JPH0349096Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、動力作業車のステアリング装置構造
に関するものである。

(ロ) 従来の技術 従来、動力作業車のステアリング装置は運転部
前方部のハンドル及びステアリング軸を回動自在
に設け、その下端のギヤボツクスより、前車輪に
ドラツクロツドを延設して構成しており、同装置
はハンドルの回動により、回動自在とした前車輪
を左右に回動操作を行うものであり、しかも、ギ
ヤボツクスより延設した同装置のドラツクロツド
は折曲形成して運転部のステツプ部上面に配設し
ているものであつた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、運転部のステツプ部に位置する
ドラツクロツドには、運転者の脚部が同機構の作
動に支障をきたさないようにカバー体が取付けら
れており、同カバー体の装着によつてステツプ部
が狭くなり、運転者の脚部を載置しにくく、窮屈
感を生じたりし、また同作業車の操作に支障とな
る欠点があつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は動力作業車の運転部に回動自在に設け
たハンドル及びステアリング軸をクラツチハウジ
ング上部に連設したステアリングギヤボツクスと
連結し、しかも、同ギヤボツクスと前車輪とを連
動する中間リンク機構を同クラツチハウンジング
内に収納可能としてなる動力作業車のステアリン
グ装置構造を提供せんとするものである。

(ホ) 作用 本考案では、ハンドル及びステアリング軸に連
設したステアリングギヤボツクスと前車輪との間
に中間リンク機構を連動連結し、ハンドルの回動
により、その下端のギヤボツクスより中間リンク
機構を作動させ、同中間リンク機構の作動によつ
て回動自在とした前車輪を左右に回動操作せし
め、動力作業車の走行時における旋回操作を行う
ものである。その際に、運転部のステツプ部上面
におけるステアリング装置の中間リンク機構をク
ラツチハウジング内に収納して、同ステツプ部に
広い空間を保持し、運転者の脚部の載置及び脚部
による走行操作を支障なく行うことができるもの
である。

(ヘ) 効果 従つて、本考案によれば、中間リンク機構を、
クラツチハウンジング内に収納可能にすることに
より、同操作機構自体をカバー体に装着せずとも
保護できると共に、ステツプ部上面の空間を広く
保持せしめて、運転者の居住性を向上させ、また
脚部による走行操作を支障なく行うことができ、
更には、中間リンク機構をステツプ部上に配設す
るための折曲加工の手間も省くことができるとい
う効果を奏する。

(ト) 実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
Ａは、動力作業車としてのトラクタを示してお
り、同トラクタＡは機体１の前部にボンネツト２
を搭載し、その後方には、ハンドル３及び運転部
４を配すと共に、機体１の下部には前後車輪５，
６を配設している。

７は、運転部４に設けた座席であり、同トラク
タＡは、同機体１前部のボンネツト２に内蔵した
原動機８より走行するものであり、同原動機８の
動力はクラツチハウジング９のクラツチ機構１０
により、後方のミツシヨン部１１及びデフロツク
機構１２伝達し、前後車輪５，６を回動させるも
のである。また、同トラクタＡは前車輪５と連動
連結されたステアリング装置Ｍを有しており、同
装置Ｍにより回動自在とした前車輪５の左右回動
操作を行い旋回自在としたものである。

同運転部４は、下方にクラツチハウジング９が
配設し、同クラツチハウジング９は断面視略凸状
に形成すると共に、同クラツチハウジング９の左
右側壁中途部の突出面９−１，２に水平状のステ
ツプ部１３を連設して、同ステツプ部１３上に運
転者の脚部を載置すべく構成している。

１４は、クラツチハウジング９の側面９′に連
結した逆Ｌ字状に形成されたステツプ支持体であ
り、同クラツチハウジング９の突出面９−１，２
に連設されたステツプ部１３を支持固定するもの
である。

同ステアリング装置Ｍは、ハンドル３、ステア
リング軸１５、ステアリングギヤボツクス１７、
及び同ギヤボツクス１７と前車輪５とを連動連結
する中間リンク機構１６より構成しており、同ハ
ンドル３及びステアリング軸１５を運転部４前方
に軸支して回動自在とし、同軸１５下端にはステ
アリングギヤボツクス１７を連設すると共に、同
ギヤボツクス１７はクラツチハウジング９の上方
に位置するものであり、しかも、同ステアリング
ギヤボツクス１７の側方には、操作軸１８が突設
しており、同操作軸１８にステアリング軸１５と
噛合した同ギヤボツクス１７のギヤ群により、回
動するものである。更に、同操作軸１８は、前車
輪５を左右回動すべく中間リンク機構１６を介し
て連動連結しており、その構造を説明すれば、次
のとおりである。

すなわち、同中間リンク機構１６は、同ギヤボ
ツクス１７より突出した操作軸１８に、ピツトマ
ンアーム１９を連結し、同ピツトマンアーム１９
先端に長手状の中間ロツド２０を枢支連結すると
共に、同中間ロツド２０をクラツチハウジング９
の中途部の左突出面９−１に穿設した挿通孔２１
により挿入し、同中間ロツド２０先端を、同クラ
ツチハウジング９における同ハウジング９の側面
９′下方に枢軸したベルクランク２２と連結し、
同中間ロツド２０よりベルクランク２２を一体に
回動させるものである。

同ベルクランク２２は、中心部の支点ピン２３
をクラツチハウジング９側面９′下方にボス部２
３′を介して、枢支しており、同ベルクランク２
２の支点ピン２３基端部２３−１に支杆２５が連
結すると共に同ベルクランク２２の突出部に連動
アーム２６を平面視逆へ字状に連結しているもの
である。

しかも、クラツチハウジング９内においてベル
クランク２２の支杆２５は二枚の挟持杆２５−
１，２により中間ロツド２０の先端部を挟持状に
枢支連結しており、クラツチハウジング９外方へ
突出した支点ピン先端部２３−２及びそれに連設
された連動アーム２６は、先端部にロツド支持体
２６−１を介して前車輪５に延設されたドラツク
ロツド２４と連結し、ベルクランク２２は支杆２
５作動により支点ピン２３を回動させると共に、
クラツチハウジング９外側の連動アーム２６がド
ラツクロツド２４を押引作動せしめて、回動自在
とした前車輪５の左右回動操作を行うものであ
る。

２７はギヤボツクス取付体であり、同取付体２
７は断面視逆Ｕ字状に形成し、同取付体２７の左
右側部をクラツチハウジング９の上部側面３０，
３０′に連結しており、同取付体２７の上側面２
７−１にステアリングギヤボツクス１７が取付け
られ、クラツチハウジング９上方にて、支持され
ているものである。

なお、２８は、保護カバー体であり、同保護カ
バー体２８はステツプ部１３上部に位置したステ
アリング軸１５、ステアリングギヤボツクス１７
及び中間リンク機構１６の中間ロツド２０等を収
納するものである。

２９は、クラツチハウジング９の側面９′に連
設されたブラケツトであり、支点ピン２３のボス
部２３′を支持するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の動力作業車のステアリング
装置構造の要部断面図。第２図は、要部側面図。
第３図は、本考案実施例全体側面図。 ３：ハンドル、４：運転部、５：前車輪、９：
クラツチハウジング、１５：ステアリング軸、１
６：中間リンク機構、１７：ステアリングギヤボ
ツクス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 動力作業車の運転部４に回動自在に設けたハン
   ドル３及びステアリング軸１５をクラツチハウジ
   ング９上部に連設したステアリングギヤボツクス
   １７と連結し、しかも、同ギヤボツクス１７と前
   車輪５とを連動連結する中間リンク機構１６を同
   クラツチハウンジング９内に収納可能としてなる
   動力作業車のステアリング装置構造。