JPH034996Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、磁気記録再生装置のガイドドラム
への磁気テープの巻付の出口側のテープ走行路上
に設けた起倒自在のガイドポールを起立位置に保
持するガイドポールの起立保持機構に関するもの
であり、その目的とするところは、ガイドドラム
への磁気テープの巻付の入口側より出口側の方が
低くなるように形成したテープ走行路を再び元の
高さに戻すために設けた起倒自在のガイドポール
を、テープローデイング時に起立位置に精度よく
起立状態に保持するとともに、磁気テープの張力
や外部衝撃などによつてもガイドポールの起立位
置が変らないようにしたガイドポールの起立保持
機構を提供することにある。

従来、ビデオ磁気記録再生装置の小形化をはか
るために、ガイドドラムに磁気テープを270゜巻付
けて、ガイドドラムの直径を小さくすることが行
なわれているが、このようなビデオ磁気記録再生
装置では、ガイドドラムの高さをなるべく低くす
るためと、ガイドドラムの傾斜角を小さくするた
めに、ガイドドラムへの磁気テープの巻付の入口
側よりも出口側の方が低くなるようなテープ走行
路が形成されている。

従つて、いつたん低くなつた磁気テープを音声
消去ヘツドや音声記録再生ヘツドなどを経由して
テープカセツト内に巻取るには、低くなつたテー
プ走行路を元の高さに戻す必要があるため、巻取
側ローデイングポールと音声消去ヘツドとの間に
磁気テープの走行方向を変えるガイドポールを設
けている。

しかし、このガイドポールは磁気テープループ
の内側に位置することになり、巻取側ローデイン
グポールの移動に際して磁磁気テープループ外に
退避させなければならないので、アンローデイン
グ時にはシヤシーベースの方向に倒れる起倒自在
のガイドポールを用いている。

さらに、テープローデイング時に磁気テープの
走行を安定にさせるために、起立した磁気テープ
の傾斜角と傾斜方向を正確に保持し、一方、磁気
テープの張力や外部衝撃などによつても起立保持
状態が変らないようなガイドポールの起立保持機
構が不可欠である。

この考案は、上記のような条件を満たすガイド
ポールの起立保持機構を提供するものであり、以
下、その一実施例を図面とともに詳細に説明す
る。

第１図はこの考案の一実施例を適用した磁気記
録再生装置のテープローデイング状態の平面図
で、テープカセツト１より引出された磁気テープ
２はガイドドラム３にほぼ270゜にわたつて巻付け
られている。

テープローデイング状態では、磁気テープ２は
テンシヨンポール４とテープガイド５と全幅消去
ヘツド６とインピーダンスローラ７と供給側ロー
デイングポール８と供給側傾斜ポール９とガイド
ドラム３と巻取側傾斜ポール１０と巻取側ローデ
イングポール１１と起倒自在のガイドポール１２
とテープガイド１３と音声消去ヘツド１４と音声
記録・再生ヘツド１５とテープガイド１３′とキ
ヤプスタン１６とピンチローラ１７とに順次添接
するテープ走行路を形成している。

第２図は第１図の右側から見たガイドポール関
係の側面図で、見易いように一部の配置は実際よ
り多少ずらして画いている。

第１図および第２図において、ガイドポール１
２はシヤシーベース１８の上に固定されたガイド
ポール台１９の上部位置に支軸４１ａによつて起
倒自在に保持され、シヤシーベース１８とほど平
行になる第２図において二点鎖線で示すアンロー
デイング位置より実線で示すローデイング位置
（起立位置）まで回動し得るようになつている。

また、ガイドポール１２の下部には扇形ギヤ２
０ａを備え、この扇形ギヤ２０ａが上記ガイドポ
ール台１９の下部位置に支軸４１ｂによつて回動
自在に保持された起倒レバー２１に備えた扇形ギ
ヤ２０ｂに噛合つている。

２２は回転カムで、上記ガイドポール１２の起
倒動作と保持動作の駆動源となり、出力ギヤ２３
を介してテープローデイングの駆動モータ２４に
よつて減速駆動される。

２５はポールレバーで、シヤシーベース１８上
の支軸２６によつて中間部が回動自在に支持さ
れ、その一端部に板バネ２７を備え、他端部に備
えたピン２８を上記回転カム２２のカム溝２２ａ
に嵌挿している。

２９は上記ポールアームで、軸受３０によつて
軸承された回転軸３１の上端に固着され、その先
端のピン３２を上記ポールレバー２５の板バネ２
７に当接させ、一方、下部ポールアーム３３は同
じ回転軸３１の下端に固着されて上部ポールアー
ム２９と一体的に回動する。

さらに、下部ポールアーム３３の先端部は連結
杆３４を介して上記起倒レバー２１の下端部に連
結され、上記回転カム２２の回転により、上記ポ
ールレバー２５と上部ポールアーム２９と回転軸
３１と下部ポールアーム３３と連結杆３４と起倒
レバー２１と扇形ギヤ２０ｂ，２０ａとを介して
上記ガイドポール１２を約70゜回動させる。

３５はヘツドアームで、シヤシーベース１８上
の軸３６によつて回動可能に支持され、その上面
に上記音声消去ヘツド１４と音声記録・再生ヘツ
ド１５とテープガイド１３，１３′とを載置して
いるほかに上記ガイドポール１２を起立状態に保
持するためのロツク板３７を備えている。

なお、上記ヘツドアーム３５はスプリング（図
示せず）によつて反時計方向に回動付勢され、常
に上記回転カム２２中の凸カム３８に当接してい
るので、テープローデイング時には回転カム２２
の回転によつて第１図に示す位置まで回動する。

また、上記ロツク板３７の上部には、第３図に
示すように、傾斜面を含む嘴状の先端部３７ａが
形成され、この先端部３７ａは上記ヘツドアーム
３５のテープローデイング位置への回動に伴ない
上記ガイドポール１２の倒伏回動面に対して突出
しガイドポール１２を起立状態に保持する。

３９はガイドポールストツパで、その一端に上
記起立状態のガイドポール１２の先端部１２ａを
押し当てるためのＶ字状切込み３９ａが形成さ
れ、他端部は上記軸３６とシヤシーベース１８に
取付けた保持板４０の上面にそれぞれ螺着されて
いる。

この考案の実施例は、以上のように構成されて
おり、図示のテープローデイング状態では、上記
回転カム２２はアンローデイング位置に対して
240゜回転している。その結果、ポールレバー２５
が時計方向に回動変位して、その先端に設けた板
バネ２７がピン３２を介して上部ポールアーム２
９を反時計方向に回動させ、これに伴ない下部ポ
ールアーム３３も同方向に回動するので、第２図
に示すように、連結杆３４が矢印Ａ方向に引張ら
れて起倒レバー２１を反時計方向に回動させる。
従つて、この起倒レバー２１に設けた扇形ギヤ２
０ｂに噛合つている扇形ギヤ２０ａを設けたガイ
ドポール１２は時計方向に約70゜回動してガイド
ポールストツパ３９に当接し、ガイドポール１２
の先端部１２ａは上記板バネ２７の弾性力によつ
てガイドポールストツパ３９のＶ字状切込み３９
ａに圧着される。さらに、ガイドポール１２の起
立動作よりやや遅れて上記ヘツドアーム３５が凸
カム３８によつてテープローデイング位置まで回
動させられると、ヘツドアーム３５上に設けた上
記ロツク板３７の先端部３７ａがガイドポール１
２の先端部１１２ａの背面に回動して来る。すな
わち、ガイドポール１２は、その先端部１２ａが
ガイドポールストツパ３９のＶ字状切込み３９ａ
に当接することによつて起立位置を規制され、詳
しくはそのガイドポール１２の起立の傾斜角（垂
直軸に対して約20゜）と傾斜方向を正確に保持さ
れる。

なお、このガイドポール１２の起立状態の保持
作用は、通常の動作中は上記板バネの圧着力によ
つて上記ガイドポールストツパ３９に設けたＶ字
状切込み３９ａにガイドポール１２の先端部１２
ａが圧着することにより、磁気テープの張力に抗
して行なわれるが、これに加えてガイドポール１
２の先端部１２ａを、ガイドポールストツパ３９
のＶ字状切込み３９ａとロツク板３７の先端部３
７ａとによつて挾持して万一、外部衝撃などによ
る力が加わつた場合でも、ガイドポール１２の回
動を防止するようにしている。

この考案は、以上説明したように、すなわち、
磁気テープ２をガイドドラム３に巻付けて所定の
テープ走行路を形成するとに、ガイドドラム３の
磁気テープ２の巻取側のテープ走行路上に起倒可
能なガイドポール１２を設けた磁気記録再生装置
であつて、上記ガイドポール１２をテープローデ
イング時に弾性手段（実施例におけるポールレバ
ー２５の一端部に設けた板バネ２７）を介して起
立させる可動部材（実施例における上部ポールア
ーム２９と回転軸３１と下部ポールアーム３３と
連結杆３４と起倒レバー２１）と、ガイドポール
１２の起立位置を規制する当接部材（実施例にお
けるガイドポールストツパ３９）と、ガイドポー
ル１２の倒伏方向面に出没可能な係止部材（実施
例におけるロツク板３７）とを備え、テープロー
デイング時に上記ガイドポールを上記可動部材に
より上記弾性手段を介して起立させた場合、上記
当接部材にガイドポールを当接させるとともに、
この当接部材と上記係止部材とによりガイドポー
ルを挾持して、ガイドポールの位置決めと磁気テ
ープの張力および外部衝撃によるガイドポールの
回動の防止を行なうように構成した磁気記録再生
装置のガイドポールの起立保持機構を提供したの
で、テープローデイング動作と連動してガイドポ
ールを起立させた場合に、この傾斜角と傾斜方向
が正確に保持されるとともに、磁気テープの張力
による倒伏方向の回動を防止し、ガイドドラム以
降の磁気テープの走行方向の変換作用が高精度で
行なわれ、また、外部衝撃などによる不則の力が
加わつた場合でもガイドポールの起立位置が変ら
ないので、常に安定した磁気テープの走行が行な
われるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を適用した磁気記録
再生装置のテープローデイング状態の平面図、第
２図は第１図の右側から見たガイドポール関係の
側面図、第３図はガイドポールを起立状態に保持
するためのロツク板の平面図である。 １……テープカセツト、２……磁気テープ、３
……ガイドドラム、４……テンシヨンポール、５
……テープガイド、６……全幅消去ヘツド、７…
…インピーダンスローラ、８……供給側ローデイ
ングポール、９……供給側傾斜ポール、１０……
巻取側傾斜ポール、１１……巻取側ローデイング
ポール、１２……ガイドポール、１２ａ……先端
部、１３，１３′……テープガイドポール、１４
……音声消去ヘツド、１５……音声記録・再生ヘ
ツド、１６……キヤプスタン、１７……ピンチロ
ーラ、１８……シヤシーベース、１９……ガイド
ポール台、２０ａ，２０ｂ……扇形ギヤ、２１…
…起倒レバー、２２……回転カム、２２ａ……カ
ム溝、２３……出力ギヤ、２４……駆動モータ、
２５……ポールレバー、２６……支軸、２７……
板バネ、２８……ピン、２９……上部ポールアー
ム、３０……軸受、３１……回転軸、３２……ピ
ン、３３……下部ポールアーム、３４……連結
杆、３５……ベルトアーム、３６……軸、３７…
…ロツク板、３７ａ……先端部、３８……凸カ
ム、３９……ガイドポールストツパー、３９ａ…
…Ｖ字状切込み、４０……保持板、４１ａ，４１
ｂ……支軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 磁気テープをガイドドラムに巻付けて所定の
   テープ走行路を形成するとともに、ガイドドラ
   ムの磁気テープの巻取側のテープ走行路上に起
   倒可能なガイドポールを設けた磁気記録再生装
   置であつて、上記ガイドポールをテープローデ
   イング時に弾性手段を介して起立させる可動部
   材と、ガイドポールの起立位置を規制する当接
   部材と、ガイドポールの倒伏方向面に出没可能
   な係止部材とを備え、テープローデイング時に
   上記ガイドポールを上記可動部材により上記弾
   性手段を介して起立させた場合、上記当接部材
   にガイドポールを当接させるとともに、この当
   接部材と上記係止部材とによりガイドポールを
   挾持して、ガイドポールの位置決めと磁気テー
   プの張力および外部衝撃によるガイドポールの
   回動の防止を行なうように構成した磁気記録再
   生装置のガイドポールの起立保持機構。 (2) 当接部材は、その先端にガイドポールの先端
   部が嵌合するＶ字状切込みを有し、係止部材
   は、その先端部が傾斜面となつている、実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の磁気記録再生
   装置のガイドポールの起立保持機構。