JPH035367B2 - - Google Patents

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JPH035367B2
JPH035367B2 JP57145094A JP14509482A JPH035367B2 JP H035367 B2 JPH035367 B2 JP H035367B2 JP 57145094 A JP57145094 A JP 57145094A JP 14509482 A JP14509482 A JP 14509482A JP H035367 B2 JPH035367 B2 JP H035367B2
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JP
Japan
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carnosine
ulcer
zinc salt
effect
salt
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP57145094A
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English (en)
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JPS5933270A (ja
Inventor
Hajime Fujimura
Kohei Kuki
Sueo Horiuchi
Masahiro Takatani
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamari Chemicals Ltd
Original Assignee
Hamari Chemicals Ltd
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Publication date
Application filed by Hamari Chemicals Ltd filed Critical Hamari Chemicals Ltd
Priority to JP57145094A priority Critical patent/JPS5933270A/ja
Publication of JPS5933270A publication Critical patent/JPS5933270A/ja
Publication of JPH035367B2 publication Critical patent/JPH035367B2/ja
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はカルノシン亜鉛塩よりなる抗潰瘍剤に
関する。 近年、消化性潰瘍患者の増加にともない、その
治療薬の研究も種々の方面から検討されている。
特に最近消化性潰瘍の発生機序が解明されるにし
たがい、それに拮抗する治療薬、たとえばヒスタ
ミンH2−受容体拮抗薬やガストリン拮抗薬ある
いは自律神経遮断薬などの研究が盛んである。し
かし、これ等薬物の副作用は一般に強く、またそ
の副作用も多岐にわたり医薬品としての安全性か
ら、その使用には十分の注意が必要である。 本発明者らは胃粘膜を保護し、組織を修復さ
せ、且つ副作用の少ない消化性潰瘍治療薬を開発
するべく種々検討した結果、生体内の炎症自然治
癒促進作用を有していると云われている生体成分
であるカルノシンの作用に注目した。しかしカル
ノシン自体の消化性潰瘍に対する治療効果は弱
く、医薬品として開発するには不十分であつた。
そこで本発明者らは多くのカルノシン誘導体を合
成し、その治療効果等を検討したところ、カルノ
シン亜鉛塩が極めて優れた消化性潰瘍治療効果を
有し、且つ副作用の少ない化合物であることを見
出し、本発明を完成した。 本発明のカルノシン亜鉛塩は、カルノシンと亜
鉛化合物の水溶液にアルカリ溶液を加えて反応せ
しめることにより容易に製造される。カルノシン
としてはD−体、L−体、DL−体が使用される。
亜鉛化合物としてはハロゲン化亜鉛硫酸亜鉛等が
好んで使用されるが、これらに限定されることな
く反応を阻害しない限り、他の亜鉛化合物を用い
てもよい。 反応は通常、水中にて室温あるいは加温下で数
十分から数時間で終了する。反応後、析出するカ
ルノシン亜鉛塩を取し、乾燥すれば目的物が単
離される。 この様にして得られたカルノシン亜鉛塩は合成
が容易で、副作用が極めて少なく医薬として有用
な消化性潰瘍治療効果を示す。すなわち、後記す
る薬理実験から明らかなように、10g/Kgの経口
投与で毒性を示さず、1000mg/Kgの経口投与で明
白な抗潰瘍作用を示すから、消化性潰瘍の治療に
1回量1〜数g未満を経口投与することができ
る。またその薬理作用を利用して外用パウダー等
として外用消炎鎮痛薬、湿疹、かぶれ等の皮膚疾
患治療薬あるいは痔疾患治療薬等としての応用も
可能である。 次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。 L−カルノシン147gを純水441mlに溶解し、こ
れに純水177mlに塩化亜鉛88.6gを溶解した水溶
液を加えたのち、攪拌下、4規定の水酸化ナトリ
ウム水溶液325mlを約30分間にて滴下すると反応
は終了する。反応後、析出沈澱物を取し、洗液
が中性になるまで十分に水洗する。40℃で2日間
乾燥するとL−カルノシン亜鉛塩の無色粉末175
gを得る。 本品の分析結果は次の通りである。 乾燥減量(1g、60℃で3時間減圧乾燥)7.63
% 亜鉛含有量(重量分析)23.20% カルノシン含有量(重量分析)76.81% 融 点 300℃以上 I.R.スペクトル(KBr、cm-1)3280,1620,
1480,1385,1260,1120,1050,1000,980。 本発明のL−カルノシン亜鉛塩の消化性潰瘍治
療効果について示す。 実験材料 薬物はL−カルノシン亜鉛塩の他比較薬とし
て、L−カルノシンおよびN−アセチル−L−カ
ルノシンアルミニウム塩を用いた。 動物は北山ラベス株式会社から購入した
Wistar系雄性ラツトで、購入後、空調室(22±
2℃)にて飼育管理したものを用いた。 実験方法 1 水浸拘束ストレス潰瘍 体重120g前後のWistar系雄性ラツトを24時間
絶食し、1群6匹として拘束ストレスケージにラ
ツトを入れ、20℃の水槽中に胸部まで浸しストレ
スを負荷した。5時間後に動物を殺し胃を摘出
し、1%ホルマリン液を胃内に10ml注入し、さら
に1%ホルマリン液中に1時間浸した後大弯に沿
つて切開し、腺胃部に発現する潰瘍をAdamiら
の方法に準して評価した。薬物はストレス負荷30
分前に経口投与した。 2 ヒスタミン潰瘍 体重180g前後のWistar系雄性ラツトを24時間
絶食し、1群8匹としてて塩酸ヒスタミン100
mg/Kgを腹腔内に投与した。4時間後に動物を殺
し胃を摘出した。以下先の水浸拘束ストレス潰瘍
と同様の操作を行つた。薬物はヒスタミン投与の
10分前に経口投与した。 3 アスピリン潰瘍 体重150g前後のWistar系雄性ラツトを24時間
絶食し、1群8匹としてアスピリン200mg/Kgを
経口投与した。4時間後に動物を殺し胃を摘出し
た。以下先の水浸拘束ストレス潰瘍と同様の操作
を行つた。薬物はアスピリン投与直前に経口投与
した。 4 インドメタシン潰瘍 体重180g前後のWistar系雄性ラツトを24時間
絶食し、1群6匹としてインドメタシン25mg/Kg
を皮下に投与した。7時間後に動物を殺し胃を摘
出した。以下先の水浸拘束ストレス潰瘍と同様の
操作を行つた。薬物はインドメタシン投与10分前
に経口投与した。 実験成績 1 水浸拘束ストレス潰瘍 表1に成績を示した。L−カルノシン亜鉛塩で
は明らかな抑制作用が認められ、その効果はN−
アセチル−L−カルノシンアルミニウム塩と同等
であつた。一方、L−カルノシンには有意な抑制
作用が認められなかつた。
【表】 2 ヒスタミン潰瘍 表2に成績を示した。L−カルノシン亜鉛塩で
は明らから抑制作用が認められた。又、比較薬L
−カルノシンおよびN−アセチル−L−カルノシ
ンアルミニウム塩にも同等の効果が認められた。
【表】 3 アスピリン潰瘍 表3に成績を示した。L−カルノシン亜鉛塩に
は強い抑制作用が認められた。L−カルノシンお
よびN−アセチル−L−カルノシンアルミニウム
塩の効果も明らかなものであつた。
【表】 4 インドメタシン潰瘍 表4に成績を示した。L−カルノシン亜鉛塩に
明らかな効果が認められ、その効果はN−アセチ
ル−L−カルノシンアルミニウム塩と同等であつ
た。一方、L−カルノシンには有意な抑制作用は
認められなかつた。
【表】 以上の如くいくつかの潰瘍実験モデルを用いL
−カルノシン亜鉛塩の抗潰瘍作用を試験した結
果、まず胃液の侵撃が発生要因といわれているア
スピリン潰瘍およびこの要因に胃粘膜の減弱、胃
粘膜自体の摩擦が要因にあげられているストレス
潰瘍に対して、L−カルノシン亜鉛塩は明らかな
抑制作用を示し、この効果は胃液分泌抑制作用に
よるものと考えられた。N−アセチル−L−カル
ノシンアルミニウム塩にも同程度の効果が認めら
れたが、L−カルノシンでは、アスピリン潰瘍に
は強い効果を認めたものの、ストレス潰瘍では抑
制傾向を示したにすぎず、薬物間での抑制作用の
強弱が認められた。 次に胃液分泌の亢進と胃粘膜防御因子の減少に
起因することがいわれているヒスタミン潰瘍およ
びインドメタシン潰瘍に対して、L−カルノシン
亜鉛塩はN−アセチル−L−カルノシンアルミニ
ウム塩と同程度の明らかな抑制作用が認められ
た。 なお、急性毒性試験は体重150〜200gのウイス
ター系雌雄ラツトを各1群10匹として、L−カル
ノシン亜鉛塩、L−カルノシンおよびN−アセチ
ル−L−カルノシンアルミニウム塩を各10g/Kg
ずつ経口投与し、7日間観察したが、いずれも死
亡例は認められず、これらの化合物の毒性はいず
れも極めて弱いものであつた。 以上、カルノシン亜鉛塩にはN−アセチル−L
−カルノシンアルミニウム塩と同等あるいはそれ
以上の明らかな抗潰瘍作用が認められた。 一方、カルノシン亜鉛塩はカルノシンに亜鉛化
合物を作用させると容易に定量的に得られるのに
反して、N−アセチルカルノシンアルミニウム塩
はカルノシンを一旦、アセチル化したのち、アル
ミニウム塩としているため、カルノシン亜鉛塩の
製造と比らべて、製造工程並びに製造時間が長く
なり、作業能率が悪く製造コストが高くなる等の
欠点を有している。これに比らべて本発明のカル
ノシン亜鉛塩では、反応工程並びに反応時間が短
いので、製造時間が短縮され作業能率も良く、製
造コストが安くなるため、工業的な製造において
も極めて有利な化合物であることがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 カルノシンと亜鉛化合物の水溶液にアルカリ
    溶液を加えて反応、析出させることにより得られ
    るカルノシン亜鉛塩よりなる抗潰瘍剤。
JP57145094A 1982-08-19 1982-08-19 抗潰瘍剤 Granted JPS5933270A (ja)

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JP57145094A JPS5933270A (ja) 1982-08-19 1982-08-19 抗潰瘍剤

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JP57145094A JPS5933270A (ja) 1982-08-19 1982-08-19 抗潰瘍剤

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Publication Number Publication Date
JPS5933270A JPS5933270A (ja) 1984-02-23
JPH035367B2 true JPH035367B2 (ja) 1991-01-25

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ID=15377231

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JP57145094A Granted JPS5933270A (ja) 1982-08-19 1982-08-19 抗潰瘍剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019106851A1 (ja) 2017-11-30 2019-06-06 株式会社メディコ・コンスル 非アルコール性脂肪性肝疾患(naflad)および/または非アルコール性脂肪性肝炎(nash)、および/または肝脂肪性変性の治療と予防に適した、配合剤

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KR102212260B1 (ko) 2019-06-17 2021-02-04 주식회사 한서켐 수용액을 이용한 결정성 폴라프레징크의 제조방법
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JPS5933270A (ja) 1984-02-23

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