JPH0350315Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車等の燃料タンク内に装備さ
れ、エンジンへ燃料を圧送するインタンク式電動
燃料ポンプに関し、特にポンプ・ロツクを起こす
切粉、ごみ等の異物対策に関するものである。

（従来の技術） 従来、第３図に示すように、自動車等のインタ
ンク式電動燃料ポンプ１は、燃料タンク２の中に
ブラケツト３を介してほぼ垂直に取り付けられて
いる。インタンク式電動燃料ポンプ（以下ポンプ
と略す）１の概略構造は、第４図の縦断面図に示
すように、筒状のハウジング４の下部に位置する
ポンプ部と、中央から上部にかけて位置するモ−
タ−部とからなる。ポンプ部はハウジング４の下
端に嵌合固定されたプレ−ト状のボデ−５と、モ
−タ−部との境界をなす隔壁６とで区画され、そ
の間のハウジング４の内壁に沿つて、環状のスペ
−サ７、中央に穴をあけた円板状の中間プレ−ト
８、同じくスペ−サ７が層状に嵌合されている。
ポンプ部の中央にはポンプ室９が形成され、その
軸心にはボデ−５に固定されたシヤフト１０が位
置している。ボデ−５、中間プレ−ト８、隔壁６
の間にスペ−サ７によつて形成された環状中空部
にはインペラ−１１が挿入され、その中央部は軸
受１２を介してシヤフト１０に回転可能に支持さ
れている。ボデ−５には燃料吸入口１３が設けら
れ、隔壁６には燃料出口１４が設けられ、モ−タ
−室１５に連通している。隔壁６の上面を第５図
に示す。

モ−タ−部は、ハウジング４の上端に嵌合固定
されたカバ−１６と、ポンプ部との境界をなす隔
壁６とで区画され、その間にモ−タ−室１５が形
成されている。カバ−１６の中央には上方に伸び
た燃料出口１７が設けられている。モ−タ−室１
５の軸心にはア−マチユア１８が配置され、その
両端の回転軸は隔壁６、カバ−１６にそれぞれ設
けられた軸受に回転可能に支持されている。ハウ
ジング４の内周にはア−マチユア１８に対応する
マグネツト１９が取り付けられている。ア−マチ
ユア１８の下部回転軸１８ａには、ジヨイント２
０が組み付けられ、その一対の爪２０ａがインペ
ラ−１１の中央部に設けた軸方向の小孔に挿入さ
れ、モ−タ−が作動されると、インペラ−１１が
回転して燃料吸入口１３から燃料を吸入する。吸
入された燃料は燃料出口１４を通つてモ−タ−室
１５に入り、カバ−１６の燃料出口１７から外部
へ吐出される。カバ−１６の内側には合成樹脂製
絶縁板２１が嵌合され、カバ−１６を貫通して突
出する端子ボルト２２を固定し、内側にはブラシ
２３が取り付けられている。ブラシ２３は端子ボ
ルト２２に電気的に接続され、ア−マチユア１８
のコミユテ−タ２４に通電する。

上記のような燃料ポンプの文献としては、実開
昭58−151397号公報がある。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら上記のような燃料ポンプ１におい
ては、製造工程で充分に異物除去対策を実施して
も取りきれなかつた異物が、使用段階で振動等に
より移動することがある。この場合、モ−タ−室
１５内の異物、例えば切削屑、はんだかす等が隔
壁６の燃料出口１４より、隔壁６、スペ−サ７、
中間プレ−ト８で構成されるポンプ部の燃料流路
へ落ちこんで、インペラ−１１の羽根部にひつか
かり、インペラ−１１のロツクを発生させ、燃料
ポンプ１の機能停止を生じさせるおそれがある。

この考案は、モ−タ−部の異物が下方に位置す
るポンプ部の燃料流路に入つて引き起こすポン
プ・ロツクを防止したインタンク式電動燃料ポン
プの提供を目的とする。

（問題点を解決するための手段） この考案は、上記問題点を解決するための手段
として、ポンプ室の上方に隔壁を介してモ−タ−
室を配置し、前記隔壁に両室を連通する燃料出口
を設けたインタンク式電動燃料ポンプであつて、
前記隔壁の上面に網状の袋を取り付け、前記袋の
入口をア−マチユアの回転方向に沿つて流れる燃
料流に対向させたことを特徴とするインタンク式
電動燃料ポンプである。

（作用） 上記のインタンク式電動燃料ポンプにおいて
は、モ−タ−室の異物が燃料中を落下してポンプ
室との境界の隔壁上面に落下してきたとき、異物
は燃料とともにア−マチユアの回転方向へ動くの
で、燃料流に対向して開口している入口から網状
の袋の中に入り、ポンプ室内に侵入することがで
きない。

（実施例） 以下実施例を示す図面に基づいて、この考案を
説明する。第１図は実施例の縦断面図であり、従
来と同一の構成要素には第４図と同じ番号を付し
て説明は省略する。この考案によるポンプ部の隔
壁３１の上面には、第２図に示すように網状の袋
３２が取り付けられている。袋３２の入口３２ａ
は骨材３３で形成され、ア−マチユアの回転方向
に沿つて流れる燃料流に対向させて隔壁３１の半
径上に固定されている。袋３２は200〜400メツシ
ユ程度の合成樹脂製網を使用している。

上記のような構成の燃料ポンプにおいては、製
造工程で除去しきれなかつたモ−タ−室１５の切
粉、ごみ等が、使用段階で振動等により移動して
隔壁３１の上面に落下して溜る。これらの異物は
燃料とともにア−マチユア１８の回転方向へ動く
ので、回転方向に沿つて流れる燃料流に対向して
配置された入口３２ａから網状の袋３２の中に入
る。こうしてモ−タ−室１５を浮遊する異物は袋
３２の中に集められ、燃料出口３４を通つてポン
プ室９に侵入するのが防止される。

（考案の効果） この考案は以上説明したように、ポンプ室の上
方に隔壁を介してモ−タ−室を配置し、前記隔壁
に両室を連通する燃料出口を設けたインタンク式
電動燃料ポンプにおいて、前記隔壁の上面に網状
の袋を取り付け、前記袋の入口をア−マチユアの
回転方向に沿つて流れる燃料流に対向させたこと
によつて、モ−タ−室の異物が下方に位置するポ
ンプ室の燃料流路に入つて引き起こすポンプ・ロ
ツクを防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の縦断面図、第２図
は第１図の−線断面図、第３図は燃料タンク
内に取り付けられたインタンク式電動燃料ポンプ
の側面図、第４図は従来のインタンク式電動燃料
ポンプの縦断面図、第５図は第４図の−線断
面図である。 ９……ポンプ室、１５……モ−タ−室、１８…
…ア−マチユア、３１……隔壁、３２……網状
袋、３２ａ……入口、３４……燃料出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポンプ室の上方に隔壁を介してモ−タ−室を配
   置し、前記隔壁に両室を連通する燃料出口を設け
   たインタンク式電動燃料ポンプであつて、前記隔
   壁の上面に網状の袋を取り付け、前記袋の入口を
   ア−マチユアの回転方向に沿つて流れる燃料流に
   対向させたことを特徴とするインタンク式電動燃
   料ポンプ。