JPH0355662B2

JPH0355662B2 -

Info

Publication number: JPH0355662B2
Application number: JP58126365A
Authority: JP
Priority date: 1983-07-12
Filing date: 1983-07-12
Publication date: 1991-08-26
Also published as: JPS6019948A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は内燃エンジンの点火装置取付構造に関
し、特に、ダブルオーバヘツドカムシヤフトを備
える内燃エンジン（以下「DOHCエンジン」と
いう）の点火装置取付構造に関する。

一般に内燃エンジンに使用される点火装置は点
火プラグ、点火時期制御回路、高電圧発生用の点
火コイル、点火コイルの二次側コイルに接続され
るハイテンシヨンコードを点火プラグに接続する
プラグキヤツプをその主要な構成部品としてい
る。

一方、車輌、特に自動二輪車にあつては取付ス
ペース・取付工程等の関係から点火装置は部品点
数が少ない方が望ましい。また、ハイテンシヨン
コードは通常車体外部に露出して配設されるため
ハイテンシヨンコードから放射される電波雑音が
車載の無線装置等に悪影響を与える。

そこで、ハイテンシヨンコードを省略して点火
装置の部品点数を少なくすべく点火コイルとプラ
グキヤツプとを一体に形成した点火装置を本出願
人は先に提案した（特願昭57−120885号）。

この点火コイルを一体に形成したプラグキヤツ
プをエンジンに取り付ける場合、斯かる点火コイ
ル一体形プラグキヤツプは頭部が過重になるため
そのプラグキヤツプ部を点火プラグに挿着したと
きの点火コイル部はエンジン振動による共振を起
し易く、また、前記プラグキヤツプが加熱され易
い。

また、無線装置等への電波雑音の悪影響をさら
に低減し良好な感度で無線装置等を使用するた
め、点火コイルとプラグキヤツプとの接続部で発
生する電波雑音の車体外部への漏出を防止するこ
とが必要となる。

本発明は、上述の問題点を解決することを目的
とするもので、二本のカムシヤフトを支持するシ
リンダヘツドを備える内燃エンジンの点火装置取
付構造において、前記シリンダヘツドの前記二本
のカムシヤフトの間に形成された空間にコイル一
体型プラグキヤツプを配設し、前記コイル一体型
プラグキヤツプをイグニツシヨンコイルを収容し
た大径の第１の部分と、点火プラグと接続される
小径の第２の部分とで形成し、前記大径の第１の
部分を前記シリンダヘツドの前記空間入口の対応
部分に支持し、前記大径の第１の部分の少なくと
も一部を前記空間上部から突出させ、前記小径の
第２の部分を前記空間の対応部分の幅より小さく
形成したことを特徴とする内燃エンジンの点火装
置取付構造を提供する。

以下本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図及び第２図は本発明を適用した水平対向
型DOHCエンジンを搭載した自動二輪車の側面
図及び上面図である。

自動二輪車１のフレームボデイ２の前部に配設
されたヘツドパイプ３には、前輪４を軸支すると
共にハンドル５が固設されたフロントフオーク６
が連結され、フレームボデイ２の後部には後輪７
を軸支するリヤフオーク８が連結されている。こ
のリヤフオーク８の片側のパイプ内にはエンジン
動力を後輪７に伝達するプロペラシヤフト（図示
せず）が挿通されている。フレームボデイ２の上
部には燃料タンク９がその後方にはシート１０が
夫々載設されており、車体前部にはフエアリング
１１が装着されている。

水平対向型DOHCエンジン１２は、第２図に
明示するごとく、車体の左右方向に各気筒のシリ
ンダヘツド１３が略水平に突出するように配置さ
れている。フレームボデイ２のメインフレーム１
４とエンジン１２との間にキヤブレタ１５が配設
され、エンジン１２から車体後方向に排気管１６
が延設されている。

DOHCエンジン１２は、第３図及び第４図に
示すように、カム１７が形成され互いに平行に配
設された吸気側カムシヤフト１８及び排気側カム
シヤフト１９を備え、これ等二本のカムシヤフト
１８及び１９の夫々に固設されたカムスプロケツ
ト２０及び２１にカムチエーン２２が巻回されて
いる。

二本のカムシヤフト１８及び１９を支持するシ
リンダヘツド１３にボルト２９で締着され、カム
シヤフト１８，１９及びカムチエーン２２を覆蓋
するシリンダヘツドカバー２３は第３図に示すよ
うにコ字状に形成されている。そして、このコ字
状の凹部に形成された空間２４に詳細は後述する
ように点火コイルを一体に形成したプラグキヤツ
プ２５が挿着され、該プラグキヤツプ２５の接続
端子２６と車体の所定位置、第１図に示す実施例
ではメインフレーム１４の上側の所定位置に配置
された点火時期制御回路から成る点火ユニツト２
７とが電線２８によつて接続されている。

第４図に本発明に係る点火装置取付構造の詳細
を示す。

DOHCエンジン１２のシリンダヘツドブロツ
ク３０に配設されたシリンダバレル３１内には図
示しないクランク軸とコネクテイングロツド３２
を介して連結されるピストン３３が摺動自在に配
設されている。

シリンダブロツク３０の上部に載設されるシリ
ンダヘツド１３の略中央部には燃焼室３４内の混
合気に着火するための点火プラグ３５が螺嵌さ
れ、吸気側カムシヤフト１８が収容されるカム室
３６と排気側カムシヤフト１９が収納されるカム
室３７との間に形成された空間２４に点火プラグ
３５の中心電極３５ａが突設されている。

シリンダヘツド１３に載設されるシリンダヘツ
ドカバー２３の空間２４側には第３図に示すよう
に円弧状の凹部３８，３９が対向して形成されて
いる。この対向する凹部３８，３９は共に第４図
に示すように大きなテーパを有し、下方すなわち
点火プラグ３５方向にいくに従つてその径が小さ
くなるように形成されている。

点火コイル一体形プラグキヤツプ２５は高耐電
圧絶縁部材例えばポリブチレンテレフタレートで
形成され、大径部４０と小径部４１とを有する。

大径部４０にはコア４２を中心に巻装された二
次コイル４３と一次コイル４４とが収納され、一
次コイル４４の一端は大径部４０に突設された接
続端子２６ａに、他端はアースに接続される接続
端子２６ｂに接続されている。二次コイル４３の
一端は接続端子２６ｂに、他端は金属製のバネ座
４５に接続されている。

小径部４１の軸心に沿つて穿設され大径部４０
側の端部に前記バネ座４５が配設された中心孔４
６には金属製のバネ４７を介して電波雑音防止用
の抵抗体４８が嵌挿され、この抵抗体４８はバネ
４７の弾力によつて中心孔４６に嵌着された口金
４９に圧接されている。中心孔４６はその開口端
側において点火プラグ３５の絶縁碍子３５ｂと嵌
合するように拡径され、前記口金４９には絶縁碍
子３５ｂから突出する中心電極３５ａと嵌合接続
する嵌合孔４９ａが穿設されている。

大径部４０の上端面には端子２６ａと２６ｂと
の間の沿面放電距離を増すための突条５２が突設
されている。この突条５２はプラグキヤツプ２５
を垂直方向に使用したときの水溜り防止の作用も
なす。また、大径部４０と小径部４１との境界部
には大径部４０より大径のフランジ５０が形成さ
れ、このフランジ５０がシリンダヘツドカバー２
３の凹部３８と３９とにより挾持されている。

小径部４１は、シリンダヘツド１３と小径部４
１とが非接触状態に保持されるように、その外径
が両カム室３６と３７との間に形成されている空
間２４の幅より小さく形成されている。このた
め、シリンタヘツド１３とプラグキヤツプ２５と
の間の放熱空間が確保されている。

小径部４１の先端部には外方に突出する泥よけ
用のフランジ５１が形成されている。

上述の点火コイル一体形プラグキヤツプ２５を
DOHCエンジン１２に取り付ける場合プラグキ
ヤツプ２５の小径部４１をシリンダヘツド１３に
囲まれる空間２４に挿入する。そして、中心孔４
６の拡径孔と点火プラグ３５の碍子３５ｂとを嵌
合すると共に口金４９の嵌合孔４９ａと中心電極
３５ａと嵌合し、大径部４０のフランジ５０をシ
リンダヘツドカバー２３の急テーパを有する凹部
３８と３９との間に圧入係止する。このとき、口
金４９と中心電極３５ａとは電気的に接続される
と共に図示しないサークリツプにより容易に離脱
しないように係止される。そして、第１図に示す
ように点火ユニツト２７と端子２６ａ，２６ｂと
を電線２８で接続する。

このように、点火コイル一体形プラグキヤツプ
２５の中心孔４６の拡径孔と口金４９とから成る
プラグキヤツプ部を空間２４内に埋設し、大径部
４０のフランジ５０とシリンダヘツドカバー２３
とが楔作用するため、支持が確実になされると共
にエンジン振動による共振が防止され、点火プラ
グ３５の頭部に加わる荷重負担が軽減される。

そのうえ、点火コイルを収納した大径部４０が
外方向つまり第４図において上方向に露出するた
めに点火コイルの放熱が確保される。また、小径
部４１とシリンダヘツド１３との間の放熱空間が
確保されているので、点火プラグ３５の周辺の放
熱が安定して行われる。従つて、点火装置の性能
が安定化する。

さらに、点火コイルの二次コイルとバネ座４５
との接続部から口金４９までの間の雑音電波発生
源は金属製のシリンダヘツド１３及びヘツドカバ
ー２３に囲まれた空間２４に埋設されるので雑音
電波はシールドされ、雑音電波の放射範囲はシリ
ンダヘツド１３及びヘツドカバー２３の形状に限
定される。つまり、上述の実施例では雑音電波の
放射方向は第３図に示すシリンダヘツドカバー２
３（シリンダヘツド１３）の空間２４の開口部と
なる右方向（第３図の矢線Ａ方向）及び第４図の
上方向（矢線Ｂ方向）、即ち第１図に示す自動二
輪車１の後方向及び両側方向に規制される。この
ため、第１図に示す実施例では、無線機等のアン
テナを雑音電波の放射方向以外の位置、例えばフ
エアリング１１に取り付けると良好な感度で無線
機等を使用できる。

また、上述の点火コイル一体形プラグキヤツプ
２５は、大径部４０に連設した小径部４１を点火
プラグ３５の碍子３５ｂまで延出しているため、
点火プラグ３５のシール性が良い。

尚、プラグキヤツプ２５をヘツドカバー２３に
支持するフランジ５０を弾性体例えばシリコンゴ
ムで形成するか、又はフランジ５０の外周を弾性
体で被包すると、プラグキヤツプ２５の振動が弾
性体により一層吸収され、プラグキヤツプ２５の
振動防止の効果が向上する。また、この被包する
シリコンゴム等をそのまま小径部４１の外皮とし
て延設するとプラグ３５のシール性も一層向上す
る。

以上説明したように本発明によれば、二本のカ
ムシヤフトを支持するシリンダヘツドを備える内
燃エンジンの点火装置取付構造において前記シリ
ンダヘツドの前記二本のカムシヤフトの間に形成
された空間にコイル一体型プラグキヤツプを配設
し、前記コイル一体型プラグキヤツプをイグニツ
シヨンコイルを収容した大径の第１の部分と、点
火プラグと接続される小径の第２の部分とで形成
し、前記大径の第１の部分を前記シリンダヘツド
の前記空間入口の対応部分に支持し、前記大径の
第１の部分の少なくとも一部を前記空間上部から
突出させ、前記小径の第２の部分を前記空間の対
応部分の幅より小さく形成したので、点火プラグ
に接続するキヤツプ部分（第２の部分）の径は従
来のものと同一のままにして、少なくとも一部が
空間の外側に突出するイグニツシヨンコイルを収
容する第１の部分を第２の部分と一体化している
ので、装着した場合に、第２の部分の廻りに広い
〓間が生じてその放熱性が良好であると共に、イ
グニツシヨンコイルを収容した第１の部分は、空
間内に入り込まず外部に露出していてその放熱性
が確保される。

第２の部分は従来のものと同一径にしたため
に、空間への第２の部分の挿入の時の作業性が向
上する。

第１の部分がシリンダヘツドの空間入口の部分
に当接し、その当接部分にイグニツシヨンコイル
の重さがかかるので、コイル一体型プラグキヤツ
プとエンジンとの固定が確実に行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る点火装置取付構造を適用
した自動二輪車の一実施例の側面図、第２図は第
１図に示した自動二輪車の上面図、第３図は第２
図の矢線方向から見たシリンダヘツドカバーの
上面図、第４図は第３図の矢線−断面図であ
る。１……自動二輪車、１２……水平対向型
DOHCエンジン、１３……シリンダヘツド、１
８……吸気側カムシヤフト、１９……排気側カム
シヤフト、２３……シリンダヘツドカバー、２４
……空間、２５……点火コイル一体形プラグキヤ
ツプ、２７……点火ユニツト、３５……点火プラ
グ、４３……二次コイル、４４……一次コイル、
４９……口金。

Claims

【特許請求の範囲】

１二本のカムシヤフトを支持するシリンダヘツ
ドを備える内燃エンジンの点火装置取付構造にお
いて前記シリンダヘツドの前記二本のカムシヤフ
トの間に形成された空間にコイル一体型プラグキ
ヤツプを配設し、前記コイル一体型プラグキヤツ
プをイグニツシヨンコイルを収容した大径の第１
の部分と、点火プラグと接続される小径の第２の
部分とで形成し、前記大径の第１の部分を前記シ
リンダヘツドの前記空間入口の対応部分に支持
し、前記大径の第１の部分の少なくとも一部を前
記空間上部から突出させ、前記小径の第２の部分
を前記空間の対応部分の幅より小さく形成したこ
とを特徴とする内燃エンジンの点火装置取付構
造。