JPH0357268Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はパチンコ機における球の振分装置に
関し、詳しくは、ケース内に封入した球を振分部
材で当り、外れに振分けて入賞態様に種々の変化
と偶然性をもたらすようにしたものである。

（従来の技術） 入賞態様に変化を与える振分装置を有する入賞
装置として例えば特公昭52−45533号公報が知ら
れている。この振分装置はモータにより回転する
円盤に設けた当り孔及び外れ孔で入賞球を当り外
れに振分け、入賞態様を変化させるものである。

また、入賞態様を電気的手段により変化させる
ようにした所謂デジタル式や回転ドラム式の振分
装置も開発されている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし、上記した従来の振分装置は遊技者が発
射した打球を回転する円盤で振分けているので、
構造が複雑で装置が大きくなり、遊技盤の多くの
部分を占有し遊技盤上の配置に制約を受け、遊技
の興趣を減少させている。一方、電気的手段によ
るものは高価である。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は上記に鑑み提案されたもので、遊技に止
着するケースを有し、該ケース内に球を封入し、
該封入球を発射する打球装置をケースの最下部に
形成した打球位置に設け、ケース内には上記封入
球を受入れ可能な複数の球受部を有する振分部材
を設け、前記打球位置と上記振分部材とを球誘導
路で連絡して打球装置が発射する封入球を振分部
材に導いて封入球を循環させると共に、上記球受
部の少なくとも一つに特定球受部を形成したもの
である。

〈作用〉 ケース内に封入した球を打球装置で発射し誘導
路で振分部材に導き、該振分部材に形成した複数
の球受部と特定球受部とで当り、外れに振分ける
と共に、封入球を循環させることができる。

〈実施例〉 以下、本考案を図面の実施例について説明す
る。

本考案に係るパチンコ機における球の振分装置
１は、遊技盤２に止着するケース３を有し、該ケ
ース３は例えば箱形であつて、底板４には後下り
の傾斜を設ける。そして、このケース３内には球
ａを１個封入する。また、ケース３の中段には前
下がりの傾斜を有する仕切板５を設け、該仕切板
５の前縁中央には当り孔６を開設する。この当り
孔６には球検出器７を臨ませる。この球検出器７
は例えば磁気型の通過検出器である。尚、図面の
実施例によれば、前面板８の上端にリブ９を延設
して遊技盤２の表面を流下する遊技球を左右に誘
導するようにしている。

上記仕切板５の上面には、振分部材１０として、
モータ１１によつて回転する回転盤１２を重合状
に設け、回転盤１２にも前下がりの傾斜を形成す
る。回転盤１２には封入球ａを受け入れ可能な複
数の球受部１３……を形成し、該球受部１３の少
なくとも一つに特定球受部１３′を形成する。球
受部１３は例えば封入球ａよりも僅かに大径な孔
であつて、封入球ａは上記孔を通過できるが、仕
切板５によつて支えられて回転盤１２と共に回動
する。また、特定球受部１３′は上記球受部１３
としての孔を回転盤１２の周縁まで切り開いて切
欠端１４を設けたものである。従つて、回転盤１
２が回転して特定球受部１３′が下側に位置する
と、特定球受部１３′に嵌入している封入球ａ傾
斜によつて転動し、切欠端１４から当り孔６及び
球検出器７を通つて底板４上に落下する。このと
き、上記球検出器７によつて封入球ａの通過が検
出される。一方、封入球ａが他の球受部１３に嵌
入した場合は回転盤１２が回転して封入球ａが最
下端に位置しても球受部１３に嵌入したまま更に
回転する。そして、この封入球ａは仕切板５の上
方に開設した封入球ａよりも大径な外れ孔１５と
球受部１３とが一致したときに底板４上に落下す
る。この場合、封入球ａは球検出器７を通過しな
い。

ケース３の最下部、即ち底板４の傾斜後縁には
打球位置１６を形成し、この打球位置１６に打球
装置１７を設ける。尚、図面の実施例では横方向
からも上記打球位置に封入球ａが戻るように外れ
球誘導板１８を底板４の上面に設けてある。

打球装置１７は例えばソレノイド１９からな
り、該ソレノイド１９のプランジヤ２０を底板４
の後縁に上向きに臨ませたものである。

打球位置１６と振分部材１０である回転盤１２
との間には球誘導路２１を形成する。球誘導路２
１は図面の実施例によれば、ケース３の後板２２
の外側に設けたパイプ状の誘導樋２１′であつて、
該誘導樋２１′の上方を円弧状に曲折して回転盤
１２の上方に開口させている。

上記のような構成の振分装置１によれば、遊技
盤２に設けた入賞口に遊技者が発射した遊技球が
入賞すると、ソレノイド１９が励磁されて打球装
置１７が作動し、打球位置１６にある封入球ａを
プランジヤ２０が上方に発射する。封入球ａは誘
導樋２１′を通つてモータ１１を駆動源に矢印方
向に回転している回転盤１２の上面に落下し、い
ずれかの球受部１３に嵌入する。例えば、特定球
受部１３′に嵌入した場合には、回転盤１２が回
転して特定球受部１３′が最下端に位置すると、
封入球ａが転動して特定球受部１３′の切欠端１
４から当り孔６に臨む球検出器７を通過して底板
４上に落下し、底板４上を傾斜により転動して打
球位置１６に戻る。このとき、球検出器７の出力
を賞球装置の作動信号や別遊技の開始信号とし、
賞球を排出したり別遊技の権利を付与するなどし
て遊技者に利益を与えて『当り』とする。

そして、再び入賞口に遊技球が入賞して打球装
置１７が作動し、封入球ａが発射されて誘導樋２
１′を通つて回転盤１２上に落下し、今度は普通
の球受部１３に係止したとすると、回転盤１２が
回転して封入球ａが最下端に位置しても封入球ａ
は滑落しないので更に回転盤１２と共に回転し、
球受部１３が上方の外れ孔１５に重なつたとき、
外れ孔１５から底板４上に落下する。このとき、
封入球ａは球検出器７を通過しないので利益を得
られず『外れ』となり、封入球ａは打球位置１６
に戻つて次の発射を待機する。

上記のような本考案に係る振分装置１によれ
ば、遊技球とは別の循環する封入球ａによつて
『当り』、『外れ』を振分けているので構成が簡単
で装置を小型に形成することができる。また、入
賞態様を偶然性に依存して種々変化させることが
できるので、パチンコ遊技の興趣を著しく向上さ
せることができる。そして、本考案によれば、遊
技盤２のデザインに制約を与えることがなく、興
趣に富んだパチンコ機を提供することができる。

尚、上記した実施例の回転盤１２は第３図Ａに
示すように３つ球受部１３と１つの特定球受部１
３′が形成してあるので『当り』となる確率は1/4
であるが、第３図Ｂに示すように４個の球受部１
３と１個の特定球受部１３′を形成すれば、『当
り』となる確率は1/5となり、第３図Ｃのように
１個の特定球受部１３′と９個の球受部１３を形
成した回転盤１２を用いれば『当り』の確率を1/
１０とすることができ、球受部１３と特定球受部１
３′との数を変えることにより『当り』の確率を
自由に設定できる。

第４図は上記のような本考案に係る振分装置１
を３個組合せて構成した中央役物２３の概略正面
図であつて、第１振分装置１Ａは当り確率1/4の
回転盤１２を、第２振分装置１Ｂは1/5の第３振
分装置１Ｃは1/10の当り確率の回転盤１２を夫々
有している。また、第５図は上記中央役物２３を
有する遊技盤２の概略正面図であつて、遊技盤２
のほぼ中央に設けた上記中央役物２３の下方に
は、開閉板２４を有する大入賞口２５を設ける。

次に、上記のようなパチンコ機の具体的遊技の
一例を説明すると、第６図において、２６は中央
演算処理装置（以下CPUという）、２７は該CPU
を作動させるためのプログラム及びデータが格納
されているメモリー（以下PROMという）、２８
はクロツク回路２８、２９は電源リセツト回路、
３０は分周回路、３１はリセツト回路、３２は入
出力制御装置、３３はLEDデコーダ回路、３４
はLEDドライブ回路、３５はLED表示桁選択回
路、３６はLED接続回路、３７は始動入賞スイ
ツチ回路、３８はソレノイド駆動回路、３９は電
子音発生回路、４０はスピーカ、４１はランプ駆
動回路、４２はランプ群、４３は継続入賞スイツ
チ回路、４４は10カウントスイツチ回路である。

CPU２６、PROM２７、クロツク回路２８、
分周回路３０、リセツト回路３１及び入出力制御
装置３２はマイクロコンピユータシステムを構成
する。CPU２６は、図示していないRAMを備
え、PROM２７に記憶されているプログラムに
従つた処理を行うものである。クロツク回路２８
は4MHzパルス波形のクロツク信号を出力する。
このクロツク信号はCPU２６に入力されるよう
になつている。電源リセツト回路２９は電源がリ
セツトした時にCPU２６にリセツトをかけるた
めのパルス波形のリセツト信号を出力する。分周
回路３０は、CPU２６を介してクロツク回路２
８からのクロツク信号を受け、このクロツク信号
を受け、このクロツク信号を分周して、CPU２
６の暴走防止用割り込みリセツトをかけるためパ
ルス波形のリセツト信号を出力する。リセツト回
路３１には電源リセツト信号と割り込みリセツト
信号とが入力されるようになつており、このリセ
ツト回路３１は、これらのリセツト信号のうち少
なくともいずれか一方が入力されたときCPU２
６にリセツト信号を入力するものであり、オア回
路からなつている。入出力制御装置３２は、
CPU２６と上記マイクロコンピユータシステム
に含まれない周辺の回路とのインターフエースと
して機能する。

LEDデコーダ回路３３、LEDドライブ回路３
４、LED表示桁選択回路３５及びLED接続回路
３６はCPU２６と共に継続カウントLED表示器
４５、10カウントLED表示器４６、始動記憶個
数LED表示器４７などの駆動制御を行い、各
LED表示器４５，４６，４７における各LEDに
対応してCPU２６から各LEDに対して点灯の有
無を表す信号を出力し、この信号をLEDドライ
ブ回路３４に入力する。LEDドライブ回路３４
は各LED表示器４５，４６，４７が点灯するの
に充分なだけの電流増幅等を行ない各LED表示
器４５，４６、４７に内蔵のLED接続回路３６
に供給する。

LED表示桁選択回路３５は、表示桁選択信号
に基づいてLEDドライブ回路３４からの増幅デ
コーダ信号の供給を受けさせるべきものをLED
表示器４５，４６，４７の中から選択命令する信
号を出力するものである。

始動入賞スイツチ回路３７は、始動入賞口４８
Ａ，４８Ｂ，４８Ｃに臨ませた始動球検出スイツ
チ４９Ａ，４９Ｂ，４９Ｃからの検出信号が入力
されるようになつており、この始動入賞スイツチ
回路３７は始動球検出信号を受ると、中央役物２
３に配設した各振分装置１Ａ，１Ｂ、１Ｃの各々
のソレノイドＡ，ソレノイドＢ，ソレノイドＣを
作動させる為の信号を出力する。そして、始動球
検出信号はCPU２６に入力されるようになつて
いる。

ソレノイド駆動回路３８はCPU２６から励磁指
令信号が出ているとき励磁信号を出力することに
よりソレノイドＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄを励磁するもので
ある。尚、ソレノイドＤは大入賞口２５に開閉板
２４を駆動するものである。

電子音発生回路３９及びスピーカ４０は遊技状
態に応じた各種の効果音ならびに各種スイツチの
トラブル発生を報知する警告音を出すためのもの
であり、電子音発生回路３９はCPU２６からの
各効果音に対応した効果音発生指令信号に基づい
て効果音発生電力信号をスピーカ４０に供給し、
このスピーカ４０を駆動する。ここでは次の７種
類の電子音Ａ〜Ｇがでるようにされている。電子
音Ａとは入賞口４８Ａ，４８Ｂ，４８Ｃのいずれ
かに入賞があつたときに出すもので、電子音Ｂと
はソレノイドＡ，ソレノイドＢ、ソレノイドＣが
作動したときに出すもので、電子音Ｃとは特別の
識別情報が出たときに出すフアンフアーレで、電
子音Ｄとは大入賞口２５が開放されたときに出す
もので、電子音Ｅは大入賞口２５に入賞があつた
ときに出すもので、電子音Ｆは大入賞口２５に入
つた球が継続球検出スイツチ５１に検出されたと
き出すもので、電子音Ｇは上記警告音となる。

ランプ駆動回路４１は、点灯電力信号を供給す
ことでランプ群４２を駆動するものである。この
ランプ群４２とは遊技盤２上の各種ランプを総称
したものである。ランプ駆動回路４１にはランプ
群４２を遊技機の遊技状態に応じた点灯状態とす
るための点灯状態指令信号がCPU２６から入力
されるようになつており、このランプ駆動回路４
１は、この点灯状態指令信号に基づいてランプ群
４２を駆動するようにされている。

継続入賞スイツチ回路４３には、継続入賞口５
０に臨ませた継続球検出スイツチ５１からの検出
信号が入力されるようになつており、この継続入
賞スイツチ回路４３は継続球検出信号を受けると
継続指令信号を出力するもので、この継続指令信
号はCPU２６に入力されるようになつている。

10カウントスイツチ回路４４は大入賞口２５に
臨ませた10カウントスイツチ５２から10カウント
用検出信号を受けると、これを波形整形して
CPU２６に入力するものである。

次に以上のように構成されたパチンコ機の動作
を説明する。

まず、電源投入により始動記憶個数LED表示
器４７が変動点灯し、継続カウントLED表示器
４５は「Ｈ」の表示を点滅している。また10カウ
ントLED表示器４６は左右各々から中央へ加算
点灯後、左右各々から中央へ順に消灯を繰り返
す。始動入賞口４８Ａ，４８Ｂ、４８Ｃのいずれ
かに遊技球が入賞するとランプ風車５３が点滅
し、効果音Ａが出る。そして、各振分装置１Ａ、
１Ｂ、１ＣのソレノイドＡ、ソレノイドＢ、ソレ
ノイドＣにより発射された封入球ａが夫々当り孔
６に入球した場合、電子音Ｃが出て、継続カウン
トLED表示器４５が点灯し、大入賞口２５のソ
レノイドＤが作動して開閉板２４が開かれ大入賞
口２５が30秒間開く。ただし、遊技球が大入賞口
２５に入賞する度に、電子音Ｅが発せられ、且つ
10カウントLED表示器４６が左から順に入賞球
数を加算表示し、その入賞球数が10個になると、
30秒間の途中であつても開閉板２４が閉じられ
る。

大入賞口２５に開放中、継続球検出スイツチ５１
から検出信号が出ると、電子音Ｆが発せられ、表
示灯５４が点滅する。大入賞口２５の開放動作終
了後、0.76秒後に表示灯５４が消灯し、継続カウ
ントLED表示器４５は開放回数を表示し再度動
作が行われる。

大入賞口２５が連続して開放する回数は最高10
回までであり、10回目の大入賞口２５の開放中、
継続球検出スイツチ５１から検出信号が出ても、
これは無効とされ、表示灯５４は点灯しない。

次に、各振分装置１Ａ、１Ｂ、１Ｃのソレノイ
ドＡ、ソレノイドＢ、ソレノイドＣの発射球の当
りの組合せが、上記３ケの当り以外であつて、所
定の組合せであるときにも大入賞口２５が上記よ
りも短く２秒間開く。

始動入賞口４８Ａ、４８Ｂ、４８Ｃのいずれか
に入賞があつた時からの上記役動作中に、これら
の始動入賞口４８Ａ、４８Ｂ、４８Ｃに重ねて入
賞があつた場合には始動記憶個数LED表示器４
７が入賞個数を最高４個まで点滅表示し、その入
賞を有効とする。

また、スイツチ４９Ａ、４９Ｂ、４９Ｃ、５
１、５２のいずれか１つが短絡または開放及び10
カウントスイツチ５２の検出孔内に球が滞留の状
態になると、警告電子音Ｇが発せられ、スイツチ
４９、５１及び10カウントスイツチ５２が作動禁
止状態になり、継続カウントLED表示器４５が
「Ｆ」の表示を点滅する。そして、正常に戻れば、
１秒後に自動復帰する。

大入賞口２５の開放中、10カウントスイツチ５
２が短絡または開放の状態になると、１秒後に大
入賞口２５の開放動作は直ちに閉止して、その開
放動作時間は一時休止となり、スイツチ５２の動
作は禁止され、10カウントLED表示器４６の表
示が点灯から点滅へ変る。正常に戻つた場合に
は、その約20秒後に、大入賞口２５は上記一時休
止時より引続き残り時間の開放を行い、10カウン
トLED表示器４６は点滅から点灯に変り、大入
賞口２５の開放動作が再開されることになる。

以上、本考案の振分装置を用いたパチンコ遊技
の一例を説明したが、本考案の振分装置によれば
各種の遊技に対応でき、極めて興趣に富んだパチ
ンコ遊技を提供することができる。

〈考案の効果〉 本考案は、ケース内に封入した球を打球装置で
発射し、誘導路で振分部材に導き、該振分部材に
形成した複数の球受部と特定球受部とで当り、外
れに振分けて封入球を循環させているので、振分
装置を小型に構成できる。また、振分部材の交換
により簡単に当りの確実を変更でき、各種の遊技
に対応でき、振分装置を組合せることにより更に
複雑な遊技態様を構成することができる。従つ
て、本考案の振分装置は興趣に富んだパチンコ機
を提供する実用的価値の高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は振分装
置の縦断面図、第２図は同上の一部欠截平面図、
第３図Ａ〜Ｃは各々回転盤の一例の平面図、第４
図は本考案に係る振分装置を組合せた中央役物の
概略正面図、第５図は同上の中央役物を配設した
遊技盤の正面図、第６図は同上の遊技盤の制御手
段の一例を示すブロツク図である。 １……振分装置、２……遊技盤、３……ケー
ス、１０……振分部材、１３……球受部、１６…
…打球位置、１７……打球装置、２１……球誘導
路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 遊技盤に止着するケースを有し、該ケース内に
   球を封入し、該封入球を発射する打球装置をケー
   スの最下部に形成した打球位置に設け、ケース内
   には上記封入球を受入れ可能な複数の球受部を有
   する振分部材を設け、前記打球位置と上記振分部
   材とを球誘導路で連絡して打球装置が発射する封
   入球を振分部材に導いて封入球を循環させると共
   に、上記球受部の少なくとも一つに特定球受部を
   形成したことを特徴とするパチンコ機における球
   の振分装置。