JP3875165B2 - 自動二輪車のフルトランジスタ式点火システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車のエンジンの点火システムに関し、詳しくはフルトランジスタ式のスティック型イグニッションコイルを使用した点火システム(装置)に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、ガソリンエンジンを搭載している自動二輪車の点火システムは、図6,図7に図示するように、エンジンEから少し離れた位置の車体(フレーム等)Fにイグニッションコイル10を配設し、このイグニッションコイル10の高圧端子(出力端子)10A側から、各点火プラグSに高圧コード11を介して電気を供給するよう構成されている。
最近では、スペースおよび使用条件等の条件に関して比較的恵まれた四輪自動車では、最も進んだ形態のフルトランジスタ式の点火システムが採用されつつある。即ち、四輪自動車に採用されているフルトランジスタ式では、イグニッションコイルの一次側の電流の断続をイグナイターにおこなわせ、各点火プラグ自体に直接あるいはその近傍にそれぞれスティック型のイグニッションコイルを配設し、これらの各イグニッションコイルに、エンジンコントロールユニットの制御で、イグナイターから点火用の低圧電流を供給するよう構成されている。この点火システムの場合、イグニッションコイルと点火プラグが直結あるいは近接しているため、高圧コードがなくなり、あるいは高圧コードの距離が極端に短くなることから、高圧側の電気抵抗の低減により良好な火花性能が得られ、また、電波障害を防止できる点で優れている。このスティック型イグニッションコイルの先行技術として、特開平8−213258号公報がある。
【0003】
しかし、上記利点があるものの、自動二輪車の場合、上記スティック型のイグニッションコイルを点火プラグに直接配設したフルトランジスタ式の点火システムを採用することができ難い。
その大きな理由は、エンジンのシリンダヘッド部分に空間的に殆ど余裕がないため、上記四輪自動車のようなスティック型のイグニッションコイルを点火プラグ上に直接配設すると、熱による影響を受けて、実現することはでき難い。しかも、四輪自動車に比べて、エンジンの許容最高回転数および常用回転数域が大幅に高くなる(約2倍程度になる)ことから、従来のスティック型のイグニッションコイルでは、高速域において充分な火花性能が得られず、またスペースの狭さと相まってイグニッションコイルの温度上昇が予想される、という点である。
特に、高速域において充分な火花性能を得ようとして、単に従来より大電流をイグニッションコイルに流すよう構成すれば、点火プラグ自体が発熱する上に、この比較的大きな電流が頻繁に流れるため、イグニッションコイル自体も発熱して温度が上昇し、点火プラグおよびイグニッションコイルの耐熱性を考えると実施することが難しい。
【0004】
本発明は、このような現況に鑑みおこなわれたもので、高速回転域においても良好な火花性能が得られ且つシリンダヘッド周囲に空間的に余裕のない自動二輪車にも、実現できるようなフルトランジスタ式のスティック型イグニッションコイルを具備した点火システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本請求項1記載の発明にかかる自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムは、点火プラグの接続端子に一端が取着され一次電流が適宜タイミングで供給されるスティック型イグニッションコイルを具備した自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムであって、
この自動二輪車のエンジンがDOHC型のエンジンであり、
このエンジンのシリンダヘッドに配設されている2本のカム軸の間に設けられたプラグホール内に、上記点火プラグとその上端に接続した上記スティック型イグニッションコイルを、該点火プラグ及びイグニッションコイルの各外周と該プラグホールの内周との間に空間が形成される状態で、収容するとともに、
上記点火プラグが配設されているエンジン上部のプラグホールの走行方向の前側の壁面に、プラグホールからシリンダヘッドを貫通して外気側に連通する空気導入用の貫通孔を、前方で下がった傾斜穴で構成し、プラグホール内に冷却風を導くように構成したこと特徴とする。
【0006】
また、上記自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムにおいて、前記空気導入用の貫通孔の入口が、エンジンの排気ポートの下方に設けられていると好ましい構成となる。
【0007】
また、上記自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムにおいて、前記プラグホールが形状的に円筒状に形成されており、
このプラグホール内に配置される前記イグニッションコイルが、該プラグホールの内径より外径が小さく、且つ、該イグニッションコイルの平面形状が概略歯車形状をしていると好ましい構成となる。
【0008】
また、上記自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムにおいて、前記イグニッションコイルのコイル抵抗値を低くしてその分大きな電流を流すよう構成するとともに、点火制御をおこなうエンジンコントロールユニットが、前記カム軸に配設されている回転数センサーからの信号を受け取って、エンジンの圧縮行程でのみ点火をおこない排気行程で点火をおこなわないよう制御すべく構成されていると好ましい構成となる。
【0009】
また、上記自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムにおいて、前記イグニッションコイルのコイル抵抗値を、従来の自動二輪車の場合の1/2程度の、1.0〜1.2オーム程度とすることによって、イグニッションコイルにその分大きな電流が流れるように構成されていると好ましい構成となる。
【0010】
しかして、上述のように構成された自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムによれば、貫通孔が、自動二輪車の走行方向の前側に前述のように形成されていることから、頻繁に点火がおこなわれる高速走行時に、その回転数に比例して前方から大量の冷却風を得ることができる点で優れた構成となる。また、前記貫通孔が、前方で下がった傾斜穴で形成されているため、プラグホールに水等が進入した場合にも外部に排出することができる。さらに、抵抗値を低くしてその分大きな電流がイグニッションコイルに流れるように構成すると、エンジンの高速回転域においても良好な火花性能が得られるとともに、従来圧縮工程と排気工程の両方でおこなわれていた点火が、本来点火が必要な圧縮工程でのみおこなわれるため、電流が大きくなった分だけイグニッションコイルでの発熱が増加しようとするが、単位回転数当たりの発熱の回数(発熱頻度)が半分になり、その分イグニッションコイルの発熱を抑制することができる。このため、回転数が大幅に高い且つスペース的に狭い自動二輪車にも、性能的に優れた、フルトランジスタ式のスティック型のイグニッションコイルを採用することが可能となる。
【0011】
さらに、上記自動二輪車のフルトランジスタ式点システムにおいて、エンジン上部のプラグホールを形成する周壁に、エンジン外部と連通する空気導入用の貫通孔を形成し、プラグホール内に冷却風を導くよう構成すると、空気流によってイグニッションコイルの有効な冷却が可能となる。
【0012】
さらに、上記自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムにおいて、貫通孔が、自動二輪車の走行方向の前側に形成されていると、頻繁に点火がおこなわれる高速走行時に、その回転数に比例して大量の冷却風を得ることができる点で優れた構成となる。
【0013】
さらに、上記自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムにおいて、エンジンコントロールユニットへ、エンジンの圧縮工程のタイミングを知らせるセンサーが、カム軸に形成された凹部を検知することによって、該圧縮工程を検出するよう構成されていると、検出部分をコンパクトに構成することができ、しかもカム軸が鋳造製の場合には簡単に形成することができる構成となる。
【0014】
また、上記自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムにおいて、カム軸に形成された凹部が、カム軸のスラスト受け部分に形成されていると、シリンダヘッド部分の油分等の影響をもろに受けることがなく、且つシール性の点でも容易に配設できることになる。 さらに、上記自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムにおいて、エンジンコントロールユニットへ、エンジンの圧縮工程のタイミングを知らせるセンサーが、カム軸の軸端部に形成された凸部を検知することによって、該圧縮工程を検出するよう構成されていると、ノイズの少ない状態での検出が可能となる点で優れた構成となる。また、カム軸を焼結合金製にする場合には容易に凸部を形成することができ、かかる場合には機械加工の必要がない点で優れた構成となる。
【0015】
また、上記自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムにおいて、カム軸が、吸気バルブを駆動するカム軸であってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例にかかる自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムについて図面を参照しながら具体的に説明する。
この実施例では、自動二輪車の4サイクルDOHC型エンジンに適用した場合を例に説明する。
図1(a)は本発明の実施例にかかる4サイクルDOHC型エンジンのシリンダヘッド部分の構成を示す断面図、(b)はイグニッションコイルの平断面形状を示す(a)のI−I矢視図である。
図1において、1はイグニッションコイルで、図1(a)に図示するように、このイグニッションコイル1の下端の接続端子部分は点火プラグSの上端の接続端子に直接接続されている。従って、この実施例の場合、高圧コードは不要となっている。
このイグニッションコイル1は、この実施例の場合、高回転数域においても良好な火花性能が得られるよう、コイル抵抗値を従来の二輪自動車の場合の約1/2程度の低い値にし、具体的には、1.0〜1.2オーム(Ω)程度ものを使用して、従来の約2倍程度の大電流を流すよう構成されている。
そして、上記点火プラグSとイグニッションコイル1は、図1(b)に図示するように、シリンダヘッドHに形成されている円筒状のプラグホール5内に収容されている。
このプラグホール5の内径に対して、イグニッションコイル1の外径はやや寸法的に小さくなっており、且つ平断面形状が図1(b)に図示するように、概略歯車形状をしていることから、イグニッションコイル1の外周とプラグホール5の内周との間には、ばね座金状の空間Rが形成されている。
そして、図1(a)に図示するように、上記プラグホール5の前方(自動二輪車に搭載された状態において走行方向を言う;図1において左方(図1の矢印Fの方向を参照))の壁面には、プラグホール5からシリンダヘッドHを貫通して外気側に連通する通風穴6が形成され、自動二輪車が走行状態において前方からの空気を積極的に導入できるよう構成されている。また、この通風穴6は、図1(a)に図示するように、前方で下がった傾斜穴に形成され、プラグホール5に水等が進入した場合には外部に排出することができるよう構成されている。この実施例では、一つのプラグホール5につき1の通風穴6が形成されているが、より大きな冷却効果が必要な場合には複数の通風穴を設けてもよい。また、この場合、水等の排出用の穴とは別に設けてもよい。
【0017】
ところで、上述したようにエンジンEのシリンダヘッドHの各シリンダに形成されたプラグホール5内に配設された各イグニッションコイル1の「−」(マイナス)側の端子は、図2に図示するように、それぞれ、低圧の電気コード30によって、エンジンコントロールユニット20の接続端子20a〜20dに接続され、また各イグニッションコイル1の「+」(プラス)側の端子は、バッテリーのプラス側に接続されている。
この図2に図示するエンジンコントロールユニット20は、所謂イグナイターを一体に内蔵した形式のもので、このエンジンコントロールユニット20は、出力回路21,ワンボード型のマイクロコンピュータ22,定電圧回路25,電圧検知回路27,クランク軸信号用波形整形器28,カム軸信号用波形整形器29,A/D変換器31から構成されている。
そして、上記出力回路21の各接続端子21a〜21dが上記エンジンコントロールユニット20の接続端子20a〜20dに接続されるとともに、出力回路21の入力端子21f〜21iは、マイクロコンピュータ22の出力端子22a〜22dに接続され、該マイクロコンピュータ22から供給される電気信号によって出力回路21のいずれかのパワートランジスタ(点火しようとするシリンダに対応するパワートランジスタ)を動作させて、そのパワートランジスタと接続されている接続端子(20a〜20dのいずれか)の点火用の低圧電流をON−OFFできるよう構成されている。
上記ワンボード型マイクロコンピュータ22は、制御回路(演算回路)22A,ROM(リードオンリメモリ)22B,RAM(ランダムメモリ)22Cを具備する。そして、マイクロコンピュータ22の入力端側は、マイクロコンピュータ22に定電圧を供給する定電圧回路25、スタータスイッチ26への電圧を検知する電圧検知回路27、検出された電気信号を波形整形してクランク軸信号として出力するクランク軸信号用波形整形器28、検出された電気信号を波形整形してカム軸信号として出力するカム軸信号用波形整形器29、検出されたスロットルの開度に関する電気信号をA/D変換(アナログ・デジタル変換)して出力するA/D変換器31に、それぞれ電気的に接続されている。
そして、上記定電源回路25の入力端は、イグニッションスイッチおよびヒューズを介して、また、上記電圧検知回路27はスタータスイッチ26を介して、それぞれバッテリーのプラス端子に接続されている。
また、上記クランク軸信号用波形整形器28はエンジンのクランク軸に配設された回転数センサー32に、またカム軸信号用波形整形器29はエンジンのカム軸に配設されている回転数センサー33に、さらにA/D変換器31はエンジンの気化器のスロットルの開度を検出するスロットル開度センサーに、それぞれ電気的に接続されている。
【0018】
そして、上記カム軸に配設されている回転数センサー33は、この実施例では、図3あるいは図4に図示するように、エンジンEのシリンダヘッドH部分に配設されている排気系と吸気系の2本のカム軸のうちのいずれか一方のカム軸(この実施例では吸気系のカム軸)34の斜め上方に近接してシリンダヘッドカバーに一体的に配設されている。具体的には、図4に図示するように、カム軸34の周方向の一部に凹部34aを形成し、この凹部34aの通過を上記回転数センサー33が検出するよう構成されている。このようにカム軸34に凹部34aを形成し、この凹部34aを検出するよう構成すると、凸部を検出するよう構成した場合に比べてコンパクトにできる点で優れ、また、カム軸34のカムスラスト受け部分(図3のII−II矢視部分参照) 35に凹部34aを形成することができる点で優れた構成となる。つまり、カムスラスト受け部分35に凹部34aを形成すると、径の大きい部分に被検出手段である凹部34aが形成されるためよりタイミング的により正確な検出が実施できる点で、またオイルの影響を受け難くなる点で、優れた構成を実現できる。
しかし、一方、図5に図示するように、カム軸34の周方向の一部に凸部34bを形成し回転数センサー33で検出するよう構成すると、検出に際しノイズが少なくなる点で、且つ、該カム軸34を焼結合金製にした場合には何らの機械加工もすることなく凸部が形成できる点で、優れた構成となる。そして、カム軸34に凸部を形成する場合には、カムブラケット(スラスト力受け)としての機能を阻害しないように、図5に図示するように、カムスラスト受け部分を内包するカムブラケット部分36(図3参照)を避けて形成する必要がある。なお、図5に示す実施例の場合には、図3においてカム軸34の端部(図3の III−III 矢視部分参照) に配設されている。
【0019】
また、上記エンジンコントロールユニット20は、上記カム軸34に配設された回転数センサー33からの信号を受け取って、各シリンダの圧縮工程を検出する。そして、各シリンダが圧縮工程の所定の過程(例えば、上死点前13度)において、それぞれ各シリンダに対応して設けられている出力回路21のパワートランジスタに電気信号を与え、対応するイグニッションコイル1に通電している一次電流をON−OFF操作し、点火プラグを点火するべく制御するよう構成されている。
【0020】
しかして、上述のように構成された自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムは、以下のように作用する。以下、上記エンジンコントロールユニットのマイクロコンピュータのROM内に内蔵されているプログラムの内容とともに、このシステムの作用を説明する。
ライダーがスタータスイッチを操作すると、スタータが回転してエンジンが始動し、当然のことクランク軸およびカム軸34等もそれに伴って回転する。そして、カム軸34に付設されている回転数センサー33が上記凹部34a(あるいは凸部34b)の通過を検出し、その旨の電気信号をエンジンコントロールユニット20のマイクロコンピュータ22に伝達する。マイクロコンピュータ22は、この電気信号を受け取ると、この電気信号から各シリンダの圧縮工程のタイミングを演算し、各シリンダの圧縮工程の所定の点火時期に合わせて、そのシリンダに対応する出力回路21のパワートランジスタに電気信号(制御信号)を与え、対応するイグニッションコイル1に通電している一次電流をON−OFF操作し、そのシリンダの点火プラグを点火する。一方、上記エンジンコントロールユニット20は、各シリンダの排気工程においては、上述した点火制御(点火操作)はおこなわない。
従って、この点火システムでは、4サイクルエンジンの圧縮工程でのみ点火をおこなうよう制御をなし、一般におこなわれる排気工程での点火はおこなわないよう制御する。この結果、点火に際し、従来の自動二輪車に比べて2倍程度の大電流が流れるため、イグニッションコイル1での一回当たりの発熱量は、2倍程度になるものの、排気工程での点火がおこなわれないことから、全体の発熱量は従来の自動二輪車の場合と比べて増加しない。しかも、点火のタイミングが、各圧縮工程毎となるため、点火間隔が2倍に延びることから、圧縮工程と排気工程の両方で点火する場合に比べて点火直前の温度が低下することから、より温度条件的には良好になる。
【0021】
しかも、エンジンの回転数が高回転になる自動二輪車の走行状態においては、エンジンの前方を向いて開口している上記通風穴6から導入される温度の低い空気がイグニッションコイル1とプラグホール5との間に形成されている空間を通過して、上方に流れる(図1の矢印X参照)ことから、イグニッションコイル1は周囲から冷却されることになり、高回転数域においても、良好に冷却をおこなうことができる。
【0022】
上記実施例では、4サイクルDOHC型エンジンに適用した場合について説明したが、4サイクルSOHC型エンジンであっても、あるいはその他の形式のエンジンにも適用できることは言うまでもない。
【0023】
【発明の効果】
しかして、本発明にかかる自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムによれば、高圧コードを省略でき、高圧側の電気抵抗が低減でき良好な火花性能が得られるフルトランジスタ式のスティック型のイグニッションコイルを自動二輪車にも採用することが可能となる。
この結果、エンジンのシリンダヘッド上方の複雑に配置されている高圧コード群(図7参照)を廃止することができ、シリンダヘッド上方域が外観的にスッキリした自動二輪車を得ることができ、しかも組立てが容易となり且つ組立て工数を削減することができる。
また、この点火システムの採用により、より高性能で低燃費且つ排気ガスの綺麗な自動二輪車用エンジンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の実施例にかかる4サイクルDOHC型エンジンのシリンダヘッド部分の構成を示す断面図、(b)はイグニッションコイルの平断面形状を示す(a)のIV−IV矢視図である。
【図2】 この自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムの構成を示すブロック図である。
【図3】 エンジンの平面的配置構成を示す図1のI−I矢視平面図である。
【図4】 カム軸の回転数センサーの配置構造を示す図3のII-II 矢視断面図である。
【図5】 図4とは別の実施例にかかるカム軸の回転数センサーの配置構造を示す図3のIII −III 矢視断面図である。
【図6】 従来の点火システムを採用した自動二輪車のエンジンおよびその周辺の配置構成を示す部分側面図である。
【図7】 従来の点火システムを採用した自動二輪車のエンジンおよび高圧コードとイグニッションコイル等の配置構成を示す部分平面図である。
【符号の説明】
S…点火プラグ
E…エンジン
1…イグニッションコイル
20…エンジンコントロールユニット
Claims (5)
- 点火プラグの接続端子に一端が取着され一次電流が適宜タイミングで供給されるスティック型イグニッションコイルを具備した自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムであって、
この自動二輪車のエンジンがDOHC型のエンジンであり、
このエンジンのシリンダヘッドに配設されている2本のカム軸の間に設けられたプラグホール内に、上記点火プラグとその上端に接続した上記スティック型イグニッションコイルを、該点火プラグ及びイグニッションコイルの各外周と該プラグホールの内周との間に空間が形成される状態で、収容するとともに、
上記点火プラグが配設されているエンジン上部のプラグホールの走行方向の前側の壁面に、プラグホールからシリンダヘッドを貫通して外気側に連通する空気導入用の貫通孔を、前方で下がった傾斜穴で構成し、プラグホール内に冷却風を導くように構成したこと特徴とする自動二輪車のフルトランジスタ式点火システム。 - 前記空気導入用の貫通孔の入口が、エンジンの排気ポートの下方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のフルトランジスタ式点火システム。
- 前記プラグホールが形状的に円筒状に形成されており、
このプラグホール内に配置される前記イグニッションコイルが、該プラグホールの内径より外径が小さく、且つ、該イグニッションコイルの平面形状が概略歯車形状をしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車のフルトランジスタ式点火システム。 - 前記自動二輪車のフルトランジスタ式点火システムにおいて、
前記イグニッションコイルのコイル抵抗値を低くしてその分大きな電流を流すよう構成するとともに、点火制御をおこなうエンジンコントロールユニットが、前記カム軸に配設されている回転数センサーからの信号を受け取って、エンジンの圧縮行程でのみ点火をおこない排気行程で点火をおこなわないよう制御すべく構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の項に記載の自動二輪車のフルトランジスタ式点火システム。 - 前記イグニッションコイルのコイル抵抗値を、従来の自動二輪車の場合の1/2程度の、1.0〜1.2オーム程度とすることによって、イグニッションコイルにその分大きな電流が流れるように構成した請求項4記載の自動二輪車のフルトランジスタ式点火システム。
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