JPH0354672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は密栓式エアーポツトに関し、特に中
栓の浮き上がり防止構造に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、エアーポツトにおいては、中びんの内
部がエアーポンプを経て大気に通じているため、
熱湯冷却時の中びん内圧の上昇は避けられる。し
かし、携帯式エアーポツトにおいては、横向きに
携帯されることがあるので、湯漏れを防止するた
め密栓構造がとられる。そのため、中びんの内圧
が上昇し、中栓に押上げ力が作用する場合があ
る。

この押上げ力に対抗するため、従来のこの種の
エアーポツトにおいては、ポツト外蓋と係合した
エアーポンプのベローズ下板を中栓上面に押し当
て、上記の押上げ力をベローズ下板を介して外蓋
により支持する構造がとられていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、従来のエアーポンプのベローズ下板
は、ポリエチレン、ポリプロプレン等の合成樹脂
材料によつて成形され、十分な強度が得られない
ものであつたから、内圧の上昇によつて中栓に押
上げ力が作用するとベローズ下板が変形し、その
結果中栓が浮き上がり、シールが不完全となり、
湯漏れを生じるおそれがあつた。

そこで、この考案は中栓の嵌合構造に工夫を加
えて上記の問題点を解決することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は中
びん口部に嵌合した肩体内周縁に中栓を密に嵌合
し、上記中栓の上面にエアーポンプのベローズ下
板を押し当て、該中栓自体が開閉機能を持ち、閉
栓状態で製品として密閉状態になる密栓式エアー
ポツトにおいて、中栓を肩体内周縁に対し、ネジ
嵌合した構成としたものである。

〔作用〕

中びんの内圧が上昇した場合、中栓に作用する
押上げ力は、ネジ嵌合部を介してポツト肩体によ
り支持される。

〔実施例〕

第１図は密栓式エアーポツトの一例であり、ス
テンレス製二重壁中びん１の上部に肩体２をビス
３によつて取付け、肩体２の内周縁４を中びん１
の口部５の内周に嵌合するとともに、上記の口部
５と肩体２との間にパツキン６を介在し、また肩
体２と中栓７との間にもう１つのパツキン８を介
在している。

上記の肩体２の内周壁４には内ネジ９が形成さ
れ、また中栓７にはこれにネジ嵌合する外ネジ１
０が形成されており、中栓７をその軸のまわりに
約90度回転することにより嵌脱することができ
る。

中栓７の内部には通水路１１とエアー通路１２
を有する弁室１３が設けられ、その弁室１３内部
に側方から給水パイプ１４が回転自在に挿入され
ている。給水パイプ１４の後端部には通水孔１５
が形成され、この通水孔１５を囲むパツキン１６
（第３図参照）の一側にエアー通路１２に対向し
たパツキン１７を一体に形成している。上記のエ
アー通路１２は、エアーポンプ１８のベローズ下
板１９に設けた接続口２０に突き合わされる。ま
た弁室１３には中びん１に通じたエアー穴２１が
設けられている。ベローズ下板１９はポツト外蓋
２２の内面に形成したリブ２３に係合している。

上記の通水路１１には安全弁装置２４が接続さ
れ、その安全弁装置２４に揚水パイプ２５が接続
されている。

上記給水パイプ１４の先端には、これと一体の
ノズルヘツド２６及びそのカバー２７が設けら
れ、そのノズルヘツド２６につまみ操作片２８を
有するつまみ３２を一体に嵌合するとともに、カ
バー２７に突起２９を設け、その突起２９を外蓋
２２の凹所３０に嵌合するようにしている。

この考案の実施例の構成は以上のとおりであ
り、外蓋２２を被せた状態でつまみ操作片２８を
操作し、つまみ３２をその軸まわりに約90度回転
すると、一方のパツキン１７がエアー通路１２か
ら外れるとともに、通水孔１５が通水路１１と対
向し、そのまわりを他方のパツキン１６によつて
囲み、これをシールする。また、弁室１３の内部
とエアー通路１２が連通するので、中びん１の内
部がエアー穴２１及び弁室１３を経てエアー通路
１２と連通する。

したがつて、エアーポンプ１８を作動すれば、
中びん１の内圧が上昇し、湯が揚水パイプ２５、
安全弁装置２４、通水路１１及び給水パイプ１４
を経て、先端のノズル３１から注水される。

また、中栓７を開閉する場合は、第２図に示す
ように、外蓋２２を開放し、中栓７の外ネジ１０
と肩体２の内ネジ９とを約90度回動して嵌脱す
る。

上記のネジ嵌合部分は、中びん１の内圧上昇に
よつて中栓７に押上げ力が作用した場合に、その
浮き上がりを阻止する作用を行なう。

〔効果〕

以上のように、この考案は密栓式エアーポツト
において、ベローズ下板に押当てられた中栓自体
を肩体の内周縁にネジ嵌合したものであるから、
中びんの内圧上昇による押上げ力が中栓に作用し
ても、浮上がりを確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の一部を示す断面図、第２図は
同上の分解斜視図、第３図は給水パイプの一部を
示す斜視図である。 １……中びん、２……肩体、４……内周縁、５
……口部、６……パツキン、７……中栓、８……
パツキン、９……内ネジ、１０……外ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中びん口部に密に嵌合した肩体内周縁に中栓を
   密に嵌合し、上記中栓の上面にエアーポンプのベ
   ローズ下板を押し当て、該中栓自体が開閉機能を
   持ち、閉栓状態で製品として密閉状態になる密栓
   式エアーポツトにおいて、上記中栓を肩体に対し
   ネジ嵌合したことを特徴とする密栓式エアーポツ
   ト。