ことが多い。この通路の発生は本発明の目的を損
なうものでなく、目的によつては好ましい構造と
なる。 かくして得られた平膜、チユーブ膜もしくは中
空糸から島成分、即ち重合体(B)を選択的に抽出す
るのが本発明の第2の特徴である。ここでその代
表例を挙げて説明する。 重合体(A)に疎水性のメチルメタクリレート
(MMA)とブチルアクリレート(BA)の共重合
体(その組成がMMA/BA=80/20)、重合体(B)
に親水性の単量体(ヒドロキシエチルメタクリレ
ート)を10wt%共重合したアクリロニトリル
(AN)系重合体を選び、その分散剤として前記ラ
ジカル触媒法により得たMMAとANのブロツク重
合体を含む重合体を用い、共通溶剤であるジメチ
ルホルムアミドに溶解してなる原液とした。図面
の第1図にその相状態(光学顕微鏡写真)を示
す。粒径が0.5〜5μの範囲においてAN系重合体
が均一に島成分として存在する様子が分る。この
原液をガラス板状に流延し、ついで減圧乾燥し厚
さ100μの平膜を得た。ついでこれをチオシアン
酸ソーダの50%水溶液で処理することにより、ア
クリロニトリル系重合体のみを選択的に抽出する
ことができた。しかも抽出処理の条件を適宜設定
することにより抽出量を規制することも可能で、
孔径をコントロールすることができる。多くの実
験によつて重合体(B)の抽出量が重合体(B)に対しほ
ぼ10wt%以上とすることによつて微多孔質膜と
しての有用性が飛躍することが見出されている。
ここで特に上記の如くマトリツクスが疎水性重合
体で重合体(B)が親水性に富む重合体の場合、重合
体(B)を溶出して生じる微細孔の周辺は親水性の重
合体がリツチである。即ち重合体(B)を溶剤で抽出
することによりその抽出量に応じて空孔率の上昇
を伴なうが重合体(B)、即ち島は相溶剤によつてマ
トリツクスの重合体(A)に物理化学的な親和力で結
合しておりこれが孔の壁を形成している。このよ
うな親水性重合体壁を持つ微細な孔は、例えば親
水性基がOH基である場合、水、アルコールある
いは血液等の透過性に非常に優れた作用を発揮す
る。 一方、細孔の存在数、いいかえれば空孔率は製
品の有用性を決める重量な要素であり、本発明者
等は上記した方法の範囲において製造性又は性能
面から検討した結果、経験的に空孔率が20〜
80vol%の微多孔質膜の製造を可能とした。 以上の如き主要条件以外に、本発明の主旨を損
なわない限りその他の種々の付帯条件を採用する
ことができる。例えば重合体(A)又は(B)は普通それ
ぞれ単一の重合体であるが、目的によつて重合体
ブレンド物であつてもよい。但しその場合は、重
合体(A)又は(B)のドメインは均一透明に近い理想混
合状態をとることが望ましい。 成型に際し該原液に無機物やその他の添加剤を
導入してもよい。又重合体(B)の溶出には任意の方
法が採用されるが、好ましくはマトリツクスを膨
潤せずかつ少なくとも溶解せしめない特定溶剤を
選択し、パツチ式又は連続式に行ない、抽出処理
后は洗浄を行ない、適切な手段で乾燥することも
出来る。 本発明は微多孔質膜の製造において、特定の分
散剤を混合したポリマーブレンドにより一旦均質
な海島状原液をつくり成型したのち、島成分を部
分的にあるいは全部を溶出することにより微細な
空孔を生ぜしめることを特徴とするものであり、
従来公知の微多孔質膜の製法と異なり、製膜工程
の安定性に優れ、膜の機械的強度が大きく、かつ
孔の平均的大きさあるいは空孔率のコントロール
が容易である微多孔膜の製法を提供するものであ
る。 以下本発明を実施例に挙げてより具体的に説明
する。なお実施例中膜性能の評価は以下の方法に
よつた。 1 孔径 上出氏等の方法(高分子論文集34巻3号206
頁)により電子顕微鏡法及び水の過速度法に
より求めた。 2 空孔率 空孔率は次式で定めた。 空孔率(%)=(1−ρa/ρp)×100 ここでρaは多孔質膜の見掛密度、ρpは重
合体(A)及び(B)のそれぞれの密度にその使用比率
(但し(A)+(B)=1)を乗じて加算した。 比較例 1 重合体(A)及び(B)が疎水性の重合体であり分散剤
(重合体C)を使用しない系で以下の実験を行な
つた。 重合体(A)として数平均分子量約2万の、組成が
アクリロニトリル(AN)90wt%とメチルアクリ
レート(MA)10wt%からなるAN系重合体、重
合体(B)として数平均分子量や約5万のポリメチル
メタクリレートを選択し、(A)/(B)=70/30の比率
でジメチルホルムアミドに撹拌溶解し重合体濃度
20wt%の原液を調製した。この原液の相状態を
光学顕微鏡で観察したところ、図面の第2図に示
すように粗大な島粒子が不均一に分散したもので
あつた。次にガラスの平板上に厚さ100μとなる
よう流延したが、厚みの均斉な膜が形成されなか
つた。50℃で減圧乾燥し溶剤を除去したのち水洗
して得た平膜は失透状の縞模様が発生し充分な機
械的強度を示さずもろかつた。 実施例 1 比較例1を対照に分散剤(重合体C)を添加す
る実験を行なつた。重合体(C)はラジカル重合法に
より以下の如く調製した。 シクロヘキサノンパーオキシドとして市販のパ
ーオキサH(日本油脂(株)製)1.5gをメチルメタ
クリレート(MMA)100gに溶かし、脱イオン
水1と乳化剤としてペレツクスOTP(日本油
脂(株)製)1gを含む反応器に加えた。ついで40℃
に保持し十分N2置換した。これにロンカリツト
1.2gと硫酸第1鉄0.0003gを含む水溶液100gを
添加することにより重合を開始した。そのまま撹
拌を続け2時間で第1段目の乳化重合を完結さ
せ、ついで第2段目としこの乳化液にAN90gと
MA10gを加えたのち、温度を70℃に昇温し4時
間撹拌を続けた。重合体を取り出し過、水洗及
び乾燥して重合体粉末を得た(全重合率は68.5
%)。 次に該重合体粉末をジメチルホルムアミド/メ
タノール系溶剤で分別したところ、MMA(a)とAN
およびMA(b)からなるab型ブロツク重合体が約22
%生成していた。このブロツク重合体を分析した
結果数平均分子量45000でその組成はMMA/
AN/MA=55.2/40.1/4.7重合比であつた。 重合体(C)(上で得たブロツク重合体)を比較例
1の系に重合体(A)、(B)の総量に対し1.0wt%添加
し同様に20wt%の原液を調製した。このとき重
合体組成比は(A)/(B)/(C)=69.3/29.7/1.0とな
る。この原液の相状態を同様に図面の第3図に示
す。島成分のポリMMAが均一に分布しかつその
平均粒径は約0.5μであつた。原液の流動性は非
常に良好で比較例1と同様にして厚さ100μの均
一な平膜が得られた。ついでこの平膜を金型枠に
固定し定長下で45℃に保持されたアセトン中に浸
漬しポリMMAの抽出を行なつた。浸漬時間を変
更して得た膜のポリMMA抽出率、空孔率及び平
均孔径を第1表に示す。
に詳しくは特定の重合体ブレンド物から成膜した
のち、一方の重合体成分を選択的に溶剤抽出する
ことよりなる微多孔質膜の製法に関するものであ
る。 従来微多孔質膜としては平膜、中空糸を対象に
多数の製造法とその使用例が提案されている。こ
れらの微多孔質膜は海水から真水を得たり、血液
の透析あるいは人工肺等に実用化されつつある。
例えばセルロースアセテートに溶媒の存在下無機
塩を均一に混合して湿式製膜后、該無機塩を溶剤
抽出する方法、ポリエチレンに高級エステルを混
合して溶融方式で製膜しついで高級エステルを抽
出する方法、あるいはポリプロピレンを溶融方式
で中空繊維となし冷延伸することにより微細な孔
を有する多孔質膜となす方法等がその代表的な製
造法である。 さらに特公昭53−9632号には2種類の重合体の
共通溶媒に溶解し、流延、乾燥して成膜した後一
方の重合体を溶媒を用いて選択的に抽出し微多孔
膜を得る方法が開示されている。2種類の重合体
(A)と(B)を混合した場合、溶媒の有無にかかわらず
一般に均一に溶解せず相分離を起す。即ち2種の
重合体(A)および(B)は、その組成が異なれば一般に
相溶しない。その場合混合系の粘度が比較的に高
ければ、(A)、(B)どちらか一方の成分がマトリツク
スとなりもう一方の成分がマトリツクス内へある
粒径を持つて分散する。即ちいわゆる海島構造を
形成する。しかしながらこのような系では分散粒
子の径が不均一であつたり、経時的に粒子が会合
して粒子径が増大し、混合系の粘度が変化し、場
合によつてはゲル化を起す。 即ち(A)、(B)2種類の重合体の混合では安定な賦
形用溶液及び融液の調整が困難であると同時に、
それより得られたフイルム状賦形物から一方の重
合体を選択抽出し多孔膜を形成させても、その膜
の強度はもろく、孔径も不均一で実用的な膜とは
ならない。 本発明はこれらの欠点を解決し、工業的に有用
な微多孔膜の製法を提供するものである。又本発
明はその製造条件の範囲内に於て新規な構造を有
する膜、とりわけ孔の周辺が膜を形成するマトリ
ツクスと異なる重合体にとり囲まれた特異な構造
をもつ膜をつくり得ることも大きな特徴である。 本発明の要旨とするところは、互に相溶しない
重合体(A)および(B)と、該重合体に対し0.05〜20wt
%の重合体からなる分散剤(C)を溶剤の存在下又は
溶剤の存在なしに均一に混合したのち製膜し、つ
いで重合体(A)に対しては貧溶媒であるが重合体(B)
に対しては良溶媒である溶剤により、重合体(B)を
溶解抽出することにより得られる微多孔質膜の製
法に関する。 本発明の多孔性は混合比率の大な重合体(A)から
なるマトリツクスに均一に分散した重合体(B)を部
分的にあるいはそのほとんどを溶出することによ
つて発現するものであり、この際孔の径およびそ
の分布の均一性を達成すべく、元来相溶性の乏し
い重合体(A)と(B)の相溶性を向上しかつ重合体(B)が
安定な島成分としてマトリツクス(海)の重合体
(A)に微細に均一に分散せしめるべく分散剤(C)を必
須成分とするものである。 以下本発明を詳しく説明する。 重合体(A)及び(B)は互に相溶しない重合体であつ
て、実質的に組成の異なるホモ重合体又は共重合
体であり、広く公知の重合体から任意に設定する
ことが出来る。しかも本発明において重合体(A)と
(B)は又同時にそれぞれ(B)と(A)に置換できる。1例
を挙げるとポリ塩化ビニルとアクリロニトリル系
重合体を(A)及び(B)として選択する場合もあり、又
別の目的によつて逆に重合体(A)としてアクリロニ
トリル系重合体を(B)としてポリ塩化ビニルを使用
することもできる。 ここにおいて、得られる膜の実用性からマトリ
ツクスを形成する重合体(A)は、好ましくは、より
疎水性の大な重合体が選択される。このことによ
つて膜の機械的性質、形態安定性が保持されとり
わけ湿潤雰囲気での有用性が主張できる。重合体
(A)又は(B)として具体的には、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリフツ化ビニリデン、ポリ(メタ)アク
リレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリア
クリロニトリル等の疎水性の重合体あるいは共重
合体やセルロース系誘導体、ポリビニルアルコー
ル、ポリアミド、ポリアミノ酸及びそれらの誘導
体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミ
ド又はそれらの誘導体、その他親水性の大なる単
量体ユニツトを多量含む水に親和性の高い又は水
溶性の重合体が挙げられるが、必ずしもこれらに
限定されるものでなく、広く天然又は合成された
高分子が自由に適用される。ここで重合体(B)は特
定の溶剤に溶解し、しかもその溶剤で重合体(A)は
実質的に作用を受けないことが必要である。又、
重合体(A)又は(B)のいずれか一方が溶融性を示さな
い組み合せの場合、通常は共通溶剤により溶解し
て成膜することが行なわれる。以上の条件を満た
す重合体の範囲において(A)と(B)の選択は自由であ
る。 (A)、(B)の混合割合いは重合体(A)を膜のマトリツ
クスを形成する成分とする場合、重量比で(A):(B)
は55〜97:45〜3とするのが良い。ここで(B)が3
より少ないと最終的に得られる製品の空孔率が不
足し好ましくない。(A):(B)はより好ましくは60〜
85:40〜15の範囲である。 分散剤(C)は重合体(A)のマトリツクスに重合体(B)
を均一な分散粒子として安定に存在せしめる作用
を有する。この場合成型后においても該分散剤が
膜中に安定に存在するものが好ましく、そのため
相溶効果の有する重合体であることが必要であ
る。ここで重合体とはオリゴマー程度から高分子
量の広い範囲に亘るが、一般に重合度が数十以上
のものが好ましく、より好ましくは数百以上の重
合体である。 分散剤(C)として有効な重合体としては、重合体
(A)と親和性の高いあるいは同一の単量体からなる
セグメント(a)と、同様に重合体(B)に親和性の大な
セグメント(b)を、同一重合体鎖中にそれぞれ含む
ものが用いられる。このような重合体としてはブ
ロツク重合体あるいはaとbを主要成分とするグ
ラフト重合体が有効である。親和性の予測手段と
しては溶解性パラメーターが1つの目安として用
いることが出来る。即ち重合体(A)およびブロツク
成分(a)の溶解性パラメーターをそれぞれδA、δ
aとすると|δA−δa|が小さい程重合体(A)と
ブロツク成分(a)は親和性が良いと判断出来る。分
散剤(C)が有効に作用するためには|δA−δa|
が3より小さく、より好ましくは2より小さくす
ることが望ましい。この関係は重合体(B)およびブ
ロツク成分(b)についても同じである。かかる重合
体は公知の種々の方法で製造することができる。
例えば、イオン重合技術、重縮合技術、ラジカル
重合技術などが挙げられる。イオン重合技術では
リビングポリマー重合法によりab型、aba型等a
およびbブロツク成分の長さを変えたブロツクポ
リマーを重合することが出来る。又ラジカル重合
技術によつてもビニル系モノマーの組み合わせか
らなるab型ブロツク重合体を得ることが出来
る。1例としてラジカル重合法によるブロツク重
合体からなる分散剤の製法を以下に述べる。 重合触媒として次式(1)で示される少くとも1個
のハイドロパーオキサイド基を有するアルキル置
換又は無置換のジシクロヘキサンパーオキシド
と、この触媒のハイドロパーオキシ基のラジカル
分解だけを促進するが、ケトンパーオキシ基の分
解は促進しにくい還元性化合物とよりなるレドツ
クス触媒を用いて、モノマーaを重合せしめた
后、aセグメントの末端又は中間に結合するケト
ンパーオキシ基の開始活性を利用して、重合温度
を70〜80℃以上の高温に上げることにより、第2
段目としてモノマーbを添加し重合せしめてab
型ブロツク重合体をつくる。この際モノマーa又
はbは任意に選択される。 (式(1)において、Rは水素又はアルキル基、R′は
水素又はヒドロキシル基を示す) 又、別の方法として溶融物の重合体(A)又は(B)、
例えばポリエステルやポリアミド等のブレンド系
に効果的でかつ溶融成型に好都合な分散剤の合成
として典型的なものとして次のような方法があ
る。即ちポリエステルセグメントの末端に存在す
るOH基又はポリアミドではアミノ基又は分子内
のアミド基を活性点として、Cl塩を開始剤とし
て溶融性のビニル重合体(セグメントb)をブロ
ツク的にあるいはグラフトの構造に結合せしめう
ることが知られている。 かくして得られる重合体は、ブロツク型あるい
はグラフト型いづれにおいても純粋なものでない
ので、適切な分別手段を用いて目的とする重合体
を取出す必要がある。しかしながら工業的にはそ
れらを含む全重合体を本発明の目的、即ち分散剤
として使用することができ有効である。 分散剤(C)の必要量はブロツク又はグラフトの分
子構造等に影響されると同時に、目的とする相溶
効果、即ち重合体(B)の分散粒子の平均径及びその
経時的安定性を支配するので必ずしも一義的に決
められないが、重合体(A)と(B)の総量に対し0.05〜
20wt%、好ましくは0.5〜5wt%必要である。こ
こで重合体(B)の平均粒径は、重合体(A)と(B)の比
率、分散剤の添加量等で決まる平衡値であるが、
本発明者等の多くの実験によつて約0.01〜10μの
範囲で変えうることを確認した。 重合体(A)、(B)及び(C)は溶融混合する場合もある
が、又共通溶媒に溶解して均一な混合物を得る。
従つて本発明は上記分散剤の設計と共に共通溶媒
の選択が重要である。 かくして得られる重合体溶液又は融液は海島状
原液となり、一般に両重合体の屈折率の相違によ
り見掛上濁つているが、成型操作上特に問題はな
い。この原液からT−ダイもしくはインフレーシ
ヨンによる平膜化、チユーブ化もしくは中空糸用
ノズルを用いて押出し中空繊維を得る。凝固は乾
式、湿式又は乾湿式法等の公知の方法で行なうこ
とが出来る。 膜厚は用途に応じて選択されるがチユーブ膜や
平膜の場合好ましくは25〜1000μ位である。特に
膜の強度を必要とする用途に対しては織布や不織
布等の適切な多孔質支持体上に原液を流延し成膜
することが好ましい。中空糸の場合は外径が100
〜1000μで、膜厚がほぼ10〜500μとする。 本発明によつて得られる膜は原液の海島状態と
ほぼ相似する均一な海島状態を形成する。しかし
ながら成膜時、押出し又は延伸等により配向効果
が与えられるので、マトリツクスのみならず島成
分(重合体B)も押出し方向に変形する。更にこ
の際島と島の間にクレーズもしくはクラツクが発
生しそれを介して島間に微少な通路が形成される
ことが多い。この通路の発生は本発明の目的を損
なうものでなく、目的によつては好ましい構造と
なる。 かくして得られた平膜、チユーブ膜もしくは中
空糸から島成分、即ち重合体(B)を選択的に抽出す
るのが本発明の第2の特徴である。ここでその代
表例を挙げて説明する。 重合体(A)に疎水性のメチルメタクリレート
(MMA)とブチルアクリレート(BA)の共重合
体(その組成がMMA/BA=80/20)、重合体(B)
に親水性の単量体(ヒドロキシエチルメタクリレ
ート)を10wt%共重合したアクリロニトリル
(AN)系重合体を選び、その分散剤として前記ラ
ジカル触媒法により得たMMAとANのブロツク重
合体を含む重合体を用い、共通溶剤であるジメチ
ルホルムアミドに溶解してなる原液とした。図面
の第1図にその相状態(光学顕微鏡写真)を示
す。粒径が0.5〜5μの範囲においてAN系重合体
が均一に島成分として存在する様子が分る。この
原液をガラス板状に流延し、ついで減圧乾燥し厚
さ100μの平膜を得た。ついでこれをチオシアン
酸ソーダの50%水溶液で処理することにより、ア
クリロニトリル系重合体のみを選択的に抽出する
ことができた。しかも抽出処理の条件を適宜設定
することにより抽出量を規制することも可能で、
孔径をコントロールすることができる。多くの実
験によつて重合体(B)の抽出量が重合体(B)に対しほ
ぼ10wt%以上とすることによつて微多孔質膜と
しての有用性が飛躍することが見出されている。
ここで特に上記の如くマトリツクスが疎水性重合
体で重合体(B)が親水性に富む重合体の場合、重合
体(B)を溶出して生じる微細孔の周辺は親水性の重
合体がリツチである。即ち重合体(B)を溶剤で抽出
することによりその抽出量に応じて空孔率の上昇
を伴なうが重合体(B)、即ち島は相溶剤によつてマ
トリツクスの重合体(A)に物理化学的な親和力で結
合しておりこれが孔の壁を形成している。このよ
うな親水性重合体壁を持つ微細な孔は、例えば親
水性基がOH基である場合、水、アルコールある
いは血液等の透過性に非常に優れた作用を発揮す
る。 一方、細孔の存在数、いいかえれば空孔率は製
品の有用性を決める重量な要素であり、本発明者
等は上記した方法の範囲において製造性又は性能
面から検討した結果、経験的に空孔率が20〜
80vol%の微多孔質膜の製造を可能とした。 以上の如き主要条件以外に、本発明の主旨を損
なわない限りその他の種々の付帯条件を採用する
ことができる。例えば重合体(A)又は(B)は普通それ
ぞれ単一の重合体であるが、目的によつて重合体
ブレンド物であつてもよい。但しその場合は、重
合体(A)又は(B)のドメインは均一透明に近い理想混
合状態をとることが望ましい。 成型に際し該原液に無機物やその他の添加剤を
導入してもよい。又重合体(B)の溶出には任意の方
法が採用されるが、好ましくはマトリツクスを膨
潤せずかつ少なくとも溶解せしめない特定溶剤を
選択し、パツチ式又は連続式に行ない、抽出処理
后は洗浄を行ない、適切な手段で乾燥することも
出来る。 本発明は微多孔質膜の製造において、特定の分
散剤を混合したポリマーブレンドにより一旦均質
な海島状原液をつくり成型したのち、島成分を部
分的にあるいは全部を溶出することにより微細な
空孔を生ぜしめることを特徴とするものであり、
従来公知の微多孔質膜の製法と異なり、製膜工程
の安定性に優れ、膜の機械的強度が大きく、かつ
孔の平均的大きさあるいは空孔率のコントロール
が容易である微多孔膜の製法を提供するものであ
る。 以下本発明を実施例に挙げてより具体的に説明
する。なお実施例中膜性能の評価は以下の方法に
よつた。 1 孔径 上出氏等の方法(高分子論文集34巻3号206
頁)により電子顕微鏡法及び水の過速度法に
より求めた。 2 空孔率 空孔率は次式で定めた。 空孔率(%)=(1−ρa/ρp)×100 ここでρaは多孔質膜の見掛密度、ρpは重
合体(A)及び(B)のそれぞれの密度にその使用比率
(但し(A)+(B)=1)を乗じて加算した。 比較例 1 重合体(A)及び(B)が疎水性の重合体であり分散剤
(重合体C)を使用しない系で以下の実験を行な
つた。 重合体(A)として数平均分子量約2万の、組成が
アクリロニトリル(AN)90wt%とメチルアクリ
レート(MA)10wt%からなるAN系重合体、重
合体(B)として数平均分子量や約5万のポリメチル
メタクリレートを選択し、(A)/(B)=70/30の比率
でジメチルホルムアミドに撹拌溶解し重合体濃度
20wt%の原液を調製した。この原液の相状態を
光学顕微鏡で観察したところ、図面の第2図に示
すように粗大な島粒子が不均一に分散したもので
あつた。次にガラスの平板上に厚さ100μとなる
よう流延したが、厚みの均斉な膜が形成されなか
つた。50℃で減圧乾燥し溶剤を除去したのち水洗
して得た平膜は失透状の縞模様が発生し充分な機
械的強度を示さずもろかつた。 実施例 1 比較例1を対照に分散剤(重合体C)を添加す
る実験を行なつた。重合体(C)はラジカル重合法に
より以下の如く調製した。 シクロヘキサノンパーオキシドとして市販のパ
ーオキサH(日本油脂(株)製)1.5gをメチルメタ
クリレート(MMA)100gに溶かし、脱イオン
水1と乳化剤としてペレツクスOTP(日本油
脂(株)製)1gを含む反応器に加えた。ついで40℃
に保持し十分N2置換した。これにロンカリツト
1.2gと硫酸第1鉄0.0003gを含む水溶液100gを
添加することにより重合を開始した。そのまま撹
拌を続け2時間で第1段目の乳化重合を完結さ
せ、ついで第2段目としこの乳化液にAN90gと
MA10gを加えたのち、温度を70℃に昇温し4時
間撹拌を続けた。重合体を取り出し過、水洗及
び乾燥して重合体粉末を得た(全重合率は68.5
%)。 次に該重合体粉末をジメチルホルムアミド/メ
タノール系溶剤で分別したところ、MMA(a)とAN
およびMA(b)からなるab型ブロツク重合体が約22
%生成していた。このブロツク重合体を分析した
結果数平均分子量45000でその組成はMMA/
AN/MA=55.2/40.1/4.7重合比であつた。 重合体(C)(上で得たブロツク重合体)を比較例
1の系に重合体(A)、(B)の総量に対し1.0wt%添加
し同様に20wt%の原液を調製した。このとき重
合体組成比は(A)/(B)/(C)=69.3/29.7/1.0とな
る。この原液の相状態を同様に図面の第3図に示
す。島成分のポリMMAが均一に分布しかつその
平均粒径は約0.5μであつた。原液の流動性は非
常に良好で比較例1と同様にして厚さ100μの均
一な平膜が得られた。ついでこの平膜を金型枠に
固定し定長下で45℃に保持されたアセトン中に浸
漬しポリMMAの抽出を行なつた。浸漬時間を変
更して得た膜のポリMMA抽出率、空孔率及び平
均孔径を第1表に示す。
【表】
なおこの際マトリツクスのAN系重合体は膨
潤・溶解作用を全く受けなかつた。また、0.22μ
のポリスチレン粒子を水に分散し、実験No.3で
得られた膜で過した所、液にはポリスチレン
粒子は含まれなかつた。 実施例 2 重合体(A)として、組成がAN/MA=93/7
(wt%)でその比粘度0.170(ジメチルホルムアミ
ド0.1%溶液25℃で測定)のAN系重合体、重合体
(B)として酢化度55%のセルロースジアセテート及
び重合体(C)として、実施例1の重合体(C)調製法と
同様に、第1段重合のMMAの代りに酢酸ビニル
(VAC)を使用しかつ第2段重合終了時70℃の重
合スラリー中にNaOH水溶液を添加してスラリー
PHを8.5として30分間撹拌を続けることによつて
得られる重合体を選択した。ここで該重合体中の
分散剤、即ち主としてVAC(a)とAN(b)とからなる
ab型ブロツク重合体の生成率は18.6%であり、数
平均重合度は36000でその組成はVAC/AN/MA
=48.5/46.3/5.2であつた。なお上記アルカリ処
理により全VACの約10%が鹸化され水酸基が生
成していた。本分散剤(C)の部分鹸化されたaセグ
メントはセルロースジアセテートと親和性が高い
結果、重合体(A)と(B)の混合性は著しく改善され、
(B)が均一に分散した経時的に安定な海島原液がつ
くられた。 重合体混合組成として(A)/(B)/(C)=51/45/
4.0の比率でジメチルアセトアミド(以下
DMAC)に90℃で撹拌溶解し過・脱泡して濃
度25wt%の紡糸原液とした。これを50℃となし
2重管構造を有する紡糸ノズル外管環状スリツト
部へ、一方芯剤としてイソプロピルミリステート
を内管部へそれぞれ4.3ml/分、2.7ml/分の割合
で定量的に送入した。紡糸ノズルの口径は外管部
内径6mmφ、内管部外径4mmφ、内径2mmφであ
る。ノズルを通過した紡糸原液および芯剤を空気
中10cm落下せしめしかる後30℃に保たれた40%の
DMAC水溶液の凝固浴中に導きそこでの滞在時
間10秒で凝固せしめ、捲き取り、引き続き80℃の
水中で2.5倍延伸して捲きとつた。ついで50cmの
長さに切断し中空繊維内部に存在する芯剤を除去
した。得られた中空繊維は外径300μ、内径260μ
でほぼ真円であり均質なものであつた。次にこの
中空繊維を50℃に保持されたアセトンに浸漬しセ
ルロースジアセテートの抽出を行ない、ついで水
洗してグリセリン処理後風乾することにより多孔
質中空繊維を得た。 該浸漬時間と抽出率および膜性能を第2表に示
す。
潤・溶解作用を全く受けなかつた。また、0.22μ
のポリスチレン粒子を水に分散し、実験No.3で
得られた膜で過した所、液にはポリスチレン
粒子は含まれなかつた。 実施例 2 重合体(A)として、組成がAN/MA=93/7
(wt%)でその比粘度0.170(ジメチルホルムアミ
ド0.1%溶液25℃で測定)のAN系重合体、重合体
(B)として酢化度55%のセルロースジアセテート及
び重合体(C)として、実施例1の重合体(C)調製法と
同様に、第1段重合のMMAの代りに酢酸ビニル
(VAC)を使用しかつ第2段重合終了時70℃の重
合スラリー中にNaOH水溶液を添加してスラリー
PHを8.5として30分間撹拌を続けることによつて
得られる重合体を選択した。ここで該重合体中の
分散剤、即ち主としてVAC(a)とAN(b)とからなる
ab型ブロツク重合体の生成率は18.6%であり、数
平均重合度は36000でその組成はVAC/AN/MA
=48.5/46.3/5.2であつた。なお上記アルカリ処
理により全VACの約10%が鹸化され水酸基が生
成していた。本分散剤(C)の部分鹸化されたaセグ
メントはセルロースジアセテートと親和性が高い
結果、重合体(A)と(B)の混合性は著しく改善され、
(B)が均一に分散した経時的に安定な海島原液がつ
くられた。 重合体混合組成として(A)/(B)/(C)=51/45/
4.0の比率でジメチルアセトアミド(以下
DMAC)に90℃で撹拌溶解し過・脱泡して濃
度25wt%の紡糸原液とした。これを50℃となし
2重管構造を有する紡糸ノズル外管環状スリツト
部へ、一方芯剤としてイソプロピルミリステート
を内管部へそれぞれ4.3ml/分、2.7ml/分の割合
で定量的に送入した。紡糸ノズルの口径は外管部
内径6mmφ、内管部外径4mmφ、内径2mmφであ
る。ノズルを通過した紡糸原液および芯剤を空気
中10cm落下せしめしかる後30℃に保たれた40%の
DMAC水溶液の凝固浴中に導きそこでの滞在時
間10秒で凝固せしめ、捲き取り、引き続き80℃の
水中で2.5倍延伸して捲きとつた。ついで50cmの
長さに切断し中空繊維内部に存在する芯剤を除去
した。得られた中空繊維は外径300μ、内径260μ
でほぼ真円であり均質なものであつた。次にこの
中空繊維を50℃に保持されたアセトンに浸漬しセ
ルロースジアセテートの抽出を行ない、ついで水
洗してグリセリン処理後風乾することにより多孔
質中空繊維を得た。 該浸漬時間と抽出率および膜性能を第2表に示
す。
【表】
実験No.9の膜を用いて粒径2μの酵母を含む
水溶液を過した所、液には酵母は含まれてい
なかつた。 実施例 3 重合体(A)として数平均分子量が約8万で組成が
MMA/ブチルアクリレート=70/30のポリ
MMA系重合体、重合体(B)と数平均分子量約4万
のポリスチレンとする実験を行なつた。実施例1
の方法で、第1段重合をスチレン(A)、第2段重合
をMMA(b)とする乳化ブロツク重合を行ない、重
合終了后凝固、洗浄及び乾燥して重合体粉末を得
た。この重合体粉末を分別しその組成を分析した
結果、ポリスチレン:34重量%、ポリメチルメタ
クリレート:41重量%、ブロツク重合体:25重量
%含まれていた。このブロツク重合体は数平均分
子量55000、組成はSt/MMA=41/59重量比であ
つた。分別前の重合体粉末を(C)として各重合体の
混合組成を(A)/(B)/(C)=60/30/10の比率とし
て、250℃の温度下に混練溶融させたのち、常法
によりT−ダイ方式を用いて厚み40μの平膜を製
造した。この膜を70℃に保持されたシクロヘキサ
ンに120分浸漬し、ポリスチレンのみを選択的に
抽出した。得られた膜の物性を処理前と比較して
第3表に示した。
水溶液を過した所、液には酵母は含まれてい
なかつた。 実施例 3 重合体(A)として数平均分子量が約8万で組成が
MMA/ブチルアクリレート=70/30のポリ
MMA系重合体、重合体(B)と数平均分子量約4万
のポリスチレンとする実験を行なつた。実施例1
の方法で、第1段重合をスチレン(A)、第2段重合
をMMA(b)とする乳化ブロツク重合を行ない、重
合終了后凝固、洗浄及び乾燥して重合体粉末を得
た。この重合体粉末を分別しその組成を分析した
結果、ポリスチレン:34重量%、ポリメチルメタ
クリレート:41重量%、ブロツク重合体:25重量
%含まれていた。このブロツク重合体は数平均分
子量55000、組成はSt/MMA=41/59重量比であ
つた。分別前の重合体粉末を(C)として各重合体の
混合組成を(A)/(B)/(C)=60/30/10の比率とし
て、250℃の温度下に混練溶融させたのち、常法
によりT−ダイ方式を用いて厚み40μの平膜を製
造した。この膜を70℃に保持されたシクロヘキサ
ンに120分浸漬し、ポリスチレンのみを選択的に
抽出した。得られた膜の物性を処理前と比較して
第3表に示した。
【表】
一方、上記重合体ブレンドにおいて分散剤(C)を
使用しない場合は、均質な平膜が得られずかつ非
常にもろいものであつた。
使用しない場合は、均質な平膜が得られずかつ非
常にもろいものであつた。
第1〜第3図はいずれも重合体ブレンド物の原
液相状態を示す光学顕微鏡写真である。第1図お
よび第3図は分散剤を用いた本発明の均一な海島
原液を、第2図は分散剤を使用しない比較用写真
であり島成分は粗大で不均一である。
液相状態を示す光学顕微鏡写真である。第1図お
よび第3図は分散剤を用いた本発明の均一な海島
原液を、第2図は分散剤を使用しない比較用写真
であり島成分は粗大で不均一である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 互いに相溶しない重合体(A)および(B)と、該重
合体に対し0.05〜20重量%の、重合体(A)と親和性
の高いあるいは同一の単量体からなるセグメント
(a)と、同様に重合体(B)に親和性の高いあるいは同
一の単量体からなるセグメント(b)とを含むブロツ
クあるいはグラフト共重合体からなる分散剤(C)を
溶剤の存在下又は溶剤の存在なしに均一に混合し
た後製膜し、ついで重合体(A)に対しては貧溶媒で
あるが重合体(B)に対しては良溶媒である溶剤によ
り、重合体(B)を溶解抽出することを特徴とする微
多孔質膜の製造法。 2 重合体(A)とセグメント(a)の溶解性パラメータ
ーの差の絶対値が3より小さく、重合体(B)とセグ
メント(b)の溶解性パラメーターの差の絶対値が3
より小さいことを特徴とする特許請求の範囲第1
項記載の微多孔質膜の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10745579A JPS5630441A (en) | 1979-08-22 | 1979-08-22 | Production of microporous membrane |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10745579A JPS5630441A (en) | 1979-08-22 | 1979-08-22 | Production of microporous membrane |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5630441A JPS5630441A (en) | 1981-03-27 |
| JPS6139978B2 true JPS6139978B2 (ja) | 1986-09-06 |
Family
ID=14459594
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10745579A Granted JPS5630441A (en) | 1979-08-22 | 1979-08-22 | Production of microporous membrane |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5630441A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0510156A (ja) * | 1991-06-28 | 1993-01-19 | Kubota Corp | ブローバイガス還元型デイーゼルエンジンのオーバーラン防止装置 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS539632A (en) * | 1976-07-14 | 1978-01-28 | Sugiyama Kk | Paper napkin manufacturing device |
-
1979
- 1979-08-22 JP JP10745579A patent/JPS5630441A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5630441A (en) | 1981-03-27 |
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